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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
第99回:『アヴァシンの帰還』発売直前特集・メタゲーム総括
読み物
津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
2012.04.26
第99回:『アヴァシンの帰還』発売直前特集・メタゲーム総括
こんにちはー。
今週の月曜日に、待ちに待った『アヴァシンの帰還』全カードが公開されました。新しいキーワード能力や、今までにないタイプのカードも登場しており、来週の発売日が待ちきれませんね。
今週は『アヴァシンの帰還』発売前のメタゲームのおさらいと、新セットから上位デッキに加入しそうなカードを見ていきましょう。今回は『アヴァシンの帰還』のカードに触れる機会が多いので、プレリリースまでカードリストを見たくないという方は、また後日ご覧いただければと思います。
それでは、まずはメタゲームのおさらいから。
~『アヴァシンの帰還』発売前のメタゲーム~
Tier1
Tier2
- 「Delver-Spirits(青白黒)(第90回)」
- 「白黒トークン(第93回)」
- 「《出産の殻》(主に赤緑白、青緑白、4色)(第90回)」
- 「青白人間ビートダウン(第85回)」
- 「青黒コントロール(第92回)」
- 「Frites(5色リアニメイター)(第91回)」
相変わらずの好調を維持しているのは、現環境の王者こと「青白Delver」。そのあまりの勝ちっぷりと「青白」というカラーリングに、昨年一大旋風を巻き起こした「Caw-Blade(参考:第57回)」を思いだすプレイヤーも多いことでしょう。
歴代でも屈指の1マナ域である《秘密を掘り下げる者》に始まり、高打点&除去耐性のある《聖トラフトの霊》、息切れを防ぐ《ムーアランドの憑依地》、さらには《マナ漏出》や各種装備品などそれらをバックアップする手段も豊富で、このデッキの牙城を打ち崩すのは容易なことではありません。
その他のデッキも色々な策を講じているのですが、「青白Delver」の一強状態を崩すまでには至っていません。そんな「青白Delver」の独壇場と呼べる現在のスタンダード環境に、『アヴァシンの帰還』は一体どのような影響を及ぼすのでしょうか?
ここからは各Tier1デッキの最新リストと共に、新戦力になりそうな注目カードを見ていきましょう。
「青白Delver」
9 《島》 1 《平地》 4 《金属海の沿岸》 4 《氷河の城砦》 3 《ムーアランドの憑依地》 -土地(21)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 2 《不可視の忍び寄り》 4 《聖トラフトの霊》 -クリーチャー(14)- |
3 《ギタクシア派の調査》 3 《はらわた撃ち》 4 《思案》 3 《思考掃き》 4 《蒸気の絡みつき》 4 《マナ漏出》 1 《ルーン唱えの長槍》 2 《戦争と平和の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(25)- |
2 《幻影の像》 2 《地下牢の霊》 1 《外科的摘出》 1 《鋼の妨害》 1 《神への捧げ物》 1 《存在の破棄》 1 《瞬間凍結》 2 《天界の粛清》 2 《漸増爆弾》 2 《雲散霧消》 -サイドボード(15)- |
先ほど話題にあがった「Caw-Blade」は、昨年のこの時期にリリースされた「新たなるファイレクシア」で《戦争と平和の剣》、そして《殴打頭蓋》を手に入れたことで王座を不動のものとし、後にスタンダードで禁止カードを生みだす事態にまで発展しましたが、『アヴァシンの帰還』も「青白Delver」に更なる力を与えるのでしょうか?
ざっとカードリストに目を通したところ、どうやら「青白Delver」が「Caw-Blade」のように劇的に強化されることはなさそうです。「青白Delver」を愛してやまないみなさんにとっては残念なニュースかもしれませんが、ここで「青白Delver」が強化されてしまうと、それこそ再び禁止カードが適用されてしまう危険性が高いので、これは仕方のないことだと言えます。
そんな中で新戦力になりそうなのは《霧虚ろのグリフィン》と《修復の天使》の2種類の飛行クリーチャー。
前者は《ムーアランドの憑依地》と組み合わせることで何度でもキャストすることができますし、後者は戦闘能力に長けた新カードです。
構えながら攻めることを信条とする「クロックパーミッション」系統のデッキにとって、「瞬速」持ちのクリーチャーはこれ以上ないほど戦略に合致します。少しマナがかかりますが、一応《瞬唱の魔道士》とのコンボもありますし、これくらいのパワー・タフネスを持ったクリーチャーが戦闘中やエンド前に出てくるだけでも十分な脅威になると思います。
今後「青白Delver」と対峙した際には、より慎重に戦闘を行う必要があるでしょう。
「Delver-Spirits」
5 《島》 1 《平地》 1 《沼》 4 《金属海の沿岸》 4 《氷河の城砦》 4 《闇滑りの岸》 2 《進化する未開地》 1 《大天使の霊堂》 -土地(22)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー(8)- |
3 《はらわた撃ち》 4 《蒸気の絡みつき》 4 《思案》 2 《思考掃き》 4 《無形の美徳》 4 《マナ漏出》 4 《未練ある魂》 4 《深夜の出没》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(30)- |
2 《幻影の像》 1 《外科的摘出》 1 《鋼の妨害》 1 《存在の破棄》 1 《否認》 3 《天界の粛清》 1 《四肢切断》 2 《雲散霧消》 1 《機を見た援軍》 2 《記憶の熟達者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
この「Delver-Spirits」はTier2から唯一の紹介となりますが、「青白Delver」の親戚ということで紹介させていただきます。
このデッキは本家「青白Delver」に《深夜の出没》と《未練ある魂》などのトークン戦略を組み込んだもので、大量のトークンを《無形の美徳》《清浄の名誉》《ドラグスコルの隊長》のいずれかでバックアップしていくのが基本的な戦略となります。
これまでこのアーキタイプが抱えていた問題点としては、トークンを強化するカードのいずれもが、デッキの核である《秘密を掘り下げる者》と噛み合わないことが挙げられましたが、『アヴァシンの帰還』にはそれを改善できる1枚があります。
そうなんです、ついに《秘密を掘り下げる者》とトークンをまとめて強化できるカードが登場してしまうんです。
《無形の美徳》には対ビートダウン戦で頼りになる「警戒」付与能力があるので、一概に《順風》が優れているとは言い切れませんが、この手のデッキで《無形の美徳》の対抗馬になるカードなんてそうはないですし、今後は《無形の美徳》と《順風》の両方を入れたリストも登場する可能性があると思います。
あまりソーサリーやインスタントを削ってしまうと、単純に《秘密を掘り下げる者》の「変身」確率が下がってしまうため難しいところですが、このリストであれば《はらわた撃ち》1枚と《殴打頭蓋》1枚を《順風》にしてみてもいいでしょう。
「赤緑《ケッシグの狼の地》」
5 《森》 5 《山》 4 《銅線の地溝》 4 《根縛りの岩山》 4 《微光地》 2 《墨蛾の生息地》 2 《ケッシグの狼の地》 -土地(26)- 1 《極楽鳥》 4 《高原の狩りの達人》 3 《真面目な身代わり》 1 《酸のスライム》 4 《原始のタイタン》 2 《業火のタイタン》 -クリーチャー(15)- |
4 《太陽の宝球》 4 《不屈の自然》 2 《感電破》 1 《鞭打ち炎》 4 《金屑の嵐》 2 《緑の太陽の頂点》 1 《小悪魔の遊び》 1 《解放された者、カーン》 -呪文(19)- |
2 《最後のトロール、スラーン》 2 《秋の帳》 2 《古えの遺恨》 2 《帰化》 2 《鞭打ち炎》 2 《内にいる獣》 2 《原初の狩人、ガラク》 1 《解放された者、カーン》 -サイドボード(15)- |
しばらくの間紹介する機会のなかった「赤緑《ケッシグの狼の地》」なんですが、最近では《微光地》を入れたリストが増えてきています。
《微光地》でのライフ回復は、対ビートダウン戦はもちろん、対「青白Delver」戦なんかでも重宝しますが、《微光地》入りのリストは《原始のタイタン》の新たな魅力を引き出しただけにとどまらず、今後の「赤緑《ケッシグの狼の地》」の命運をも占う重要なアプローチだと思います。
なぜなら今までは6~7枚が限界だと思われていた無色マナ土地を、《微光地》入りのリストでは最低で8枚、多いものでは9枚を搭載しているのです。
おそらくすでに『アヴァシンの帰還』のカードリストをご覧になった方ならお気付きかと思いますが、「赤緑《ケッシグの狼の地》」には《魂の洞窟》という強力な新戦力が加わることになります。
選んだクリーチャータイプには好きな色マナを使うことができるものの、序盤の《不屈の自然》や《金屑の嵐》には無色マナしか使えないため、少し前まではこの土地をメインデッキに4枚入れることは可能なのか否かという問題を漠然と考えていたのですが、《微光地》入りのリストを見てその不安は一蹴されました。
創成期からカウンター呪文を苦手としていたこのデッキ。今までは《最後のトロール、スラーン》や《秋の帳》なんかで対策するのが一般的でしたが、今後は《魂の洞窟》1枚で全てを解決できます。
基本的には《原始のタイタン》のクリーチャータイプである「巨人」を宣言することになるでしょうが、もしも複数枚引けた場合には、「人間」や「ゴーレム」もカウンターから守れますし、本当に環境を壊しかねない強烈な1枚。
「青白Delver」がここまで多い現状であれば、このリストの《微光地》をそのまま置き換えてメインから4枚搭載してもいいでしょうし、そうしないにしても、少なくともメインとサイドを合わせて4枚を切ることはないでしょう。
この《魂の洞窟》の登場だけでも、「赤緑《ケッシグの狼の地》」が王座に返り咲くのではないかと思っていたのですが、『アヴァシンの帰還』の恩恵はこれだけではありませんでした。
今のスタンダードで猛威を振るうキーワード能力はと問われれば、真っ先に「不死」を挙げる人も多いでしょう。近頃では《赤の太陽の頂点》でこれらに対処するプレイヤーが増えていましたが、《赤の太陽の頂点》では後手の場合に《秘密を掘り下げる者》を除去できない、という重大な欠点がありました。
《火柱》は、《赤の太陽の頂点》が得意とするフィニッシュブローの役割こそ期待できませんが、《秘密を掘り下げる者》や「不死」クリーチャー対策としては最上級のものです。
「青白Delver」に対する切り札である《魂の洞窟》、そして環境にマッチした《火柱》と、今のところ『アヴァシンの帰還』の恩恵を最も受けたアーキタイプは「赤緑《ケッシグの狼の地》」ではないかと考えています。
メタゲームに合わせ、幾度となく形を変えて王座を維持してきた「青白Delver」ですが、《魂の洞窟》の登場を受け、今後はどういった変化を見せてくるのか。その辺りにも要注目です。
「赤緑ビートダウン」
8 《森》 4 《山》 4 《銅線の地溝》 4 《根縛りの岩山》 4 《ケッシグの狼の地》 -土地(24)- 4 《極楽鳥》 4 《ラノワールのエルフ》 4 《絡み根の霊》 1 《夜明けのレインジャー》 2 《ファイレクシアの変形者》 4 《高原の狩りの達人》 2 《地獄乗り》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《酸のスライム》 -クリーチャー(23)- |
4 《感電破》 4 《緑の太陽の頂点》 3 《戦争と平和の剣》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《情け知らずのガラク》 -呪文(13)- |
2 《古えの遺恨》 2 《焼却》 1 《電弧の痕跡》 2 《漸増爆弾》 2 《魔力のとげ》 2 《攻撃的な行動》 1 《高まる残虐性》 1 《腐食の突風》 1 《戦争と平和の剣》 1 《原初の狩人、ガラク》 -サイドボード(15)- |
今のスタンダードを代表するビートダウンデッキがこちらの「赤緑ビートダウン」と、後述の「黒青ゾンビ」。どちらも『闇の隆盛』で加入したカードを軸に、一気にTier1まで登りつめたデッキなんですが、「黒青ゾンビ」が《天界の粛清》や《機を見た援軍》に弱いという致命的な弱点を抱える一方で、この「赤緑ビートダウン」は少し対策が難しいので、今現在はこのデッキがビートダウンデッキの中で頭ひとつ飛びぬけている印象です。
先ほどの「赤緑《ケッシグの狼の地》」と同じく、《魂の洞窟》と《火柱》という2枚看板はこのデッキにも入る可能性がありますが、基本土地を抜いて《魂の洞窟》を入れてしまうと、《根縛りの岩山》がタップインで出る確率が上がってしまうので、マナベースの構築には気を付けたいところ。
それともしも《魂の洞窟》を使うのであれば、《夜明けのレインジャー》を増量したりして、もう少しクリーチャータイプを統一したいですね。
《火柱》はこのデッキでも文句なしの一級品。《感電破》と比べると、唯一ソーサリーという点で劣ってはいますが、「金属術」達成確率の低いこのデッキであれば、ほぼ完全な上位互換と言って差し支えないと思います。
この2枚以外にも、「赤緑ビートダウン」デッキに入りそうなカードはまだまだたくさん登場しています。
《ラムホルトの勇者》は《蒸気の絡みつき》に弱いのが気になりますが、《絡み根の霊》や《高原の狩りの達人》と組み合わせればすぐに手が付けられないサイズへと成長するでしょうし、《ケッシグの狼の地》を使えば対戦相手をブロック不可能に追いやることも容易いでしょう。
《ウルフィーの報復者》は《審判の日》を掻い潜れる優秀な3マナ域。「赤緑ビートダウン」が3マナ域に頼れるクリーチャーがいないことが課題だったので、こいつの存在はそれを解消してくれるかもしれません。
このデッキの4マナ域は《高原の狩りの達人》《地獄乗り》《最後のトロール、スラーン》と優秀なカードで溢れているため、おそらくこのドラゴンが入ることはないと思うのですが、あまりのかっこよさに選んでしまいました。
一応ソーサリー系の除去が全く効かないというメリットはあるので、環境の除去が《忘却の輪》や《審判の日》で溢れるような状況になれば、こいつの出番もやってくるでしょう。
サイドボードにぜひとも積んでおきたいのが《士気溢れる徴集兵》。《攻撃的な行動》に3/3「速攻」が付いてくるだけでも十分強そうに聞こえますが、《攻撃的な行動》とは違いプレインズウォーカーを奪えるのがお洒落ポイント。
特に《ギデオン・ジュラ》だったり、忠誠カウンターが6個以上溜まった《ヴェールのリリアナ》あたりを奪えば、ゲームの勝敗に直結するほどのインパクトを与えられるでしょう。
「黒青ゾンビ」
15 《沼》 4 《闇滑りの岸》 4 《水没した地下墓地》 -土地(23)- 4 《戦墓のグール》 4 《墓所這い》 4 《幻影の像》 3 《名門のグール》 4 《戦墓の隊長》 4 《ゲラルフの伝書使》 3 《ファイレクシアの抹消者》 -クリーチャー(26)- |
4 《悲劇的な過ち》 2 《ゲスの評決》 2 《破滅の刃》 2 《迫撃鞘》 1 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(11)- |
3 《蔑み》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《ゲスの評決》 1 《破滅の刃》 4 《漸増爆弾》 1 《ミミックの大桶》 2 《死の支配の呪い》 1 《黒の太陽の頂点》 -サイドボード(15)- |
今ではすっかりスタンダードのレギュラーといった様子の「黒青ゾンビ」。最近は《未練ある魂》の使用率が高いので、それを無視して殴りにいける《名門のグール》がよく採用されているようです。
クリーチャータイプがほとんど「ゾンビ」で統一されているこのデッキにも、もちろん《魂の洞窟》はぴったりです。しかし、「赤緑ビートダウン」と同じく、基本土地を抜いて入れてしまうと《水没した地下墓地》がタップインしやすくなるので、メインから4枚採用するのは難しいかもしれません。
《魂の洞窟》はあるものの、残念ながら「黒青ゾンビ」デッキにとって『アヴァシンの帰還』は良いセットとは言えません。《魂の洞窟》を除くと、デッキに入りそうなカードは《墓所を歩くもの》と《脳食願望》くらいのもので、他のデッキが得たものに比べるとかなりさみしいラインナップになっています。
《脳食願望》も、《蔑み》や《困窮》の枠を奪えるかと言ったらそんなことはないでしょうし、『アヴァシンの帰還』はこのデッキにとって我慢の時間帯になりそうですね。
と、ここで終わってしまうと全国の「ゾンビ」ファンのみなさんに申し訳ないので、今まで紹介してきた「黒青」、「黒赤(第91回)」、「黒青緑ゾンビwith《出産の殻》(第98回)」とはまた一味違ったバージョンをお届けして、次のデッキに移りましょう。
「黒白ゾンビ」
13 《沼》 1 《平地》 4 《孤立した礼拝堂》 4 《進化する未開地》 1 《大天使の霊堂》 -土地(23)- 4 《戦墓のグール》 4 《墓所這い》 2 《煙霧吐き》 4 《ゲラルフの伝書使》 4 《真面目な身代わり》 2 《皮裂き》 1 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(21)- |
4 《ゲスの評決》 4 《未練ある魂》 4 《忘却の輪》 4 《迫撃鞘》 -呪文(16)- |
1 《ワームとぐろエンジン》 2 《虚無の呪文爆弾》 2 《存在の破棄》 2 《困窮》 2 《漸増爆弾》 2 《記憶殺し》 2 《血統の切断》 2 《黒の太陽の頂点》 -サイドボード(15)- |
こちらは《未練ある魂》と《忘却の輪》のために白を足したバージョンです。この戦略は主にサイドボード後を睨んだものだと思われ、2戦目以降に高確率で飛んでくる《天界の粛清》にひっかからないクロックとして機能します。
この「黒白」バージョンはMagic Online上で浸透しているというよりは、Mrineさんがただひたすらに勝ち続けているだけのような気もしますが、このデッキで相当な回数入賞していらっしゃるので、「ゾンビ」好きの方にはこのアプローチもぜひ検討していただきたいです。
補色を白にした場合は、サイドボードに《神聖なる反撃》を入れてもいいでしょう。
対ビートダウン戦で非常に頼りになるカードですし、ここまで何度も話題に上がっている《火柱》対策としても機能するでしょう。
「エスパー(青白黒)コントロール」
3 《平地》 2 《島》 2 《沼》 4 《金属海の沿岸》 4 《氷河の城砦》 3 《闇滑りの岸》 3 《孤立した礼拝堂》 1 《水没した地下墓地》 3 《幽霊街》 1 《進化する未開地》 -土地(26)- 3 《幻影の像》 3 《太陽のタイタン》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 -クリーチャー(7)- |
3 《死の重み》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《喉首狙い》 3 《漸増爆弾》 4 《禁忌の錬金術》 4 《未練ある魂》 3 《忘却の輪》 3 《審判の日》 2 《堀葬の儀式》 1 《殴打頭蓋》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(27)- |
1 《聖別されたスフィンクス》 1 《外科的摘出》 1 《虚無の呪文爆弾》 2 《存在の破棄》 3 《天界の粛清》 2 《雲散霧消》 2 《機を見た援軍》 1 《審判の日》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 1 《解放された者、カーン》 -サイドボード(15)- |
ビートダウンデッキが増えれば、それをメタったボードコントロールデッキが出てくるのは自然な流れであり、この「エスパーコントロール」はまさにそんな立ち位置です。
「赤緑ビートダウン」と「黒青ゾンビ」の台頭により、このデッキが苦手としている「青黒コントロール」が減ったことも、このデッキが勝ち組になっている要因のひとつでしょう。
このリストは《死の重み》《虚無の呪文爆弾》《漸増爆弾》《ヴェールのリリアナ》《忘却の輪》を多めに採用することで、《太陽のタイタン》の能力を遺憾なく発揮することが可能となっており、《太陽のタイタン》を出せればそれだけで色々なシュチュエーションに対応できるようになっています。
なお、《死の重み》を《太陽のタイタン》で戦場に出す場合は対象を取らないので、《聖トラフトの霊》や《最後のトロール、スラーン》にも付けることができるのをお忘れなく。
《幻影の像》とのお馴染みのコンボも健在ですし、《堀葬の儀式》から導かれる大量の《太陽のタイタン》は、とりわけ「赤緑」系統のデッキに効果的です。
このリストのもうひとつの特徴として、カウンター呪文を搭載していないことが挙げられます。これは今後《魂の洞窟》が流行るようなら大いに注目のアプローチなので、今のうちからカウンターの入っていないリストを試しておいてみてもいいでしょう。
「エスパーコントロール」期待の新鋭は《月の賢者タミヨウ》さん。先週もお伝えしたように、[+1]能力は《審判の日》後に使うことで、より戦況をコントロールしやすくなりますし、[-2]能力は《未練ある魂》と凶悪なシナジーを生みだします。
今のところ「奇跡」系のカードに対してあまりポジティブなイメージを抱いていないのですが、《終末》くらい効果が強烈だと期待してしまいますね。
《終末》は《審判の日》とは違い、「不死」クリーチャーを効果的に対処できますが、自身の《太陽のタイタン》などもライブラリーの底に行ってしまうので、ノンクリーチャータイプの「エスパーコントロール(第94回)」で使うといいかもしれません。
今週は以上です。
できるだけ入念に『アヴァシンの帰還』のカードをチェックしたつもりですが、他にも既存のデッキに入るカードはたくさんあると思います。『闇の隆盛』が「赤緑ビートダウン」と「黒青ゾンビ」、そして「白黒トークン」を誕生させたように、新デッキが誕生する可能性も十分にありますし、みなさんもカードリストとにらめっこしながら、新しいアイディアを考えてみてはいかがでしょうか?
それでは、また来週ー!
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