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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
第37回:Draft/Zero?『イニストラード』ドラフト点数表 白・青・黒編
読み物
渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
2011.10.12
第37回:Draft/Zero~『イニストラード』ドラフト点数表 白・青・黒編
こんにちは。渡辺です。
今回はイニストラードドラフトの点数表を作っていこうと思います。
もう点数表も「7つの分析」と同じく新セット発売時の恒例行事となってきましたね。
今回の点数表は、M12の時のような点数ごとに紹介する形式ではなく、新たなるファイレクシア以前にやっていた初めに点数表一覧を出してその後解説という形に戻してやっていきます。
前回のやり方だとカードが並んでいないので、点数表として見にくかったというのが理由ですね。
あと今回から「各色のコモントップ5」もやっていこうと思います。
各色のコモンの強さの順番を覚えておくこともドラフトをするにあたって重要なことですからね。
それと毎回言っていることですが、「点数表が絶対!」というわけではありません。
実際ドラフトのピック状況によって必要なカードが変わることなんて多々あります。
あくまでもカードごとの評価の基準として参考にする程度で見てください。
評価基準はこれを参考にしてください。
点数 | 基準 |
10 | 神カード。見たら取るべし。確定初手。 |
9 | 爆弾カード。これ1枚でゲームに勝てるようなカード。初手~2手目。 |
8 | かなり優秀なカード。流れてきてもおかしくないが、初手でも問題ないレベル。初手~3手目。 |
7 | 優良カード。是非デッキに入れたいレベル。2~4手目。 |
6 | 普通にデッキに入るくらいのカード。3~6手目。 |
5 | ぎりぎりデッキに入るぐらいのカード。5~8手目。 |
4 | できればデッキに入れたくないようなのカード。枚数が足りないときに仕方なく使うレベル。または特殊な条件でのみ使用するカード。7~9手目。 |
3 | サイドボード要員。基本はデッキに入らない。10~12手目。 |
2 | よほどのことがない限りデッキに入れることはないカード。12~14手目。 |
1 | 何をしてもデッキに入らないレベル。ほぼ14手目。 |
では早速白から見ていきましょう。
白
|
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白のトップは《天使の監視者》。
人間をコントロールしているという簡単な条件で、ほぼ対処されない大型フライヤーを得られるのはどう考えてもバランスが取れていません。
呪禁+破壊されないという《天使の監視者》に対処するためには、相手の場にいる人間を全て除去しなければいけないないので、実質対処できないも同然。今回の白には人間が多くいますからね。
文句なしの白のトップカード。見たら取りましょう。
《弱者の師》は、最初見たときは《悪鬼の狩人》や《忌まわしきものの処刑者》と同じくらいか、それよりちょっと下くらいの評価だったのですが、実際に使って&使われてみてそのドロー能力に脱帽しましたね。
環境のクリーチャーの基本サイズがそれほど高くないので、《弱者の師》のパワー2以下という条件に引っかかるクリーチャーが多く、ピック中にあまり意識しなくても十分運用できます。
戦闘能力は大したことありませんがとにかくドローしまくるので、優秀なアドバンテージカードとして活躍してくれます。
《神聖なる報い》は意識して使えばかなり強いカード。
《スレイベンの歩哨》や《もつれ樹》のような残った後に強力になるクリーチャーと組み合わせたり、《宿命の旅人》や《荘園の骸骨》のような《神聖なる報い》を打ったあとでも盤面に残るようなクリーチャーで戦線を有利にすることもできます。
従来の全体除去よりも場を有利にできる要素があるので、使い方をちゃんと覚えておきたいですね。
《金輪際》は相手の爆弾カードにどうしても対処したい時などのサイドカードとして。
ちなみに僕はこれを貼って相手の《アンデッドの錬金術師》を3枚手札で腐らせたことがあります(笑)。
まぁそれは完全なレアケースですが、大型セット3パックのドラフトで相手のデッキに複数枚同じカードが入っているというのはよくあることなので、サイドボードカードとしてそれなりに活躍してくれるでしょう。
レア関係の紹介はこれくらいにしてコモンのTOP5へ。
白のコモン1位は《アヴァシン教の僧侶》。
やはりリミテッドのタッパーは偉大です。
環境にいる変身クリーチャーは最初人間なものが多いですが、変身後は人間でなくなるものが大半なので、それらをきちんと止められるのも良いですね。
今回の白は人間クリーチャーが多く、人間シナジーのカードの恩恵を受けやすいのでそれを意識してドラフトしたいですね。
《教区の勇者》や《上座の聖戦士》は人間クリーチャーが多ければ多いほど使いやすくなります。
《とがった三つ叉》や《小村の隊長》のような人間デッキでこそ輝くカードも、人間の多い白と組み合わせるのが得策でしょう。
普段は除去として使う《信仰の縛め》も、自分の人間に付けるという選択肢も生まれます。
他にも人間による恩恵を受けられるカードは沢山あるので、白をやるときはとにかく「人間」を意識してやるとよいでしょう。
また今回の白のコモンのフライヤー陣はそれなりに優秀なので、青と組み合わせて伝統的な青白のフライングビートを狙うこともできます。
《礼拝堂の霊》と《声無き霊魂》は3マナの飛行クリーチャーとしてかなり優秀な部類に入るスペックですからね。
また先週も書きましたが、白を相手にするときは相手が3マナ立たせている時の戦闘は注意しましょう。
白には《村の鐘鳴らし》《叱責》《深夜の出没》といった3マナのインスタントカードが揃っていますからね。
青
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《嵐霊》はドローサポートのついたフライヤー。
サイズは手札の枚数次第ですが、殴り始めたらすぐに大きくなっていくので速やかにゲームを終わらせられますね。
文句なしの強力カードです。
《カラスの群れ》も4/4飛行というサイズにルーター能力が付いているという破格スペック。
ルーター能力もクリーチャーの死亡がトリガーなので誘発しやすく、相手のクリーチャーもカウントするので、クリーチャーが相打ちしたら2回ルーターできる優れもの。《大気の精霊》に謝った方がいいですね。
僕の中でのイニストラードのトップアンコモンです。
《スカーブの殲滅者》は5/6飛行と出た時のインパクトは凄まじいですが、いかんせん出すための条件が厳しいのでこの点数。
今回の青が墓地をよく活用するので、コストのクリーチャー3枚という条件が厳しい場面が多いのもありますね。
青のコモンTOP5を紹介しましょう。
- 《閉所恐怖症》
- 《静かな旅立ち》
- 《幽体の飛行》
- 《縫い合わせのドレイク》
- 《錯乱した助手》
青のコモントップは《閉所恐怖症》。
2位の《静かな旅立ち》とどちらにするかかなり悩んだのですが、やはり除去は正義。
制限のついた除去の多いイニストラード環境において、どんなクリーチャーにも対処できるというのは大きな魅力ですね。
3位の《幽体の飛行》はシナジーなどを気にせずに使える分かりやすく強いカード。
オーラなので除去やバウンスには弱いですが、環境にある除去が弱めに設定されているので、うっかりこれだけで勝ってしまうこともしばしば。
簡単に勝てるカードが弱いわけがないですね。
今回の青は墓地活用の色。
《錯乱した助手》《甲冑のスカーブ》《禁忌の錬金術》などで墓地を肥やし、《縫い合わせのドレイク》や《その場しのぎのやっかいもの》などの墓地を追加コストにして出てくるクリーチャーを運用するのが基本戦略です。
上に挙げた3枚以外にも《セルホフの密教信者》や《夢のよじれ》といった墓地にカードを落とす手段は豊富なので、ドラフトでは《縫い合わせのドレイク》のような「実」を先に確保するようにしたいですね。
相方としては同じく墓地シナジーがある黒が理想。
《グール起こし》や《グール呼びの詠唱》は青の墓地を貯めるギミックと相性がいいですからね。
もし墓地を活用しないなら白と組んで青白飛行ビートのプランも取れます。
今回の青はできることが多いので、カードごとにどんなギミックがあるのかをしっかりと覚えていきましょう。
黒
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黒のトップは《血の贈与の悪魔》《深淵からの魂刈り》《血統の守り手》の3種。
流石に一つの色で10点3種は流石にどうかと思ったのでどれか下げようと思ったのですが、こいつら3枚とも強すぎてどれもマイナス評価できませんでした。
まぁ見たとおりですが、こいつら全員壊れてるスペックなので見たら取りましょう。
強いて挙げるなら《血統の守り手》は両面カードなので、ピック時に自分の色がバレてしまうということくらい。だからどうしたって話ですが。
また両面カード枠である関係上、極まれに2種類同時に出ることもありますが、その時はどちらか片方を見なかったことにするしかないですね。
この場合、一応《血統の守り手》を取っておけば、色の主張はできるかもしれません。
今回のプレインズウォーカーの片割れである《ヴェールのリリアナ》は最高得点に一歩届かず。
リミテッドのプレインズウォーカーが強いのは今更言うまでもないですが、上の3枚と比べるとちょっと見劣りしてしまいますね。
とは言っても3マナで盤面に触れるプレインズウォーカーが弱いわけがありません。
盤面が固まってしまえば最終奥義も容易にできるので、やはり見たら取るクラスのカードです。
《モークラットのバンシー》は書いてあることは派手で強力ですが、先週もお話しした通り、陰鬱という条件は思っているよりも達成するのが難しいのでこの点数。もし使うなら何かしら陰鬱を誘発できるギミックをデッキに仕込んで使いたいですね。
《グリセルブランドの信奉者》や《祭壇の刈り取り》何かは陰鬱を発生させつつ何かしらの効果を得られるので、そういったカードと組み合わせると良いでしょう。
黒のコモンTOP5は、
黒のトップコモンは《死の重み》。
効果はゼンディカーの《見栄え損ない》と一緒ですが、インスタントではなくエンチャントになったため、タフネス3以上のクリーチャーにつけるという行動ができるようになりました。
戦闘中に使えなくなりましたが、効果が持続するほうが嬉しい場面もあるので、そこは一長一短ですね。
今回はクリーチャーに触る手段が制限されているものが多いので、こういった何にでも対処できるカードは貴重です。
3位の《夜の犠牲》は環境的に対処できないカードがかなり多いです。変身クリーチャーのほとんどに触れないのは勘弁してもらいたいですね。
今回の黒はレア以上のカードは軒並み強いのですが、逆にコモンのスペックが低いです。
シナジーと呼べるのも《グール起こし》と《グール呼びの詠唱》のゾンビシナジーくらいしかなく、それも青主体になることが多いので、黒主体の戦略というのはレアを引かない限りやりづらいというのが現状です。
所謂黒は今回の「弱い色」ですね。
ただレアに高得点のカードが多数あるので、それらを引いたときは是非狙っていきたいところ。
10点3人衆とかからなら喜んで始めたいですね。
もしレアを引けないにもかかわらず、どうしても黒しかできなかった時の戦略としては、《骸骨の渋面》を使ったクソビートがおすすめ。
《マルコフの上流階級》や《腐敗した沼蛇》のような普段なら戦闘で相打ちしていくようなクリーチャーに《骸骨の渋面》や《継ぎ当ての翼》を付けて無理やり殴っていくプランです。
はっきり言ってしまうと弱者の兵法なのですが、《マルコフの上流階級》に《骸骨の渋面》を付けると意外とそのまま勝ててしまうこともあるので、弱者の兵法も馬鹿にしたもんじゃありません。
・・・まぁ実際にそれに頼らないに越したことはないですけどね。一応そういう戦略もあるということを覚えておきましょう。
今回はここまで。
今回紹介できなかった残りの色に関しては、次週にお届けします。
では今回はこの辺で。また来週お会いしましょう。
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