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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」

第12回:MBS DAYS?ミラディン包囲戦ドラフト点数表 赤・緑・アーティファクト編

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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」

2011.04.11

第12回:MBS DAYS~ミラディン包囲戦ドラフト点数表 赤・緑・アーティファクト編


 みなさんこんにちは、渡辺です。

 今回は前回の包囲戦点数表「白・青・黒編」の続きということで、残りを全て紹介します。

 前回をご覧いただいていない方は、まずそちらを見てから今回をどうぞ。


 評価の基準も再度、載せておきます。

点数 基準
10 神カード。見たら取るべし。確定初手。
9 爆弾カード。これ1枚でゲームに勝てるような爆弾カード。初手~2手目。
8 かなり優秀なカード。流れてきてもおかしくないが、初手でも問題ないレベル。初手~3手目。
7 優良カード。是非デッキに入れたいレベル。2~4手目。
6 普通にデッキに入るくらいのカード。3~6手目。
5 ぎりぎりデッキに入るぐらいのカード。5~8手目。
4 できればデッキに入れたくないようなのカード。枚数が足りないときに仕方なく使うレベル。7~9手目。
3 サイドボード要員。基本はデッキに入らない。10~12手目。
2 よほどのことがない限りデッキに入れることはないカード。12~14手目。
1 何をしてもデッキに入らないレベル。ほぼ14手目。


 では早速見ていきましょう。


点数 カード
9 金屑の嵐
9 カルドーサの炎魔
9 赤の太陽の頂点
9 ヘルカイトの点火者
8 核への投入
8 オキシド峠の英雄
7 不純の焼き払い
7 火膨れ杖のシャーマン
6 オーガの抵抗者
5 カルドーサの首謀者
5 圧壊
4 コスの急使
4 ゴブリンの戦煽り
4 オオアゴザウルス
4 震盪の稲妻
3 軍団の結集
3 らせんの決闘者
3 金属の熟達
2 ガルヴァノス

 赤のトップは《金屑の嵐》。
 と言っても、赤には10点を付けたカードがないので他の3枚、《カルドーサの炎魔》《赤の太陽の頂点》《ヘルカイトの点火者》と同率でのトップという感じですね。

 赤は《不純の焼き払い》や《火膨れ杖のシャーマン》などの優秀な除去能力を持ったカードがコモンにあるのが強みです。《圧壊》などの、いぶし銀的なカードが安く取れるのも良いですね。

 傷跡でもコモンに《感電破》や《金屑化》などがあり、3パック通して除去の確保が容易にできるのがこの環境の赤の最大の利点と言えるでしょう。


 そのかわり傷跡まで含めて全体的にクリーチャーの線が細いのが包囲戦の赤の弱点で、何の能力もない《オーガの抵抗者》でも十分なエースクリーチャーになり得ます。

 赤をドラフトする際は、除去の他にもしっかりと盤面を支えられるような生物を取るように心がけましょう。盤面を止めさえすれば、相手の本命クリーチャーのために除去を取っておくことができますからね。


点数 カード
9 最後のトロール、スラーン
9 ファイレクシアのハイドラ
8 忍び寄る腐食
8 ヴィリジアンの堕落者
7 荒廃後家蜘蛛
7 ファングレンの匪賊
6 腐敗狼
6 緑の太陽の頂点
5 ヴィリジアンの密使
5 絡み森のカマキリ
5 メリーラの守り手
5 ピスタスの一撃
5 疫病口獣
4 暴走の先導
4 ミラディンの血気
4 不自然な捕食
4 グリッサの急使
4 法務官の相談
3 襞金屑ワーム

 緑のトップは《最後のトロール、スラーン》と《ファイレクシアのハイドラ》。
 ともに10点カードではありませんが、十分にゲームを決めるパワーを持ったクリーチャー達です。

 緑は黒に次いで感染に行きやすい色です。
 《荒廃後家蜘蛛》は攻めて良し守って良しの万能クリーチャーですし、《腐敗狼》も単に相手のクリーチャーと相打ちしてもアドバンテージが取れたり、装備品などで非常に強力なクリーチャーになることもあります。
 《ピスタスの一撃》なども感染で使えばその真価を発揮できるカードですね。
 黒と緑の感染関係のカードをかき集めるだけの、「黒緑感染」という分かりやすいアーキタイプが出来るくらいには、緑も感染関係のカードが豊富な色ですね。

 ただ緑も黒と同じで、非感染でドラフトをする場合は感染関係のカードはいらないので、感染と非感染がごっちゃにならないように注意してドラフトしましょう。


 非感染の場合は緑の重量クリーチャー達で相手を圧倒していく戦略がもっともポピュラーです。従来のリミテッドの緑の役割そのものですね。

 その際の《ファングレンの匪賊》の頼もしさはかなりのものです。
こいつのおかげでライフが一向に減らず、ゲームが終わらないなんてこともよくありますしね。
 《ファングレンの匪賊》は最悪の場合でもタッチも検討できるカードなので、別の色をやっているときも遅めに流れてきた場合は確保するようにしましょう。


アーティファクト

 アーティファクトエキスパンションだけあって流石に数が多いですね。
 まぁ傷跡よりは比率的に見て全然少ないですが、それでも多いのでクリーチャーと非クリーチャーに分けて見ていこうと思います。

 まずはクリーチャー+生体武器から。

点数 カード
9 飛行機械の組立工
9 骨溜め
8 迫撃鞘
7 縒り糸歩き
7 皮羽根
7 ファイレクシアの巨大戦車
7 ルーメングリッドのガーゴイル
6 蜃気楼のマイア
6 貫く徘徊者
6 疫病のマイア
5 マイアの種父
5 核をうろつくもの
5 皮剥ぎの鞘
5 突風掬い
5 回転エンジン
5 絡み森の大男
5 平和の徘徊者
5 マイアの溶接工
4 錆びた斬鬼
4 真鍮の従者
4 ファイレクシアの消化者
4 ドロスの切り裂き魔
4 ファイレクシアの破棄者
4 剃刀ヶ原のサイ
4 刃の歩哨
4 六角板のゴーレム
4 精神の病を這うもの
3 信号の邪魔者
3 訓練する徒食者
2 荒廃鋼の巨像


 生体武器のシリーズはクリーチャーとカウントしてデッキに組み込むことが多いので、こちらに入れています。

 アーティファクトクリーチャーのトップは《飛行機械の組立工》。
 こいつが破壊されずにターンが帰ってきたらほぼゲームエンドと言っていいでしょう。

 同得点の《骨溜め》も最初のうちは普通の+修正値ですが、ゲームが進むにつれて墓地にクリーチャーが溜まれば+修正値がとんでもないことになるので、こいつもかなり強力なカードですね。

 生体武器は、システムとしてリミテッドではかなり強いです。
 一番点数を低くつけた《皮剥ぎの鞘》でもデッキには入るレベルで、他のアンコモン以上の生体武器はどれも強力です。
 どんなデッキでも使えるので、絶対に無駄ピックにならないというのも評価点ですね。

 あと《突風掬い》や《回転エンジン》などの色マナが必要なアーティファクトクリーチャーに関しては、色マナが払える前提での点数付けをしています。
 もし色が合っていなくて色マナが払えない場合は、どれも1点評価が下がる感じですね。


 続いて非クリーチャーの方も見てみましょう。

点数 カード
10 饗宴と飢餓の剣
10 マイアのタービン
8 イシュ・サーの背骨
6 ヴィリジアンの爪
6 銅の甲殻
6 太陽の宝球
5 胆液の水源
5 鏡操り
5 ピストン式大槌
3 銀皮の鎧
3 ダークスティールの板金鎧
3 大量破壊の網
3 叫び角笛
2 タイタンの炉
2 知識槽
1 磁力地雷

 非クリーチャーのアーティファクトのトップは《饗宴と飢餓の剣》と《マイアのタービン》。
 《饗宴と飢餓の剣》は構築フォーマットでもその極悪さが知られているだけあって、リミテッドでも正直終わってる強さです。
 《マイアのタービン》も毎ターン何のコストもなくトークンを生成できるのは壊れてるの一言。
 これらのアーティファクトは《粉砕》などで破壊されない限りは、ほぼゲームに勝てるでしょう。


 無色のアーティファクトでも、効果によってはそれに適した色というものがあります。

 《ヴィリジアンの爪》や《銅の甲殻》のような装備品は感染で使う場合かなり強いので黒や緑をやっているときはちょっと点数上げたり、

 《胆液の水源》は《鉄を食うもの》や《連射のオーガ》を擁する赤なら使いやすいなど。
 無色でも色によっては役割が大きく変わってくるので、どのアーティファクトがどの色なら使いやすいかは覚えておくと良いでしょう。


 一応最後に生物と非生物を合わせたものを載せておきますね。

点数 カード
10 饗宴と飢餓の剣
10 マイアのタービン
9 飛行機械の組立工
9 骨溜め
8 迫撃鞘
8 イシュ・サーの背骨
7 縒り糸歩き
7 皮羽根
7 ファイレクシアの巨大戦車
7 ルーメングリッドのガーゴイル
6 蜃気楼のマイア
6 貫く徘徊者
6 疫病のマイア
6 ヴィリジアンの爪
6 銅の甲殻
6 太陽の宝球
5 胆液の水源
5 マイアの種父
5 核をうろつくもの
5 皮剥ぎの鞘
5 鏡操り
5 突風掬い
5 回転エンジン
5 絡み森の大男
5 ピストン式大槌
5 平和の徘徊者
5 マイアの溶接工
4 錆びた斬鬼
4 真鍮の従者
4 ファイレクシアの消化者
4 ドロスの切り裂き魔
4 ファイレクシアの破棄者
4 剃刀ヶ原のサイ
4 刃の歩哨
4 六角板のゴーレム
4 精神の病を這うもの
3 銀皮の鎧
3 ダークスティールの板金鎧
3 大量破壊の網
3 信号の邪魔者
3 訓練する徒食者
3 叫び角笛
2 タイタンの炉
2 荒廃鋼の巨像
2 知識槽
1 磁力地雷


多色
点数 カード
10 ボーラスの工作員、テゼレット
9 裏切り者グリッサ

 とりあえず一言。《ボーラスの工作員、テゼレット》は化け物。
 正直こんなん出された方はたまったものじゃありません。
 ドラフトでは5/5生成もアーティファクトサーチもドレインも全て強力です。
 リミテッドでプレインズウォーカーがアホみたいに強いのはいつものことですが、《ボーラスの工作員、テゼレット》もその例の一つです。
 これを初手で取れたらとりあえず青黒を目指しましょう。

 グリッサは色マナこそ厳しいですが、これも戦闘で一方的に相手のクリーチャーを討ち取る戦闘能力と、その際に発生するアーティファクト回収というアホみたいな能力のせいで盤面の制圧力はかなりのものです。
 これも初手で取れたら黒緑を目指してよいレベルのカードですね。

 要は包囲戦で多色のカードを見たらとりあえず取っておけということで。


土地
点数 カード
7 墨蛾の生息地
2 激戦の戦域

 《墨蛾の生息地》は土地スロットで感染クリーチャーとしてもアーティファクトとしてもカウントできるナイスカード。
 さすがに初手級ではないですが、どんなデッキでも活躍してくれるのでそれなりに早くとっても問題ないカードです。

 もう片方の《激戦の戦域》はちょっとリミテッドでは厳しい能力ですね。
 常時攻めるようなデッキならワンチャンスあるかもしれませんが、それでも相手にコントロールが移ってしまうデメリットは見過ごせません。
 序盤に置いて相手にコントロールが移ってしまっては元も子もないですからね。もし取ったとしてもデッキには入れない方が無難かと。


 以上で僕の包囲戦の点数表は全部です。

 一応補足しておくと、点数表というのはあくまでピックの目安であって、実際にその点数の通りにピックする必要はありません。
 状況によっては点数を度外視してピックすることも多いです。

 ピックしているカードのバランスやマナの重さの問題、金属術ドラフトをしているときのアーティファクトの枚数など状況によって必要なカードは変わってきます。
 点数表はあくまでもピック基準の目安として、参考にする程度にとどめておくようにしましょう。

 今回の僕の点数表を皆さんのリミテッドライフに役立ててもらえるなら幸いです。


 できれば環境的なまとめもしたかったのですが、ちょっと尺が長くなってしまったのでそれはまたの機会ということにします。

 では今回はこの辺で。また来週お会いしましょう。

2011年日本選手権予選

グランプリ・神戸

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