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『ニクスへの旅』 プレリリース入門

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『ニクスへの旅』 プレリリース入門

Mike McArtor

2014年4月21日


 エルズペス・ティレルは遍歴の騎士または太陽の勇者と呼ばれる完全無欠の素晴らしいプレインズウォーカーで、テーロスの人間たちを率い、モーギスが蹂躙するミノタウルスの大群に対して劇的な勝利を収めます。その見返りは

 放逐、そして追放でした。

 しかしエルズペスは英雄であり、偉大なる人物であることに変わりはありません。よって太陽の神ヘリオッドからの呼びかけにも彼女は応じるのです......

 高らかな声で。

 英雄たちに召集がかかりました。エルズペスとともにニクスの世界へと旅立ちますか? 神を殺すため、今週末の「神殺しを鍛えよ」に参加しますか?


 

プレリリース体験


〈神討ち〉 アート:Jason Chan

 プレリリースは、プレイヤーにとって新セットのカードでプレイする最初の機会となります(今回の場合は『ニクスへの旅』がそうです!)。このセクションでは、参加する際の基本事項についてひと通り確認できます(すでにプレリリースに参加したことのある方は、後述の「英雄の道」のセクションから読んでいただいて結構です)。プレリリースでは、和気あいあいとしたストレスの少ない環境で、あらゆるレベルのプレイヤーたちが一堂に会します。では実際に何が行われるのか、順を追ってご説明します。

 まず、店舗を探しましょう。ご近所にあると良いですね! 次に、店舗に連絡して事前登録を行っているかどうかを確認します。行っている場合、事前登録します。プレリリース・イベントはここしばらく世界中で満員になっていますので、事前登録が可能なら利用しない手はありません!

 プレリリース当日には、以下の必需品を忘れずに持っていきましょう。

  • カード。プレリリースでは多くの人がプレイするためのデッキやトレード用のカードを持ち寄ります。自分のカードも持参することをお忘れなく! (編訳注:店舗によってはトレードが認められていないことがあります。)
  • スリーブ。汚れたテーブルやこぼした飲み物でカードが台無しにならないように!
  • 筆記用具の類。ダイス、トークン、紙、鉛筆などです。カウンター、クリーチャー、ライフ総量を数える何かを用意しましょう。確かにこれらのものはショップにたくさん置いてありますが、用意しておくに越したことはありません。

 当たり前のことのように思われるかもしれませんが、いつも人から物を借りてばかりいるような人になるのは避けたいものです。

イベント用デッキ

 プレリリースでのメイン・イベントは、シールドデッキの一種であるイベント用デッキを用いたトーナメントです。これまでの『テーロス』や『神々の軍勢』のプレリリースと同様に、『ニクスへの旅』のプレリリースでもイベント用ブースターパックが登場します。これに関しては後ほど説明します。まずここで覚えておきたい重要なポイントは、プレリリース・パックに入っているイベント用パックによって、好みの色でプレイしやすくなるという点です。ただし、保証するわけではありません。

 イベント用デッキはシールドデッキに基づいています。これはマジックの一種で、特定のプレリリース中に開封したカードでデッキを作成するものです(ドラフトとともに「リミテッド」と呼ばれます)。『ニクスへの旅』プレリリースにおいては、イベント用パック1個とブースターパック5個(『ニクスへの旅』2個と『神々の軍勢』1個と『テーロス』2個)を用います。それらのパックをすべて開け、出てきたカードを使ってデッキを作成します。イベント用デッキ作成のための基本的な指針やアドバイスは以下のとおりです。

  • 40枚以上のカード。40枚を超えても構いませんが、40枚を下回ってはいけません。(ちょうど40枚のデッキは安定していますが、土地をもう1枚足して41枚にしたほうがマナの割合が良くなるとの指摘もあります。どちらを選ぶかはあなた次第です!)
  • 呪文23枚と土地17枚。これら23枚の呪文のうち、16枚か17枚をクリーチャーにすると除去や補助の呪文とのバランスが良いでしょう。
  • 2色。何があろうと2色です!マジックにおいて「何があろうと」ということは無いですね。1つの色にプレイ可能なカードが十分そろっているなら単色にしても良いですが、マジックの各色には複数の弱点があるため、2色目を足すことでデッキの弱点を補強できます。しかし3、4、5色目を足すとなるとマナの管理が困難になり、結果としてデッキが不安定になります。一方で、もし「神殿」が十分にそろっているなら、やってみる価値はあります! 場合によっては、5色グッドスタッフでプレイするのが正しい(少なくとも楽しい)戦略となることもあります。
双頭巨人戦

 一部の店舗ではイベント用デッキを使って双頭巨人戦と呼ばれるイベントを行っており、2人1組のチーム同士が対戦します。各組が2個のプレリリース・パック(同じものでなくても構いません!)を受け取り、その中のカードで、プレイヤーたちはデッキを構築します。店舗で双頭巨人戦を扱っている場合、イベント主催者がより詳しく説明してくれるでしょう。

オープンデュエル

 オープンデュエルに参加して、『ニクスへの旅』のカードをもっとたくさんプレイしましょう。この併催イベントでは、エントリーセットを受け取り、それを使って次のラウンドを待つメイン・イベント参加者や他のオープンデュエル参加者を相手に戦います。初めての参加者にとってはマジックについて理解を深める絶好の機会となり、経験者にとっても初心者プレイヤーに手ほどきをしたり、上手くなるように手助けしたりするのに良い機会です。ほかには?お楽しみがいっぱいです。


 

「英雄の道」


〈神送り〉 アート:Daniel Ljunggren

(余談ですが、プレリリース入門を執筆するうえで一番悩ましいのが、新セットの素晴らしいイラストに目を奪われないようにしなければいけない点です。閑話休題)

 今回もまた企画担当のデイブ・ガスキン/Dave Guskinとそのチームにより、実にクールなプレイ体験が考案されました。まず、その名称からして突き抜けています。

「神殺しを鍛えよ」

 『ニクスへの旅』プレリリースでは「英雄の道」の7つ目のクエストとなる「神殺しを鍛えよ」が登場します。これは少々複雑ですので、順を追って説明していきたいと思います。

 まず、どのようにその武器を鍛えたいかを選ぶ必要があります。5つの選択肢が用意され、これはマジックの5つの色と一致します(偶然ではありません)。こちらに、その概要を参照できる便利なチャートがあります。

鍛え方英雄カードプロモカード
栄光での錬磨〈将軍の槍〉〈黎明運びの戦車兵〉
知性での錬磨〈哲人の外套〉〈船団の災い魔〉
圧政での錬磨〈暴君の鞭〉〈破滅喚起の巨人〉
戦乱での錬磨〈戦争屋の斧〉〈トラクシーズの落とし子〉
探求での錬磨〈狩人の弓〉〈英雄に破滅を〉

 武器の鍛え方を選択すると、以下のようなプレリリース・パックを受け取ります。

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 プレリリース・パックの中身は次の通りです。

  • 『ニクスへの旅』ブースターパック 2個
  • 『神々の軍勢』ブースターパック 1個
  • 『テーロス』ブースターパック 2個
  • イベント用ブースターパック 1個
  • プロモカード 1枚
  • 「神殺しを鍛えよ」目標カード 1枚
  • スピンダウン・ライフカウンター 1個
  • カバーレター 1枚
  • 英雄カード 1枚

 プレリリース・パックの中身は素晴らしいものばかりですが、今回はこの英雄カードに注目してみましょう。と言いますのも、これが「神殺しを鍛えよ」のイベントで中心的な役割を果たすからです。もっとも、プレリリースでは英雄カードをプレイできません。これが実際に使われるのは2014年5月24日、25日に行われる『ニクスへの旅』ゲームデー・イベントとなります。

 〈暴君の鞭〉を例に説明しましょう(なぜなら、黒が私の 一番 好きな色なのです)。

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 他の英雄カードを見たことがあれば、このカードには少し異なる点があると気付くはずです。まず、これは装備品です(これについてはデイブ・ガスキン/Dave Guskinが「英雄の道」よくある質問集の中で言及しています)。次に、なかなか優れた能力を持っていますが、そのタイプと、優れた能力について書かれるべき欄の最初の行との間に不自然な空白があります。その理由がこちらになります。

 プレリリース・パックの中には、部材ステッカー用の3つの空白がある「神殺しを鍛えよ」目標カードも入っています。部材ステッカーとはつまり......シールなのですが、各マッチ後にそれを受け取ります(まず最初にマッチの勝利者が3つあるシールの中から1つを選び、次に敗者が残りの2つから1つを選びます)。

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 3つの部材ステッカーを、ある方法で組み合わせることで7種類の異なる強化内容のうちの1つを作成し、その目標カードをイベント主催者に提出すると、対応する強化ステッカーを手にすることができます。そして、そのステッカーを英雄カードにある空白部分に貼ると、新たに恒久的な能力が得られるのです。

 おめでとう! これで神を殺すための武器が手に入りました!

 以上、英雄カードと「神殺しを鍛えよ」の目標カードについて説明しました。ブースターパックについては説明するまでもないでしょう。カバーレターとスピンダウン・ライフカウンターはともにプレリリース・パックの色に対応しています。プロモカードとイベント用ブースターパックについても同様です。最後のアイテムについてはまた後ほど説明します。それでは自分が何を選ぶべきか少しでも感じがつかめるように、選択内容にはどのようなものがあるのかお目にかけましょう。

 武器が栄光での錬磨(白)で鍛えられた場合、獲得するのは:

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 武器が知性での錬磨(青)で鍛えられた場合、獲得するのは:

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 武器が圧政での錬磨(黒)で鍛えられた場合、獲得するのは:

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 武器が戦乱での錬磨(赤)で鍛えられた場合、獲得するのは:

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 武器が探求での錬磨(緑)で鍛えられた場合、獲得するのは:

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 プロモカードはプレリリースでデッキに加えてプレイすることができます。これによりプレリリース・パックで選んだ色でプレイしやすくなるはずです。その色がプレイしやすくなるという点では、イベント用パックにも、その選んだ色に比重が置かれた『ニクスへの旅』のカードが入っています。たとえば、圧政での錬磨(黒)を選んだ場合、中身がほぼ(全部ではありません)黒のカードのイベント用パックを受け取ります。それらはすべて『ニクスへの旅』のカードであり、そのうちの1枚はレアカードになります。それだけでは終わりません! 実はそのレアカードが、選んだ色に対応する神話レアの神カードという可能性もあります(他の神話レアは入っていません)。

 最後に、プレリリース・パックについてもう1点お伝えしておきます。『ニクスへの旅』において、『神々の軍勢』や『テーロス』(のいずれかのプレリリースに参加していた場合)で選んだ道、または天運に対応する色のプレリリース・パックを選ぶ必要は全くありません。


 

『ニクスへの旅』のメカニズム


〈英雄たちの結束〉 アート:Eric Deschamps

 今回も、未知な領域を案内する親切な編集者、ケリー・ディゲス/Kelly Diggesにより提供された『ニクスへの旅』のメカニズムの概要をお伝えします。詳細を知りたい方がいらっしゃるかもしれないので、セクションごとに『ニクスへの旅』メカニズムの記事へのリンクも張っておきます。

星座

 星座の能力を持つエンチャントはテーロスの夜空にまたたく星座を象徴しています。エンチャントの持つ星座の誘発型能力が、それ自体または別のエンチャントがあなたのコントロール下で戦場に出るたびに発動します。詳細については『ニクスへの旅』メカニズムの記事にて「星座」のセクションをご覧ください。

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奮励

 奮励の能力を持つ呪文を唱える場合、その対象の数は制限されず、追加する対象ごとにそのコストを支払います。詳細については、『ニクスへの旅』メカニズムの記事にて「奮励」のセクションをご覧ください。

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授与

 授与の能力を持つクリーチャーは、他のクリーチャー1体をエンチャントしてそのパワー、タフネスおよび能力を与えるオーラとして唱えることもできます。詳細については、『ニクスへの旅』メカニズムの記事にて「授与」のセクションをご覧ください。

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英雄的

 英雄的能力を持つクリーチャーを対象に呪文を唱えるたびに、強力な効果がもたらされます。詳細については、『ニクスへの旅』メカニズムの記事にて「英雄的」のセクションをご覧ください。

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占術

 占術はキーワード処理の一種で、常にある数字が定められています。占術を利用するには、ライブラリーの一番上からその数字の枚数だけカードを見て、そのうち望む枚数をライブラリーの下に、残りを望む順番で上に置きます。詳細については、『ニクスへの旅』メカニズムの記事にて「占術」のセクションをご覧ください。

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怪物化

 怪物化の能力を持つクリーチャーは、一度コストを支払うことで、さらなるパワーとタフネスを与えることができます。場合によっては能力や効果がさらに追加されることもあります。詳細については、『ニクスへの旅』メカニズムの記事にて「怪物化」のセクションをご覧ください。

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 『神々の軍勢』における神はすべて2色で、あなたのその2色への信心が十分に高い場合にクリーチャーとして顕現します。あなたの2色への信心は、あなたがコントロールするパーマネントのマナ・コスト内に含まれるそれらの色のマナ・シンボルの総数です。詳細については、『ニクスへの旅』メカニズムの記事にて「神」のセクションをご覧ください。

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旅を始めよう!

 今回お届けしたプレリリース入門が『ニクスへの旅』プレリリースへの備えとしてお役に立てれば幸いです。可能なら最寄の店舗で事前登録を行うことをお忘れなく!

 さて、このプレリリース入門を最後まで読んでさらに詳しく知りたいと思われた方は、シールドデッキの組み立て方やマジックのリミテッドのプレイ方法について参考となる多数のアドバイスをぜひご参照ください。DailyMTGの過去記事から、リミテッドについて私のお気に入りのアドバイスをいくつか紹介します(英語記事):

 幸運を祈ります!楽しい時間をお過ごしください。


(編訳:シールドデッキの組み方については、以下の日本語記事もご参照ください。)

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