MAGIC STORY

ニクスへの旅

EPISODE 07

クルフィックスの洞察

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クルフィックスの洞察

Kelly Digges / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori

2014年6月11日


 ディアンサは一つ深呼吸をし、意識を集中し、扉を叩いた。

 一瞬の間があった。

 時に彼らの客人は完全に孤独でいることを望んだ。またある時は、彼女は閉じた扉の向こうから、広間に食事を置いておくように要請した。そして、時折、彼女は従者たちを招き入れて話し合うこともあった。まるで彼らを好むかのように、まるで彼女自身がここにいることを望むかのように。

「どうぞ」 その神託者は言った。

 ディアンサは扉を開けた。

 クルフィックス神の神託者は、長い黒髪の美しい女性だった。彼女はしばしばそうするように、窓枠に両腕を乗せてその外を見ていた。透明な、半ば実体の、もう二本の腕が、彼女の身体の脇に物憂げに揺れていた。クルフィックス神はその神託者をよく目にかけており、誰もそれを見間違えることがないように、そしてどんな愚か者や野蛮人も、彼らに危害を加えないようにしていた。

 神託者は振り向き、微笑んだ。


クルフィックスの預言者》 アート:Winona Nelson

「ようこそ、ディアンサ」

 ディアンサは盆を置いた――火から上げたばかりの羊肉、焼いた野菜、新鮮なオリーブの実、チーズの盛り合わせ。クルフィックス神の信奉者は少なく、メレティスにおける彼の神殿も小規模なものだが、神託者はそれらを自由に利用することができた。

「こんにちは、神託者様」 ディアンサは言った。「ご機嫌はいかがですか?」

「ええ、とても」 神託者は言った。「ちょうど、神殿のことを思い出していました」

「神殿ですか、神託者様?」

 彼女は微笑んだ。

「クルフィックス様の神殿――真の神殿――大地の果て、二本の巨木が立ち、護る所」

「まるで......」 ディアンサは躊躇しながら言った。「行ったことがあるように語られるのですね、神託者様」

「行きました。危険にさらされた時、クルフィックス様が私を神殿へと連れて行って下さったのです。私は激動の間、神と共に過ごしました」

 ディアンサは頭を下げた。

「クルフィックス様から直接学ばれるというのは、大変な名誉ですね」

 神託者からその微笑みが消えた。

「学ぶ」 彼女は言った。「ええ、そうです、そうだったと思います」

 ディアンサは頭を下げ、振り返り、部屋を出るのをかろうじて我慢した。

「羨ましく思います」 その代わりに、彼女は言った。

「え?」 神託者は返答した。

「とても、羨ましく思います」 ディアンサは言った。「私は神官です。そして神官として、信仰があります――クルフィックス神の知への信仰、彼の神の、他の神々に対する権限への信仰が」 彼女は視線を足元へ落とした。「ですが、私に彼の神の声は聞こえません。神託者様、そして私は、彼の神の存在の中を歩いたこともありません。そこには......」

 ディアンサは躊躇した。尋ねることはできなかった。

「何か、私に教えて下さいませんか? 何を学ばれたのですか?」

 神託者は背を向けて、再び窓の外を見た。その目は彼方の地平線を見据えて、そして彼女は長いこと黙ったままでいた。


 クルフィックス寺院の大きな枝の中、腰を下ろした場所から、キデーレは全てを見ていた。彼女は実体の手で生きた木にもたれ、二つの霧がかった実体のない二本の腕で星空に寄りかかっていた。それは彼女が神託者として覚醒した時に、クルフィックス神が彼女へと授けたものだった。


神秘の神殿》 アート:Noah Bradley

 キデーレは、ゼナゴスが神となり、その咆哮がニクスの清純なる表面を野火のように走るのを見た。人間エルズペス・ティレルと彼女の友アジャニの到来を見た。二人がクルフィックス神の身体、ニクスへの門を通り抜け、そして空へと歩み出すのを見た。エルズペスが神送りと呼ばれる刃で、ゼナゴスを空から切り離すのを見た。

 そして彼女は見た、神々の中でも至上を称するヘリオッド神が、エルズペスの手からその武器を強奪するのを――その神が彼女のために聖別し、太陽の勇者とした武器を。

『お前はあのサテュロスによく似ている』 太陽の神はそう言った。『お前の目は私が見通せないものを見てきた。勇者がその神よりも多くを知るなどは許されぬ。私は万神殿の主だ。私こそが至上だ。』

 そして彼は彼女を殺害した。自身の勇者を、彼女の武器で。

 危機は終わった。万神殿は安定し、ニクスはゼナゴスの暴力から癒えた。

 キデーレは、自身の内が死んでしまったように思えた。

 ほとんどの神託者は一柱の神の声を聞く。その声は頭の中、大きく、明瞭に響く。まるで鐘が鳴るように、判決が下され、誰もが黙る時のように。哀れなダクソス、全神の神託者であり無神の神託者は、あらゆる神の声を、いついかなる時も聞いていた。神性の、抗えない合唱を。だがクルフィックス神の声は、違っていた。クルフィックス神は彼女の心へと、ほとんど耐えることなく、映像と出来事を長々と囁いていた。それはまるで地平線の下に隠れた太陽のように、彼女の聴覚の少し向こうを漂っていた。

 だがヘリオッドの背信行為からずっと、彼女の神の声は沈黙してしまっていた。この場所、ニクスとの境界である大瀑布を見下ろす彼の神殿にいてさえ、彼女は何も聞くことができなかった。彼女は時折、彼のかすかな姿が神殿の中を動くのを垣間見た。だが彼は黙っていた。

 この世界の果てでは、どれほどの時が経ったのかを知るのは困難だった。

 神の馴染みある声が周囲に響いた時、キデーレはぼんやりとしながら神殿の地面を歩き回っていた。

『困っているようだな』

 神秘の神らしからぬことに、それは問いかけではなかった。

 キデーレは地平線へ、星明りを纏う、四本の腕を持つクルフィックス神の輪郭へと顔を向けた。


クルフィックスの洞察力》 アート:Igor Kieryluk

「それは、私だけではないように思えます」 キデーレは言った。

 クルフィックスは何も言わなかったが、キデーレへとついて来るように身ぶりをした。彼女の隣へ近づくと、遠近が奇怪に反転して彼は縮み、彼らは同じほどの背の高さになった。

「起こったのは、良いことだったのでしょうか?」 キデーレは尋ねた。彼女は身体の前で実体の腕を優雅に組んでいたが、霧の腕は不安そうに揺れていた。それらは完全に彼女の支配下にあるわけではなかった。

『良いこととは、ゼナゴスが神となったことか?』 クルフィックスは尋ねた。『エルズペスが彼を打ち倒したことか? その代償として死んだことか?』

 キデーレは力なく肩をすくめた。

「秩序は回復されました」 彼女は言った。「テーロスとニクスは全てこともなし。ゼナゴスはもはや世界を脅かさず、ニクス生まれは再び定命の者たちを支え、導いています、彼らがそうすべきであるように」

 クルフィックスは待った。彼はいつでも待っているのだった。

「でしたら、何故」 彼女はようやく口を開いた。「何もかもが、こんなにも間違っているように思えるのでしょうか?」

『それはあらゆる謎の中でも最大のものだ。存在の、その目的の謎』

「ゼナゴスの昇天から、困難な問題が現れました」 キデーレは言った。「ニクスについて、神々の性質について。神々は不老であり、変化することはないと哲学者は教えています。ですがもし、一柱の神が数週間の間に生まれて死ぬというのなら、他の神々についてはどうなのでしょう?」

『それは』 クルフィックスは言った。『謎ではない。その答えを真に聞きたいと願う者は稀な、単なる問いかけだ』

「私は、聞きたく思います」 彼女は間髪入れずに言った。

 クルフィックスは口を開くまでに長いこと彼女を見ていた。その様子は謎めいていた。

『神々とは、ニクスの構造の内に姿を成した、信仰である』

「神々は信仰を呼び起こします」 キデーレは言った。「明らかに、神々が先です」

『我は最古の神』 クルフィックスは言った。『だが我とて、生者の信仰よりも先に存在したわけではない。テーロスの定命の存在が最初に夜空を見上げ、言った。「不思議......」 そして、我の一部が存在として現れた。我は未知で、不可知だった。彼方の地平線の向こうに座す存在だった』


彼方の神、クルフィックス》 アート:Daarken

『我は、他の神々が姿を成すのを見てきた。次に、死を。究極の、逃れられぬものを。そして太陽と海、森と炎を。その後に、更に曖昧な分野が現れた――闘争、欺瞞、洞察、愛』

「愛?」 キデーレは言った。

『そうだ。そして更に多くの、定命の者たちは忘れてしまったものが。それとも、ヘリオッドは常に太陽の神であったと思うか?』

「他の神々はどのように存在したのですか? 私達は覚えているかもしれません」

『もし彼らを覚えているのなら』 クルフィックスは言った。『彼らは今も存在するだろう。ヘリオッドが万神殿にその座を得るとすぐに、彼は太陽の神「だった」――そしてずっとそうだった。こういった事象について、定命の者たちは短い記憶しか持たぬ。もし長い記憶を持っていたなら、ニクスは競争と矛盾で引き裂かれてしまったであろう』

 四本の腕が広げられた、完全な敗北を示すように。

『もしかしたら、我さえも最初ではないかもしれぬ』 クルフィックスは言った。『どうして知ることなどできようか?』

 キデーレはずっと押し黙ったままだった。

「では、神々とは御自身がそう思われるよりも儚い存在なのですか」 彼女は言った。「そして神々の存在は、定命の信仰の有無に依存するのですか?」

『そうであろうな』

「何故ですか?」

『何故時は過ぎるのか?』 クルフィックスは尋ねた。『何故水は丘を流れ下るのか?』 星々が彼の外套に揺らめいた、肩をすくめるように。『いくつかは、単純にそうだからだ』

「メレティスの哲学者達はそういった物事について討論しています」 キデーレは言った。「物が動く理由、時の性質について」

『語らせておくがいい』 クルフィックスは無情に、冷淡に言った。『もし彼らが答えを学んだなら、人々は代わりに彼らを崇拝するかもしれぬな』

「貴方様も、知らないということですか?」

 クルフィックスは彼女へと顔を向けた。キデーレは突然の眩暈に襲われるのを感じた。見つめられているのを感じた、同行者としてではなく、見下ろされていた。星空と暗黒の、果てしない深淵に。

『もしそこに理由が――神々の性質の背後に何らかの目的が――あるとしても、我はそれを知ることを望みはしない』

「知ることは、クルフィックス様の義務」 キデーレは言った。「それこそが、目的......では、ないのですか?」

 彼女はクルフィックス神へとこれほどまでに直接反論したことはなかった。他の神々の多くはこのような無礼を許すことはない。例えその神託者からでさえも。

 クルフィックスは夜風のような音で、溜息をつくだけだった。

『我はテーロスの既知全てを知るもの、そして多くが知られていない』 彼は飽き飽きしたように言った。『だが近頃、我はこの世界について、世界の安全について学んだ』 彼は一瞬黙った。『驚いたかね、我にまだ学ぶ余地があるということに?』

「はい」

 事実、それはキデーレを驚かせただけではなかった。彼女は不安になった。クルフィックスは神秘を司る神。彼はあらゆる問いへの答えを知り、そのため彼は決定するのだ、それらの答えは定命の者達が知るには安全かどうかを......もしくは、彼女はそう考えていた。

『そうであろうな』

 そして彼は黙った。

「何を学ばれたのですか?」 彼女は尋ねた。

『それを知りたいと願うかね?』

「願います」

 もし、クルフィックスの神託者が真実を前にひるんでいたなら、自分には何が残るのだろう?

『願ってはならない』 クルフィックスは言った。『知識は残酷である。それはお前の心を挫き、忠誠心を試すことになる。お前は本当にこの呪いを求めるのか?』


クルフィックスの指図》 アート:Daarken

 キデーレは時間をかけて考えた。彼女はどんな定命の存在も夢にさえ見ない物事を知った。とても頻繁にニクスを覗き見てきた彼女にとって、そこは馴染みある場所だった。彼女はクルフィックス神がその巨木に神々の名を印すのを見た。彼らをテーロス世界から隔てるために。知識とは力だった。

 だがクルフィックスは彼方の神。そして、決して知られる運命でない物事がある。どれほど遠くへ旅しようとも、その先には常に、更なる地平線がある。

 だがここは、その最後の地平線。

「はい」 彼女は言った。「心から願います」

『宜しい』 クルフィックスは言った。

 彼は黙ったまま歩き、彼女は待った。そしてついに、彼らは世界の果てそのものへとやってきた。海がニクスの究極の深淵へと音を立てて落ち、夜の海の岬のように、クルフィックスの神殿が伸びている場所へ。

 クルフィックスはじっと立ったまま、ニクスを見つめた。

『テーロスは多くの世界の一つだ。それは知っているか?』

「それは、ニクスや死の国のことを仰っているのではない、そうですね?」

『それらとは違うものだ。この世界の外、テーロスの外、ニクスの外に、まったくの、多くの世界が存在する。空を見上げても見ることはできぬ世界、テーロスの神々も全く力及ばぬ世界。お前には――我も――決して訪れること叶わぬ世界。それら独自の文明と、歴史と、物理法則さえも持つ世界』

「そこには独自の神々も?」

 再び、クルフィックスに見つめられ、彼女は眩暈の感覚に襲われた。

『いや』 彼は言った。その言葉は鐘のように鳴った。『我らのような神々のいる世界も、ある。だが一つの法則としては、違う。我らは......局地的な現象だ』

「そして、クルフィックス様は最近それを学ばれたのですか?」

 クルフィックスは首を横に振ったようだった。

『最近ではない。そういった世界の間を歩むことができる存在がある。我らの世界にそのような者が初めて訪れたのは、とても昔のことだ。我は全てを、この世界の既知全てを知るもの。そして我は、彼女が知る全てを学んだ』

 キデーレは少し考えた、クルフィックスの大樹のこの場所から見て、学んだ全てについて。

「エルズペスが、その......世界を歩む者、だったのですか?」

『鋭いな』 クルフィックスは言った。『そう、彼女がそうだった。だが彼女だけではない。彼女の友アジャニ、ニクスから彼女を運び出したレオニンもだ。トリトンの――マーフォークの――キオーラ、盗賊カラフェを自称しタッサの怒りを受けたあの者も』

『そして』 彼は続けた。『ゼナゴスも』


歓楽者ゼナゴス》 アート:Jason Chan

 キデーレは頷いた。

「彼は他の世界へと旅をした。そこに神はいなかった......そして、自分もそうなれると知った?」

『近い』 クルフィックスは言った。『彼は他の世界へと旅をした。そこに神はいなかった。そしてテーロスの全てへと、神々とは偽りだと知らしめようと決心したのだ』

「彼がそれに成功したとは思えません」 キデーレは言った。

『いかにも』 クルフィックスは言った。『人々は混沌を見た。破壊を見た。短い間に、一人の簒奪者が神の領域に入ったのを見た。他の神々がそのまま残りながら、あらゆる見た目は漠然と安定したままで。もし、あの者が万神殿の中に生き延び、その座を確保していたならば、人々は記憶するかもしれぬ、歓楽の神は常に存在するわけではないと。そしてそれは他の神についてはどうなのかと、疑問を抱くようになる』

 クルフィックスは再び肩をすくめた。

『だが、私が推測するに、人々は彼を崇めることを学び、そして彼の定命の起源を忘れた。人々は信じるようになった、彼は常にそこにいて、自分達の崇拝を待っていたのだと。それが物事の道理だ。最終的に、彼は何も脅かしていなかった』

「では、クルフィックス様を悩ませているのは、彼ではないと」 キデーレは言った。

 クルフィックスは笑った――本当に笑った。虚ろな、こだまする音で。

『お前はできる神託者だ』

 彼は星の瞬く手を身体の前で組んだ。

『そうとも、私は悩まされている、だがゼナゴスの昇天にでも、世界の間を歩む者の存在にでもない』

『我が悩みはその、世界を歩む者たちを悩ませるものだ』

 そしてそこに。彼らが爪先立ちで歩く周囲に、暗く尖る果てがあった。

『マーフォークのキオーラは』 クルフィックスは言った。『エルドラージと呼ばれるものにその存在を脅かされている世界からやって来た。それらは巨大で恐怖そのもの、あらゆる神に等しい力を持つ。そしてそれらは世界を食らう、我が神託者よ。大地の骨から肉をこそげ落とし、死した殻だけを残して、次へと去ってゆく』


背くもの》 アート:Tomasz Jedruszek

『レオニンのアジャニはとても強大な敵と対峙した。同輩の世界を歩む者であるドラゴン。我にとっても、そのドラゴンは不可解なほどに古い存在だ。彼は無限の力と永遠の生命を探し求めている。その計画は世界と世紀をまたぎ、慈悲などなく、その目の前に立ちはだかるものに容赦などしない』


残酷な根本原理》 アート:Todd Lockwood

『そしてあの人間、エルズペス......彼女はファイレクシアと呼ばれる地からここへ来た。皮をはがれた皮膚とねじれた金属から全てがなる世界、神々を自称する、悪意に満ちて極悪非道な存在が支配する世界。それは自然への冒涜、生命の暗き模倣、その手は触れたもの全てを堕落させる。そしてそれは既に、一つの世界から違う世界へとその道を切り開いている』


総くずれ》 アート:Igor Kieryluk

 クルフィックスはニクスをじっと見た。夜が夜を見据えた。

『もしも、そういったもの達がここへ、我らの世界へと来たならば、彼は言った、神々をもってしてもそれらを止めるには力不足かもしれぬ。そしてこの世界が真二つになり、もしくは作り変えられ、いや、更に悪いものにされ、お前達の祈りが、嘆願が、その全てが、沈黙の空へと聞き入れられなくなるであろう』

 一つまた一つと、クルフィックスの外套の星々が瞬いては消えはじめた。やがて暗黒だけが残った。

『神託者よ、我が怖れているのは、神の心を困らせるのはそれだ。テーロスは深く静かな池に泳ぐ小魚。深みを知らず、何か巨大なものが昇ってくれば一口に飲み込まれてしまう、それを知らぬもの』

 彼はキデーレの顔を見て、四本の腕を広げた、ニクスの星空に純粋な暗黒の穴があいた。

『今や、お前は知った。この知識を如何にする?』


 ディアンサは待った。

「いえ、神の忠実なる信徒よ」 神託者は言った。「何もありません。本当に、何も」

 彼女はそれ以上何も言わなかった。ディアンサはそれを、退出の命令と受け取った。彼女は去った。

 彼女の背後で、神託者は窓の外を見つめていた。都市を越え、地平線を越え、無限の彼方を。

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