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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
第108回:最後のローグデッキ特集
読み物
津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
2012.06.28
第108回:最後のローグデッキ特集
こんにちはー。
先週末に行われたグランプリ・横浜は、なんとなんと1523名もの参加者が集まりました。これは国内グランプリとしては過去最大の参加者数であり、日本のマジック史に残る一大イベントとしてこれからも語り継がれていくことでしょう。
年末の12月にはグランプリ・名古屋が開催されますが、そこでも参加者記録が更新されるのかどうかに注目です。
さてさて、そんな日本史上最大規模のグランプリで見事優勝を勝ち取ったのは新潟の宮島 淳一さんでした。「白黒トークン」デッキをこよなく愛するという宮島さんは、モダン環境でもスタンダード環境でもそれを使い続けているようで、この結果はひとつのデッキを使い続ける重要性と、メタゲームの上位に位置するデッキが必ずしも正解とは限らないと、改めて僕たちに教えてくれるものとなったのではないかと思います。
そんなわけで、今週は久しぶりのローグデッキ特集をやってみたいと思います。今のスタンダードのメタゲームはかなり煮詰まっていますが、そんな中でも結果を残している珍しいデッキを紹介させていただきます。
今週は基本セット2013の情報をいくつか含んでいますので、もしもプレリリースまでカードリストをご覧になりたくないという方は、またプレリリース後に読んでいただければと思います。
まずは昨年まで環境のトップに位置していたこのデッキから。
「緑単《ダングローブの長老》」
24 《森》 -土地(24)- 4 《極楽鳥》 4 《ラノワールのエルフ》 3 《ウルヴェンワルドの足跡追い》 4 《絡み根の霊》 4 《ダングローブの長老》 3 《ウルフィーの報復者》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《酸のスライム》 1 《ウルフィーの銀心》 -クリーチャー(25)- |
4 《狩られる者の逆襲》 4 《緑の太陽の頂点》 3 《戦争と平和の剣》 -呪文(11)- |
1 《ウルフィーの銀心》 3 《精神的つまづき》 1 《漸増爆弾》 2 《内にいる獣》 2 《押し潰す蔦》 2 《獰猛さの勝利》 1 《高まる残虐性》 2 《饗宴と飢餓の剣》 1 《原初の狩人、ガラク》 -サイドボード(15)- |
昨年の10月くらいまではスタンダードを牽引する存在だった「緑単タッチ《ケッシグの狼の地》」の現代版がこのデッキ。当時はカウンター呪文の多い「青黒コントロール」(参考:第75回)や、このデッキの天敵である《ミラディンの十字軍》を軸に据えた「白青/白緑人間ビートダウン」(参考:第77回)が激増したために、このデッキは淘汰されていきましたが、現在では前者は主に《魂の洞窟》の登場ゆえに、後者は《蒸気の絡みつき》だったり、黒ではなく赤い除去が流行るに連れて見かける機会がほとんどなくなっています。
そのような理由から、再び《ダングローブの長老》に着目したプレイヤーがMagic Online(以下MO)上や現実世界で結果を残しているわけなんですが、《聖トラフトの霊》よろしく、やはり「呪禁」持ちで高打点のクリーチャーの与えるインパクトは凄まじいものがあります。現環境を象徴する「青白Delver」の《蒸気の絡みつき》すら効かないので、2~3ターン目に着地してしまえばそれだけで押し切ってしまえることもありますし、《狩られる者の逆襲》のバックアップがあれば相手の戦線は壊滅必至、膠着状態も一転して終わりを迎えます。
《狩られる者の逆襲》以外にも、《ダングローブの長老》は新顔の《ウルヴェンワルドの足跡追い》との相性の良さも特筆に値します。
この2枚の組み合わせは各種ビートダウンデッキや「《出産の殻》」デッキに対して劇的なもので、それ以外のマッチアップでも「青白Delver」の《昆虫の逸脱者》や《修復の天使》すらも容易に対処できる優れもの。《ウルヴェンワルドの足跡追い》は単体でも《極楽鳥》を落とせるため、現状のように《極楽鳥》の多い環境が続くようであれば、今後はもっと見かける頻度が増えると思います。特に《緑の太陽の頂点》が入ったデッキには居場所を見つけやすいでしょう。
このデッキを実際に使ってみたところ、「青白Delver」に対してはそこそこの好感触を得ることができたのですが、問題はその他のデッキ、具体的には《忌むべき者のかがり火》の入ったデッキでした。
一応《絡み根の霊》や《ウルフィーの報復者》のように《忌むべき者のかがり火》に耐性のあるクリーチャーもいますが、戦線が膠着した状態で飛んでくる《忌むべき者のかがり火》に対しては無力に等しい存在なので、《忌むべき者のかがり火》の入ったデッキと対峙する際には、速やかに殴り切ってしまうのが理想的です。
《ウルフィーの銀心》や《戦争と平和の剣》は、単純な打撃力という意味でも、《忌むべき者のかがり火》耐性をあげるという意味でも重宝するので、《ウルフィーの銀心》なんかは2、3枚目を検討してみてもいいと思います。
それと《審判の日》の入った「エスパー(青白黒)」辺りも苦手としているので、サイドボードにはしっかりと《獰猛さの勝利》と《原初の狩人、ガラク》が取られています。《獰猛さの勝利》は2ターン目に出るとそれだけで非常に有利になるので、これまた増量を検討してもいいくらいの1枚です。
基本セット2013では《怨恨》の再録が確定しているので、そういった意味でも今後要注目のアーキタイプですね。
「黒単コントロール」
18 《沼》 4 《ファイレクシアの核》 2 《埋没した廃墟》 -土地(24)- 4 《真面目な身代わり》 -クリーチャー(4)- |
4 《太陽の宝球》 4 《清純のタリスマン》 4 《胆液の水源》 3 《マイコシンスの水源》 1 《困窮》 2 《喉首狙い》 2 《血統の切断》 1 《死の支配の呪い》 4 《ソリンの復讐》 4 《黒の太陽の頂点》 3 《ソリン・マルコフ》 -呪文(32)- |
2 《ワームとぐろエンジン》 1 《墓所のタイタン》 2 《外科的摘出》 1 《蔑み》 2 《虚無の呪文爆弾》 2 《困窮》 1 《ミミックの大桶》 2 《血のやりとり》 1 《死の支配の呪い》 1 《高まる野心》 -サイドボード(15)- |
こちらは密かに当たる回数の多い「黒単コントロール」。コントロールデッキに分類してはいますが、本質的には《ソリン・マルコフ》の[-3]能力から《ソリンの復讐》での一撃必殺を狙うデッキなので、事実上コンボデッキのようなデッキです。
大雑把なデッキなのであまり解説することもありませんが、対「青白Delver」戦では相手が《真面目な身代わり》や《清純のタリスマン》に《マナ漏出》を使ってこないようであれば、《ソリン・マルコフ》や《ソリンの復讐》は3マナ追加で用意できるまでキャストしないようにしましょう。
序盤にアクションらしいアクションが取れずに押し切られることが多かったので、《マイコシンスの水源》辺りは追加の2マナ除去にしてもいいと思います。
あとサイドボードの《高まる野心》は思いの外強かったので、環境が遅くなれば他のデッキでも流用できるかもしれません。
このデッキはフィニッシュの性質上、対戦相手の《微光地》《清純のタリスマン》《戦争と平和の剣》のようなライフゲインカードに苦戦を強いられます。そのような場合には《真面目な身代わり》で殴るか、《ソリン・マルコフ》の[+2]能力を絡めて勝つ他ありませんが、そういった状況だったり、先ほどお伝えした序盤の手数の少なさを改善するためにも、白を足した以下のようなリストもよく見かけます。
亜種:「黒白コントロール」
10 《沼》 1 《平地》 4 《孤立した礼拝堂》 4 《埋没した廃墟》 3 《ファイレクシアの核》 2 《幽霊街》 -土地(24)- 4 《真面目な身代わり》 -クリーチャー(4)- |
4 《清純のタリスマン》 4 《胆液の水源》 2 《マイコシンスの水源》 2 《喉首狙い》 4 《未練ある魂》 2 《忘却の輪》 2 《死の支配の呪い》 2 《終末》 4 《ソリンの復讐》 2 《黒の太陽の頂点》 3 《ソリン・マルコフ》 1 《解放された者、カーン》 -呪文(32)- |
2 《虚無の呪文爆弾》 4 《困窮》 2 《天界の粛清》 2 《漸増爆弾》 2 《機を見た援軍》 2 《神への捧げ物》 1 《黒の太陽の頂点》 -サイドボード(15)- |
このカラーリングの長所と言えば、グランプリ・横浜でも大活躍だった《未練ある魂》が使えることです。他にも《忘却の輪》や《機を見た援軍》のような対戦相手に干渉できるカードが増えているので、ビートダウンデッキを意識するのならこちらの方がいい選択だと思います。
少し先の話になってしまいますが、すでに公開されている〈闇の領域のリリアナ〉を上手く使えるのは「黒単」バージョンですね。
それと今日掲載されたMTG.comの記事(「Five Fists of Mutilation」:英語)内で、《もぎとり》の再録が発表されました! 基本セット2013以降は「黒単」の時代がくるかもしれませんね。
「青黒《心なき召喚》」
7 《沼》 5 《島》 4 《闇滑りの岸》 4 《水没した地下墓地》 4 《魂の洞窟》 1 《憑依された沼墓》 -土地(25)- 4 《幻影の像》 4 《真面目な身代わり》 3 《虐殺のワーム》 2 《聖別されたスフィンクス》 1 《ワームとぐろエンジン》 3 《ルーン傷の悪魔》 2 《グリセルブランド》 -クリーチャー(19)- |
4 《太陽の宝球》 2 《精神的つまづき》 4 《思案》 4 《心なき召喚》 2 《喉首狙い》 -呪文(16)- |
1 《虐殺のワーム》 2 《聖別されたスフィンクス》 2 《ワームとぐろエンジン》 2 《外科的摘出》 1 《精神的つまづき》 2 《否認》 2 《記憶の熟達者、ジェイス》 1 《月の賢者タミヨウ》 2 《解放された者、カーン》 -サイドボード(15)- |
お次は僕の大好きな「《心なき召喚》」デッキ(参考:第82回)の最新リストを。
《心なき召喚》から大型クリーチャーを連打する基本的な動きは変わっていませんが、カウンター呪文に耐性を付けるために《魂の洞窟》が採用されていたり、このデッキにとって致命的な《蒸気の絡みつき》などをカウンターできる《精神的つまづき》をメインから投入したりと、いくつかのマイナーチェンジが見受けられます。
他には《聖トラフトの霊》を対処可能で、なおかつマナクリーチャーを多用するデッキに突き刺さる《虐殺のワーム》が目を引きます。このカードは「青白Delver」にも、その他のメタゲーム上位陣の中にも効果的なデッキが多いので、今のメタゲームであればぜひとも採用しておきたい1枚です。
このデッキの課題としては、環境に《士気溢れる徴集兵》が多いことが挙げられますが、これはプレイングでなんとかするしかありません。例えばフィニッシャーを《士気溢れる徴集兵》で取られてもブロックできるように《真面目な身代わり》を残しておいたり、《幻影の像》を序盤から積極的にブロッカーとして使ってライフを残しておくなど、ブロッカーかライフを最重要視して動くといいでしょう。
《聖別されたスフィンクス》はただ単に「赤緑」系統のデッキに強いだけでなく、《士気溢れる徴集兵》で取られてもあまり被害がない点も重要です。これならば仮に奪われたとしても7点しかダメージを受けないので、パワーの低いことが《士気溢れる徴集兵》に対してはメリットになります。
サイドボードに目を向けると、多めに採用されたプレインズウォーカーが印象的です。コントロールデッキはこのデッキに対してありったけの除去を入れてくるはずなので、軸をずらす戦略は非常に有効な手段です。
続いては大型クリーチャーデッキ繋がりということで《堀葬の儀式》を使ったデッキを見てみましょう。
「赤白黒リアニメイター」
3 《沼》 3 《山》 3 《平地》 4 《黒割れの崖》 3 《竜髑髏の山頂》 3 《孤立した礼拝堂》 3 《断崖の避難所》 2 《進化する未開地》 -土地(24)- 2 《黄金夜の刃、ギセラ》 2 《大修道士、エリシュ・ノーン》 4 《グリセルブランド》 -クリーチャー(8)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《火柱》 3 《ゾンビの横行》 4 《未練ある魂》 3 《機を見た援軍》 2 《忘却の輪》 2 《審判の日》 4 《堀葬の儀式》 2 《悪鬼の血脈、ティボルト》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(28)- |
1 《栄光の目覚めの天使》 3 《精神的つまづき》 2 《火柱》 2 《虚無の呪文爆弾》 3 《存在の破棄》 2 《鞭打ち炎》 1 《忘却の輪》 1 《記憶殺し》 -サイドボード(15)- |
こちらは「Frites(5色リアニメイター)(参考:第94回)」の亜種と言える新型のリアニメイトデック。
本家「Frites」が《極楽鳥》や《アヴァシンの巡礼者》のようなマナクリーチャーで加速しながら《根囲い》や《追跡者の本能》でライブラリーを掘り進んでいくのに対し、このリストでは《ゾンビの横行》《悪鬼の血脈、ティボルト》《ヴェールのリリアナ》といったカードで手札に来たフィニッシャーを墓地に送り込んでいく形になっています。
それに伴い《機を見た援軍》や《審判の日》辺りのコントロール系統のカードの使用が可能になっており、ゲームが長引きやすくなっているので、各種フィニッシャーを《堀葬の儀式》経由ではなく普通にキャストできる機会も多くなっています。
そして《機を見た援軍》は時間を稼ぐのみならず、《グリセルブランド》の燃料としても役に立ちます。
《グリセルブランド》は戦場に出た段階で能力を起動するだけの余裕があるかどうかが非常に重要なので、ブロッカーとライフを得ることができる《機を見た援軍》はまさしくこのデッキにうってつけの1枚。《忘却の輪》よりも強いと感じたので、それを削ってぜひとも4枚目をメインから採用したいですね。
基本的にはフィニッシャーを《堀葬の儀式》で釣り上げるのみですが、釣ったクリーチャーが《グリセルブランド》なら《ゾンビの横行》でゾンビ・トークンを量産するプランも実行できます。《ゾンビの横行》は手札に来たフィニッシャーを捨てることもできますし、これもまたこのデッキの戦略に合致したカードです。
ただし本家「Frites」と比べるとライブラリーを掘り進む能力が乏しいので、《悪鬼の血脈、ティボルト》は増量してもいいと思います。たまに手札にある唯一の土地が落ちて負けてしまうことがありますし、任意のカードを捨てられるわけではありませんが、なにかしらのドローサポートは追加しないとデッキが円滑に動きませんからね。
それと単純にリアニメイト系のカードを増量してもいいかなと思ったので、もしかすると《死の超克》まで入れてみもいいかもしれません。
このリストは《未練ある魂》を採用しているので、相手の《士気溢れる徴集兵》に《大修道士、エリシュ・ノーン》以外の何かを奪われてもブロックすることが容易にできます。
《大修道士、エリシュ・ノーン》を釣る際には注意が必要ですが、《機を見た援軍》や全体除去でライフと戦況をコントロールしやすいので、先ほどの「青黒《心なき召喚》」デッキよりも《士気溢れる徴集兵》耐性は優れていますね。
「白赤人間ビートダウン」
12 《平地》 5 《山》 4 《断崖の避難所》 2 《魂の洞窟》 -土地(23)- 4 《教区の勇者》 4 《稲妻のやっかいもの》 2 《近野の巡礼者》 2 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《銀刃の聖騎士》 2 《ミラディンの十字軍》 1 《悪鬼の狩人》 4 《刃砦の英雄》 4 《黄金夜の指揮官》 1 《月皇ミケウス》 -クリーチャー(28)- |
2 《火柱》 2 《町民の結集》 3 《屋根職人の反乱》 2 《忌むべき者のかがり火》 -呪文(9)- |
2 《堂々たる撤廃者》 2 《悪鬼の狩人》 3 《士気溢れる徴集兵》 2 《天界の粛清》 2 《神への捧げ物》 2 《忘却の輪》 2 《天使の運命》 -サイドボード(15)- |
「白赤人間ビートダウン」は今までも何度か紹介させていただきましたが、このリストは《黄金夜の指揮官》と《屋根職人の反乱》まで採用して爆発力を極限まで高めたような形です。
《地獄乗り》、《オキシド峠の英雄》、そして今をときめく《修復の天使》といる中で、《黄金夜の指揮官》を選んだ着眼点には脱帽ですね。
せっかくなので《町民の結集》を4枚にしてもっともっと《黄金夜の指揮官》を生かす構成にしてみても面白いかもしれません。《屋根職人の反乱》も《教区の勇者》との相性が良いですし4枚にしたいところですが、マナベースの関係上これ以上赤い非クリーチャー呪文を増やすのは少し難しそうです。
しかしその方が圧倒的に楽しいので、少し不安定ではありますが、更なる爆発力を追求したい方はぜひその形も検討してみてください。
~おまけ~
「Esper Midrange」
3 《島》 2 《平地》 1 《沼》 4 《金属海の沿岸》 2 《氷河の城砦》 4 《闇滑りの岸》 2 《水没した地下墓地》 2 《魂の洞窟》 1 《大天使の霊堂》 2 《進化する未開地》 -土地(23)- 4 《瞬唱の魔道士》 3 《幻影の像》 4 《刃の接合者》 4 《修復の天使》 1 《太陽のタイタン》 -クリーチャー(16)- |
2 《はらわた撃ち》 1 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 3 《思考掃き》 3 《マナ漏出》 2 《破滅の刃》 1 《喉首狙い》 2 《未練ある魂》 1 《禁忌の錬金術》 1 《忘却の輪》 1 《ギデオン・ジュラ》 -呪文(21)- |
1 《幻影の像》 1 《太陽のタイタン》 3 《天界の粛清》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《神への捧げ物》 1 《否認》 1 《雲散霧消》 2 《審判の日》 1 《殴打頭蓋》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 1 《幽霊街》 -サイドボード(15)- |
今週はワールド・マジック・カップ予選・名古屋前ということで、最後にそこでの活躍が期待されるふたつのデッキを紹介してお別れしましょう。まずは「Esper Midrange(中速デッキ)」と呼ばれるこちらのデッキを。
第106回で紹介した「青白No-Delver」に黒を足したような構成で、これは《修復の天使》に対して単体除去が有効であるがゆえに現れた構成ではないかと思います。
昨年の「Caw-Blade(参考:第57回)」の時も、黒を足したバージョンの「Dark-Blade(参考:第47回)」が存在しましたが、当時は《地盤の際》の存在もあってか結局は純正2色の方が強いという結論が出ました。
しかし今はそのような2色を推奨するような土地はありませんし、今後黒を足したリストや、以下のような赤を足した「Delver」デッキが結果を残す日がくるかもしれません。
「青白赤Delver」
6 《島》 1 《平地》 1 《山》 4 《金属海の沿岸》 1 《氷河の城砦》 4 《硫黄の滝》 3 《魂の洞窟》 2 《進化する未開地》 -土地(22)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 4 《刃の接合者》 4 《修復の天使》 -クリーチャー(16)- |
3 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 2 《思考掃き》 4 《蒸気の絡みつき》 2 《火柱》 3 《マナ漏出》 1 《神への捧げ物》 3 《忌むべき者のかがり火》 -呪文(22)- |
3 《幻影の像》 2 《士気溢れる徴集兵》 1 《精神的つまづき》 1 《外科的摘出》 1 《マナ漏出》 1 《否認》 2 《焼却》 1 《天界の粛清》 2 《機を見た援軍》 1 《忘却の輪》 -サイドボード(15)- |
赤を足すと《火柱》と《忌むべき者のかがり火》を搭載することができます。前者は「不死」クリーチャーを効果的に対処することが可能で、後者は「赤緑ビートダウン」、「黒赤/黒青ゾンビ」、「《出産の殻》」デッキのようにクリーチャーを大量展開するデッキに耐性が付きます。
マナベースの問題などもあるので、すぐに結論を出すのは難しいですが、今後のスタンダードに一石を投じるデックテクとして覚えておいて損はないと思います。
今週は以上になります。「赤白黒リアニメイター」なんかは最近誕生したばかりなので、まだまだ伸びしろがあると思いますし、他のデッキも今後の成長に期待できるものが多いと思います。メタゲーム内のデッキに飽きてしまった方や、基本セット2013発売前にちょうど新しいデッキを作ろうと考えているプレイヤーのみなさんの力になれれば幸いです。
来週はいよいよ最後の記事となります。来週改めてご挨拶させていただく予定ですが、これまで本当にありがとうございました。
それでは、また来週ー!
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