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なかしゅー世界一周

なかしゅー世界一周2012・第7回:ラスベガスからソルトレイクシティへ

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木曜マジック・バラエティ

2012.04.12

なかしゅー世界一周2012・第7回:ラスベガスからソルトレイクシティへ

By 中村 修平


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 (前回)神に祈ってみたところ、何が悪かったのか。いや思い返してみると心当たりに溢れているくらいですね。
 例えば食事時になんでもかんでもタコス、タコスとネタにしてまわったり、市内でも平気でボッたくりに入るタクシーをネタにしてまわったり、メキシコシティの空気の悪さをネタにしてまわったり、3つ何かを注文すると、必ず1つは忘れてくれるメキシコウェイターのクオリティーをネタにしてまわったり・・・
 うん、アステカの神の不興を買うには充分ですね。

gpmexicocity

 グランプリ・メキシコシティはリミテッド戦、もらったパック自体はやや悪い程度でした。
 でしたが、「1本目を勝って2本目、3本目を土地のトラブルで落とす」という試合が続いて初日落ち。
 土地を置く作業がいつまでたっても止まらないゲームが本当に長かったです。
 この日は悲しみに包まれながらルチャ・リブレ、メキシコプロレスを観戦したりしていました。

LuchaLibre
LuchaLibre2

 私以外の全員が初日抜け、そしてこの旅で初めての初日落ち。
 対戦した手応えからしても、率直に言って今シーズンで最も勝ちやすかったレベルだったのでがっかり感もかなり大きかったです。
 なんだかんだ言って自信があるというか、先週に続いてこの旅で本番と位置づけていた週だっただけに、一通りどころではないショックを味わっていました。

 翌日、2日目に同じ運命をたどってしまったほぼ全員で悲しみの400グラムステーキをかっ食らい、そして支払い時に全員のクレジットカードが使えないというトラブル、しかも現金の持ち合わせがないという修羅場にも直面。
 クレジットカードが使えると確認してから入店したのに・・・
 レヴィのスペイン語通訳と世界基軸通貨のお陰でなんとかなりましたが、わりかし散々な週末でした。

steak


 さて、そんな本当に散々だった週末もそこそこに、アメリカへと「帰国」の途についたのですが、まだグランプリ週間はもう1つだけ、グランプリ・ソルトレイクシティが残っていました。
 その間何をしていたかというと、ポーカーとブラック・ジャックで生活しているベン・スタークに誘われてラスベガスに1週間、そこそこ良いホテルで寝て、起きて、美味しい物を食べて、後はポーカーという生活をしていました。

hotelview

 ギャンブルの街という印象が強いラスベガスですが、実際に訪れてみるともっと包括的な、エンターテインメントの街と言ったほうが良いですね。
 もちろん公認ギャンブル、カジノという基幹産業があるからなのですが、そのカジノの宣伝広告費という側面があるおかげで、その他全てのサービスが驚くほど安いのです。

 例えばホテルの滞在費。
 今回利用したのは、「せっかくだしそこそこ良いところに泊まりたい」という私のリクエストで、リオという有名どころでは中程度のホテル。それでも宿泊費はメキシコ並、日本で言うと一般的ビジネスホテルチェーンの2人部屋より安いと言った感じでした。

buffet

 お腹が空けばバフェ。ラスベガスでそこそこのホテルならどこも朝・昼・晩と独自の食べ放題式レストランがあって、15~30ドルくらいで「1日食べ物は見なくても良いや」というくらい食べられます。

 お金を払って見るナイトショーも良いですが、各ホテルがやっている無料のショーも十分に楽しめます。
 ベラージオの噴水ショー、トレジャーアイランドの正面玄関では海賊船同士のバトル、ヴェネチアを再現したベネチアンのゴンドラツアーに火山の噴火などなど。

view

 またホテルの外観、というか内面もピラミッドなルクソールや、ホテル間シャトルなんてのまで作っちゃてるアリア、ローマ風なシーザーズパレス。エッフェル塔と凱旋門がトレードマークなパリスに、自由の女神像なNYNY。ミラージュの室内熱帯庭園にフロント前のデコレーション庭園が凄いウィンなど、と歩いているだけで楽しい街ですね。

Luxor

 適度に、という条件をつければ賭け事も多岐に渡っていて面白いです。

 触れる程度ですが、ブラック・ジャックが本職のベンからトゥルーカウントなる必勝法を教えてもらったのですが、実戦では展開が早すぎて全く使えなかったり。
 より本職、というかむしろポーカー界のスーパースターであるディビット・ウィリアムズの生プレーinスペシャルルーム、見ただけで目まいがするようなのスタックと、なかなかに得難い経験をさせてもらいました。
 ポーカートーナメント以外で延べ棒型チップを使っているところだなんて、こんな機会がなければ見られないでしょうね。


 とはいえ、プロツアー・闇の隆盛から始まってもう8週連続でプレミアイベントが続いている現状。
 そして絶好の息抜きとなってしまったラスベガス行は、マジックという本来の目的にとっては悪影響だったという感触は否めません。
 意識はしていないつもりでしたが、まだ1戦残っているのに精神的負荷を解放してしまったという要因は絶対にあったと思います。

crossroad

 グランプリ・ソルトレイクシティの結果はメキシコシティに続いての初日落ち。
 思い返してもミスは無かった・・・と言いたかったところですが、3敗目を喫したマッチの3本目に今思い返しても目を覆いたくなるようなミスをしでかしてしまいました。
 このミスで9割方勝敗は決していたのですが、動揺のあまりに対戦相手がミスしてくれたのにそれにつけこむことも忘れてしまったくらいです。
 当然その夜の夢はその光景がフラッシュバック。ダメージも2倍です。

 そういえばゴールドラッシュでも惨敗しました。

 グランプリが毎週開催されているアメリカでは、各グランプリの主催者がラスベガスのホテルのように色々なサービスで独自性を打ち出そうとします。
 例えばスリープインスペシャル。
 リミテッドグランプリを中心に、いくらかの追加料金を支払えば、本来の集合時間から1時間×不戦勝分、遅い時間に会場に来てもジャッジのチェック済みパックがその場でもらえて、デッキを構築できるというサービスです。

goldrush

 今回はスタンダード構築のグランプリということで、このスリープインスペシャルは無かったのですが、代わりとして用意されたのがこの「ゴールドラッシュ」。
 主催しているスターシティーゲームスから、プレイヤーミーティング時に全参加者に参加賞としてザ・ダーク以前の太古のカードが一枚入っている封筒がプレゼントされるという企画でした。

 そして隣のプレイヤーが開封したのは。

goldrush2

 なんと《Mox Emerald》!

 一方私は《苔の怪物》。
 まあ、そんなものですよね。おめでとうございますといった感じで談笑していたら、少し離れたところで飛び跳ねているオーウェン。その手には・・・

goldrush3

 なんだろう、この圧倒的敗北感・・・

view2

 という感じでマジック的には後半尻すぼみになってしまったのが残念でなりませんが、2ヶ月弱にもなるアメリカマジックツアーもなんとか五体満足で終わることができました。
 気がつけばアメリカで冬から春、ついでに夏を経験して、日本に帰ってくればいきなり春になっていたり。
 実は途中で発熱してキャンセルして日本に帰ろうかなんて時もあったので、こうやって全てが終わってから見返してみるとかなり感慨深いです。


 ですが、思い出に浸れるほど長くは日本に滞在できないみたいです。もうあと1週間もすれば次の旅が始まってしまいます。

 今度はグランプリ・マンチェスターからプロツアー・アヴァシンの帰還・バルセロナを挟み、グランプリ・マルメまでの1ヶ月。
 主に滞在先はチェコになりそうなのですが、ヨーロッパに滞在するという旅程が決定済みなのです。

 まったく、我ながら日本にいる時間が少し短すぎやしないかと思うことしきりなのですが、せっかくお誘いなのだからと進んで参加してしまうのは、もはや性なのだろうと自分でも諦めています。

 そんなわけで、次回はヨーロッパのどこかからとなるでしょう。
 それではまた次回まで、しばしの間、私は日本の桜を楽しむことにします。

plane

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