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戦略記事

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

『ドミナリア』発売!新環境攻略

津村 健志
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 こんにちは! 晴れる屋の津村です。

 ここ最近のセットの中でもかなり強力だと言われている『ドミナリア』が発売され、スタンダード環境は大きな変化を遂げました。いつも以上に魅力的なカードやデッキが盛りだくさんとなっておりますが、今週はそんな『ドミナリア』入りのスタンダードの中から、活躍著しいデッキを特集していきたいと思います。

 まずは、先週末に開催されたグランプリ・バーミンガム2018(スタンダード・リンク先は英語)のトップ8デッキをご覧ください。

グランプリ・バーミンガム2018 トップ8デッキ (5月12~13日開催)

  • 優勝・「赤黒アグロ」
  • 準優勝・「青白コントロール」
  • 3位・「赤黒アグロ」
  • 4位・「赤黒アグロ」
  • 5位・「黒緑巻きつき蛇」
  • 6位・「赤黒アグロ」
  • 7位・「赤黒アグロ」
  • 8位・「赤黒アグロ」

 「グランプリ・バーミンガム2018」は、「赤黒アグロ」が圧倒的なまでの存在感を放つ結果となりました。トップ8に6名を輩出しただけでも十分な快挙と言えますが、トップ32まで視野を広げてみると、さらに10名もの「赤黒アグロ」使用者が名を連ねています。

 「赤黒アグロ」は間違いなく現時点で最大の仮想敵であり、最も完成度の高いデッキです。前環境末期から活躍が目立っていたデッキではあるものの、デッキリストにはいくつかの変更が施されているので、まずはその「赤黒アグロ」から見ていきましょう。

赤黒アグロ

Simon Nielsen - 「赤黒アグロ」
グランプリ・バーミンガム2018 優勝 / スタンダード (2018年5月12~13日)[MO]
11 《
1 《
4 《泥濘の峡谷
4 《竜髑髏の山頂
2 《燃え殻の痩せ地
2 《産業の塔
1 《霊気拠点
-土地(25)-

3 《損魂魔道士
4 《屑鉄場のたかり屋
4 《ゴブリンの鎖回し
2 《ピア・ナラー
2 《再燃するフェニックス
2 《栄光をもたらすもの
2 《歩行バリスタ
-クリーチャー(19)-
2 《マグマのしぶき
4 《削剥
3 《無許可の分解
3 《キランの真意号
2 《反逆の先導者、チャンドラ
2 《ウルザの後継、カーン
-呪文(16)-
1 《栄光をもたらすもの
3 《強迫
2 《チャンドラの敗北
1 《大災厄
1 《焦熱の連続砲撃
1 《無情な略奪
1 《ヴラスカの侮辱
1 《木端+微塵
1 《グレムリン解放
1 《反逆の先導者、チャンドラ
1 《ウルザの後継、カーン
1 《炎鎖のアングラス
-サイドボード(15)-

 「赤黒アグロ」は赤いビートダウンデッキを基調とし、そこに高い打点と粘り強さをあわせ持つ《屑鉄場のたかり屋》、そしてクリーチャーデッキ同士の対決において最強の除去呪文である《無許可の分解》を加えたデッキです。

 ダメージレースで大きく差が付く《無許可の分解》のおかげでメインデッキは対クリーチャー戦に強く、サイドボードに《強迫》や《大災厄》、さらには《炎鎖のアングラス》といったコントロールデッキに強いカードが採用できるため、環境内のほとんどのデッキに対してバランス良く戦えるのがこのデッキの強みになります。

環境を変えた《ゴブリンの鎖回し

 では、『ドミナリア』がどのように「赤黒アグロ」の大勝を後押ししたのでしょうか。その答えは《ゴブリンの鎖回し》です。

 『ドミナリア』に優秀なカードは数あれど、現時点で《ゴブリンの鎖回し》を上回るカードはありません。そう言い切ってしまえるほどにこのカードのパフォーマンスはズバ抜けています。

 まずこのカードが環境に存在する影響で、タフネスが1しかないクリーチャーはその価値を大きく下げてしまいました。《産業の塔》を擁するこの手の赤いデッキで《ボーマットの急使》が不採用であることに大変驚きましたが、これは対戦相手が繰り出す《ゴブリンの鎖回し》から被る被害を最小限に食い止めるための工夫のひとつです。

 その穴を埋めるべく起用されている1マナ圏が、ここ最近ではあまり見かけることのなかった《損魂魔道士》。このカードも《ゴブリンの鎖回し》の登場による恩恵を受けた1枚であり、この2種類を組み合わせることで《ゴブリンの鎖回し》は「対戦相手がコントロールする全てのクリーチャーに-1/-1カウンターをばら撒く」という恐ろしいカードに変貌するのです。

 もちろん、1マナのクリーチャーでありながら対面の《ゴブリンの鎖回し》から生き残るタフネス2である点も見逃せませんし、これからの赤いデッキを支える《ゴブリンの鎖回し》にとって最良の相棒です。

 さて、このように1マナのカード選択、さらには環境全体に大きな影響を及ぼした《ゴブリンの鎖回し》ですが、もうひとつ見逃せないのがその戦闘能力の高さです。3/3先制攻撃はもちろん攻撃にも役立ちますが、特筆すべきは防御力の向上にも寄与している点です。

 「赤黒アグロ」は2マナに《屑鉄場のたかり屋》を採用していることもあり、守りに若干の不安を抱えていました。攻守にわたって優れる《ゴブリンの鎖回し》はこれを改善するのにうってつけで、以前よりも押し込まれる展開が減ったり、プレインズウォーカーを守りやすくなったり、という嬉しい変化をもたらしてくれています。

ウルザの後継、カーン

 このデッキに採用されたもうひとつの新カードが、《ウルザの後継、カーン》です。主に[+1]能力と[-1]能力の循環でアドバンテージを稼いでいくことになりますが、アーティファクトが多めに採用されたこのようなデッキであれば[-2]能力で生み出されるトークンも無視できないサイズになります。また、《ウルザの後継、カーン》は忠誠度が非常に高いため、《キランの真意号》の乗り手としても優秀です。

 これまでの対コントロール用のカードと言えばサイドボードの《アルゲールの断血》がお馴染みでしたが、《ウルザの後継、カーン》のようにメインデッキから無理なく採用でき、それでいて多角的な攻め手にもなるカードの登場はこの手のデッキにとって大きな収穫と言えますね。

ルール変更による注意点

 『ドミナリア』の登場に伴い、プレインズウォーカーと火力呪文のルールに変更がありましたが、「赤黒アグロ」はその影響を色濃く受けたデッキのひとつです。《無許可の分解》と《反逆の先導者、チャンドラ》の[+1]能力はどちらもプレインズウォーカーにダメージを与えられなくなっているので、以前と同じ感覚でプレイしてしまわないようにご注意ください。

今後の展望

 一口に「赤黒アグロ」といっても、《ボーマットの急使》の有無であったり、より赤に寄せた構築であったり、リストにはまだまだバラつきがあります。そんな中で上記リストは「《ゴブリンの鎖回し》絡みの攻防を最も強く意識した構成」に仕上がっているので、赤系のアグロが中心のメタゲームにおいて最適な選択になると思います。

 今後このような構築が一般的になった場合に差を付ける手法としては、《再燃するフェニックス》や《グレムリン解放》の増量が考えられます。

 前述の通りビートダウンデッキにもコントロールデッキにも満遍なく対応できるデッキですので、プロツアーでも間違いなく大本命になるであろうデッキです。

「青白コントロール」

Leo Lahonen - 「青白コントロール」
グランプリ・バーミンガム2018 準優勝 / スタンダード (2018年5月12~13日)[MO]
6 《
7 《平地
4 《灌漑農地
4 《氷河の城砦
3 《曲がりくねる川
1 《天才の記念像
2 《廃墟の地
-土地(27)-
 
-クリーチャー(0)-
3 《一瞬
3 《本質の散乱
3 《封じ込め
2 《アズカンタの探索
4 《不許可
3 《排斥
3 《残骸の漂着
2 《燻蒸
1 《暗記+記憶
2 《中略
2 《明日からの引き寄せ
1 《試練に臨むギデオン
4 《ドミナリアの英雄、テフェリー
-呪文(33)-
1 《領事の権限
3 《否認
2 《魔術遠眼鏡
1 《霊気溶融
4 《ベナリア史
2 《神聖の発動
1 《燻蒸
1 《試練に臨むギデオン
-サイドボード(15)-

 「赤黒アグロ」の対抗馬として名乗りを上げたのが、こちらの「青白コントロール」。《封じ込め》に《中略》、さらには《ドミナリアの英雄、テフェリー》という強力なプレインズウォーカーを手にしたことで、『ドミナリア』リリース前から大きな注目を集めていたアーキタイプです。

 Magic Onlineや現実世界の大会において前評判通りの活躍を見せてくれたこのアーキタイプですが、グランプリ・バーミンガム2018で準優勝に輝いたLeoさんのリストは、「赤黒アグロ」を筆頭としたビートダウン偏重の世界をしっかりと見据えた構成に仕上がっています。

メタゲームを読み切ったノンクリーチャー型のリスト

 このリストで特筆に値するのは、なんといってもフィニッシャーと呼べるクリーチャーを一切採用していない点でしょう。従来であれば《黎明をもたらす者ライラ》や《奔流の機械巨人》が起用されているリストが一般的でしたが、クリーチャーデッキの隆盛、そしてそれに伴い各デッキの除去呪文が増量するであろうことを見越してか、このリストではそれら除去呪文の多くを無効化すべくクリーチャーを1枚も採用していないのです。

 《黎明をもたらす者ライラ》や《奔流の機械巨人》の代わりにこのデッキのフィニッシャーを務めるのは、《ドミナリアの英雄、テフェリー》です。圧倒的なアドバンテージを提供してくれる[+1]能力、さらには各種プレインズウォーカーから《排斥》のようなエンチャントカードまで対処可能な[-3]能力と、コントロールデッキに必要な多くの役割を1枚で実現してくれる新戦力です。

 《ドミナリアの英雄、テフェリー》がフィニッシャーと聞くと、おそらく強力無比な[-8]能力で対戦相手のパーマネントを締め上げて最終的に勝利するのだろうと予想されることでしょうが、それは半分正解で半分不正解です。なぜならば、このデッキにおける《ドミナリアの英雄、テフェリー》は、「まごうことなき勝ち手段」としての役割を兼ねているからです。

 僕もこのリストを見るまで思い付きもしませんでしたが、なんと《ドミナリアの英雄、テフェリー》の[-3]能力はテフェリー自身を対象に取ることができます。それを繰り返すだけでこちらはライブラリーアウトの心配がなくなるので、あとは対戦相手のライブラリーが尽きるまでひたすら守りに徹していればいいというわけなんですね。

 こんな戦略が本当に実現できるのか疑問に思われる方もいらっしゃるでしょうが、メインデッキに関しては対戦相手のデッキに大量の無駄カード=除去呪文があるため、思いのほか簡単に実行できてしまいます。

 また、このデッキは他の「青白コントロール」のリストと比べて2マナ以下のカードがかなり多めに採用されています。こうすることで《ドミナリアの英雄、テフェリー》が登場するまでに盤面を更地に保っておきやすくなりますし、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の[+1]能力後に動きやすくなるというメリットが生まれます。

 ドロー呪文は《天才の片鱗》や《ヒエログリフの輝き》ではなく、《明日からの引き寄せ》、そして《暗記+記憶》の《記憶》のみとなっておりますが、これは《ドミナリアの英雄、テフェリー》を出すターンまでは盤面の静寂を保つことに注力したいという意思の表れだと思います。《ドミナリアの英雄、テフェリー》の[-8]能力は「カードを1枚引くたび」に誘発するので、それを最大限に生かすべくこういった効果の大きなカードが採用されているという理由もあるかもしれません。

 勝ち筋の細さこそ気になるものの、デッキ全体として《ドミナリアの英雄、テフェリー》を駆使して圧倒的な物量差を築くことがテーマであり、それを達成することがそのまま勝利条件に結び付くという一貫性が非常に美しいデッキです。

サイドボード

 サイドボード後も、基本的にはメインデッキの戦略から逸脱することはありません。リストがばれていないグランプリの時点では、対戦相手が除去呪文を全てサイドアウトするかどうかは定かではなかったでしょうし、《黎明をもたらす者ライラ》を警戒して最小限の除去を残す方が一般的だったはずなので、2本目以降にもノンクリーチャーを貫くことに一定の価値があったからでしょう。

 ただし、サイドボードにもクリーチャーが入っていないことが周知された今ならば、対戦相手は除去を全てサイドアウトすると予想されるので、それを逆手に取ってサイドボードに《黎明をもたらす者ライラ》なんかを採用しても面白いと思います。

 サイドボードもどちらかというとアグロデッキ対策が目立つので、「仮想敵は各種『機体』デッキ」という明確な意思を持って構築されたことがうかがえます。その中で注目のカードは、これまではあまり見かける機会のなかった《魔術遠眼鏡》です。

 《魔術遠眼鏡》は、主に《ウルザの後継、カーン》や《反逆の先導者、チャンドラ》、《炎鎖のアングラス》といったプレインズウォーカー対策として機能してくれます。メタゲームの大本命である「赤黒アグロ」には、プレインズウォーカー以外にも《キランの真意号》や《屑鉄場のたかり屋》、《宝物の地図》に《アルゲールの断血》と、《魔術遠眼鏡》が突き刺さるカードが大量に含まれていますし、このまま「機体」デッキの躍進が続くのであれば、今後さらなる活躍が期待できる1枚です。

 他に気になるカードは《ベナリア史》でしょうか。こちらは主にコントロールデッキ対策として採用されているカードで、守り一辺倒だったメインデッキとは打って変わって攻撃的なゲーム運びを可能としてくれます。

 前環境からの普遍的な問題点となりますが、「青白コントロール」はメインデッキが最強クラスに強い半面でサイドボード後が脆いという側面があります。対戦相手が《強迫》や《否認》といったクリティカルなカードをサイドインしてくるのに対し、メインデッキのままのプランで挑んでしまうといいようにやられてしまうことが多いので、《ベナリア史》などを用いて「サイドボード後に軸の異なるプランを用意できるかどうか」がこれからの課題となるでしょう。

「黒緑巻きつき蛇」

Etienne Busson - 「黒緑巻きつき蛇」
グランプリ・バーミンガム2018 5位 / スタンダード (2018年5月12~13日)[MO]
6 《
3 《
4 《森林の墓地
4 《花盛りの湿地
4 《霊気拠点
2 《イフニルの死界
-土地(23)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《光袖会の収集者
4 《巻きつき蛇
4 《打ち壊すブロントドン
2 《ピーマの改革派、リシュカー
3 《貪欲なチュパカブラ
3 《新緑の機械巨人
4 《歩行バリスタ
-クリーチャー(28)-
4 《冒険の衝動
1 《顕在的防御
1 《致命的な一押し
2 《ヴラスカの侮辱
1 《秘宝探究者、ヴラスカ
-呪文(9)-
3 《貪る死肉あさり
1 《豪華の王、ゴンティ
3 《強迫
1 《致命的な一押し
1 《アルゲールの断血
1 《喪心
2 《造命師の動物記
1 《死の権威、リリアナ
1 《生命の力、ニッサ
1 《秘宝探究者、ヴラスカ
-サイドボード(15)-

 現環境の一番手は「赤黒アグロ」、そして二番手は「青白コントロール」という認識で問題ないと思われますが、三番手に関しては意見が分かれるところです。個人的にそれに近ところに位置すると感じているデッキがこちらの「黒緑巻きつき蛇」です。《巻きつき蛇》が登場してからというもの、絶えずスタンダードで活躍してきたこのアーキタイプですが、『ドミナリア』から《ラノワールのエルフ》が加入したことでさらなる速度を、そして《冒険の衝動》によってさらなる安定感を手にしました。

 《冒険の衝動》は見た目以上に器用なカードで、ゲーム序盤はこのデッキのキーカードである《巻きつき蛇》を探す手段として、ゲーム終盤には《歩行バリスタ》や《新緑の機械巨人》といったフィニッシャーを探す手段として機能します。また、このデッキはエンチャント/アーティファクト破壊を《打ち壊すブロントドン》が、クリーチャー破壊を《貪欲なチュパカブラ》が担っているため、そういったカードの水増しとしても換算できる非常に便利な1枚です。

 このデッキにとって苦手なデッキは全体除去呪文の入ったアーキタイプくらいのものですし、それらのデッキに対してはサイドボードにこれでもかというほどに対策カードが搭載されているので、マッチ全体の勝率は決して悪くないでしょう。

 構築の幅が広いので正解と呼べるリストにたどり着くのは大変かもしれませんが、単純なデッキパワーの高さと苦手なデッキが少ないという意味で「黒緑巻きつき蛇」には密かに注目しています。僕と同じく黒緑系統のデッキがお好きな方は、ぜひとも安定感の増した新型のリストをご堪能ください。

「白黒機体」

Buky - 「白黒機体」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2018年5月13日)[MO]
7 《平地
3 《
4 《秘密の中庭
4 《孤立した礼拝堂
1 《シェフェトの砂丘
4 《イフニルの死界
1 《屍肉あさりの地
-土地(24)-

4 《模範的な造り手
4 《悪意の騎士
4 《屑鉄場のたかり屋
2 《黎明をもたらす者ライラ
3 《歩行バリスタ
-クリーチャー(17)-
3 《致命的な一押し
4 《ベナリア史
2 《排斥
4 《キランの真意号
2 《試練に臨むギデオン
4 《ウルザの後継、カーン
-呪文(19)-
1 《賞罰の天使
3 《強迫
1 《断片化
3 《喪心
1 《宝物の地図
1 《大災厄
1 《神聖の発動
1 《排斥
1 《残骸の漂着
1 《燻蒸
1 《領事の旗艦、スカイソブリン
-サイドボード(15)-

 「機体」には実に豊富なバリエーションが存在しますが、(赤黒アグロを機体として扱わなければ)今のところ最も良い成績を収めているのは「白黒」です。《模範的な造り手》から《キランの真意号》という動きは健在ですし、『ドミナリア』の加入により《悪意の騎士》からの《ベナリア史》という新たな必殺パターンを手にしています。

 すでにMagic Onlineのプロツアー予選を突破していたりと実績十分のデッキではありますが、除去やアーティファクトの総数であったり、サイドボードの構成なども含めてまだまだ伸びしろのあるアーキタイプだと思います。いろいろなリストで数十試合をこなしてみた感想としては、動きのムラを減らすために除去は5枚以下、《模範的な造り手》用のアーティファクトカウント兼フィニッシュブローとして《歩行バリスタ》は3枚以上採用した方がいいと思いました。

 それとマナフラッドがどうしようもないデッキでもあるので、上記リストのように「砂漠」をたっぷり採用した形が好みです。

 いずれも土地とは思えないほど勝利貢献度が高かったものの、特に《シェフェトの砂丘》の活躍には目をみはるものがあったので、コントロールデッキが増えた際には《イフニルの死界》と数枚入れ替えてもいいでしょう。

 サイドボードはかつての「マルドゥ機体」がそうであったように、コントロールプランにシフトできる方が望ましいと思います。(参考:本連載の過去記事)おそらく現時点でも《模範的な造り手》くらいはサイドアウトできるように組まれていると思いますが、今後メタゲームが固まりサイドボードプランが洗練されれば、より一層の飛躍が期待できることでしょう。

~今週の一押し「バント・スーパーフレンズ」~

joetru - 「バント・スーパーフレンズ」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2018年5月6日)[MO]
2 《
2 《平地
4 《まばらな木立ち
3 《陽花弁の木立ち
3 《植物の聖域
2 《内陸の湾港
3 《灌漑農地
4 《氷河の城砦
3 《天才の記念像
-土地(26)-

4 《媒介者の修練者
-クリーチャー(4)-
4 《封じ込め
1 《アズカンタの探索
3 《残骸の漂着
2 《排斥
2 《燻蒸
2 《テフェリーの誓い
3 《試練に臨むギデオン
3 《ウルザの後継、カーン
1 《ドビン・バーン
3 《ドミナリアの英雄、テフェリー
1 《生命の力、ニッサ
2 《不撓のアジャニ
3 《自然に仕える者、ニッサ
-呪文(30)-
2 《黎明をもたらす者ライラ
2 《殺戮の暴君
1 《原初の潮流、ネザール
2 《呪文貫き
4 《否認
2 《俗物の放棄
1 《排斥
1 《燻蒸
-サイドボード(15)-

 最後はプレインズウォーカーがなんと16枚(!!)も採用されたプレインズウォーカーコントロールを。

 デッキの動きは豪快そのもので、ありとあらゆるプレインズウォーカー、そして全体除去を駆使してプレインズウォーカーが並ぶだけの時間を稼いでいきます。一度プレインズウォーカーが並び始めればそれだけで盤面を制圧してしまえるでしょうが、その優位を確固たるものにしてくれるのが《テフェリーの誓い》。

 どんなプレインズウォーカーであれ1ターンに2回能力を使えると聞いただけでワクワクが止まりませんが、特に複数のパーマネントを抑え込めるようになる《試練に臨むギデオン》、[+1]能力で追放したカードを[-1]能力でいきなり手札に加える《ウルザの後継、カーン》は信じられない強さでした。

 これまでに経験したことがないほどの情報量になるので、管理が大変かつ時間切れには気を付けなければなりませんが、見た目通りプレインズウォーカーを心ゆくまで味わいつくせるデッキです! 実際の動きが気になるという方は、僕が生放送で使用した動画がございますので、もしよろしければこちらをご覧になってみてください。(参考

おわりに

 今週の『津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ』は以上です。「赤黒アグロ」の大活躍の影に隠れてしまいがちですが、今のスタンダードは黒いカードやデッキの強さが際立っていますね。《致命的な一押し》、《ヴラスカの侮辱》という環境を代表する除去呪文に加え、《強迫》や《アルゲールの断血》といったサイドボードカードが充実していることが要因として挙げられます。

 個人的にも黒はぜひとも使いたいと考えていますし、今の時点ではプロツアー『ドミナリア』でも黒を使うデッキが多いのではないかと予想しています。プロツアーまでまだ2週間ほどありますが、ここからのメタゲームの変遷、そしてプロプレイヤーたちがどんなデッキを持ち込むのか楽しみでなりませんね。

 それでは、また次回の連載でお会いしましょう!

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