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戦略記事

ReConstructed -デッキ再構築-

あなたが(たぶん)知らない5つのフォーマット

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あなたが(たぶん)知らない5つのフォーマット

Gavin Verhey / Tr. Tetsuya Yabuki / TSV testing

2014年12月9日


 私は12月が大好きだ。

 子供のころ、ホリデー・シーズンはいつも私をわくわくさせた。街中に溢れるプレゼントやカボチャ――もちろんそういう雰囲気も大好きだ。でもこの時期は、マジックで遊ぶのにも最高の季節なのだ! 私と、私の兄弟や友人たちは、暇を見つけては集まりマジックで遊び倒した。工夫を凝らした風変わりなデッキで戦い、そしてどこからか聞いてきた新しいフォーマットに興じたのだ。

 実際、私が暖炉のそばですべてのカードと共にあったのは、冬の午後のことだったと思う――(今となっては考えられないが)、当時、私のカード・コレクションはすべて、5列組の白いカード・ボックスひと箱に収められていた――それらを目の前に広げ、それから私の愛するデッキ構築の時間が始まるわけだ。たぶん、その頃の楽しい思い出が今、このコラムに繋がっているのだろう。

 始まりは私のTumblr(リンク先は英語)からだった。私はいつもデッキ構築に挑戦しているのだが、「ガヴィンクワイアラ/GavInquirers」(Tumblrで私をフォローしてくれている人たちのことだ――マーク・ローズウォーター/Mark Rosewaterが彼のフォロワーたちに「クエスチョン・マーク/Question Marks」というあだ名を付けたので、私にもそういうのが欲しいと募集して生まれたのだ)たちはそんな私によく話かけてくれる。

 そして最近、あるフォーマットについて話が広がった――(この後すぐに触れるけれど)「コモン統率者戦/Pauper Commander」というものだ。そこで私は、以下のような質問を投げかけた

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PDH(統率者にだけアンコモンを使った、コモン統率者戦)の話は興味深いね。他にもユニークな、あまり知られていないフォーマットはある? 教えてくれたら......これからの記事のひとつに採用するかも! :)

 するとここぞとばかりに、たくさんの人がお気に入りのフォーマットについて教えてくれたのだ。

 本日は、愉快な新しいフォーマットを5つご紹介しようと思う――おまけに、それぞれのサンプル・デッキも添えるぞ!

 始めよう!

コモン統率者戦/Pauper Commander

 すべての始まりは、この質問からだった

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「コモン統率者戦」という遊び方を知っていますか? アンコモンのクリーチャーを1体統率者として選んで、デッキの残りはすべてコモンで構築するんです。このフォーマットだったら、どれを統率者に選びますか?

 このフォーマットは、言うなればコモンで遊ぶ「統率者戦」だ......ただし「統率者にアンコモンのクリーチャーをどれでも選べる」だって?!? 超面白そう!

 私の頭の中はすぐに、様々なアイデアでいっぱいになった。何か新しいものに遭遇したときに必ずする質問を、自身に投げかけた。「このフォーマットは破綻していないか? このカード・プールで何ができるだろう?」

 それらに対する答えの多くが、たまらなく私の心をくすぐった。

 このフォーマットのように、何か制限がかかるものが私は大好きだ。なぜなら、恐らく他のフォーマットでは決して手にしないようなカードをたくさん使えるからだ。通常の「統率者戦」で必須のカードの多くは、もう広く知れ渡っている――では「コモン統率者戦」で最高のカードは何だろう? 色々と試す余地がたっぷりあるのだ!

 頭の中だけでちょっと考えてから、私は先ほどの質問にこう答えた。

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最初に思いついたのは、《流浪のドレイク》でストーム・デッキっぽく作ることかな。それから、《ゴブリン徴募兵》とか《ゴブリンの従僕》も試してみたい。

もっとフェアに戦うなら、《サイカトグ》と《若き紅蓮術士》がすごく楽しそうだね。

 これを投稿した時点では、今回のような記事を書くことになるとは予想していなかった――でもこれは本気の意見だよ。それらがうまく機能したら、すごく楽しそう!

 それじゃあ、まずは《サイカトグ》デッキで友人たちと遊んでみて、このフォーマットに入るのはどうかな? こんな感じで「コモン統率者戦」用のデッキを組んでみたぞ!

ガヴィン・ヴァーヘイの「ライフを食べろ、サイカトグ」
コモン統率者戦[MO] [ARENA]
9 《
8 《
1 《やせた原野
1 《ボジューカの沼
1 《統率の塔
1 《ディミーアの水路
1 《ディミーアのギルド門
1 《陰鬱な僻地
1 《進化する未開地
1 《ハリマーの深み
1 《憑依された沼墓
1 《孤立した砂州
1 《オパールの宮殿
1 《汚染されたぬかるみ
1 《光輝の泉
1 《離れ島
1 《広漠なる変幻地

-土地(32)-

1 《深淵の門番
1 《錯乱した助手
1 《ディミーアの浸透者
1 《コー追われの物あさり
1 《マーフォークの物あさり
1 《夜景学院の使い魔
1 《思考の急使
1 《潮の虚ろの大梟
1 《方解石のカミツキガメ
1 《幻の漂い
1 《やっかい児
1 《ファイレクシアの憤怒鬼
1 《海門の神官
1 《深き刻の忍者
1 《幻影の軍団
1 《アスフォデルの灰色商人
1 《コー追われの浸透者
1 《熟考漂い
1 《Ramirez DePietro
1 《尖塔のゴーレム
1 《よじれた嫌悪者
1 《遍歴のカゲロウ獣

-クリーチャー(22)-

1 《サイカトグ

-統率者(1)-
1 《骨断ちの矛槍
1 《恐ろしい死
1 《無垢の血
1 《留意
1 《Mystic Remora
1 《思案
1 《定業
1 《血清の幻視
1 《シャドーの裂け目
1 《手練
1 《思考掃き
1 《旅人のガラクタ
1 《苦悶のねじれ
1 《慢性的な水害
1 《対抗呪文
1 《肉貪り
1 《悪魔の布告
1 《ディミーアの印鑑
1 《本質の散乱
1 《衝動
1 《精神石
1 《誤算
1 《交錯の混乱
1 《否認
1 《撤廃
1 《熟慮
1 《強迫的な研究
1 《ひどい憔悴
1 《除外
1 《抹殺
1 《霧脈の境界石
1 《調査
1 《骨読み
1 《はね返り
1 《リスティックの研究
1 《苦々しい天啓
1 《綿密な分析
1 《エヴィンカーの正義
1 《予感
1 《神秘の指導
1 《黒死病
1 《シッセイの指輪
1 《ウル=ゴーレムの目
1 《洞察力の花弁
1 《宝船の巡航

-呪文(45)-

 もし今後ただひとつのデッキしか使えないなら、私が選ぶのはこの形にそう遠くないものになるだろう。私はいつだって、手札を満たしてくれる戦略を喜んで使うのさ!

 このデッキで一番難しいところは、勝ち手段を十分に確保することだ――ゲームを終わらせるために、《湾口の海蛇》を採用する形もいいだろう!

 それにしても、普段の「統率者戦」用のデッキには採用しないカードをデッキに入れられるというのは、本当にクールだと思う。このフォーマットでなら《Ramirez DePietro》を除去しにくい立派な勝ち手段として使うことができ、それは大きな利点と言えるだろう。

 しかもこの遊び方は、お財布にも優しい! もしカードが手に入りにくいために君たちのプレイ・グループで「統率者戦」が開かれないなら、「コモン統率者戦」がおすすめだぞ!

 なお、私の場合はこれまで一度でもコモンに印刷され「コモン構築/Pauper」で使えるものはすべて使用可能、というルールを用いたことに注意してくれ――君たちのプレイ・グループでは、違う取り決めを行うかもしれないからね。

 「コモン統率者戦」は素晴らしい時間が過ごせそうな遊び方だ! ぜひ試してみてくれ。

パーフェクト・プール/Perfect Pool

 「統率者戦」からはちょっと離れよう。私の心を捕らえた斬新なフォーマットは他にもある。

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 パーフェクト・プール:セットを3つ選ぶ(ひとつのセットを何度選んでもよい)。それぞれのセットからレアを1枚、アンコモンを3枚、コモンを10枚選び、それらで40枚のデッキとサイドボードを作る。

 詳しく言うと、こうだ。

  • すべてのセットの中から3つ選ぶ。(同名のセットを複数回選んでもよい。)
  • それぞれのセットから、選んだ回数1回につき1枚のレア、3枚の異なるアンコモン、そして10枚の異なるコモンを選び出す。
  • メイン・デッキの最低枚数は40枚。
  • メイン・デッキに採用していないカードすべてがサイドボードになる。

 もっと平たく言えば、「理想的な」ドラフト・カード・プールを得ることができ、そこからデッキを作るということだ。さあ、君たちならどうする?

 これは本当に、実に面白い頭の体操になるだろう。親友たち数人と共に部屋でじっと座ってそれぞれの試作に取り組み、それから「Magic Online」上でそれぞれが見出したものを実際に組み上げて戦う、という光景が目に浮かぶよ。

 私が考える最高の方針は、「線で繋がる」戦略――同じカードを複数使用する戦略――を採用し、選んだセット内で最高のカードを余すところなく掴むことだ。成功の秘訣となるのはもちろん、強力なコモンを多く擁するセットを選択することだろう。例えば、ゴブリンやエルフを中心にした戦略は、このフォーマットでは驚異的な力を発揮するだろうね。

 だがしかし、私の考えはそこからさらに一歩進んだ。「親和」とかどうかな?

 全盛期には「最も壊れたデッキ」のひとつとして名を馳せ、膨大な数の強力なコモンを有している「親和」デッキ。「アーティファクト・土地」を採用する必要があるためサイドボードの枠は多くとれないものの、それでも極めて強力なものになるはずだ。

 大きな悩みどころは、『ミラディン』を3回選択するか、それとも『ミラディン』2回と『ダークスティール』を選択するかだ。『ミラディン』3回は実に強固なデッキが完成するけれど、『ダークスティール』を選ぶことで《頭蓋骨絞め》と《電結の荒廃者》を採用することができる――その代わり、コモンに採用したいものがほとんどないけどね。(ちなみに、私が作る形では《霊気の薬瓶》も十分な働きをしてくれないだろう。)

 恐らく『ミラディン』3回の方が強いと思うけれど、私としてはよりエキサイティングな方(そして、あの《頭蓋骨絞め》が使える方!)に興味があるから、ここでは『ミラディン』、『ミラディン』、『ダークスティール』でいこう。以下のようなデッキを思いついたぞ。

ガヴィン・ヴァーヘイの「MMD・パーフェクト・プール」
「パーフェクト・プール」[MO] [ARENA]
5 《
2 《古えの居住地
2 《大焼炉
2 《教議会の座席
2 《伝承の樹
2 《囁きの大霊堂
1 《ダークスティールの城塞
1 《ミラディンの核

-土地(17)-

2 《羽ばたき飛行機械
1 《電結の働き手
1 《マイアの月帯び
1 《電結の荒廃者
1 《電結のとげ刺し
1 《ヴィダルケンの技術者
2 《金属ガエル
2 《厳粛な空護り
2 《マイアの処罰者
2 《ブルードスター

-クリーチャー(15)-
2 《彩色の宝球
1 《頭蓋骨絞め
2 《稲妻のすね当て
2 《爆片破
2 《物読み

-呪文(9)-
1 《酸化
2 《残響する真実

-サイドボード(3)-

 こうしてなかなか見事な「親和」デッキができた――しかしこれでも、まさに期待通りの驚くべきものとは言えない。

 最善の道はどれだろう?「フェアリー」デッキ?――そうだとして、『ローウィン』と『モーニングタイド』をどう分ける? それとも、『オンスロート』と『ローウィン』を組み合わせた、傑物揃いの「ゴブリン」デッキ? ふたつの「ラヴニカ」をわたる多色デッキはどうだろうか?

 私は、君たちがこのフォーマットで為すことをぜひとも聞きたい――組み上げたデッキを、TwitterTumblrで(英語で)伝えてくれ!

「キューブレット」と「ウィンドフォール・マジック」/Cubelets And Windfall Magic

 もうちょっと、準備するものが......少ないものをお望みかい? よし、ハンドルネーム「失意の読者/Disappointedreader」(その名前とは裏腹に、意欲に溢れているね)が、「統率者戦」や「パーフェクト・プール」のようにGathererと「深いお付き合い」をしなくてもいいものを持って来てくれたぞ。それが「キューブレット」だ!

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「Loading Ready Run」の「Tap Tap Concede」のコーナーで、「キューブレット」というアイデアが紹介されていたんだ。ちょっと変わった楽しい遊び方だと思うよ!

 ああ、そうとも。やっぱり「Loading Ready Run」――何を隠そう、あの素晴らしい「Friday Nights」を制作しているところだ――の優秀なスタッフたちはやってくれるね(※編訳注)。何か新鮮で楽しいものを考え付いたようだ。

 「キューブレット」という遊び方に聞き覚えがない人は、「キューブ・ドラフト」を想像するといい――ただし、ドラフト部分は飛ばすんだ。

  • あらかじめデッキをひとつ組み(なるべく同名のカードは1枚までで、全部で100枚のデッキが好ましい)、それをふたりで使用する。
  • 毎ターン土地を普通にプレイする代わりに、土地カードを基本でない土地として裏向きにプレイし、その土地は「{T}:あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ。
  • マリガンはなし。
  • ライブラリーは共有するが、墓地は別にする。

 よし......以上だ! あとは、普通にマジックをプレイする――両者ともデッキの一番上から7枚のカードを引き、いつも通りゲームを始めればいい――のだが、このゲームでは引き込んだカードたちが織り成すことに普段より注目することになるだろう。この遊び方では、普段とは大きく違った経験が得られるカードがたくさんあり――そのため、これならどんな風にカードを組み合わせても遊べるぞと感じたそのときこそ、このフォーマットの楽しさを存分に味わえるのだ。「キューブ・ドラフト」をするときのように君たちならではの「キューブレット」を組み上げても、あるいは単純にコモンを集めて遊ぶだけでもこのフォーマットは楽しく、マジックの新しい遊び方を提案してくれるはずだ。

 君たちがひとたび自分ならではの「キューブレット」を作ってそれがどうなるのかを見てみたいと思ったなら、ありとあらゆるユニークでクールな「キューブレット」が生まれることだろう! ここではとりあえず、「Loading Ready Run」のスタッフたちが最もテストを重ねたという、最新バージョンのものを載せておこう。

Loading Ready Runの「キューブレット」[MO] [ARENA]
1 《極楽鳥
1 《雲ヒレの猛禽
1 《運命の大立者
1 《渋面の溶岩使い
1 《ルーンの母
1 《流城の貴族
1 《双刃の斬鬼
1 《調和者隊の聖騎士
1 《アゾリウスのギルド魔道士
1 《凍結燃焼の奇魔
1 《流血の家の鎖歩き
1 《地獄火花の精霊
1 《威圧する君主
1 《キオーラの追随者
1 《コー追われの物あさり
1 《群れネズミ
1 《幻影の像
1 《朽ちゆくヒル
1 《クァーサルの群れ魔道士
1 《クウィリーオンのドライアド
1 《肌変わり
1 《瞬唱の魔道士
1 《嵐血の狂戦士
1 《絡み根の霊
1 《川の殺し屋、シグ
1 《潮の虚ろの漕ぎ手
1 《吸血鬼の呪詛術士
1 《大霊堂のスカージ
1 《前兆の壁
1 《根の壁
1 《攻撃の元型
1 《屑肉の刻み獣
1 《トレストの密偵長、エドリック
1 《永遠の証人
1 《ゼナゴスの狂信者
1 《悪鬼の狩人
1 《責め苦の伝令
1 《台所の嫌がらせ屋
1 《リーヴの空騎士
1 《夜帷の死霊
1 《やっかい児
1 《銀刃の聖騎士
1 《トロールの苦行者
1 《吸血鬼の夜鷲
1 《航跡の打破者
1 《ザスリッドの屍術師
1 《血編み髪のエルフ
1 《ファルケンラスの貴種
1 《火炎舌のカヴー
1 《ゴーア族の暴行者
1 《強情なベイロス
1 《修復の天使
1 《造物の学者、ヴェンセール
1 《霊体の先達
1 《熟考漂い
1 《叫び大口
1 《包囲攻撃の司令官
1 《スラーグ牙

-クリーチャー(58)-
1 《火 // 氷
1 《遠隔 // 不在
1 《噴出の稲妻
1 《暗黒破
1 《強迫
1 《危害のあり方
1 《有毒の蘇生
1 《思案
1 《捕食
1 《怨恨
1 《剣を鍬に
1 《電弧の痕跡
1 《アゾリウスの魔除け
1 《ボロスの魔除け
1 《チェイナーの布告
1 《遅延
1 《Hymn to Tourach
1 《イゼットの魔除け
1 《稲妻のらせん
1 《誤算
1 《来世への旅
1 《撤廃
1 《セレズニアの魔除け
1 《シミックの魔除け
1 《盲信的迫害
1 《内にいる獣
1 《荒廃稲妻
1 《四肢切断
1 《Fire Covenant
1 《蔓延
1 《未練ある魂
1 《大渦の脈動
1 《反逆の印
1 《ネクロマンシー
1 《忘却の輪
1 《裂け目の稲妻
1 《金屑の嵐
1 《よろめきショック
1 《知識の渇望
1 《損ない
1 《支配魔法
1 《審判の日

-呪文(42)-

 君たちが手持ちのカードを1枚ずつ見直して、君たちならではの「キューブレット」を組み上げるのに、この冬休みはまさにうってつけだろう。

 もし、もうちょっとゲーム進行の速いものをお探しなら、夢のような遊び方があるんだ(さらに、多人数戦にも対応しているぞ)。ここで、私のお気に入りの、素早くゲームが進んでおもしろおかしいフォーマットもご紹介してしまおう。そいつは「ウィンドフォール・マジック」っていうんだ!

 ジョナソン・ロウクス/Jonathon Loucksと私が数年前に発明したこの遊び方は、「キューブレット」と似ているところがたくさんある――ものすごいスピードまでゲームが加速することを除いてはね。ルール自体は、通常のマジックと同じだとも。ただし、例外があるよ。

  • どのカードも、土地として裏向きにプレイすることができる。そのカードは「キューブレット」と同様に、タップで好きな色を生み出す。
  • 毎ターン、好きな枚数の土地をプレイできる! そうとも、イカれてるだろ!
  • 両プレイヤーとも、毎ターン1枚でなく2枚カードを引く。(最初のターンだけは、先手のプレイヤーが2枚ではなく1枚引く)。

「ウィンドフォール」が何度遊んでも面白いのは、マジックで最もエキサイティングな部分にすぐ入れるからだ。プレイヤーたちはゲーム序盤のカードをマナにして、すぐにコストの重いカードを唱えるようになる。それでも、各ターンのドローが2枚であるため体勢を立て直せる可能性はあり、毎ターン面白いことがたくさん起こるのだ。

 ちょっと破綻している点があるんじゃないかって? そうだね――ドローが増えるというのは極めて強力だし、おかしいほど強いカードもある。(私も一度、第1ターンに《記憶の壺》と《時のらせん》を絡めて、1ターン・キルを決めたことがあるよ)。でも、それもこのフォーマットの醍醐味なのさ!

 君たちが「キューブレット」でより落ち着いた普通のゲームをプレイしたいにせよ、あるいは「キューブレット」の束を使っておもしろおかしい「ウィンドフォール」をプレイしたいにせよ、どちらも本当に面白い遊び方だと私が保証しよう。全力で楽しんでくれ!

タイニー・リーダーズ/Tiny Leaders

 そして満を持して登場するのが、「タイニー・リーダーズ」だ! このフォーマットは、私が投げかけた質問に対して圧倒的に多くの反応があったものだ。私はこれまで聞いたことがなかったのだが――どうやらずいぶん市民権を得ているようだね! ハンドルネーム「手札からっぽ/Myhandsareblank」(これだけドロー呪文が優れているんだから、そんなことはないと願っているよ)が、このフォーマットの概要を熱く語ってくれたぞ。

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「タイニー・リーダーズ」! 普通の「統率者戦」と同じように統率者を選んで、その色に合わせて50枚のハイランダー・デッキを組みます。ただし、マナ・コストは3マナ以下に限る! これがまた一気に難しくなるんです。

 ちょっとググってみたところ、他にもいくつかの要素があるようだ。主なルールは以下の通り。

(いくつかのマイナー・ルールを含めて)このフォーマットについてさらに知りたいなら、「タイニー・リーダーズ」のウェブサイト(リンク先は英語)へどうぞ。

 さて、このフォーマットもまた魅力的に見えるね。「統率者戦」に似ているが――マナ・カーブを低く設定しなければならない。《歯と爪》のような思い切ったカードは使わず、《魔力の乱れ》や《野生のナカティル》のようなカードで対戦するのだ。

 私の考えはすぐに、部族デッキの方を向いた。これならマナ・カーブが低くても超強烈なパンチを繰り出すことができて、選択肢もかなり豊富だ。「エルフ」デッキはどうだろうか?

 私は、統率者にぴったりなエルフを知っている。それは《背教の主導者、エズーリ》だ。

 エルフの軍団を高速で展開すれば、あとは《背教の主導者、エズーリ》が一気に勝負を決めるだろう――仮に《背教の主導者、エズーリ》が除去されても、豊富なマナで唱え直せばいいだけさ。

 こんな形はどうかな。

ガヴィン・ヴァーヘイの「タイニー・エルフ」
タイニー・リーダーズ[MO] [ARENA]
7 《
1 《魂の洞窟
1 《ドライアドの東屋
1 《ガイアの揺籃の地
1 《霧深い雨林
1 《変わり谷
1 《ペンデルヘイヴン
1 《新緑の地下墓地
1 《吹きさらしの荒野
1 《ワイアウッドの番小屋
1 《樹木茂る山麓

-土地(17)-

1 《東屋のエルフ
1 《樺の知識のレインジャー
1 《ボリアルのドルイド
1 《エルフの神秘家
1 《本質の管理人
1 《Fyndhorn Elves
1 《遺産のドルイド
1 《ジョラーガの戦呼び
1 《ラノワールのエルフ
1 《イラクサの歩哨
1 《クウィリーオン・レインジャー
1 《ワイアウッドの共生虫
1 《献身のドルイド
1 《葉の王エラダムリー
1 《エルフの幻想家
1 《獣相のシャーマン
1 《ティタニアの僧侶
1 《ラノワールの使者ロフェロス
1 《ワイアウッドの養虫人
1 《エルフの大ドルイド
1 《エルフのチャンピオン
1 《傲慢な完全者
1 《再利用の賢者

-クリーチャー(23)-

1 《背教の主導者、エズーリ

-統率者(1)-
1 《召喚士の契約
1 《調和の中心
1 《輪作
1 《垣間見る自然
1 《俗世の教示者
1 《緑の太陽の頂点
1 《頑強な決意
1 《森の知恵
1 《雲石の工芸品
1 《召喚の調べ

-呪文(10)-

 対戦相手が全体除去を多く擁していたら、このデッキは不利かもしれない。でもそうでなければ、《背教の主導者、エズーリ》で瞬く間に勝利を掴むことができるだろう――あるいは必要とあれば、古き良き《垣間見る自然》コンボを揃えても勝てるぞ!

 デッキの枚数が50枚であり(ルールによっては、サイドボード10枚が加わる)、またマナ・カーブが低いということで、「タイニー・リーダーズ」は比較的デッキを簡単に組めるものでありながら、通常の「統率者戦」に負けない面白さがある。(この「エルフ」デッキのように)とんでもない動きができることもあるけれど、たぶんフェアに戦う手段も同様にたくさんあるはずだ。君たちは、こういうフォーマットではどう戦うかな? その話をぜひとも聞きたい!

いったん「フォーマット」しよう

 以上、これで終わり! マジックに少し刺激を与える、5つの新しい遊び方をご紹介したぞ。家で兄弟と暖炉を囲むにしても、これらの新しいフォーマットをプレイ・グループへ紹介するにしても、きっと多くの革命が起こるはずだ! これらを試しに遊んでみて、ぜひどれが気に入ったか私に教えてくれ。

 さて、冬休み前最後の記事はこれで終わりだ! 次にお会いするのは『運命再編』のプレビューだ! 最高だね!

 おっと、『運命再編』の世界へと時間を遡る前に、私もタイムマシンに乗って休暇後の未来に飛ばなくちゃ。

 私の次の記事は「厳密に言うと」今年掲載されるのだが、それは大いに「2015年」を感じさせる内容になっているよ。休み明けにすぐ掲載されるし、もう私はそれを書き終えているけどね!(タイム・トラベルはいかがかな?)だから、みんな束の間の休息を楽しんでくれ。最後まで最高の年を過ごしてくれよ!

 今年もついて来てくれてありがとう。言葉にならないくらい最高の年だった――そしてこれは、君たちなしにはあり得なかったよ! 今年もマジック・コミュニティに囲まれながら一年を締めくくることができて、本当に嬉しく思う。Twitterで、Facebookで、Tumblrで、Instagramで、あるいはメールで、君たちはデッキを送ってくれた。そんな君たちのアイデアやフィードバック、そして提出されたデッキがなければ、このコラムは成り立っていないんだ! ぜひこのまま、素晴らしい支えになってほしい。

 いつものように、何かご意見ご質問があったら、どんどん送ってくれ! Tumblrの受信ボックスはいつでも開けておくし、私宛のツイートもすべて見ることをお約束しよう。

 それじゃあみんな、良いお年を! 数週間後、私は新たなものを引き連れて戻ってくる。帰ってきたら、これまででもとりわけお気に入りのセットについて話そう!(『運命再編』は最高のセットに決まっているだろ?「マジック」と「タイム・トラベル」――私が大好きなふたつのものが合わさるんだから!)

 そのときまで、これ以上ないくらい最高の冬休みを過ごし、そしてマジックをたくさんプレイしてくれ......どのフォーマットを選ぶとしてもね。

Gavin / @GavinVerhey / GavInsight

(編集より:次回の掲載は英語記事と同日、12月30日(日本時間12月31日)となります。)


 
編訳注
  • Friday Nights」:マジック:ザ・ギャザリング公式YouTubeアカウント(英語版)で公開されている、マジックをテーマにしたショートドラマ。
  • Loading Ready Run」:海外ゲームサイト。「Friday Nights」の制作元。
  • 「Tap Tap Concede」:「Loading Ready Run」のコーナーの1つ。

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