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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
第74回:新環境の主役を探せ!コントロール編
読み物
津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
2011.10.13
第74回:新環境の主役を探せ!コントロール編
こんにちはー。
今週は先週の続きで、コントロールデッキの特集をしていきたいと思います。
環境初期というのは、メタが分かりづらいので、メタゲームによってデッキリストを大幅に変更する必要があるコントロールデッキよりも、自分のやりたいことがはっきりしているビートダウンデッキのほうが勝ちやすい傾向があります。
しかし、イニストラードが登場してそれなりの時間が経ったため、メタゲームも形付いてきたので、そろそろコントロールデッキが本領を発揮できる時期に突入してきたと感じています。
今のところ勝ち頭と呼べるデッキは「赤単(スライとバーン)」、「緑単タッチ《ケッシグの狼の地》」、「太陽拳(青白黒コントロール)」のみっつで、それに「白単《鍛えられた鋼》」、「《出産の殻》」、「青白/青黒コントロール」などが続く構図になっていますね。
ビートダウンに分類されるデッキは先週に、「《出産の殻》」は先々週に紹介したので、今週は残るコントロールデッキを見ていきましょう。
まずはイニストラードの登場によってスタンダードに舞い戻った「太陽拳」から解説していきたいと思います。今をときめくデッキということで、今週はこのデッキを主に取り上げていきます。
今週、デッキリストを参考にさせていただいたのは、以下のトーナメントです。
「StarCityGames オープントーナメント・ナッシュビル」
「太陽拳」
3 《島》 3 《沼》 4 《平地》 4 《闇滑りの岸》 4 《金属海の沿岸》 4 《孤立した礼拝堂》 2 《水没した地下墓地》 2 《氷河の城砦》 -土地(26)- 2 《瞬唱の魔道士》 1 《幻影の像》 2 《太陽のタイタン》 1 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(6)- |
4 《マナ漏出》 3 《熟慮》 2 《破滅の刃》 1 《夜の犠牲》 1 《雲散霧消》 3 《禁忌の錬金術》 3 《忘却の輪》 2 《機を見た援軍》 3 《審判の日》 2 《堀葬の儀式》 3 《ヴェールのリリアナ》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 -呪文(28)- |
1 《瞬唱の魔道士》 1 《ワームとぐろエンジン》 2 《外科的摘出》 2 《天界の粛清》 2 《否認》 2 《漸増爆弾》 2 《機を見た援軍》 1 《審判の日》 1 《死の支配の呪い》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
基本的な動きは、各色の優秀な除去、カウンターなどを駆使し、フィニッシャーに繋げるオーソドックスなコントロールデッキなんですが、そこにリアニメイトというアクセントを加えたデッキが「太陽拳」です。
元祖「太陽拳」がデビューしたのは、ラヴニカブロックがスタンダードにあった2006年のことでした。
《夜の星、黒瘴》や《絶望の天使》を、《強迫的な研究》や《ふるい分け》で捨てて《ゾンビ化》で拾いあげる、所謂リアニメイト戦略を組み込んだ青白黒コントロールデッキのことを総じて「太陽拳/Solar Flare」と呼んでいました。デッキ名の由来は、主戦力であった《絶望の天使》が、某漫画のキャラクターに似ていたからだとか。アメリカ選手権優勝を筆頭に、いくつもの輝かしい成績を残した優秀なデッキでした。
そして数年の時を経て現世に蘇ったこのリストにも、もちろんのことリアニメイト戦略が組み込まれています。《強迫的な研究》よりもライブラリーを多く掘れる《禁忌の錬金術》、《ゾンビ化》の性能を大きく上回る《堀葬の儀式》と、カードの性能は以前よりも遥かに強力になっていますね。
このデッキは新環境のコントロールデッキの中でも、頭ひとつ飛びぬけている感がありますが、まだまだ理想と呼べるリストは完成していないように思えます。それは前述の通り、コントロールデッキはある程度メタが固まらないと、正解と呼べる構成に辿り着けないことや、単純に新しいカードの強さをまだ測りかねていることなどが理由として考えられます。
環境初期ということもあり、まだまだ改良の余地がたくさんあるデッキだとは思いますが、中でも調整が難しいと思われるポイントは以下の点でしょうか。
1. 《瞬唱の魔道士》の枚数
2. フィニッシャーの取捨選択
3. 各呪文の枚数選択
少し内容が多いですが、上から順に見ていきましょう。
1. 《瞬唱の魔道士》の枚数
ティアゴ・チャンの作ったインビテーショナルカードがこちらの《瞬唱の魔道士》です。歴代のインビテーショナルカードの中でも、屈指の性能を秘めたカードということで、イニストラード発売前から騒がれていましたね。
しかしこのカードは本当に強いのでしょうか? もう少し具体的に言うのならば、本当に採用すべきカードなのでしょうか? 実はこれは「太陽拳」だけに限らず、青いデッキならば全てのデッキに当てはまる問題だと思っているのですが、とりあえずここでは「太陽拳」をメインにお話ししていきます。
・デッキ内のスペルの多くに、もとから「フラッシュバック」が付いている。
まず、デッキリストをご覧になっていただければ分かるように、「太陽拳」に入っているスペルの約半分には、最初から「フラッシュバック」が付いています。
《禁忌の錬金術》の「フラッシュバック」コストは相当に重いため、《瞬唱の魔道士》でこれを対象に取る展開は多々ありますが、それでも、「フラッシュバック」を与える必要がないカードがデッキ内に多いという事実は、《瞬唱の魔道士》の魅力を半減させています。
・《瞬唱の魔道士》は、2マナにあって2マナにあらず。
これは《幻影の像》にも言えることですが、《幻影の像》も《瞬唱の魔道士》も、マナコスト自体は2マナではあるものの、実際に2ターン目に唱えたい類いのカードではありません。
これらを有効活用しようとすると、《幻影の像》は、戦場にコピーしたいクリーチャーがいることが条件になりますし、《瞬唱の魔道士》は、墓地に使いたいインスタントかソーサリーカードがあることと、そのカードをキャストできるマナがあることが条件になってきます。つまり、どちらも真の力を発揮するのは中盤戦以降なんですね。
もちろん、マナコストが軽いということは、中盤以降の手数の多さに繋がりますし、《太陽のタイタン》で釣ることができるというメリットもあります。ですが現代のクリーチャーの質を考えれば、2/1では相打ちをとることも難しいですし、このカードが序盤向きのカードでないことを、しっかりと把握した上で、デッキを構築するようにしたいですね。
もしも《瞬唱の魔道士》の能力を序盤から有効活用したいのであれば、《はらわた撃ち》や《ギタクシア派の調査》なんかを使うのもひとつの手です。
ここまでは《瞬唱の魔道士》を酷評するばかりでしたが、ここからはどうすれば《瞬唱の魔道士》を上手く使えるかを考えていきましょう。
・シナジーの多いデッキを作る。
《瞬唱の魔道士》は、文字通り「墓地のカードを利用」できます。そして、イニストラードには墓地を悪用する手段が豊富にあるとくれば、これを逃す手はありません。
「太陽拳」では《禁忌の錬金術》と《ヴェールのリリアナ》がこれに該当します。前者は4枚の中から最も強いカードを手札に加えつつ、墓地にリソースを増やしてくれますし、後者も墓地にリソースを増やしながら、相手の手札を刈り取ってくれます。
《ヴェールのリリアナ》は、《瞬唱の魔道士》での再利用を前提に、+1の能力で《審判の日》のような重要なカードを敢えて捨てることもできるので、後の展開で相手のミスリードを誘えるかもしれませんし、非常に相性の良いカードと言えるでしょう。
これらのカードと、《瞬唱の魔道士》を併用することで、こちらの選択肢は大きく広がっていくので、ぜひともこのようなシナジーのあるカードを一緒に使いたいですね。
・2マナ以下のインスタント、ソーサリーを多めに採用する。
これは《瞬唱の魔道士》を使う際に、自分のデッキの色に関わらず心掛けたいポイントです。「太陽拳」であれば、個人的には《マナ漏出》と《破滅の刃》を合計で7~8枚入れたいですね。
《破滅の刃》は、《瞬唱の魔道士》の有無を問わず、環境のビートダウンデッキの多さを考えても、4枚採用が妥当に思えます。
《マナ漏出》は、《ダングローブの長老》や《太陽のタイタン》など、戦場に出てからでは対処が難しいカードに対抗する手段として優れていますし、先手の場合は相手のデッキが「赤単」だろうと「白単《鍛えられた鋼》」だろうと、どんなデッキ相手にも効くのがいいですね。
これら2マナのカードで相手のスピードを落とせば、長期戦に持ち込める展開も増えますし、そうなれば《瞬唱の魔道士》で重いカードを「フラッシュバック」する機会も増えるでしょう。
・「瞬速」を活かす。
《瞬唱の魔道士》の強みのひとつは「瞬速」にあります。
想像してみてほしいのですが、相手の墓地に《マナ漏出》《破滅の刃》《禁忌の錬金術》がある状態で、もちろん相手のデッキには《瞬唱の魔道士》が入っているとします。
一度こういう状況に陥ってしまうと、あなたが次に何を唱えるべきか、正解を導きだすのは至難の業となるでしょう。
ゲームが長引いてしまえばソーサリーでもいいのですが、やはりどちらかというと、インスタントが多く入ったデッキの方が、《瞬唱の魔道士》を上手く活用できると思います。インスタントを多用することで、コントロールが理想とする毎ターン「待ち」の状態を維持できるので、ゲーム運びが非常に楽になりますからね。
そして「瞬速」を有効活用するもうひとつの手段として、《饗宴と飢餓の剣》などの装備品を使うという手法があります。
前環境で猛威を振るっていた「Caw-Blade」を相手にした場合、相手の戦場にクリーチャーがいない状況ならば、とりあえず次の相手のターンでいきなり《饗宴と飢餓の剣》付きのクリーチャーが殴ってくるなんてことはまずありませんでした。
しかしながら、《瞬唱の魔道士》は「瞬速」を持っているので、今までのこの認識は当てはまりません。今後は隙を見せようものなら、エンド前に《瞬唱の魔道士》→《饗宴と飢餓の剣》を装備してアタックという流れが十分にありえます。それも多くの場合は、なにかしらのインスタントを再利用しながら、です。
これによって今までよりも、次のターンに起こり得る最悪のケースが増えてしまったので、今後はより一層に慎重な行動が必要となるでしょう。
「瞬速」を活かすというのは、「太陽拳」に限って言えば少し難しいかもしれませんが、他のデッキでは役に立つと思うので、ぜひとも覚えておいてほしいポイントです。
・・・っと、《瞬唱の魔道士》だけでかなり長くなってしまいましたが、僕の結論としては2枚が適正枚数だと思いました。
ヤソ(八十岡 翔太)さんは、《瞬唱の魔道士》は「太陽拳」には要らないよ、という趣旨のコメントをくれましたが、軽いインスタントが多ければ役に立つ局面はそれなりにありましたし、ゲームが長引いた時に、《機を見た援軍》や《審判の日》のような、替えのききづらいカードを使いまわせるのも悪くないですしね。
それでは、他のカードも見ていきましょう。
2. フィニッシャーの取捨選択
今回解説するポイントの中で、最も悩ましいのがフィニッシャー選択です。ここでは、プレインズウォーカーを除いたクリーチャー陣を比較していきます。
クリーチャーでよく採用されているカードは《聖別されたスフィンクス》《太陽のタイタン》《墓所のタイタン》《ワームとぐろエンジン》《大修道士、エリシュ・ノーン》の5種類です。本質的にはクリーチャーではありませんが、1マナ軽い《ワームとぐろエンジン》として、《殴打頭蓋》を入れたものもありますね。
《太陽のタイタン》
《太陽のタイタン》は、《幻影の像》や《ヴェールのリリアナ》のように相性が良いカードが多いので、2枚以上採用することが当然といった扱いをされています。
僕も2枚は採用すべきだと思いますが、単体での戦闘力の低さと、サイド後に対戦相手が入れてくるであろう墓地対策のことも考慮して、3枚以上入れるのは微妙に感じています。
サイド後の墓地対策は、みながどれくらいこのデッキを意識しているか次第なので一概には言えませんが、やはり対ビートダウン戦での非力さは気になるので、《殴打頭蓋》や《ワームとぐろエンジン》と併用するのが好ましいでしょうね。
《聖別されたスフィンクス》は対ビートダウン戦での弱さこそ気になりますが、強いデッキ相手にとことん強いこと、飛行クリーチャーも止められる点を考慮して、ぜひとも採用したい1枚です。
《墓所のタイタン》
《墓所のタイタン》は、「白単《鍛えられた鋼》」のおかげで、環境の黒除去が《喉首狙い》ではなく《破滅の刃》であることを考えると良い選択に見えますが、今のところ他の候補に比べると少し弱いかなという印象を受けます。
《大修道士、エリシュ・ノーン》は、特に「緑白ビートダウン」と「《出産の殻》」デッキ相手に良く効きますが、対コントロール対決でのポンコツ具合を加味すると、メインボードに採用するのは怖いですね。
以上の理由から、僕の考える理想の構成は以下のものです。
2 《太陽のタイタン》
1 《聖別されたスフィンクス》
1 《ワームとぐろエンジン》
3. 各呪文の枚数選択
・《マナ漏出》の有無
世の中には《マナ漏出》が入ったリストと、そうでないものがあるのですが、《瞬唱の魔道士》の項目でも書いた通り、《瞬唱の魔道士》を採用している場合は、問答無用で《マナ漏出》も入れるべきだと思います。
仮に《瞬唱の魔道士》が入っていないリストだとしても、各種プレインズウォーカーのように、カウンターで対処するのが好ましいカードは多いので、3枚は採用したいですね。
一般的なリストは《熟慮》と《禁忌の錬金術》の合計が7枚のものが多いのですが、僕の感想としては、《熟慮》3枚、《禁忌の錬金術》4枚のバランスが好みです。
理由としては、《禁忌の錬金術》は4枚採用されてしかるべき強さだという点に尽きます。《審判の日》や、サイドカードなどの特定のカードを探すのにも便利ですし、《瞬唱の魔道士》や《太陽のタイタン》、そして《堀葬の儀式》など、相性の良いカードが多いのも特筆に値します。
・《忘却の輪》の枚数
新環境におけるコントロールデッキの課題として、以前にも増して、相手のプレインズウォーカーに触りづらいことが挙げられます。
これは主にミシュラランド(《天界の列柱》や《忍び寄るタール坑》など)がスタンダードを去ってしまったことに起因しています。
以前であればゲーム後半の《槌のコス》や《原初の狩人、ガラク》は、《天界の列柱》であっさりと葬れたので、カード枚数の面であまり損をせずに対処することが可能でした。そのため、状況によってはカウンターやその他のカードを温存することもできました。
しかし、これは最早過去の出来事です。
プレインズウォーカー以外にも、《チャンドラのフェニックス》《燃え上がる憤怒の祭殿》、《出産の殻》、《鍛えられた鋼》など、《忘却の輪》の能力が活きる状況は多いので、現状では3枚は入れておきたいカードだと思います。
しかしながら、唯一の懸念材料は、環境に《酸のスライム》が流行っていることでしょう。何度も紹介している「《出産の殻》」デッキはもちろんのこと、ここ何日かで勢力図を塗り替える勢いを見せている「緑単タッチ《ケッシグの狼の地》」も、メインから《酸のスライム》を採用しているので、それらのデッキが今以上に増えるようであれば、減らす、または入れない構築も考慮しなければなりません。
・《ヴェールのリリアナ》の枚数
ここまでで何度かお伝えしているように、「太陽拳」には+1能力と相性の良い《瞬唱の魔道士》や、大量の「フラッシュバック」付きのスペルが入っています。
それに加え、《ヴェールのリリアナ》で捨てたカードも、《ヴェールのリリアナ》自身をも戻せる《太陽のタイタン》までもが入っているので、できることなら3~4枚は採用したいのですが、正直なところ、もう少し使ってみないと分からないというのが実情です。
比較的対処の難しい、《ダングローブの長老》や《聖トラフトの霊》のような、「呪禁」持ちのクリーチャーを容易に葬ることができますし、現状のメタゲームだと3枚はあっていいと思いますが、数で押してくる「赤単スライ」や「白単《鍛えられた鋼》」が増えてくれば、2枚にしてもいいでしょう。
なお、もしも《ヴェールのリリアナ》を4枚にするのなら、《熟慮》も4枚採用するのをお勧めします。相手の戦場にクリーチャーがいない場合は+1能力を積極的に使っていくことになるので、捨てやすいカードが多い方が、その能力を使いやすいですからね。
ただ4番目の項目で述べた「《熟慮》3枚、《禁忌の錬金術》4枚が好み」というのは、僕の中で《ヴェールのリリアナ》は3枚でいいということも含意しています。
前述の通り、メタゲーム内に「呪禁」持ちのクリーチャーが多いのであれば3~4枚、数で押してくるデッキが多いのなら2~3枚というように、メタゲームに枚数を左右されるカードでしょうが、今のメタゲームを加味した僕の見解としては、3枚が適正だと思っています。
長々と書いてまいりましたが、やはりデッキリストでお伝えするのが一番かと思うので、練り込みがあまいながらも、僕のリストを載せておきます。
3 《島》 3 《沼》 4 《平地》 4 《闇滑りの岸》 4 《氷河の城砦》 4 《孤立した礼拝堂》 2 《水没した地下墓地》 2 《金属海の沿岸》 -土地(26)- 2 《瞬唱の魔道士》 1 《幻影の像》 2 《太陽のタイタン》 1 《聖別されたスフィンクス》 1 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(7)- |
4 《破滅の刃》 3 《マナ漏出》 3 《熟慮》 4 《禁忌の錬金術》 3 《忘却の輪》 2 《機を見た援軍》 3 《審判の日》 2 《堀葬の儀式》 3 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(27)- |
2 《蒼穹の魔道士》 1 《ワームとぐろエンジン》 2 《外科的摘出》 2 《天界の粛清》 2 《雲散霧消》 2 《存在の破棄》 2 《機を見た援軍》 1 《審判の日》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
長くなってしまいましたが、「太陽拳」の解説は以上になります。ここからはそれ以外のコントロールデッキを見てまいりましょう。
まずは「Caw-Blade」の後継者である「UW-Blade」をご覧ください。
「UW-Blade」
7 《平地》 7 《島》 4 《氷河の城砦》 4 《金属海の沿岸》 4 《墨蛾の生息地》 -土地(26)- 4 《瞬唱の魔道士》 3 《聖別されたスフィンクス》 -クリーチャー(7)- |
3 《はらわた撃ち》 4 《マナ漏出》 4 《熟慮》 4 《深夜の出没》 2 《雲散霧消》 2 《忘却の輪》 3 《審判の日》 3 《饗宴と飢餓の剣》 2 《ギデオン・ジュラ》 -呪文(27)- |
2 《蒼穹の魔道士》 2 《墓場の浄化》 2 《天界の粛清》 2 《神への捧げ物》 2 《瞬間凍結》 1 《存在の破棄》 3 《機を見た援軍》 1 《堕落した良心》 -サイドボード(15)- |
デッキの名前にもなっていた《戦隊の鷹》はいなくなりましたが、《瞬唱の魔道士》と《深夜の出没》がその穴を埋めています。
《戦隊の鷹》のような驚異的なアドバンテージ能力こそありませんが、《戦隊の鷹》とは違い、どちらもインスタントタイミングで動けるので、相手が隙を見せるようであれば、いきなり《饗宴と飢餓の剣》を付けてアタックができるのは大きな魅力と言っていいでしょう。
このデッキも、「太陽拳」と同じく、一番難しいのはクリーチャー選択ということになるでしょう。流行の兆しを見せている「緑単タッチ《ケッシグの狼の地》」に対しては《ミラディンの十字軍》が最強クラスに強いのですが、「赤単スライ」などに対しては無力に近いので、この辺りはご自身のメタゲームに合わせるか、高尾さんのようにメタゲームに左右されないチョイスをするのもひとつの手ですね。
しかし「緑単タッチ《ケッシグの狼の地》」に対する《ミラディンの十字軍》の強さは本当に圧倒的なので、少なくともサイドには入れておいた方がいいように思えます。
それと《はらわた撃ち》は、タフネス1が多い現環境では非常に良い働きが期待できますし、《瞬唱の魔道士》との相性も抜群なので、良いチョイスだと思います。
「青白コントロール」
9 《島》 6 《平地》 4 《氷河の城砦》 4 《金属海の沿岸》 4 《墨蛾の生息地》 -土地(27)- 3 《真面目な身代わり》 3 《聖別されたスフィンクス》 -クリーチャー(6)- |
4 《熟慮》 4 《マナ漏出》 4 《忘却の輪》 3 《雲散霧消》 3 《四肢切断》 4 《審判の日》 3 《殴打頭蓋》 1 《ギデオン・ジュラ》 1 《解放された者、カーン》 -呪文(27)- |
3 《倦怠の宝珠》 2 《神への捧げ物》 2 《天界の粛清》 3 《機を見た援軍》 1 《雲散霧消》 2 《ギデオン・ジュラ》 2 《ファイレクシアの再誕》 -サイドボード(15)- |
こちらはオーソドックスな「青白コントロール」。「太陽拳」と比べると、1色少ないのでカードパワーは落ちますが、その分マナベース面で圧倒的な有利を得ています。
これは長期戦になりがちなコントロール対決においてはあまり関係ありませんが、ビートダウンデッキを相手取る場合に大きな差となるので、敢えて2色を選ぶ理由も決してないわけではありません。
ただ、長い間3色デッキを環境から締め出していた《地盤の際》が、最早環境に存在しないので、旧環境と比べると2色デッキの強みは薄れているかもしれませんね。
「青黒テゼレイター」
5 《島》 6 《沼》 4 《水没した地下墓地》 4 《闇滑りの岸》 1 《幽霊街》 1 《埋没した廃墟》 4 《墨蛾の生息地》 -土地(25)- 3 《真面目な身代わり》 1 《ファイレクシアの変形者》 2 《聖別されたスフィンクス》 1 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(7)- |
3 《虚無の呪文爆弾》 4 《マナ漏出》 2 《伝染病の留め金》 2 《破滅の刃》 1 《喉首狙い》 1 《マイコシンスの水源》 1 《漸増爆弾》 2 《転倒の磁石》 2 《テゼレットの計略》 1 《青の太陽の頂点》 2 《黒の太陽の頂点》 1 《殴打頭蓋》 2 《ヴェールのリリアナ》 4 《ボーラスの工作員、テゼレット》 -呪文(28)- |
1 《墓所のタイタン》 3 《ゲスの評決》 3 《瞬間凍結》 2 《否認》 1 《漸増爆弾》 2 《精神の制御》 1 《死の支配の呪い》 1 《生命の終焉》 1 《青の太陽の頂点》 -サイドボード(15)- |
「青白」の代名詞が「UW-Blade」ならば、「青黒」の代名詞は「青黒テゼレイター」でしょう。《古えの遺恨》の再録もあり、なかなかアーティファクトへのマークはあまくなりませんが、はたしてこのデッキは生き残れるのでしょうか?
今のところその問いにイエスと答えるのは難しいですが、《ボーラスの工作員、テゼレット》の能力を活かして、「太陽拳」に効果的な《虚無の呪文爆弾》だったり、「《出産の殻》」デッキに有効な《倦怠の宝珠》をメインから積んだりできるのはこのデッキの強みと言えます。
メインボードで気になった点は、《ダングローブの長老》を除去できるカードが少なめなことで、《黒の太陽の頂点》か、《ヴェールのリリアナ》を増やしてもいいでしょう。
サイドボードに関しては、相当数のアーティファクト破壊が飛んでくると予想されるので、《墓所のタイタン》や《解放された者、カーン》のように、アーティファクト以外で、なおかつ1枚で勝てるカードが望ましいと思います。
《死の支配の呪い》は「緑白ビートダウン」に劇的に効く1枚で、このデッキに限らず、黒いデッキであれば採用を検討すべきカードですね。
「青緑赤クロックパーミッション」
6 《森》 3 《島》 3 《山》 4 《銅線の地溝》 4 《内陸の湾港》 4 《根縛りの岩山》 1 《硫黄の滝》 -土地(25)- 4 《肌変わり》 4 《ヴィリジアンの密使》 1 《瞬唱の魔道士》 2 《夜明けのレインジャー》 2 《最後のトロール、スラーン》 2 《聖別されたスフィンクス》 1 《業火のタイタン》 -クリーチャー(16)- |
3 《感電破》 2 《隊商の夜番》 4 《マナ漏出》 2 《電弧の痕跡》 1 《帰化》 2 《硫黄の流弾》 1 《戦争と平和の剣》 2 《原初の狩人、ガラク》 2 《情け知らずのガラク》 -呪文(19)- |
3 《アヴァブルックの町長》 1 《瞬唱の魔道士》 1 《夜明けのレインジャー》 1 《ショック》 2 《電弧の痕跡》 2 《帰化》 2 《否認》 2 《饗宴と飢餓の剣》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
最後を飾るのは、日本でもお馴染みのBrian Kiblerが生み出した「青緑赤クロックパーミッション」です。
本来クロックパーミッションとは、軽いクリーチャーを展開していき、相手の脅威をカウンターで凌ぐデッキなので、ボードコントロール能力が不足しがちなのですが、このリストは《電弧の痕跡》や《情け知らずのガラク》を入れることで、ボードコントロール能力に長けているのが特徴的です。
メタゲーム的に《電弧の痕跡》は4枚でもいいように思えますが、なんにせよ画期的で素晴らしいデッキに仕上がっていますね。
余談にはなりますが、Kiblerは《夜明けのレインジャー》を猛烈にプッシュしているので、まだ手に入れていない方は、今のうちに入手しておくといいことがあるかもしれませんよ!
今週は以上になります。少し長くなってしまいましたが、先々週から今週までで、新環境でTier1になりそうなデッキはだいたい特集したつもりです。
今週末にはオーストラリアでスタンダードのグランプリがあるようなので、来週はその結果を追いかけようと思っています。多くの日本人プロも参加予定とのことなので、彼らのデッキにもぜひ注目してみてください!
ちなみにmtg-jpの連載でもお馴染みのナック(中村 修平)さんは、いまだに使うデッキが決まっていないようです。そうはいってもいつも良い位置に付けてくるのがナックさんなので、日本人の中でも特にナックさんに注目してほしいですね。
それでは、また来週ー!
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