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たまにはシンプルなままで
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たまにはシンプルなままで
Billy Moreno / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru
2012年11月9日
ラヴニカ、それは究極の都市空間だ。都市の開発は次元全体のいたる所に広がっている。そしてお気づきかと思うが、適切な都市計画ってやつは拡大していく大都会での生活のクオリティにものすごく大きな影響を与えうる。論理的な碁盤の目状の通りや考え深く指導された交通の流れは長ったらしくてイライラするクロヴァドでの通勤を瞑想とリラックスの儀式に変える。町の広場やオープン・スペースに意識を向ければ活気にあふれたバザーやお祭りがその通路と毎日の街の暮らしの関心の動きを楽しそうに吹き込むんだ。
また、その逆もそうだと言える。
その名の次元と同じく、ラヴニカへの回帰は入り組んで、不規則に広がっている。5つのギルド、5つの新しいメカニズム。ほとんどの近代的なエキスパンションは3つのメカニズムを持っているがたいていその全部が新しいわけじゃない。ラヴニカは多色の環境で、それは色の独自性がデッキ構築の間に高レベルな複雑さに向かって歪み、捻じ曲げられる傾向にあるだろうことを意味している。
《平地》 アート: Richard Wright |
このセットのキーワードのデベロップの時に、我々は興味深い教訓を何度も繰り返し学んだ。キーワードの問題にぶち当たった時はいつでも、ベストな答えは優雅でシンプルな傾向にあるってことだ。その理念で全面的に取り組んで、我々は5つのギルドの個性を完璧に象徴したメカニズムを独立したカードとゲームのプレイ全体から注意を損なわずに供給し、それはセットの正当な星だ。
戦場に在るべきか在らざるべきか
留置はアゾリウス用に最初に考え出されたメカニズムじゃあなかった。その詳細を述べることもできるが、マーク・ローズウォーター/Mark Rosewaterとデイブ・ガスキン/Dave Guskinがその話題についてほとんどやってしまった。代わりに私が注目したいのは、より多くの時間を個々のカードとそれらのゲームでの相互作用を見つけることに費やせるようにするために、どのようにメカニズムを簡略化したかについてだ。このメカニズムが表現しているのは一時的な禁固で、我々はそれをマジックの歴史を通じてさまざまな方法で表現したが、しかしラヴニカへの回帰のニーズにもっとも適合したものをみつけなけりゃいけなかった。
《謹慎命令》 アート: Wayne Reynolds |
何回かラヴニカへの回帰をプレイして、私は時々君の逮捕されている使い魔達が留置されていることを忘れて攻撃しようとするだろうと信じている。刑期の間そのパーマネントを追放するようにしていればもっと分かりやすくなったんだけども、だがそうするとセットにあふれる「戦場に出たとき」の誘発や、トークン、活用などに強くなりすぎてしまった。ある程度の複雑さを受け入れて、セットの環境で気づいたことにより、最終バージョンの留置は綺麗で、フレーバーにあふれている上により楽しく、ブロックの残りの部分の相互作用との間にイライラを起こさせないものに落ち着いた。たとえば、これはゴルガリのプレイヤーの活用を使ったデカブツを、そのメカニズムを使っているプレイヤーを痛い目にあわせることのない一時的な解答を君に与えてくれる。
我々がこのバージョンの留置に落ち着いたのは、アゾリウスが自然と敵対するようになるラクドスの一か八かの精神のためでもある。もし留置が厄介なクリーチャーを追放するなら、ラクドスのプレイヤーは解鎖をするかどうかの絶好のチャンスを得ることになる。代わりに、留置は悪意ある解鎖クリーチャーを厳罰に処する。それらはアタックやブロックの機会を丸々1ターン失うだけでなく、次のブロックもできないままだ。そのようなテンポの揺れは大抵アゾリウスのプレイヤーにゲームのペースを完全に寄せてしまう。
イゼットは明らかに超過している
デベロップの時に、我々は時々競争をする。時々競争の目標は読むこととプレイすることの両方で良いカードを確認することだ。超過に取り組んでいるときに、二つの優先事項の間にいくつかの摩擦が発見された。《稲妻》のようなカードが強いのはそれがとてもわかりやすいからだ。誰も《稲妻》を見て「対戦相手とそのコントロールするクリーチャーだけを対象にするようにして欲しい」とは言ったりしないよね。稲妻の要点がどこにあるかはみんな知っている。「あなたのコントロールするクリーチャー1体を対象とする」とか、「対戦相手のコントロールするクリーチャー1体を対象とする」のような対象の制限は美学に反する。その上、対象の制限はマジックのほぼ20年の歴史から不測の、しかし究極的にエキサイティングな相互作用をもたらす機会を切り落としてしまう傾向にある。そのくせ、対象に制限せずに《ミジウムの迫撃砲》を超過させ(てこちらのクリーチャーを無傷で残して相手のクリーチャーをだけを破壊す)るのはすごい難問ときている。
《通りのひきつけ》や《電謀》のような呪文では、美的な意味と制限をつけない語法のためにいくらでも対象を取ることができた。そうすると、他人のクリーチャーと自分の《ブリン・アーゴルの白鳥》を自由に砲撃できてしまった。この変化は確かにメカニズムに決定するポイントを加えたが、しかしそれは最終的に呪禁クリーチャーを打つために君の能力を削除してしまった。
結局、我々は改善されたゲームのプレイは優雅さを損なっても完全に機能する言葉の選択に見合う価値があると決定した。超過呪文には異なる動きをするために微調整する余地があったものの、君の《ミジウムの外皮》が対戦相手のクリーチャーに+0/+1したり、君の《電謀》が君の鳥トークンに刺さる心配がない方がより楽しめることを発見したんだ。
黒(と赤)のネクタイをご着用の上ご来場ください
ラヴニカへの回帰のギルドの中で最も混沌と殺戮を愛し、そして最も文明の終わりをもたらすと思われるラクドス教団のメカニズム、解鎖は、驚くほどシンプルで優雅な形をしている。このキーワードを持ったサーカス芸人を召喚するとき、一つだけ簡単な質問に答える必要があり、そして一度だけそれに答える必要がある。「パーティの時間かい?」幸運なことに、答えは大抵(しかしいつもではないけども)「Yes!」だ。
《ラクドスの首謀者》 アート: Jason Felix |
我々が解鎖を解鎖しようとして、積み重なった余計な添え物の下にそれを埋める羽目になった世界を想像してみよう。解鎖の最もリスクの高い部分の一つは、ゲームデザインとゲームのプレイの両方の観点からいくつかの決定的なネガティブな要素を持っていることだ。プレイヤーにブロックする能力をあきらめてもらうように売り込むのは難しいだろう。もし我々が売り込みをしないことに決めたならどうなるだろう? もし我々が解鎖に明確な欠点を付けずに作ってしまったならどうなるだろう? 「~ではブロックできない」の箇所を取り去ることは明らかな方向性のように思えるが、しかしそうなったら、君は解鎖しない時があるだろうか? 意味のある決断がなければ、そのバージョンの解鎖はとてもメカニズムとは呼べないものだろう。
しかしもし「欠点のない解鎖」が最終的にこのようになったらどうだろうか。
解鎖(このクリーチャーが攻撃したとき、それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。)
このフレーバーは同様にラクドスによく適合するだろう。解き放たれて攻撃する動機としても明らかだ。またこのメカニズムを持ったクリーチャーは明らかにブロックより攻撃に向いている。その上になんと一度だけどころか「解鎖!」と何度も毎ターン言うようになる。こいつはすごい!
《ラクドスの哄笑者》 アート: Ryan Barger |
だがしかしゲームプレイとしては退屈になるだろうし、何よりちっともラクドスらしさが出ていない。ただ単にパーティに行くかどうか決めて頭のネジを外してしまうよりも、この別バージョンはパーティの残りの部分のための選択を良く考えることを要求している。ドライバーかトゲ付きグローブか? かぶりつきの舞台前かボール・ピットか? 野外パーティか危険区域でのお祝いか? 君がぶちのめしてやりたいなら方法はいくらでも考えられる。面倒なぐらいだ。
ターンからターンへの合理性を要求する代わりに、我々は一回だけ決定を迫ることを試してみた。コモンの解鎖クリーチャーの多くは防御に関連した能力や数値を持っている。なので《不気味な人足》や《跳ね散らす凶漢》や《快楽殺人の暗殺者》のような効果的なブロッカーを解鎖する決断とその結果起こる後悔はドラマを引き起こす可能性を多く孕んでいる。
《不気味な人足》《跳ね散らす凶漢》《快楽殺人の暗殺者》 |
3つのR(リデュース、リユース、リサイクル)
活用はラヴニカの主要な食料供給者というゴルガリの華やかとはいえない役割のひとつを捉えている。ラヴニカでは金持ちで力があれば安息をもたらす墓所を買うことができるが、そうじゃない残りの住人は腐敗農場へとお届けされ、食物連鎖の中へと再び組み込まれてしまう。デベロップの時に、我々はとても美味で恐ろしい質問に答えなきゃならなかった。マジックの観点から、実際に何をどうやって食べているのか?個人的には、クリーチャーのパワーに固定された活用の効果が魅力的なサイズと美味しくない活用コストのクリーチャーでギルドがいっぱいになるのを心配していた。
私が主張していたバージョンの活用はこんな感じだった。
活用1?{1}{G}({1}{G}、このカードをあなたの墓地から追放する:クリーチャー1体を対象とし、その上に+1/+1カウンターを1個置く。)
カウンターの数とコストをカードごとに変えられるようにしたのは、このバージョンはゴルガリの理念を伝える時に個別のクリーチャーを微調整できる多くの柔軟性が我々に与えられるからだ。残念ながら過剰な加工食肉製品のように、これらの活用クリーチャーは大抵フレーバーの多様性と生命を(そして死を)味わう価値のある構造に欠けていた。
《コロズダの監視者》 アート:Lars Grant-West |
エリック・ラウアー/Erik Lauerはラヴニカへの回帰のリミテッドにおける活用一式の適切な役割を評価するすばらしい仕事を成し遂げた。リソースを再利用するメカニズムと共に、黒緑のギルドはゲーム後半の支配を期待したゲーム前半の消耗の実行に完璧にマッチしていた。それはとにかく長いゲームに向けられているので、少なくとも平均的なパワーとタフネスを持ったクリーチャーには不恰好に見える起動コストであっても立派に機能するだろう。おまけに、活用はクリーチャーのパワーが鍵になっているので、腐った死体が戦場にどんな影響を与えるのかを思い出すのが簡単になっている。
仲介者
居住は注文の多いメカニズムだ。一方では、それは決定的に大量のトークン製造機を要求してくる。しかし別の一方では、その上に「居住」と書いてあるカードを必要とする。もしどちらかの部品を失うと、メカニズムはうまく機能しないだろう。簡単な部分としては、君が居住を利用しようがしまいが多彩なトークン製造機を提供することだ。アップデートされた《番狼》こと《議事会の招集》はお手軽にエキサイトできるカードだ。より難しい居住カードの問題はプレイヤーが今までメカニズムと共にプレイすることで自信が持てた。
ほとんどの場合、二つの種類のカードを分けたままにしておきたい強い願望があった。《根生まれの防衛》、《ドルイドの講話》、《隔離する成長》のようなカードは全てストーリーとプレイの部品として意味がある。生命の破壊や大量のダメージの軽減、アーティファクトの破壊や、もしくは新たな生命の創造は同じ20面ダイスの違った面で、保護や復元は自然の摂理だ。一方で、《セレズニアの魔除け》、《封鎖作戦》、《騎士の勇気》の全てはフレーバーにあふれたそれらのトークンを正当化する素晴らしい仕事をする。
だが結局は、我々の主な優先事項はセレズニアデッキで君が何をしたいか、そしてラヴニカへの回帰の中で居住が大抵の場合そして一貫して何を意味しているかなんだ。この目標を達成するため、我々は《天空の目》、《狩猟者の協定》、《角呼びの詠唱》、そして《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士》に取り掛かった。居住の両方の面を一つのカードが持っているということは常にコピーすべきトークンが保証されているってことだ。
《天空の目》《狩猟者の協定》《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士》《角呼びの詠唱》 |
これらの快適なカードをデッキに入れたなら、ほかの全てのトークン製造機はより多くの選択とより多くの興味深い決定を行う可能性を意味することになる。5/5のワームがいたら2体目の3/3のケンタウルスを選ぶことはないかもしれないが、1/1飛行の鳥と2/2警戒の騎士の選択がゲームを決定づける状況は多々ある。
端的に申しますと
うまく構築されたセットはどれも、良く考えて計画された都市のどれもと同じく、それらがメカニズムであるかどうか、お決まりの選択、そして色の独自性もしくは信号、公共交通機関、そして公共のWi-Fiなどのインフラの要素をその住人に対して十分に使用できる権限を与えるものだ。
その精神において、君が常に青信号を逃さず、そして君のクリーチャーが自由であり縛られることがありませんように。
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