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広報室

週刊マジックニュース

2018年10月31日号~新環境最初のスタンダードグランプリをチェック!~

小山 和志

 皆さん、こんにちは! 先週末は『ラヴニカのギルド』発売後、最初のスタンダードによるグランプリ、グランプリ・ニュージャージー2018とグランプリ・リール2018が行われました!

 今週のマジックニュースでは両グランプリの結果を見て、新たなスタンダード環境を分析していきましょう!



グランプリ・ニュージャージー2018優勝はイーライ・カシス選手、グランプリ・リール2018優勝はエティエンヌ・ブッソン選手!

 『ラヴニカのギルド』発売に伴うスタンダードローテーション後、初めてのスタンダードによるグランプリとなったグランプリ・ニュージャージー2018とグランプリ・リール2018。

 それぞれで優勝を果たしたのは「ジェスカイ・コントロール」を使用したイーライ・カシス選手と、「赤単アグロ」を使用したエティエンヌ・ブッソン選手でした!

gpnj2018_trophy.jpg
グランプリ・ニュージャージー2018 優勝 イーライ・カシス選手

gplille2018_trophy.jpg
グランプリ・リール2018 優勝 エティエンヌ・ブッソン選手
 

※ともにリンク先は英語

Eli Kassis - 「ジェスカイ・コントロール」
グランプリ・ニュージャージー2018 優勝 /スタンダード (2018年10月27~28日)[MO] [ARENA]
3 《平地
3 《
1 《
4 《氷河の城砦
4 《聖なる鋳造所
4 《断崖の避難所
4 《蒸気孔
4 《硫黄の滝
-土地(27)-
 
-クリーチャー(0)-
1 《ショック
4 《アゾールの門口
3 《封じ込め
1 《軽蔑的な一撃
4 《轟音のクラリオン
3 《イオン化
2 《予言
2 《残骸の漂着
1 《薬術師の眼識
1 《絶滅の星
2 《中略
1 《苦悩火
4 《発展 // 発破
4 《ドミナリアの英雄、テフェリー
-呪文(33)-
2 《再燃するフェニックス
1 《黎明をもたらす者ライラ
1 《パルン、ニヴ=ミゼット
1 《原初の潮流、ネザール
2 《活力回復
1 《溶岩コイル
2 《神聖の発動
1 《イクサランの束縛
1 《浄化の輝き
2 《不滅の太陽
1 《苦悩火
-サイドボード(15)-
Etienne Busson - 「赤単アグロ」
グランプリ・リール2018 優勝 /スタンダード (2018年10月27~28日)[MO] [ARENA]
22 《
-土地(22)-

4 《狂信的扇動者
4 《ギトゥの溶岩走り
4 《遁走する蒸気族
4 《ヴィーアシーノの紅蓮術師
4 《ゴブリンの鎖回し
2 《再燃するフェニックス
-クリーチャー(22)-
4 《ショック
4 《稲妻の一撃
4 《魔術師の稲妻
4 《実験の狂乱
-呪文(16)-
4 《宝物の地図
3 《溶岩コイル
3 《焦熱の連続砲撃
3 《火による戦い
2 《苦悩火
-サイドボード(15)-

 両選手、おめでとうございます!


2日目進出者 メタゲームブレイクダウン

 両グランプリの2日目進出者の使用デッキ分布は以下の通りです。

グランプリ・ニュージャージー2018
アーキタイプ 2日目 使用者数 (占有率)
ゴルガリ・ミッドレンジ 21 (25.9%)
イゼット・フェニックス 15 (18.5%)
ボロス/白単アグロ 9 (11.1%)
ジェスカイ・コントロール 8 (9.9%)
セレズニア・トークン 7 (8.6%)
ボロス天使 6 (7.4&)
赤単アグロ 3 (3.7%)
セレズニア・ミッドレンジ 4 (4.9%)
その他 8 (9.9%)

※グランプリ・ニュージャージー2018は第9回戦開始時点で6勝1敗1分以上のプレイヤーのみ集計

グランプリ・リール2018
アーキタイプ 2日目 使用者数(占有率)
ゴルガリ・ミッドレンジ 110 (39.7%)
ジェスカイ・コントロール 46 (16.6%)
イゼット・フェニックス 23 (8.3%)
赤単アグロ 12 (4.3%)
ボロス/白単ウイニー 12 (4.3%)
青単ビートダウン 10 (3.6%)
セレズニア・トークン 10 (3.6%)
ボロス・ミッドレンジ 9 (3.2%)
ターボ・フォグ 8 (2.9%)
ジェスカイ・ミッドレンジ 7 (2.5%)
鉄葉ストンピィ 6 (2.2%)
エスパー・コントロール 5 (1.8%)
ビッグ・レッド 5 (1.8%)
ディミーア/グリクシス諜報 4 (1.4%)
その他 10 (3.6%)

 ともに「ゴルガリ・ミッドレンジ」が使用者数トップであり、特にグランプリ・リール2018では2日目進出者の40%近くを占めるまでに至っています。

 しかしながら、後述しますがトップ8に進出したのはふたつのグランプリを合わせてわずかに2名。そして、グランプリ・ニュージャージー2018に至っては「ゴルガリ・ミッドレンジ」使用者が決勝ラウンドに進出していません。

 新環境の本命候補と言われていた「ゴルガリ・ミッドレンジ」ですが、アンチカード《トカートリの儀仗兵》をメインデッキに搭載しているデッキもあるせいか、現状では「支配的」とまでは言えなさそうです。


トップ8デッキ分布

アーキタイプ ニュージャージー リール
ジェスカイ・コントロール 3 2
イゼット・フェニックス 1 1
セレズニア・トークン 1 1
ボロス天使 1 0
ボロス教導 1 0
セレズニア天使 1 0
ゴルガリ・ミッドレンジ 0 2
青単ビートダウン 0 1
赤単アグロ 0 1

※ともにリンク先は英語

 両グランプリで複数名をトップ8に送り出した唯一のデッキが「ジェスカイ・コントロール」です。

 プレイヤーごとにデッキリストに多少の違いはあれど、発売当初から強さを発揮している《ドミナリアの英雄、テフェリー》を軸としています。

 『ラヴニカのギルド』からは全体除去の《轟音のクラリオン》、そしてアドバンテージを稼ぎつつフィニッシャーとしてもカウントできる《弾けるドレイク》が多く採用されています。その他にも《悪意ある妨害》や《薬術師の眼識》など新しいカードがふんだんに使用されています。

 その他のデッキでは「ボロス天使」「ボロス教導」での《正義の模範、オレリア》採用や、《弧光のフェニックス》を主軸に据えた「イゼット・フェニックス」といった新しいアーキタイプが目立ちます。

 また、前環境終盤に登場した「青単アグロ」や、構成はかなり変わっていますがローテーション前のスタンダードを支配していた「赤単アグロ」も引き続き結果を残しています。

 前環境の「赤黒ミッドレンジ/アグロ」のような大本命デッキが存在しない、混沌とした状況でプロツアー『ラヴニカのギルド』へ突入することとなりそうです。


注目のデッキたち

 グランプリ・リール2018では新環境らしくユニークなデッキが紹介されています。ここではそんな中から二つのデッキをご紹介します。

Sandro Bernabe -「ナヤ・ランプ」
グランプリ・リール2018 11勝3敗1分 / スタンダード (2018年10月27~28日)[MO] [ARENA]
3 《
2 《
2 《平地
4 《根縛りの岩山
4 《聖なる鋳造所
1 《ボロスのギルド門
4 《寺院の庭
3 《陽花弁の木立ち
1 《セレズニアのギルド門
2 《オラーズカの拱門
-土地(26)-

2 《不和のトロスターニ
3 《ペラッカのワーム
1 《原初の災厄、ザカマ
-クリーチャー(6)-
2 《アゾールの門口
2 《魔学コンパス
2 《宝物の地図
1 《苦悩火
4 《灰からの成長
3 《轟音のクラリオン
4 《迂回路
2 《浄化の輝き
2 《不滅の太陽
3 《絶滅の星
3 《大集団の行進
-呪文(28)-
2 《アダントの先兵
2 《秋の騎士
4 《殺戮の暴君
2 《封じ込め
1 《イクサランの束縛
1 《残骸の漂着
1 《絶滅の星
2 《苦悩火
-サイドボード(15)-

 マナ加速からナヤカラーの重量級カードを叩きつけていく戦略を取るデッキです。

 マナ加速呪文の《灰からの成長》《迂回路》に加え《魔学コンパス》と《宝物の地図》が安定的に土地を供給してくれ、《原初の災厄、ザカマ》《ペラッカのワーム》などのフィニッシャーに繋げていきます。

 最近、にわかに注目を集めている《絶滅の星》や《轟音のクラリオン》《浄化の輝き》といった強力な全体除去が複数種類採用されており、並大抵のクリーチャーであれば根こそぎ焼き尽くすことができるでしょう。

Rick Ter Horst -「赤単ドラゴン」
グランプリ・リール2018 10勝5敗 /スタンダード (2018年10月27~28日)[MO] [ARENA]
24 《
-土地(24)-

4 《ずる賢いゴブリン
3 《放逐紅蓮術師
4 《ゴブリンの鎖回し
4 《再燃するフェニックス
3 《刃の翼ヴェリックス
4 《厄介なドラゴン
1 《ドラゴンの女王、ラスリス
-クリーチャー(23)-
4 《シヴの火
3 《溶岩コイル
1 《火による戦い
1 《吐炎
4 《火の血脈、サルカン
-呪文(13)-
4 《更生の泉
2 《魔術遠眼鏡
1 《溶岩コイル
2 《焦熱の連続砲撃
1 《火による戦い
1 《不滅の太陽
1 《絶滅の星
2 《苦悩火
1 《ウルザの後継、カーン
-サイドボード(15)-

 『基本セット2019』で登場した《火の血脈、サルカン》《吐炎》などの「ドラゴン」シナジーを中心に置いたデッキです。

 《厄介なドラゴン》と《ドラゴンの女王、ラスリス》、《刃の翼ヴェリックス》の3種計8枚のドラゴンが採用されており、《火の血脈、サルカン》からそれらを高速召喚することが可能です。

 赤単色であるため、前環境で猛威を振るったパワーカード、《ゴブリンの鎖回し》《再燃するフェニックス》を問題なく運用することができるのも大きなメリットでしょう。

 ロマンだけでなく、実際にグランプリを10勝5敗で終えており、今後、ドラゴン・クリーチャーが新たに登場すればさらなる飛躍が期待できそうです。


 ローテーションにより、『ラヴニカのギルド』だけでなくこれまで注目されていなかったカードにスポットが当たっています。まだまだ新しいデッキが活躍できそうな状況ですので、思い思いのデッキを組んでイベントに参加してみましょう!

 

今週のイベント情報

プロツアー予備予選

スタンダード・ショーダウン

ドラフト・パーティー

 それでは、よいマジックライフを!

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