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行弘賢のよくわかる!リミテッド講座
第44回:『ストリクスヘイヴン:魔法学院』ドラフト攻略
皆さんこんにちは! ポカポカと暖かい日が続き、春の到来を感じさせる季節になりましたね。春といえば学校は入学シーズン。マジックも『ストリクスヘイヴン:魔法学院』が発売されましたが、皆さんはもうお気に入りの大学を見つけましたか? 僕は昔から白黒が好きなので、今回はシルバークイルに入学しようと思っています!
さて、今回も事前にMTGアリーナで『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のブースタードラフトを行ってきましたので、そこで得た経験を皆さんに共有する記事をお送りしていきます。
トピック
- 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』ドラフト環境のポイント
- 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』収録メカニズムについて
- 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のトップコモン&アンコモン
- 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の注目アーキタイプ
- 最後に
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』ドラフト環境のポイント
それではまずは環境のポイントから見ていきましょう! 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』ドラフトには、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』ドラフト・ブースター3パックを使用します。
環境のポイント1:履修と講義が要
履修も講義もどちらのカードも単体では少し物足りない性能ですが、1枚で実質2枚分の働きをするだけでなく、局面によって最適な講義・カードを探すことで安定したゲームメイクができます。
有用な履修持ちカードと講義・カードをバランスよくピックしデッキに組み込むことが、この環境でまず目指すべきポイントになります。講義・カードは基本的には単体で使用するにはカードパワーが足りないものが多いので、できるだけメインには採用しないようにしたいですね。
環境のポイント2:多色環境を意識する
今回は対抗色の5つがフィーチャーされたセットなので、基本的には赤白・青赤・緑青・白黒・黒緑の組み合わせのいずれかから選択してカードをピックしていくことになるのですが、カードの強弱や流行などから8人中3人ほどに色被りが起こることも十分有り得るので、時には2色にこだわらずに柔軟にカードをピックしていく必要があります。
2色+他の色をピックする際はマナ基盤を整えておかないといつもよりカードがプレイしにくくなるため、2色土地や《アーチ道の公共地》をある程度優先的にピックする必要があります。
また、今回は講義・カードである《環境科学》がマナサポートカードとして非常に優れているため、いつも以上にカードのタッチが容易です。デッキのパワーが足りないと判断した時は、大胆に他の色の強力なカードをピックしてデッキに組み込むことを意識したいですね。
環境のポイント3:長いゲームを見据える
今回は履修と講義でリソースの息切れがしにくく、ライフを回復するカードも強力なものが多いため、ゲームが他の環境よりも長引きやすい傾向にあるように感じます。
そのため、どのようなデッキであれゲームが長引くことは意識して、ゲームが長引いた際に強いカードを採用する必要があります。
例えば今回の2色土地5種には起動型能力としての占術が付いているので、ゲームが長引いた際は1枚戦場にあるかないかが大きく結果に影響を与えます。時には1色しか合っていない2色土地を占術目的で採用する必要もあるでしょう。
繰り返し起動型能力が使えるシステムクリーチャーなども当然強いですし、膠着状態の盤面を打開できる飛行などの回避能力持ちクリーチャーは長期戦でも有用です。今回はいかにデッキにギミックや攻め筋をたくさん詰め込めるかが重要な環境ですので、いつも以上に工夫して長期戦を制することを目指しましょう。
以上の3つのポイントを意識することでデッキを作りやすくなると思うので、まずはこれらを意識してピックするようにしてみましょう。
それでは続きまして、今回の新規収録メカニズムをおさらいしていきます。
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』収録メカニズムについて
履修
履修を行う。(あなたは、ゲームの外部からあなたがオーナーである講義・カード1枚を公開しあなたの手札に加えるか、カード1枚を捨てカード1枚を引くか、どちらかを行ってもよい。)
履修とは、ゲームの外部(サイドボード)からサブタイプに「講義」と書いてあるカードを1枚選び手札に加えるか、カードを1枚捨てて1枚引くかのどちらかを選ぶことができるメカニズムです。
履修の最大の特徴は局面によって有用な講義を選んで手札に加えられることなので、履修と講義・カードはバランス良く採用する必要があります。
魔技
魔技 ― あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるかコピーするたび、~。
魔技は、インスタントかソーサリーを自分で唱えるかコピーした時に誘発するテキストを示す能力語です。例えば《自身の誇示》などの唱えた際にコピー能力が誘発する呪文については、そのコピー分も魔技が誘発します。
講義・カードはすべてソーサリーなので、履修+講義と併用することで魔技を継続して誘発させやすくなります。
護法
護法[コスト](このクリーチャーが対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象になるたび、そのプレイヤーが[コスト]を支払わないかぎり、その呪文や能力を打ち消す。)
護法は、護法を持つクリーチャーが対戦相手の呪文や能力に対象になるたびに、何らかのコストを支払わせるキーワード能力です。
支払わせるコストは今回2種類あり、ライフかマナとなります。護法を持つカードによってどちらを支払わせるかが決まっているので、対象に取る場合はどちらを支払わせるカードなのかよく確認するようにしましょう。
さて、続きましては各色のトップコモン・アンコモンを見ていきましょう!
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のトップコモン&アンコモン
白・アンコモン
《象徴学の教授》:2マナ2/1と最低限のスペックを保ちつつ履修を行える、安定感のある優秀な2マナクリーチャーです。
《轟く語り部》:2マナ域ながら常時警戒を持っていて、さらに横にクリーチャーを出すだけでキーワード能力を追加していける、優秀な2マナクリーチャーです。
《自身の誇示》:デッキこそ選ぶものの、インスタントのコンバットトリックかつ一気に盤面を強化できる優秀な強化呪文です。
白・コモン
《導きの声》:軽く唱えられる履修持ちなので講義・カードを引き続きプレイしやすく、魔技とも相性が良い呪文です。
《戦闘学の教授》:4マナ2/3飛行と及第点のスペックにクリーチャー強化のシステムまで内蔵した、非常に優秀な飛行クリーチャーです。
《輝く抵抗》:優秀なシステムクリーチャーが多い環境なので、相手の除去からクリーチャーを守ることができる優秀なコンバットトリックとして活躍します。《墨の決闘者、キリアン》がいると唱えやすく、自身も守りやすくて非常に強力です。
青・アンコモン
《ゼロ除算》:広い範囲に対応できるだけでなく、履修も持つ環境屈指のインスタント呪文です。
《ワームホールの海蛇》:起動型能力により膠着状態を打開できる優秀なシステムクリーチャーです。
《導師の導き》:アドバンテージを稼ぐのはもちろん、大体の魔技持ちクリーチャーの魔技を複数誘発させることができる、魔技と相性が非常に良いソーサリーです。
青・コモン
《霜のペテン師》:飛行かつタップ能力を持つ、青の攻めの要となる優秀な飛行クリーチャーです。
《本への没頭》:素でプレイすると5マナと少々プレイするのが億劫になりますが、守りで使う際は3マナで使える、ダメージレースや守勢に回るゲームで活躍する優秀なインスタントです。
《滝の曲芸師》:護法を持っているので、容易には除去されない優秀な飛行クリーチャーです。
黒・アンコモン
《落第》:2マナかつ相手に依存はするものの、広い範囲を除去できる優秀な除去呪文です。
《汽水トラッジ》:ライフを得るのが容易なウィザーブルームにおいて、攻守に渡って活躍する優秀なクリーチャーです。
《壊死放出法》:数少ない完全除去の講義・カード。見たら取るレベルで強力な除去呪文です。邪魔者・トークンを出せるカードと組み合わせて使いたいですね。
黒・コモン
《検体探し》:盤面を強化しつつ履修を行える、優秀な呪文です。
《悪意の打ちつけ》:黒の《ショック》的な存在。最後の押し込みにも使える非常に優秀な除去呪文です。
《魔道士狩りの猛攻》:完全除去かつ押し込みにも使える、優秀な除去呪文です。
赤・アンコモン
《学術論争》:使い方次第で相手のクリーチャーを除去できる履修持ちカード。《拡張解剖学》との組み合わせで一方的に戦闘で勝つコンボは非常に強力です。自分のクリーチャーに到達を付けて相手の飛行クリーチャーをブロックできるのも嬉しいですね。
《献身的な塵語り》:攻撃し続けることで疑似的にカード2枚分を稼ぎ続ける優秀なクリーチャーです。
《炎血の発想》:除去かつ履修を行える、環境屈指の非常に優秀な呪文です。
赤・コモン
《白熱する議論》:3マナ4点と除去できる範囲が広く、打ち消されないので護法のコストも支払わずに済む、良い優秀な除去です。
《色素の嵐》:使い方次第で一気にライフを削ることができる、優秀な除去です。
《秘本破り》:墓地のインスタントやソーサリーを追放することができるのでロアホールドのカードと相性が良く、またインスタントやソーサリーを多用するプリズマリとも相性が良い、赤をやるならぜひ採用したい優秀なクリーチャーです。
緑・アンコモン
《本のワーム》:リミテッドのフィニッシャーとして完璧な性能。除去しても占術土地によりすぐに復帰できる、アンコモンとは思えない性能のフィニッシャーです。
《草むした拱門》:毎ターンライフを回復できるので、回復時に誘発する能力を持つカードとの相性が抜群。生け贄に捧げて履修も行えるので、あらゆる盤面で活躍できる優秀なシステムクリーチャーです。
《練達の対称主義者》:自身だけでなく、他のクリーチャーにもトランプルを付与できるのは嬉しいですね。回避能力を持たない、フラクタルなどのサイズが大きなクリーチャーのサポート役として最適です。
緑・コモン
《現地調査》:土地という確実性のあるリソースを伸ばせる、優秀な履修持ち呪文です。
《魔道士の決闘》:サイズ修整とコスト軽減により非常に使い勝手の良い格闘呪文です。
《獣魔術の教授》:4マナ4/3と優れたサイズを持ち、邪魔者・トークンの生成により確実にアドバンテージを稼ぐ、優秀なクリーチャーです。
続きまして、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の注目アーキタイプを紹介していきます。
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』ドラフトの注目アーキタイプ
注目のアーキタイプ・その1:白黒強化
「白黒強化」は、《墨の決闘者、キリアン》や魔技を持つ《熱心な一年生》、《シルバークイルの初学者》を自分のクリーチャーを強化するコンバットトリックや強化呪文でサポートして戦うアーキタイプです。
主に《墨の決闘者、キリアン》を序盤にピックできた時に意識するアーキタイプで、《反射するゴーレム》などと組み合わせて自分のクリーチャーを対象にする呪文を最大限に活かす構成が理想です。
《導きの声》や《休憩時間》などの履修を持つ自身のクリーチャーを対象にできるカードから、《拡張解剖学》に繋げる動きが非常に強力なので、このセットは必ず揃えるようにしたいですね。
注目のアーキタイプ・その2:赤白クイントリウス
「赤白クイントリウス」は、《実地歴史家、クイントリウス》の能力で次々に盤面にスピリット・トークンを生成し、圧倒的盤面を作り出すアーキタイプです。
継続的に《実地歴史家、クイントリウス》の能力を活かすために、《石昇りのスピリット》や《秘本破り》などのシステムクリーチャーを優先してピックするようにしましょう。特に《秘本破り》は《実地歴史家、クイントリウス》が戦場に出たターンからトークンを出せるので最高の相方です。
このアーキタイプに行く際に注意するべきなのは、《実地歴史家、クイントリウス》がピックできていない状況で、他の墓地からカードが離れた際に誘発するカードとそれらの相性が良いカードでデッキを組み始めないことです。他のアーキタイプに比べて赤白のこのアーキタイプは弱いため、《実地歴史家、クイントリウス》がいないとほぼ成り立たないことに注意しましょう。
注目のアーキタイプ・その3:青赤ビッグスペル
「青赤ビッグスペル」は、《壮大な魔道士》や《大渦の詩神》などのマナ総量が大きな呪文をサポートするカードから《精霊の傑作》や《創造の発露》などの強力な呪文を早期ターンにプレイするアーキタイプです。
基本的にゲームを決めるのは重い呪文であるため、それ以外は耐える除去などの妨害呪文をメインにデッキを組むようにしましょう。
青赤は《プリズマリの初学者》や《プリズマリの誓約魔道士》などの魔技を持つ2マナクリーチャーを除去等でサポートする攻めるアーキタイプもあります。その際はビッグスペルで採用するようなマナ総量が大きな呪文を多く採用するとちぐはぐな構成になってしまうので注意しましょう。
注目のアーキタイプ・その4:青緑ランプ
「青緑ランプ」は、《ひらめきの瞬間》を始めとした緑絡みの土地を伸ばすカードから、《本のワーム》などのフィニッシャーに繋げるアーキタイプです。
土地を伸ばす特性上、3色目として赤と組み合わせて「青赤ビッグスペル」で採用するような《精霊の傑作》などを使うことが多いです。
土地を伸ばすカードが多く採用されているため、赤のみでなく多色化もしやすいアーキタイプで、2色にこだわらず強力なカードを柔軟に採用していくと強力なデッキになりやすいです。
注目のアーキタイプ・その5:緑黒ライフ
「緑黒ライフ」とは、《血の研究者》や《魂浸し、ダイナ》などのライフを得た際に能力が誘発するカードを、各種ライフゲインカードでサポートするアーキタイプです。
サポートカードとして一番強力なのは《草むした拱門》で、毎ターン継続してライフを得ることができます。
ライフを得るのでダメージレースも優位に進めやすく、長期戦に持ち込みやすくコントロールとしても優秀なアーキタイプなので、攻守に渡って安定感のあるアーキタイプです。
最後に
これで今回の記事は終わりです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が少しでも、皆さんが新環境のドラフトを楽しむ助けになれば幸いです。
個人的に今回は白、黒、緑の3色が強く、青と赤が弱い印象です。青と赤のコモンに使い勝手の良い履修持ちカードが少ないのが強弱の理由かなと思います。今回は「ミスティカルアーカイブ」にも強力なカードが多く、ドラフトするたびに発見がある非常に面白いセットになっているので。ぜひ遊んでみてくださいね。
それでは皆さん、また次回の連載記事でお会いしましょう!
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