READING

戦略記事

Daily Deck -今日のデッキ-

ジェスカイ・テンポ(スタンダード)

Melissa_DeTora.jpg

ジェスカイ・テンポ(スタンダード)

Melissa DeTora

2015年8月19日


 『タルキール覇王譚』登場後のスタンダードにおいて、「ジェスカイ」は最も人気のアーキタイプのひとつでした。しかしその後新たなセットが登場するにつれて、少しずつその人気に影が差していきました。そんな「ジェスカイ」を復活させたのは、『マジック・オリジン』とともにスタンダードへ現れた《ヴリンの神童、ジェイス》です。まだ8ヵ月前と比べて数は少ないものの、その姿を見かけるときは成績上位にいることが多いのです。本日ご紹介するデッキは、ベン・ウェイツ/Ben Weitzが操りグランプリ・サンディエゴ2015(リンク先は英語)でトップ8入賞を果たしたものです。

 このデッキにおける《ヴリンの神童、ジェイス》の役割は本当に様々です。まずは「ルーター能力」で手札を整えること。直接カード・アドバンテージを得られるわけではありませんが、手札の質を上げながら《時を越えた探索》の「探査」の燃料も確保できます。また《束縛なきテレパス、ジェイス》に変身すれば、対戦相手のクリーチャーのパワーを下げてテンポを稼ぐこともできます。そして、墓地にある火力呪文をもう一度唱えられる、というさらに優れた能力も持つのです。

回転

 私が「ジェスカイ」デッキで好きなところは、対戦相手の不意をついて火力で焼き尽くすことができる点です。《かき立てる炎》は招集を使って安いマナで唱えることが多々ありますし、今や《束縛なきテレパス、ジェイス》のおかげで火力呪文に「フラッシュバック」を持たせることもできます。《カマキリの乗り手》や《ゴブリンの熟練扇動者》で相手にプレッシャーをかけつつ火力も扱えるのですから、ライフ・レースに勝つのは極めて容易ですね。今回のリストでは《かき立てる炎》の採用が2枚に抑えられていますが、現在の「ジェスカイ」デッキは《かき立てる炎》、《ジェスカイの魔除け》、そして《極上の炎技》と、4点ダメージの火力を合わせて12枚搭載することもできます。それらをすべて駆使すれば、クリーチャーによる攻撃がなくとも20点のダメージを与えることが十分に実現可能なのです。

 最近はあまり人気がなく今回のリストでも採用を控えられている《卓絶のナーセット》ですが、このデッキではその真価を発揮すると思われます。《卓絶のナーセット》はこれまでコントロール戦略で試されてきましたが、うまく機能するところは見受けられませんでした。そこで私は「ジェスカイ」のようなテンポ戦略でこそ素晴らしい働きをすると気づいたのです。積極的に直接ダメージを与えたり除去したりするカードを搭載したこのデッキでは、《卓絶のナーセット》の持つ「反復」を与える能力が大きなアドバンテージをもたらすことでしょう。このデッキでは《オジュタイの命令》と枠を争うことになりますが、一度《卓絶のナーセット》に入れ換えてみるのをぜひ検討してくださいね。

Ben Weitz - 「ジェスカイ・テンポ」
スタンダード[MO] [ARENA]
2 《
1 《
2 《平地
4 《溢れかえる岸辺
4 《神秘の僧院
3 《シヴの浅瀬
3 《天啓の神殿
3 《戦場の鍛冶場
3 《凱旋の神殿

-土地(25)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス
4 《魂火の大導師
4 《カマキリの乗り手
3 《ゴブリンの熟練扇動者
2 《龍王オジュタイ

-クリーチャー(17)-
4 《乱撃斬
3 《稲妻の一撃
3 《勇敢な姿勢
1 《ジェスカイの魔除け
3 《オジュタイの命令
2 《かき立てる炎
2 《時を越えた探索

-呪文(18)-
3 《アラシンの僧侶
3 《軽蔑的な一撃
3 《存在の破棄
2 《異端の輝き
2 《否認
2 《悲劇的な傲慢

-サイドボード(15)-
  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索