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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
第96回:王座揺るがず・勢いを増す青い《野生のナカティル》
読み物
津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
2012.04.05
第96回:王座揺るがず・勢いを増す青い《野生のナカティル》
こんにちはー。
今週は先週末に行われたグランプリ・ソルトレイクシティの結果を見ていきましょう。
本題に入る前に、今週から各デッキ名を変更することにしました。今まではずっと同じ名前で通してきたのですが、できるだけ海外と同じ通称を使いたい、という目的があります。そんなに大きな変更でもないですが、より直感的に分かりやすくなってくれればと思います。
それではトップ8の分析に移りましょう。
~グランプリ・ソルトレイクシティ トップ8デッキ~
(リンク先は英語カバレージ)
優勝 | 「青白Delver」 |
準優勝 | 「青白Delver」 |
3位 | 「Delver-Spirits(青白黒)」 |
4位 | 「赤緑《ケッシグの狼の地》」 |
5位 | 「赤緑ビートダウン」 |
6位 | 「白青人間ビートダウン」 |
7位 | 「青白Delver」 |
8位 | 「青白Delver」 |
先々週のグランプリ・クアラルンプール(参考:第95回)に引き続き、「青白Delver」の一人勝ち状態となりました。
3位の「Delver-Spirits(青白黒)」も含めると、トップ8に残った「Delver」デッキは実に5つ。「赤緑ビートダウン」や「黒青ゾンビ」の台頭が目立ち始めた時期には、少し勢いに陰りが見えてきたかと思ったのですが、ビートダウンの隆盛を受け、それを踏まえた変化を加えることで、再び王者としての貫録を見せつけてきました。
「青白Delver」
9 《島》 1 《平地》 4 《氷河の城砦》 4 《金属海の沿岸》 3 《ムーアランドの憑依地》 -土地(21)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 2 《不可視の忍び寄り》 4 《聖トラフトの霊》 -クリーチャー(14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 2 《はらわた撃ち》 4 《蒸気の絡みつき》 2 《思考掃き》 4 《マナ漏出》 1 《四肢切断》 1 《ルーン唱えの長槍》 2 《戦争と平和の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(25)- |
2 《幻影の像》 2 《天界の粛清》 1 《神への捧げ物》 1 《存在の破棄》 1 《否認》 2 《雲散霧消》 2 《機を見た援軍》 2 《腐食の突風》 1 《殴打頭蓋》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
メインから投入された《殴打頭蓋》が象徴するように、最近のリストは対ビートダウンを強く意識しています。サイドボードにも「黒青ゾンビ」の《ゲラルフの伝書使》や、「赤緑ビートダウン」の《高原の狩りの達人》に効果的な《天界の粛清》、対ビートダウン必殺兵器である《機を見た援軍》、そして追加の《殴打頭蓋》と、以前よりもビートダウン対策を多めに取っていることが分かります。
《機を見た援軍》と《殴打頭蓋》はミラーマッチでもサイドインできるので、その辺りもこれらのカードを増量する良い動機付けになっていますね。
そしてアプローチの手法こそ違えど、準優勝に輝いた「青白Delver」もまた、対ビートダウンを意識した構成でした。
9 《島》 1 《平地》 4 《氷河の城砦》 4 《金属海の沿岸》 3 《ムーアランドの憑依地》 -土地(21)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 2 《不可視の忍び寄り》 4 《聖トラフトの霊》 2 《地下牢の霊》 -クリーチャー(16)- |
3 《はらわた撃ち》 1 《変異原性の成長》 4 《思案》 4 《思考掃き》 4 《蒸気の絡みつき》 4 《マナ漏出》 3 《ルーン唱えの長槍》 -呪文(23)- |
2 《幻影の像》 2 《地下牢の霊》 1 《外科的摘出》 1 《鋼の妨害》 2 《天界の粛清》 1 《存在の破棄》 1 《否認》 1 《忘却の輪》 1 《機を見た援軍》 2 《雲散霧消》 1 《戦争と平和の剣》 -サイドボード(15)- |
こちらは先週の記事でお伝えしたなべ(渡辺 雄也)君のものと同じリストです。今一度このリストの特徴的な部分をお伝えしますと、対ビートダウン戦でライフ損失の気になる《ギタクシア派の調査》を抜いてしまい、その枠を《地下牢の霊》と追加の《思考掃き》に置き換えているところです。
《ギタクシア派の調査》を抜いたことで過剰なライフ損失を抑えることができますし、《地下牢の霊》は対ビートダウンで非常に頼りになるアタッカーになります。
ここまでは先週お伝えした通りなんですが、渡辺 雄也が《ギタクシア派の調査》を抜いた大胆なアプローチでグランプリを制したというトピックは、想像以上に海外勢に大きなインパクトを与えたようです。
グランプリ・ソルトレイクシティの直前に、カバレージの動画配信をしているBen Swartzと「《ギタクシア派の調査》の是非」について話しました。彼がアメリカの「青白Delver」マスターであるMatt Costaにこれを尋ねたところ、Matt Costaも相当に驚いた様子だったとのこと。
ここでは《ギタクシア派の調査》と《思考掃き》を比較してみましょう。
~《ギタクシア派の調査》or《思考掃き》?~
まずは簡単に両者の長所と短所を見ていきましょう。
《ギタクシア派の調査》の長所
当たり前ですが、どちらも相手の手札を見られるからこそ得られるメリットです。具体例として、今週のKJ(鍛冶 友浩)の記事のリプレイGame 1・第3ターンをご覧ください。
例えばこんな場面で《ギタクシア派の調査》があった場合、相手の手札に《マナ漏出》があるかどうかが瞬時に分かりますし、《聖トラフトの霊》をキャストすべきかどうかを悩む必要がなくなります。
カウンター呪文以外でも、相手が《金屑の嵐》を持っているのかどうかなど、ゲームの行方を決定しかねない重要な情報を得ることができますし、これは《思考掃き》にはできない芸当です。
ふたつめも似たようなものですが、相手の手札を知っていれば、相手が最も嫌がるタイミングで《蒸気の絡みつき》を使えたり、相手の揺さぶりに対して《マナ漏出》を温存すべきかどうか、またはこのターンに構えるべきか否かをすぐに判断できます。
これらの長所は、「ブラフ」という概念を無視できる強力なもので、試合運びを大幅に簡略化してくれます。
《ギタクシア派の調査》の短所
- 対ビートダウン戦でのライフ損失が大きい。
その一方で、このカード唯一の不安材料は、環境にビートダウンデッキが増えたことで表面化したこの問題。一時期のビートダウンがほとんどいなかった状況とは違い、現在は「黒青ゾンビ」と「赤緑ビートダウン」が一大勢力になっています。それらの相手に対しては、手札を知るメリットよりも、「ファイレクシア・マナ」でのライフ損失、または1マナでキャストした場合の効果の薄さが目立つので、対ビートダウンに関しては《思考掃き》に軍配が上がるでしょう。
《思考掃き》の長所
- 《瞬唱の魔道士》、《ルーン唱えの長槍》、《ムーアランドの憑依地》と相性が良い。
- 《瞬唱の魔道士》と組み合わせることで、サイドボードのソーサリー・インスタントカードを疑似的に引きやすくなる。
これは《思考掃き》の長所そのものですね。特にふたつめのサイドボードカードを疑似的に引きやすくなるのはポイントが高いです。
《思考掃き》の短所
- 効果に若干のムラがある。
- どの相手にも強さが一定。
ひとつめはカードの性質上仕方のないことですし、落ちるカード次第ではリターンが大きいので短所と呼ぶほどのものではありません。
しかしながら、問題になるのはふたつめの項目。《ギタクシア派の調査》は、対ビートダウン戦での非力さが目に付くものの、その分対コントロール戦での圧倒的に強いという明確なメリットがあります。ですが《思考掃き》は良くも悪くも常に一定のパフォーマンスしか期待できないため、コントロールデッキが多い状況だと《思考掃き》を優先する理由は少なくなります。
少し長くなってしまったので簡潔にまとめると、ハイリスクハイリターンの《ギタクシア派の調査》か、安定の《思考掃き》か、といったところでしょうか。
ハイリスクとは言っても、相手のデッキを知らない場合は「ファイレクシア・マナ」でのキャストを控えればいいだけですし、個人的には対コントロールデッキへの強さが際立つ《ギタクシア派の調査》をお勧めします。
もうひとつ《ギタクシア派の調査》を推す理由として、このカードがミラーマッチでも強いことが挙げられます。実際に試合をしたことがある方ならばお分かりかもしれませんが、このマッチは難解を極めます。
片方が一方的に《秘密を掘り下げる者》や《聖トラフトの霊》で殴るような展開になれば別ですが、《マナ漏出》を筆頭とする妨害手段を掻い潜ってそのような状況にするのは至難の業。サイド後にはそこに《機を見た援軍》や、装備品に関与できる《存在の破棄》、《神への捧げ物》が加わるので、より一層難しいゲームになります。
僕はもともとコントロール対決が苦手なので、「青白Delver」のミラーマッチも非常に勝率が悪いのですが、そんな僕でも《ギタクシア派の調査》さえあれば勝率を改善することができました。
前述の通り、メタゲーム次第で使い分けるといいとは思いますが、今はどの地域でもミラーマッチが多いはずです。そのため、個人的にはミラーマッチが楽になる《ギタクシア派の調査》を採用しておいて、サイドボードで少し多めに対ビートダウン対策を施すのがいいと思います。
この辺りは対ビートダウンが得意か、それとも対コントロールが得意かといったプレイングスタイルにも多少は左右されると思うので、対コントロール戦が苦手だという方は、今回の優勝者のリストをぜひお試しください。
それと、最後に《ギタクシア派の調査》の使いどころについてですが、僕はあまり1ターン目にはキャストしないようにしています。
基本的には《聖トラフトの霊》や《戦争と平和の剣》を設置する前か、次のターンに《マナ漏出》を使うべきかどうかを判断する直前にキャストすることが多いです。特に1ターン目に《秘密を掘り下げる者》を出せる場合は、相手の手札を見たところで、することは変わらないので、キャストしないことが多いですね。
ミラーマッチだと《思案》、または《瞬唱の魔道士》との組み合わせで手札の入れ替わりが激しいので、早期のターンにキャストしても得られる情報が少ないことも多々あります。《ギタクシア派の調査》をキャストするタイミングは慎重に選別していきたいですね。
「Delver-Spirits(青白黒)」
5 《島》 1 《平地》 1 《沼》 4 《金属海の沿岸》 3 《氷河の城砦》 4 《闇滑りの岸》 1 《ムーアランドの憑依地》 1 《大天使の霊堂》 2 《進化する未開地》 -土地(22)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《幻影の像》 4 《瞬唱の魔道士》 4 《ドラグスコルの隊長》 2 《地下牢の霊》 -クリーチャー(18)- |
4 《ギタクシア派の調査》 1 《はらわた撃ち》 4 《思案》 4 《蒸気の絡みつき》 2 《マナ漏出》 1 《存在の破棄》 4 《未練ある魂》 -呪文(20)- |
2 《地下牢の霊》 1 《はらわた撃ち》 1 《外科的摘出》 2 《天界の粛清》 1 《神への捧げ物》 1 《存在の破棄》 1 《否認》 1 《マナ漏出》 1 《瞬間凍結》 1 《四肢切断》 2 《雲散霧消》 1 《機を見た援軍》 -サイドボード(15)- |
こちらはプロツアー・闇の隆盛で登場した「Delver-Spirits」のアップデートバージョン。メインデッキにはほとんど変化がないものの、最近は土地構成に《大天使の霊堂》を入れたリストが増えているようです。タイトなダメージレースを制するためにもうってつけの1枚ですし、第90回でもお伝えしたように、このデッキは《戦争と平和の剣》を苦手としているので、土地でそれに対抗できるのは嬉しい限りです。
あとは「赤緑《ケッシグの狼の地》」や、他のコントロールデッキを意識して若干のカウンター増量、「黒青ゾンビ」や「赤緑ビートダウン」に効果的な《天界の粛清》の増量といくつかのマイナーチェンジが施されています。
このアーキタイプは、メタゲーム上でどれくらい《腐食の突風》が使用されているかに大きく勝率を左右されるので、徐々に《腐食の突風》が減ってきたメタゲームを読み切っての見事な入賞と言えるでしょう。もしも、《腐食の突風》が多いと読むのであれば、以下のようなアプローチも面白いかもしれません。
「Honor-Delver-Spirits」
4 《島》 1 《平地》 1 《沼》 4 《金属海の沿岸》 4 《氷河の城砦》 4 《闇滑りの岸》 1 《ムーアランドの憑依地》 2 《進化する未開地》 -土地(21)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 4 《聖トラフトの霊》 -クリーチャー(12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 2 《はらわた撃ち》 4 《思案》 4 《蒸気の絡みつき》 4 《マナ漏出》 3 《清浄の名誉》 4 《未練ある魂》 2 《戦争と平和の剣》 -呪文(27)- |
2 《刃砦の英雄》 2 《虚無の呪文爆弾》 3 《天界の粛清》 2 《存在の破棄》 2 《雲散霧消》 2 《機を見た援軍》 2 《記憶の熟達者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
このリストでは、「Delver-Spirits」の主力である《ドラグスコルの隊長》を《清浄の名誉》に置き換えています。
《ドラグスコルの隊長》と《未練ある魂》を併用すると、それ以上の3マナ域は入れづらいので、《聖トラフトの霊》は入らないことが多いですが、《ドラグスコルの隊長》が《清浄の名誉》になったこのリストだと《聖トラフトの霊》を無理なく採用できますね。
《ドラグスコルの隊長》+《幻影の像》コンボの破壊力は凄まじいですが、このリストはその爆発力の代わりに《金屑の嵐》や《腐食の突風》直後でも《清浄の名誉》が残るというメリットを手に入れています。
サイドに搭載された《刃砦の英雄》もそうですが、《腐食の突風》が再び増加してくるようであれば、このアプローチを思い出してみてください。
「赤緑ビートダウン」
10 《森》 3 《山》 4 《銅線の地溝》 4 《根縛りの岩山》 2 《ケッシグの狼の地》 -土地(23)- 4 《極楽鳥》 4 《ラノワールのエルフ》 1 《アヴァシンの巡礼者》 4 《絡み根の霊》 1 《夜明けのレインジャー》 3 《ファイレクシアの変形者》 4 《高原の狩りの達人》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《酸のスライム》 -クリーチャー(23)- |
2 《感電破》 3 《硫黄の流弾》 4 《緑の太陽の頂点》 4 《戦争と平和の剣》 1 《情け知らずのガラク》 -呪文(14)- |
1 《酸のスライム》 1 《原始のタイタン》 2 《古えの遺恨》 2 《電弧の痕跡》 2 《魔力のとげ》 2 《攻撃的な行動》 1 《高まる残虐性》 2 《饗宴と飢餓の剣》 1 《殴打頭蓋》 1 《原初の狩人、ガラク》 -サイドボード(15)- |
もはや押しも押されぬTier1の仲間入りを果たした「赤緑ビートダウン」。このリストは愛しの《地獄乗り》が入っていませんが、それと引き換えに高い安定性を手に入れています。
それ以外のメインデッキの構成は至ってオーソドックスなものに仕上がっていますが、サイドボードも「赤緑《ケッシグの狼の地》」や「Frites(5色リアニメイター)」に強い《攻撃的な行動》、「青黒コントロール」のようなコントロールデッキ全般に強い《魔力のとげ》、ミラーマッチや対「黒青ゾンビ」に強い《電弧の痕跡》とツボを押さえた構成になっていますね。
1枚だけ採用された《高まる残虐性》は、おそらく「赤緑《ケッシグの狼の地》」とミラーマッチを意識しての採用でしょう。以前もお伝えした(参考:第93回)ように、対「赤緑《ケッシグの狼の地》」は少し不利なので、《魔力のとげ》や《攻撃的な行動》と合わせてしっかりと対策しておきたいところ。
《高まる残虐性》は、一度解決してしまえば圧倒的なサイズに成長するので、「赤緑ビートダウン」や「赤緑《ケッシグの狼の地》」のように、除去を火力に頼った、それでいてインスタントの除去が少ないデッキが多くなれば、今後はより一層見かける機会が増えるかもしれません。
「赤緑《ケッシグの狼の地》」
6 《森》 4 《山》 4 《銅線の地溝》 4 《根縛りの岩山》 2 《ケッシグの狼の地》 4 《墨蛾の生息地》 1 《幽霊街》 -土地(25)- 1 《極楽鳥》 3 《真面目な身代わり》 4 《高原の狩りの達人》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《酸のスライム》 4 《原始のタイタン》 2 《業火のタイタン》 -クリーチャー(16)- |
4 《不屈の自然》 4 《太陽の宝球》 3 《感電破》 1 《鞭打ち炎》 4 《金屑の嵐》 2 《緑の太陽の頂点》 1 《赤の太陽の頂点》 -呪文(19)- |
1 《最後のトロール、スラーン》 2 《秋の帳》 2 《帰化》 1 《古えの遺恨》 2 《焼却》 1 《鞭打ち炎》 2 《内にいる獣》 2 《狂気の残骸》 1 《殴打頭蓋》 1 《解放された者、カーン》 -サイドボード(15)- |
こちらも比較的オーソドックスなリストの「赤緑《ケッシグの狼の地》」。メインデッキで特徴的なのは、「不死」クリーチャーを意識して《赤の太陽の頂点》を採用していることですが、後手でも《秘密を掘り下げる者》を除去できる点を考慮すると、《感電破》を4枚に戻してもいいかもしれません。
サイドボードには《ファイレクシアの抹消者》対策の《狂気の残骸》が採用されていますね。今は強いデッキの種類が多いので、こういった専用サイドカードを採用すべきかどうかは意見が分かれるところですが、それくらいに「黒青ゾンビ」の勢いが凄まじいので、負けパターンを減らすカードの採用も頷けます。
「青白Delver」「赤緑ビートダウン」「黒青ゾンビ」が多い現在のメタゲームにおいて、「赤緑《ケッシグの狼の地》」は決して悪くない選択だと思います。
苦手とする「青黒コントロール」対策にそれなりの枠を割かなければいけないですし、サイドボードの構築が難しいですが、そこを上手くクリアできれば、再び栄冠を取り戻せるはずです。
「白青人間ビートダウン」
13 《平地》 4 《氷河の城砦》 4 《金属海の沿岸》 3 《ムーアランドの憑依地》 -土地(24)- 4 《教区の勇者》 4 《宿命の旅人》 4 《忠実な聖戦士》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《ミラディンの十字軍》 4 《刃砦の英雄》 -クリーチャー(23)- |
1 《町民の結集》 4 《清浄の名誉》 4 《マナ漏出》 4 《忘却の輪》 -呪文(13)- |
2 《存在の破棄》 4 《機を見た援軍》 4 《審判の日》 2 《饗宴と飢餓の剣》 2 《戦争と平和の剣》 1 《滞留者ヴェンセール》 -サイドボード(15)- |
年末年始ほどの勢いは失ってしまいましたが、それでもしっかりと結果を残し続ける「白青人間ビートダウン」。Olveraさんのリストは、《マナ漏出》《忘却の輪》をメインから全力投入することで、対応力を上げています。このアプローチは、実に様々なデッキが混在する現在のメタゲームで非常に良い戦略に思えますね。
「青白人間ビートダウン」最大の売りは、「黒青ゾンビ」に強いことでしょう。《宿命の旅人》→《ミラディンの十字軍》と繋ぐだけで「黒青ゾンビ」側は相当な苦戦を強いられますし、これと同じ理由で「緑白人間ビートダウン」も僅かながら復調の兆しを見せています。
「緑白人間ビートダウン」が減少した理由は「赤緑《ケッシグの狼の地》」の台頭によるものなので、今後の「赤緑《ケッシグの狼の地》」の動向次第では、「緑白人間ビートダウン」にも再びチャンスが巡ってくるでしょう。
今週は以上です。先々週くらいまでは「青白Delver」が少し突出している程度でしたが、ここにきて一気にリードを広げた格好になりましたね。
今週の記事でも度々お伝えしましたが、「黒青ゾンビ」と「赤緑ビートダウン」がメタゲームに食い込んできたために、多くのプレイヤーがそれらのデッキを意識せざるをえず、「青白Delver」への対策が少し緩くなってしまったことも、「青白Delver」が勢力を強めた要因かもしれません。
「青白Delver」は、使うのも対峙するのも難しいデッキなので、まだ手にとったことがないプレイヤーのみなさんは、「アヴァシンの帰還」がリリースされるまでの今の間に、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?
それでは、また来週ー!
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