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戦略記事

Daily Deck -今日のデッキ-

ターボ・フォグ(スタンダード)

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ターボ・フォグ(スタンダード)

Melissa DeTora

2015年7月29日


 本日も『マジック・オリジン』導入後のスタンダードで行われた最初の大会から、興味深いデッキのひとつをご紹介しましょう。それは「ターボ・フォグ」です。このデッキは、マジックの戦略記事ライターであるアリ・アイントラージ/Ali Aintraziの手によって生まれ、シカゴで行われた「SCG Open」ではジェイムズ・ニューマン/James Newmanが操りました(各リンク先は英語)。「ターボ・フォグ」は、スタンダードでよく見受けられるクリーチャーによる攻撃で勝利を掴むデッキとは一線を画した、面白いデッキです。このデッキの勝ち手段は、《拠点防衛》や《霊気渦竜巻》などでただひたすらに対戦相手の攻撃をしのぎ、ライブラリー切れを狙うというものなのです。

 「ターボ・フォグ」という名前は、『リバイズド』の《濃霧》(Fog)に由来します。それ以来、「このターンに与えられるすべての戦闘ダメージを軽減する」呪文には、「フォグ/fog」というあだ名が付けられたのでした。

 今回ご紹介するデッキの主な勝ち手段は《スフィンクスの後見》ですが、これ単体では仕事を完遂できません。他にドロー・カードを組み合わせてやる必要があるのです。このデッキでは、《クルフィックスの指図》が大きな活躍を見せてくれるでしょう。《吠えたける鉱山》と比較されるこのカードですが、ひとつ大きな違いがあります。《クルフィックスの指図》は瞬速を持つため、対戦相手より先に追加のドローができるのです。《吠えたける鉱山》を戦場に出してターンを渡すと、対戦相手がアンタップ後カードを2枚引いて、そして《吠えたける鉱山》を《解呪》されてしまうことがあります。これほどフラストレーションが溜まることはありませんよね。その点《クルフィックスの指図》なら、破壊される前に少なくとも1回はカードをもたらしてくれるのです。

 他にこのデッキの目玉と言える呪文は、『マジック・オリジン』の新たな神話レア《一日のやり直し》です。一見、《スフィンクスの後見》とのコンボができそうに「見えますが」、実はそういった役には立ちません。《一日のやり直し》が解決されると、そのターンが終了します。つまり一気にクリンナップ・ステップまで飛び、誘発型能力も一切スタックに置かれないのです。誘発型能力を活かせないのは悲しいことですが、それでも《一日のやり直し》は「ターボ・フォグ」デッキに欠かせない働きをしてくれます。それまでに使用した「フォグ」系の呪文をライブラリーに戻し、《スフィンクスの後見》と《クルフィックスの指図》を並べて勝利するまでの時間をさらに稼げるようにしてくれるのです。

 このデッキは使っていて本当に楽しいものですが、様々な対策カードにかなり弱いという一面もあります。例えば、「獰猛」を達成した《乱撃斬》1発で、そのターンの「フォグ」は防がれます。そして、それが致命的になる可能性もあるのです。

James Newman -「ターボ・フォグ」
スタンダード[MO] [ARENA]
8 《
4 《
4 《神秘の神殿
4 《茨森の滝
4 《光輝の泉

-土地(24)-


-クリーチャー(0)-
4 《拠点防衛
4 《カル・シスマの風
3 《否認
4 《一日のやり直し
4 《クルフィックスの指図
4 《僧院の包囲
4 《スフィンクスの後見
3 《霊気渦竜巻
2 《護法の宝珠
1 《アルハマレットの書庫
4 《宝船の巡航

-呪文(37)-
1 《真珠湖の古きもの
2 《意思の激突
2 《軽蔑的な一撃
1 《研磨時計
1 《解消
2 《テレパスの才能
3 《氷瀑の執政
1 《霊気渦竜巻
1 《龍王の大権
1 《精霊龍、ウギン

-サイドボード(15)-
(デッキリスト:StarCityGames.com より引用)

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