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行弘賢のよくわかる!リミテッド講座
第59回:『ダスクモーン:戦慄の館』ドラフト攻略
皆さんこんにちは!行弘(@death_snow)です!
今週末はプレイヤーズコンベンション静岡2024が開催されますね!予選を勝ち抜いて地域予選ファイナルに参加される方も、他のイベントに参加される方も様々だとは思いますが、たくさんのフォーマットで『ダスクモーン:戦慄の館』のカードが活躍するのか今から楽しみです。
さて、そんな『ダスクモーン:戦慄の館』。ドラフトの方もMTGアリーナでいつも通り遊んできましたので、今回も、そこで得た経験を皆さんに共有する記事をお送りしていきます。
それではまずは環境のポイントから見ていきましょう!
1.『ダスクモーン:戦慄の館』ドラフト環境のポイント
『ダスクモーン:戦慄の館』ドラフトでは、『ダスクモーン:戦慄の館』プレイ・ブースターを3パックを使用します。ブースタードラフトの遊び方はこちらから。
環境のポイント1:部屋が強力
今回のセットの目玉ともいえる新たなサブタイプである部屋は使い勝手が良く、様々なカードとシナジーする強力なエンチャントです。
ドアが2つあるため2つのカードが1枚に採用されているようなものなので、後半土地を引き続けた際にそれを有効活用しやすくなっています。その為、序盤~中盤にかけて相手と展開に差がついてしまうと、部屋によるアクションが保証されていることもあり、そのまま押し切られてしまうケースがいつもより多くなってしまいます。デッキを組む際は序盤を意識しつつ部屋を有効活用していくようにしましょう。
環境のポイント2:色よりもシナジーを意識する
今回はいつも通り色の組合せでアーキタイプを設定されているものの、3色に渡ってアーキタイプに関連するカードがあったりと、自由度が高い環境です。
例えば昂揚ですと黒・赤・緑に割り振られており、それぞれの組合せでアーキタイプを達成できるようになっています。そのため、昂揚をマックスで活かしたい場合は3色で組む事も必要になってきます。
今回はコモンに《広漠なる変幻地》や2色土地が存在する為マナベースの自由度も高いです。2色で綺麗にまとめる事も安定化につながるので重要な事ですが、思い切って多色化するのもデッキの完成度を上げる事に繋がりやすい環境です。
環境のポイント3:戦慄予示に注意
戦慄予示は2枚から選んで戦場に出す為、表になるケースが前回の予示よりも多く、2/2だと油断しているとサイズアップしてしまいクリーチャーを打ち取られてしまう事があります。相手がこちらと同サイズに向かって攻撃してくる際や、マナが立ってる時に不用意に攻撃すると痛い目に合う事があるので注意しましょう。
また、今回は戦慄予示をクリーチャー枠として採用する都合上、デッキを組む際にクリーチャーが少なくなりがちです。特に緑青のような戦慄予示をアーキタイプの中心に組む際は戦慄予示だけでなく、表にした際に活躍できるクリーチャーをしっかり採用するようにしましょう。
以上の3つのポイントを意識する事でデッキを作りやすくなると思うので、まずはこれらを意識してピックするようにしてみましょう。
それでは続きまして、今回の新規収録メカニズムをおさらいしていきましょう。
2.収録メカニズムについて
部屋
部屋(どちらの半分でも唱えることができる。そのドアは戦場で開放される。閉鎖されているドアのマナ・コストを支払って、それを開放してもよい。これはソーサリーとして行う。)
部屋とは、2つあるドアの内一つを選択してマナ・コストを支払ってプレイし、戦場にある時はまだ解放されていない方の部屋をそれのマナ・コストを支払って解放する事で能力を使用できる、新たな形のエンチャントです。
まとめると2つある能力のうち1つを選択しプレイし、その後戦場にある状態なら後からもう1つ選択してプレイできる、分割カードのエンチャント版だと思っていただけたらいいと思います。エンチャントですので効果を発揮し続ける能力に関しては二つ解放していたとしても残り続けます。
戦慄予示
戦慄予示する。(あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を見る。それらのうち1枚を2/2のクリーチャーとして裏向きで戦場に出し、残りをあなたの墓地に置く。それがクリーチャー・カードなら、そのマナ・コストで、いつでも表向きにしてよい。)
戦慄予示とは、ライブラリーの上から2枚見てそのうちの一つを戦場に戦慄予示として場に出し、残りは墓地に送るキーワード能力です。
戦慄予示したカードがクリーチャーだった場合はそれのマナ・コストを支払う事で表返す事ができます。これは自分に優先権がある場合はいつでも表返す事ができますが、特にスタックが発生したりするものではありません。
墓地に能動的にカードを落とす事ができる能力でもあるため、昂揚などの墓地を利用するものとも相性が良いです。
生存
生存 — あなたの第2メイン・フェイズの開始時に、~がタップ状態であるなら、~。
生存とは、自分の第2メイン・フェイズに生存を持つクリーチャーがタップ状態かつ戦場にいる場合に効果を発揮するキーワード能力です。
クリーチャーを能動的にタップさせるには基本的に攻撃に参加する必要があるため、生存を達成させるには相手のクリーチャーを除去したり、強化呪文でクリーチャーを強化させて戦闘で一方的に勝ったりする必要があります。
また、生存と相性が良いクリーチャーをタップさせるカードもいくつか存在するため、それらを上手く組み合わせて使ってみましょう。
違和感
違和感 — あなたがコントロールしているエンチャント1つが戦場に出るたび、および、あなたが部屋1つを完全に開放するたび、~。
違和感とは、エンチャントが戦場に出るか、部屋が解放される度に効果を発揮するキーワード能力です。
部屋はエンチャントかつ部屋・タイプを持つため挙動の理解が難しいですが、部屋に関しては戦場に出た際は一度しか違和感の効果が発揮しないと覚えて下さい。その後もう一つのドアを解放した(部屋1つを完全に開放した)際は再度違和感の効果を発揮させることができるため、違和感と部屋は非常に相性が良いです。
兆候
兆候N ― [コスト](兆候コストでこの呪文を唱えたなら、これは時間カウンターN個が置かれた状態で戦場に出て、最後の時間カウンターが取り除かれるまで、これはクリーチャーではない。あなたの終了ステップの開始時に、これの上から時間カウンター1個を取り除く。)
兆候とは、兆候に指定されたコストを支払う事でクリーチャーではないエンチャントとして戦場に出る事ができるキーワード能力です。
兆候コストを支払って場に出た際は兆候によって示された数だけそのカードに時間カウンターを置き、自分の終了ステップに一つ取り除かれていきます。時間カウンターが無くなった後は普通にクリーチャーとして運用する事ができます。
通常通りプレイする際はマナ・コストが重いカードに兆候が付いている為、盤面に応じて普通にプレイするか兆候して効果だけ先に発揮させるか選択するようにしましょう。
さて、続きまして各色のトップコモン・アンコモンを見ていきましょう!
3.『ダスクモーン:戦慄の館』のトップコモン&アンコモン
白・アンコモン
《呑気な物漁り》:違和感により+1/+1カウンターをばら撒く事ができる、1マナとは思えない非常に強力なシステムクリーチャーです。
《手術室 // 病室》:2マナでクリーチャーを墓地から戻すドア、4マナでカウンターを置くドア、どちらも強力なため使い勝手の良い強力な部屋カードです。
《幽霊による庇護》:パーマネントを対象にでき、追放なので除去としての性能は申し分なく、絆魂によりダメージレースにおいてゲームを大きく決定づける性能があるため、ゲームの勝敗を決めうる強力なオーラです。
白・コモン
《画面の中への幽閉》:幅広い除去範囲と護法により除去耐性もある、違和感ともシナジーのある環境屈指の強力な除去です。
《大玄関 // 優雅なる円形広間》:光霊がエンチャント・クリーチャーなので1枚で違和感を合計3回も誘発させることができて違和感持ちとの相性が最高に良い上に、どちらのドアも使いやすい優秀な部屋です。
《眠りからの襲撃》:受けとしての性能が高く、通常プレイでもインスタントなので使い勝手の良い強力な除去です。
青・アンコモン
《底なしプール // 更衣室》:バウンスしつつ攻撃が通るたびドローと、どちらの部屋も噛み合っている強力な部屋カードです。
※こちらのカードにはテキスト修正がございます。詳細はこちら。
《孤立への恐怖》:唱えた時のパーマネント回収コストにより、様々なカードを使いまわせ、単体としても軽く優秀な飛行クリーチャーなため、様々なアーキタイプで重宝する環境屈指のアンコモンです。
《静かに、隠れて》:生存クリーチャーには使いにくいものの、軽く除去でき、違和感と相性が良く、最終的には戦慄予示によりアドバンテージにもつながる、強力な除去エンチャントです。
青・コモン
《食肉用冷凍室 // 冠水した食堂》:麻痺カウンターによる疑似除去と、ドローによりゲームメイクしやすくなる部屋カードです。
《声も出せない》:1マナでほぼ完全除去になり、違和感も達成できるお得すぎるオーラ呪文です。
《水中トンネル // 泥濘んだ水族館》:諜報と戦慄予示により昂揚が達成しやすくなり、どちらも軽く使えるため、違和感とも相性が良い部屋カードです。
黒・アンコモン
《不快な切断魔》:エディクト(生け贄要求)の能力が強力かつ、自身も6/5飛行とフィニッシャーの性能を持っている、リアニメイトのアーキタイプにおいて必須級のクリーチャーです。
《逃げ場なし》:護法や呪禁を貫通して除去できる貴重な除去かつ、エンチャントなので使いまわしたり生贄にしたりとシナジーもある優秀な除去です。
《生きるか死ぬか》:除去とリアニメイトどちらも両立でき、インスタントなので突然強力なクリーチャーを戦場に出す事もできる、リアニメイトにおいて使い勝手の良いインスタント呪文です。
黒・コモン
《殺害》:ダブル・シンボルながら3マナのインスタント確定除去は非常に強力です。
《無害なネズミ》:序盤を安定させつつ戦慄予示で昂揚も狙える、序盤を支えるクリーチャーです。
《最後の復讐》:生け贄コストが重いものの追放なので後腐れなく除去でき、生贄シナジーも見込める優秀な除去です。
赤・アンコモン
《裏切り者の駆け引き》:4マナでプレイしてもインスタントの5点除去なので悪く無く、2マナでも使用可能な優秀な除去です。
《画家の仕事場 // 汚された画廊》:アドバンテージと盤面強化、どちらも兼ねている使い勝手の良い部屋カードです。
《焼殺への恐怖》:昂揚していると対戦相手とクリーチャーどちらにも4点飛ばせる、昂揚軸でもリアニメイト軸でも活躍できる除去内蔵クリーチャーです。
赤・コモン
《ガラス工場 // 粉々の作業場》:4点除去が使いやすく、ゲーム終盤は毎ターン1点ダメージを与える、アグロにおいてどちらも強力な部屋カードです。
《焦熱の竜火》:2マナ3点インスタントかつ追放が嬉しい、使い勝手の良い除去です。
《ほつれた遊び友達》:自身がアーティファクトなので昂揚カウントもしやすく、能力により継戦能力も高い優秀なクリーチャーです。
緑・アンコモン
《ひと皮剥けば》:戦慄予示しつつパーマネント回収できるのでアドバンテージがほぼ確定する、強力な戦慄予示カードです。
《果敢な生存者》:早いターンからバリューがでやすい生存かつ、戦慄予示のシナジーも見込める強力なクリーチャーです。
《草むした盲信者》:好きな色マナが出るマナ・クリーチャーなため多色化にも貢献でき、戦慄予示のアーキタイプだとより活躍できるクリーチャーです。
緑・コモン
《怪物的出現》:格闘と違い自分のクリーチャーを対象としてないため除去を構えられていても使え、手札からもコストにできるので緑には珍しい使い勝手の良い除去です。
《謎めいた捜査員》:戦慄予示と表返すたびどんどん成長しつつ、警戒なため攻守において活躍できる優秀なクリーチャーです。
《脊柱狙いのムカデ》:アドバンテージを稼ぎつつ、昂揚すると3マナとは思えない性能のクリーチャーになる、あらゆるアーキタイプで活躍できる優秀なクリーチャーです。
続きまして、『ダスクモーン:戦慄の館』の注目アーキタイプを紹介していきます。
4.『ダスクモーン:戦慄の館』ドラフトの注目のアーキタイプ
注目のアーキタイプ・その1:白青違和感
「白青違和感」は、《呑気な物漁り》や《グレムリンを手懐ける者》などの違和感を持つカードを、部屋などのエンチャントカードでバックアップして戦うアーキタイプです。
違和感を基本2回誘発させることができる部屋カードと相性が良く、特に《大玄関 // 優雅なる円形広間》は3回誘発させる事が出来るため上記に挙げた違和感のカードと組み合わせると2枚の組合せだけで圧倒的な盤面を作り上げる事ができます。
そもそも部屋に強力なカードが多いため、強いカードを取りながら自然に目指せる一押しのアーキタイプです。
注目のアーキタイプ・その2:白黒リアニメイト
「白黒リアニメイト」は、《帷大足》などの強力なクリーチャーを《繭からの出現》などのリアニメイトカードで墓地から釣り上げて戦うアーキタイプです。
リアニメイト先がいないとリアニメイトが機能しない為、まずは《帷大足》のような強力なカードからピックしつつ、後からリアニメイトカードを取るようにしましょう。
マナ・コストが重いカードが手札に溜まりがちになるアーキタイプなので、《取り憑かれた山羊》や《惨劇の刻の狂信者》等の手札を捨てるカードも合わせてピックするようにしましょう。戦慄予示により直接ライブラリーから墓地に送るのも有効な手段です。
注目のアーキタイプ・その3:赤白パワー2
「赤白パワー2」は、《見捨てられた人形、アラベラ》等のパワー2以下を参照にするカードとパワー2以下のクリーチャーを組み合わせて戦うアーキタイプです。
1枚で複数のパワー2を展開できる《真夜中の騒乱》や《薄気味悪い双子》はパワー2以下を参照にするカードと非常に相性が良いです。
序盤ある程度押していたら《ほつれた遊び友達》で残りを削りきるプランもあるため序盤からしっかりライフを削る構成を目指すようにしましょう。
注目のアーキタイプ・その4:緑白生存
「緑白生存」は、《果敢な生存者》や《巧みな語り部》などの生存クリーチャーを《野球のバット》やコンバットトリックでバックアップして戦うアーキタイプです。
生存はアーキタイプとしてはシンプルで、生存クリーチャーをいかに戦闘で生き残らせるかが重要になります。また、能力でクリーチャーをタップさせるカードも環境にいくつか存在はしますが、それらを組み合わせようとすると攻める展開と噛み合わない事もあるため、タップさせるカードとのシナジーは意識しすぎなくても大丈夫です。
注目のアーキタイプ・その5:緑青戦慄予示
「緑青戦慄予示」は、戦慄予示を行うカードと、《不注意な読書家》や《超常現象分析家》などの戦慄予示と相性が良いカードを組み合わせて戦うアーキタイプです。
表にできない場合はただの2/2クリーチャーになってしまうため、戦慄予示を多く採用する場合は表にした際に強力なクリーチャーも合わせて採用するようにしましょう。
注目のアーキタイプ・その6:赤緑昂揚
「赤緑昂揚」は、《野火の木人》や《木人の打破者》などの昂揚カードを、戦慄予示などの墓地を能動的に増やすカードで達成を目指して戦うアーキタイプです。
昂揚を組む際に気を付けるのはなるべくカード・タイプを散らす事です。そのため1枚で二つのカード・タイプを持つアーティファクト・クリーチャーやエンチャント・クリーチャーはある程度デッキに採用したいです。
5.最後に
これで今回の記事は終わりです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が少しでも、皆さんが新環境のドラフトを楽しむ助けになれば幸いです。
今回は早く攻めるデッキもあれば部屋でアドバンテージを取りつつ戦うデッキも活躍できる自由度が高い環境なため、ぜひ皆さんもたくさん遊んで自分なりの勝ち方を見つけてみてください。
それでは皆さん、また次回の連載記事でお会いしましょう!
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