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Beyond the Basics -上級者への道-

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フォーカード

Gavin Verhey / Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing

2016年8月11日

原文はこちら

 デッキに入れるカードは、それぞれ何枚入れる必要があるのだろうか?

 デッキを構築するときには、デッキに入れるカードすべてについて、この問題に回答しなければならない。(統率者戦のような、1枚ずつしか入らないフォーマットはともかくね。)そしてこの問題は、時に頭を悩ます。4枚入れるカードと3枚入れるカードの差は何だろう? 何かを1枚や2枚だけ入れなければならない場合とは? これらは、対戦席について実際にそのデッキを使い始める前に、すべて解決しておかなければならない!

 さて、ありがたいことにマジックのデッキは、一度使ってみた後に枚数を微調整することが可能だ。組んだら一生そのまま変更できない、ということはない。しかし出発点をしっかりしておけば、デッキ構築の長い道のりを歩みやすくなるだろう。

 この先何か月か掛けて、各枚数ごとに記事を分け、詳しい解説をしていく予定だ。(《執拗なネズミ/Relentless Rats(M11)》ファンには悪いが、これらの記事では数字は1から4までなんだ。)そして今日は、最大上限についてやっていこう。4枚採用についてだ!

 4枚はデッキに入れられる上限だ――そして必然的に、ゲーム中最も引く可能性が高くなることを意味する。デッキの戦略上、最も重要かつ不可欠なカードとなる傾向が強い。

 4枚採用する理由にはどんなものがあるだろうか? では、4枚入れたいと考える最も基本的な5つの理由を紹介していこう。

1.早い段階で引き入れたいカード

 確実にゲームの最序盤に唱えたいと考えるカードは、絶対に4枚必要だ。そのカードを早い段階で引き入れる可能性を、できる限り高めなければならない。

 古典的な例で考えてみよう。例えば、1マナ域のマナ加速カードだ。

 《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》は終盤に引くと弱い。土地を引くよりましという程度だ。中盤に引いても、取り立ててどうということもない。では、なぜ4枚入れるのだろうか? 1ターン目に出せば強いからだ!

 多くの、数多くのゲームが、1ターン目に《エルフの神秘家/Elvish Mystic(M15)》を出せたかどうかで決まってきた。(あまりにも多かったがゆえに、今や軽量マナ加速クリーチャーは2マナ域がほとんどになってしまった。)それはプレイヤーにかなりの優位を与え、対戦相手よりも素早く脅威を展開することを可能とする。この序盤の威力は、後で引くと弱いというリスクと引き換えにする価値があるわけだ。

 しかし、これはマナ・クリーチャーに限った話ではない。ほかの数多くの1マナ域カードにとっても真実だ。例えば、1マナ域を必要とする攻撃的な黒赤吸血鬼デッキを構築するなら、私は間違いなくこのカードを4枚入れる。

 これもマナ・クリーチャーと同様、ゲームが継続するにつれて、2/1クリーチャーとしての威力がみるみる落ちていく。しかし攻撃的なデッキでは、ゲームの序盤に2/1クリーチャーを出すことができれば、簡単に6点以上のダメージをたたき出せる。それは、10ターン目にそのカードを引くリスクを負うだけの価値があるだろう。(付け加えるなら、きわめて攻撃的なデッキであれば、序盤に決着をつけることが前提のため、《ファルケンラスの過食者/Falkenrath Gorger(SOI)》を10ターン目に引くという問題がより起こりにくいと言える。)

2.いつ引いても役に立つカード

 カードの4枚投入を希望するより良い理由として、いつ引いても役に立つ、というものがある。もちろん、そのカードは状況によって差があるが、全く役に立たない場面は少ない。

 一例がこれだ。

 対戦相手がクリーチャーでこちらを攻撃する戦略なら、基本的に《流刑への道/Path to Exile(CON)》はいつ持っていても損のないカードになる。相手のマナを伸ばしてしまう点については、終盤で使うよりも、序盤で使うほうが問題になりやすい。しかし序盤に《流刑への道/Path to Exile(CON)》を引いたとしても、喜んでクリーチャーを除去するために使うだろう。《稲妻/Lightning Bolt(M11)》も同類だ。1マナで3点ダメージをクリーチャーか対戦相手に与えられる効果は、いつでも使い道がある。

 この分類を構成するもう一つの大きな要素が、カードを引くカードだ。

 デッキが《予言/Divination(M15)》を必要としている場合、一番可能性の高い採用枚数は4枚だろう。手札が多くて困ることなど通常のゲームではありえないし、3ターン目であっても20ターン目であっても《予言/Divination(M15)》は唱えたいカードだ。軽量ドローカードであれば、その傾向は高い。例えば、《定業/Preordain(M11)》を使いたいデッキが、4枚から減らすなんてありえるだろうか。

 同様の説明が、様々なクリーチャーにも当てはまる。今のスタンダードで人気のカードの1つもそうだ。

 2ターン目だと、《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》は警戒持ちの2/3だ。後半になれば、4/5になる上にクリーチャー化した土地も強化してくれる。ゲームの進行に応じてカードパワーが変化することに注目すべきだ――それは基本的に、4枚入れても大丈夫という極めて明快な指標だ。

 《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》は、4枚投入したいカードの別の分類にも当てはまっている。それは......

3.本質的に強力なカード

 素のカードパワーは重要な判断基準だ。多少重くて、時には手札で腐るかもしれないカードであっても、信じられないほどに強力であれば、それらを3枚抱えて数ターン身動きが取れなくなる、というような状況を補いうるだろう。そのカードは、ゲーム中のいつであっても「絶対に」引きたい。

 好例を取り上げてみよう。

 《スフィンクスの啓示/Sphinx's Revelation(RTR)》がスタンダードで使えたとき、それを利用するデッキのほとんどが4枚採用していた。ああ、これは序盤だと相当弱い。4マナになるまで何もしないし、4マナの時点ではカードを1枚引いてライフを1点回復するだけ、という大したことのないカードだ。

 しかしながら、ゲーム終盤におけるこのカードのパワー、手札を「補給しつつ」ライフを危険水域から脱するその手法こそ、まさしくプレイヤーが望むものだった。《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》などを含む大量ドロー呪文の多くが、この分類に当てはまる。

 あるいはこういうクリーチャーもそうだ。

 2ターン目に登場した《タルモゴイフ/Tarmogoyf(MM2)》は基本的にどうということもないが、すぐに大きくなる。《森の代言者/Sylvan Advocate(OGW)》のように、ゲームの後半になれば強大で、そして序盤に展開しても使えるクリーチャーだ。初手に《タルモゴイフ/Tarmogoyf(MM2)》が4枚あっても、キープが妥当な場合すらあるだろうね!

 ほかにはこういうクリーチャーもある。

 これは5マナだが、それでも「エスパー・ドラゴン」デッキでは通常4枚使われる、中心的存在だ。5ターン目の《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》は相当に強い。たとえ序盤に少々手札でだぶつくとしても、5ターン目に出せる準備ができているなら、それだけで優位と言っていいだろう。

 もう1つ見てみよう。

 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》は最初の数ターンでは特に活躍しないし、うまく使うためには呪文をいくつも使う必要がある。しかしデッキを適切に構築することができれば、中盤以降にカード・アドバンテージ(訳注:パーマネントや手札のカード枚数における優位)を大量獲得させてくれる、強力なカードになるだろう。

 さて、この分類のカードのうちいくつかは、リスクとリターンを天秤にかける必要がある――工夫もなくエムラクールをデッキに4枚詰め込もうとは思わないだろう。強力ではあるが、手札で使えないままになるリスクは常に意識しなければならない。しかし適切に唱えることが可能なら、カードパワーの高さはそのカードを4枚採用する素晴らしい理由となる。

4.コンボに必要なカード

 コンボ・デッキでは、基本的に特定のコンボパーツが「絶対に必要」になる。それを引かないと勝てないので、どの対戦でもそのパーツを見つけ出さなければならない。

 2枚コンボが良い例だ。それぞれを引く可能性を高めるために、どちらも4枚ずつ採用するだろう。それぞれのパーツを探し出す方法を持っていない場合は、特にそうなる。例えば、《欠片の双子/Splinter Twin(MM2)》コンボなんかがそうだ。

 《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》がまだ使えた時期のモダンでは、両方を引き入れる可能性を最大限に高めるため、コンボに必要なカードを両方4枚ずつデッキに投入していた(そこに《やっかい児/Pestermite(LRW)》まで加えていた!)。《欠片の双子/Splinter Twin(ROE)》は勝ちに行くターンまで何の役にも立たないし、複数枚引いても無駄カードになるにもかかわらず、そうするだけの価値があった。《詐欺師の総督/Deceiver Exarch(NPH)》に《欠片の双子/Splinter Twin(MM2)》をつければ、即勝てるからだ。

5.複数引くとさらに役立つカード

 特定のカードを何枚も引きたい場合は、間違いなくそれを4枚入れたいはずだ! 一部のカードにはそうしろとはっきり書かれている。例として《棚卸し/Take Inventory(EMN)》を見てみよう。

 これをデッキに入れるのに、3枚以下しか採用しないなんてありえない。より良い効果を発揮させるために、できる限り多く引きたいはずだ。

 もちろん、4枚採用させるためには、わざわざそのような効果を明示しなければならない、というわけでもない。ほとんどの火力呪文も、この分類に当てはまる特徴を持っている。

 対戦相手に大量のダメージを与えていくバーン・デッキを使っているとしよう。さて、《焼夷流/Incendiary Flow(EMN)》1枚だとダメージは3点だ。2枚で6点。4枚引けば12点だ! このようなダメージ効果を含むカードは、まとめて大量にデッキに入れれば、すべてが同じ目的に向かって邁進してくれる。

 これは、多くのクリーチャーにおいて本質的に当てはまる要素だ。1体の強いクリーチャーは、1体が2体になったとき、2倍強いというだけでなく、「2倍以上」に強力な成果が得られる! いくつかのクリーチャーについては、もっとはっきり当てはまる。事例として部族のロード(訳注:特定の部族全体を強化するクリーチャーの通称)を取り上げてみよう。

 エルフ・デッキで味方のエルフ全体をパンプアップ(訳注:クリーチャーのパワーやタフネスを上昇させる効果)するのは素晴らしい。2体でダブル・パンプアップするのはぶっ壊れだ! それぞれが自分以外のエルフを強化することで、味方のエルフを巨大化させるだけでなく、ロード同士も強化される。

ファンタスティック・フォー

 願わくば、これがデッキに同じカードを4枚入れたい場合の良き規範とならんことを。そして、いつものことだが、4枚採用する理由にも例外はある。とはいえ、枚数判断に取り掛かるための良い基準となってくれるはずさ。良い出発点を持てるようにすること、それから、使ってみて枚数に関する問題にぶつかるようなら、それを情報として受け取れるようにすることが重要なんだ。

 考えや疑問があるなら、なんでも教えてほしい! 細かいことは気にしなくていいので、気後れせずにTwitterTumblrでいつでも話しかけてくれ。BeyondBasicsMagic@gmail.comに英語でメールしてくれてもいいよ。

 デッキに4枚入れるべきか否かについて、何か具体的な質問はあるかな? 伝えてくれれば、今後の記事のための重要な議論点になるかもしれないぞ!

 また来週会おう!

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight / beyondbasicsmagic@gmail.com

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