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プレインズウォーカーのための『タルキール:龍嵐録』案内 その1


2025年2月21日
先日、私たちは『タルキール:龍嵐録』から最初の数枚のカードを紹介しました。龍やカン、そして龍に乗ったカンが満載の次元へ、壮大なる帰還です。ファイレクシア戦争の波紋により、前回見た時からタルキールの風景は大きく変化しています。『タルキール:龍嵐録』の発売に備え、ゲームデザイナーにしてタルキールの専門家でもあるローレン・ボンドとDK・ビリンズが皆さんのために「プレインズウォーカーのための『タルキール:龍嵐録』案内」をまとめました。この記事は、3月3日にここで始まるセットのストーリーの土台となるでしょう。オーディオブックもThe Magic Story Podcastにて利用可能となります!
『タルキール:龍嵐録』は2025年4月11日に発売です。この嵐の中心に何が潜んでいるのかを見つけ出しましょう。このセットはお近くのゲーム店、Amazonなどのオンライン小売店、その他マジック製品を販売している店舗で現在予約注文できます。氏族に加わり、嵐を打ち破りましょう!
その1、目次
タルキールの歴史
タルキールは龍のエネルギーが自然現象として満ち溢れる次元だ。ここでは恐ろしい嵐から龍が生まれてくる。長きに渡り、タルキールの人々はこの絶え間ない脅威下での生活に適応してきた。龍も氏族も優位に立つことを望み、何世紀もの間、危うい力の均衡の上に立たされていた。
カンの凋落
かつてプレインズウォーカーのサルカン・ヴォルにより、龍の圧倒的な勝利がもたらされた。彼は龍が氏族によって一掃された別の時間軸から約1,200年前へとタイムトラベルを行い、重大な転換点に辿り着いたのである。そしてサルカンの行動によって、プレインズウォーカーにして精霊龍のウギンはニコル・ボーラスの手による死から救われた。ウギンは重傷を負ったものの一命をとりとめ、タルキールの面晶体の巣の中で長い眠りについた。ウギンが癒されるとともに、その龍としての本質が次元の魂と混ざり合い、龍の嵐をこれまで以上に強化した。その結果、龍の数は急速に増加して圧倒的な勢力となり、氏族はもはや彼らの猛攻撃に耐えられなくなってしまった。
強大な龍王たちに率いられた龍の軍勢はやがて氏族の指導者たちを狩り立てて殺害し、その数を激減させた。残忍な猛攻撃を生き延びた者たちは、氏族の存在を放棄することで、龍王の群れに加わることを許された。拒否した者らはやがて滅ぼされ、あるいは追いやられて身を隠した。
龍王の各群れはそれぞれがこの次元の支配を願い、何世紀にも渡り縄張りと思想を巡って相争った。時が経つにつれて彼らは自己満足に陥り、この次元の人型生物に対する力と権威に自信を持つようになった。群れの中において龍以外の種族の生活は厳しく、満たされないものだった――タルキールの人々の中に反乱の囁きと火花が渦巻いていった。
氏族の再興
5年前、ウギンは眠りから目覚めてタルキールを離れた。すると彼の本質からの力の供給が途絶え、ついに龍の嵐は弱まった。その後の新ファイレクシアの侵略によって龍たちは多大な犠牲を強いられ、嵐の弱体化と相まって龍王の力は大きく削がれた。人型生物の反乱は勢いを増し、民兵やゲリラによる散発的な作戦から、やがて古い氏族名の旗を掲げる公然とした反乱へと発展していった。
それはタルキールを廃墟も同然の地へと変えてしまうであろう、終わりのない消耗戦だった。元プレインズウォーカーのナーセットは、これを終わらせる方法を見つけたいと願った。彼女は信じていた――人と龍のそれぞれがこの次元における居場所を見つけ、共通の未来に向かって努力しなければならないと。研究を進める中、ナーセットは「嵐の絆の儀式」という呪文の巻物を発見した。それはすり切れて消えかけていたものの、どうやら「タルキールの魂を呼び起こす」呪文を記していると思われた。その潜在的な危険性からナーセットは儀式の遂行を躊躇したが、他の反乱軍指導者から説得された――これがタルキールの統一を確実にする最善の方法なのだと。
龍王たちの支配に終止符を打つべく、ナーセットと他の反乱軍の指導者たちは、精霊龍のるつぼの残骸に集合した。だが儀式を始めた時点では、その呪文が真にもたらすものを予測できた者はいなかった。魔法は巨大な龍の嵐を呼び起こし、渦巻くそのエネルギーの中に龍の姿が五つ現れた。むき出しの無秩序な力を溢れさせる、何の束縛も受けていない精霊たち。最初に行動を起こしたのはナーセットだった――彼女は宙へと跳躍し、一体の精霊の背に乗った。そしてそれが次第に実体化していく中、意志の力をもってその龍の最終的な性質を形作った。他の反乱軍の指導者たちもそれぞれ、独自のやり方で彼女に続いた。力の閃光がひらめいた。龍の精霊たちと、後に新たな氏族の長となる者たちは結びついた――良くも悪くも。
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アート:Liiga Smilshkalne |
儀式が完了すると、龍王たちやその生き残りの群れは反乱軍の計画を阻止しようとした。龍王たちと姿を得たばかりの精霊龍たちの間に恐ろしい戦いが勃発し、周囲には嵐が吹き荒れた。最終的に龍王たちは敗北し、巨大な嵐に飲み込まれたように見えた。
その戦いの後で明らかになったことがある――嵐の絆の儀式は龍の嵐を強化し、強く新たな野生の龍種を生み出したのだった。そのうち少数は精霊龍たちの呼びかけに耳を傾けたが、野生の龍のほとんどはあらゆる権威を拒絶した。この嵐は次元規模の環境変化を引き起こすほどに巨大で、居住不可能となった土地もある。これらの新たな脅威にもかかわらずタルキールの人々は耐え、適応していった。各氏族は繁栄するための独自の戦略を切り開いた。
龍王たちの圧制から解き放たれ、各氏族は新たな、それでいてかつての姿へと生まれ変わった。以前の姿や反抗した龍の群れから伝統や理想を引き継いでいるものの、今日のタルキールの各氏族は新しく独特なものとなっている。外交上の協定と微妙な力関係によって氏族間には脆弱な平和が維持されている一方で、思想上の不一致が全面的な紛争に発展することも珍しくない。加えて、タルキールの環境は過酷で厳しい――龍の大嵐が増大するにつれ、氏族間でしばしば領土や資源をめぐる戦いが起こっている。
龍たちと龍の嵐
龍の嵐
タルキールに吹き荒れる龍の嵐は、この次元の人々や歴史、そして風景を形作ってきた。獰猛で恐ろしいこれらの嵐は、龍の誕生の場である。龍はこの嵐の途方もなく荒々しいエネルギーの中で生まれ、完全な成体として出現する。反乱軍の指導者たちが嵐の絆の儀式を施行した際、彼らはウギンによる龍的なマナの繊細なバランスを――嵐を維持していたものを崩してしまった。マナは予測不可能なパターンで混ざり合い、五つの群れのいずれにも属さない新たな龍種を生み出した。同時にこれらの嵐は勢いと頻度を増し、タルキール次元の生命の存続に関わる脅威となっている。
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アート:Gaboleps |
龍の大嵐が発生する要因はわかっていない。様々な氏族が異なる方法でその発生を予測してきたが、事象や天候パターンとの関係は見られていない。龍の嵐の初期段階は激しい雷雨に似ている。まず空が暗くなり、空気中にエネルギーが弾けて音を立てる。その後すぐに嵐の核が形成される――発散する龍のエネルギーの中心核であり、ここから龍が出現する。形成される環境によって嵐の性質や外観は変わる。例として、湖の上で発生した龍の嵐は巨大な水柱を形成することがある。一方、密林では巨大なサイクロンになることもある。
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アート:Sergey Glushakov |
いずれにせよ、龍の嵐はすべて危険なものだ。不用意に巻き込まれたなら、生まれたばかりの野生の龍や危険な天候によって死に至る可能性がある。この嵐は次元全体に大きな影響を及ぼしている――生態系は乱れ、複数の地域が居住不可能となっている。溢れ出る龍のエネルギーは大地そのものすらも形作り、鱗に似た岩相や尖った塔が至る所に見られる。
龍
龍の嵐の性質は、そこから出現する龍の形態に影響を及ぼす。例として、寒冷な気候に適した龍は、吹雪のような龍の嵐から出現する可能性が高い。龍のほとんどは極めて大きいが、巨大な怪物のようなものもいれば飼い猫ほどの大きさのものまで多岐にわたる。すべての龍はその種に固有の言語を話す。多くの龍は共通語も話せるが、ほとんどは非常に稀な状況でしか話さない。嵐の絆の儀式によって嵐のマナが不安定になってからというもの、ふたつの主要な群れが形成されている――氏族の龍と野生の龍である。
氏族の龍は、龍王に従っていたものたちの生き残りと、かつての龍の群れと同じ特徴を多く保持する新たな龍とで構成されている。最も重要な点として、これらの龍は精霊龍の力と権威を認め、精霊龍に従うことを選択している。彼らは人型種族と共に暮らしているのだ。氏族の龍の多くは、氏族の生活を通じて得られる自由や安定性、保護に価値を見出している。忠誠心と親しみから氏族に留まる龍もいる。
対照的に、野生の龍は何にも縛られていない。ほとんどは自分たちの縄張りにおいて頂点捕食者として暮らしているが、野生の龍が協力して小規模な群れを形成している例もある。野生の龍の外見はそれぞれ異なり、同じ姿の龍は二体といない。また、野生の龍はさまざまなブレス攻撃を所有している。氏族の龍のブレス攻撃と同じであることは滅多になく、棘の雨からうねる霧まで様々なものが見られる。
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アート:Loïc Canavaggia |
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アート:Tuan Duong Chu |
アブザン:必要を成せ
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アート:Yigit Koroglu |
忠実にして不滅。家族の義務と繋がりは、アブザンの生き方の中心である。アブザン氏族は、未来の世代のために世界を維持することが自分たちの責任であると考えている。それは死後も続く義務だ。家族の重要性から、アブザンの氏族員は個人や公共社会からの必要性よりも、自分たちの家族の立場にとって有利な決定を優先することがしばしばある。これは少なからぬ内紛や陰謀の元となっている――氏族内における地位と権力を人々が争うためだ。
アブザン氏族は商人たちの強力なネットワークを管理している。彼らはこの次元の移ろいやすい環境を行き来することに長けており、氏族間の商品や資材の流れを確実なものにしている。アブザンは友好的で、その要塞化された都市は他氏族からの旅行者や追放者へと休息の場を提供している。戦闘におけるアブザンは忍耐強い戦士たちであり、堅牢な防御で敵よりも持ちこたえ、敵の戦意を削ぐことに特化している。
アブザンの再興
龍王ドロモカの治世においては、死霊術は違法とされていた。族樹は倒され、祖先との交信は禁じられていた。しかし、ドロモカとその信奉者たちが死霊術の使い手や祖先呼びを一掃しようとしたにもかかわらず、祖先の叫びを聞く者たちは残っていた。死者の霊はひとつの世界を語った――人々が龍に服従せず、個人個人が家族や歴史との深い繋がりを保っている世界を。
ドロモカへの抵抗は、龍王に挑みながらも最終的には不服従から殺された、アナフェンザのような離反者たちから生まれて拡大していった。この新興の反乱はファイレクシアの侵略戦争中に勢いを増した。ドロモカの堅固な防御でさえ、侵略軍には太刀打ちできなかったのである。そのため窮地に陥った者の多くが祖先に頼り、龍王ドロモカの意志に反して祖先の霊を召喚した。侵略が終結すると彼らは異端とされた。この反乱勢力は砂漠地帯の岩の洞窟に避難して龍王から逃れた。不満が高まるにつれてこの勢力は成長し、最終的にドロモカや他の龍王たちの敗北に繋がった。
アブザン家の構成
新たなアブザンを率いるのは家族評議会であり、これは主要な各家からの代表者とアブザンのカンで構成されている。アブザンのカンはザンハール家のフェロザーという。彼女はドロモカに対する反乱における統率力と、カンの凋落前のアブザン家最後のカンであったレイハンからの代々の繋がりを理由に選出された。
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アート:Victor Adame Minguez |
アブザン氏族において、家族とは大規模で広範なものだ。ひとつの家族は指導的立場にある長老たちとその多くの子世代や孫世代、そして婚姻によって加わった者や養子となった者で構成されている。そのため「家族」は必ずしも血縁関係を意味するわけではなく、アブザンの特定の家の構成員であることを示す。
現在では歴史ある家族が復活して連合体を成している。家族はそれぞれ、祖先の繫がりを通じて家系を辿ることができる。一方、明確な家系を持たない個人個人で構成される新興の家族もある。これはドロモカの統治下、家族の繫がりの解消を強制されたことによるものだ。大規模かつ支配的な家族は以下の五つ:
- グダル家……知恵の家。アブザンの都市内のインフラや水資源の配分の多くを管理している。沢山の小規模な家族がグダル家の好意を求めている。この家の構成員は冒険好きで、知識欲があり、そしてずる賢いことで知られている。
- エメシュ家……勇気の家。アブザンの武器作りを専門とし、ドロモカの統治以前からの伝統的な武器鍛造技術を数多く復活させてきた。エメシュ家の構成員はぶっきらぼうで力強く、野心的であることで知られている。
- メヴァク家……平和の家。彼らは織物と鍛冶の名手であり、氏族中で着用されるアブザンの鎧や衣服の多くを製作している。メヴァク家は信頼がおけて、組織的で、冷静であることで知られている。
- フェンザーラ家……歓待の家。熟達の商人たちであり、アブザンの外にまで広範な人脈を維持している。フェンザーラ家は順応性、政治への精通、そして広い心で知られている。
- ザンハール家……砂の家。アブザンの最も古い家系のひとつであり、その規模と巨大な族樹、そして龍狩りの腕前で知られている。彼らと近縁の小規模な家族が幾つかある。ザンハール家は厳格で統一性があり、学問的であることで知られている。
アブザンには他にも多くの小さな家族がある。だがこれら五つの家族は大規模で力を持ち、政治的・社会的影響力において比類のない存在となっている。大きな家族に生まれたり、その一員と結婚したり、養子になったりすることは、政治に関わり、社会的意義を持ち、他の家から敬意を向けられる人生を意味する。
兵士と軍隊
アブザンの軍は高度に組織化された兵士たちで構成され、戦闘に対する防御的なアプローチを専門としている。彼らはそこに遠距離支援部隊と重装騎兵を組み合わせ、敵の戦線を分断して防衛要塞の射手や魔道士たちの射程内へと引き寄せる。部隊は戦場を分断する戦術を用い、戦闘へと祖先を召喚して兵を強化する。重厚な武器防具をまとう彼らの姿勢は「ゆっくりと着実に」であり、敵を出し抜いて敵よりも長く持ちこたえることを好む。
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アート:Volkan Baga |
アブザンはまた、要塞と同様の設計思想をもつ精巧な防御用の遊牧キャンプも利用している。その動きは遅いものの、侵入するのは非常に困難だ。
アブザンの乗騎は頑丈な鎧をまとい、その強さと気質から戦闘用として選ばれている。乗騎は包囲攻撃や一般的な輸送に使用され、しばしば地象師の力と組み合わされて使用される。
アブザン軍の中でも最も優秀な者の集団はヤサンといい、斥候や暗殺者、精鋭の兵士として氏族を支えている。ヤサンは大部分において自治権を持ち、現カンであるフェロザーや家族評議会からは独立して活動している。
日々の生活
一般的なアブザンの民を構成するのは商人、農民、職人である。ほとんどの民間人はアラシン、カトロスのカルスト都市、あるいは他のアブザンの要塞のいずれかに居住している。要塞の頑健な防御のおかげで彼らはインフラの改良、武器の製造、交易用の貴重品の製作など、優れた職人技で氏族を支援することに集中している。彼らが重きを置くのは、アブザンの戦士が帰る安らぎの楽園として要塞を維持すること、そしてアブザン以外の商人や避難所を求める人々を喜んで受け入れる都市を支えることである。
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アート:Craig J Spearing |
- 交易……アブザン氏族は砂漠では手に入らない食料や材料と引き換えに、精巧に作られた多種多様な商品を輸出している。厳重な護衛を伴って頻繁に行き交う交易商として、他の氏族から交易の仲介役を求められることもよくある。元よりアブザンの要塞は孤立しているため、多くのアブザンの民間人は生まれつき好奇心が非常に強く、何か新しい物事を体験する機会を求めて交易を楽しむ。
- 農業……水資源と食糧供給のほとんどに関しては、アブザンは自給自足を行っている。彼らは要塞内とその周囲に農地を維持して農業を営み、メロン、ピーマン、香草、カボチャなど温暖な気候の作物を専門に栽培している。また様々な家畜の世話も行っている。
- 芸術と手工芸……アブザンは高度な技術を持つ職人たち、特に織物や絨毯作りといった繊維産業の専門家として知られている。ガラスの製造や木工でも高く評価されている。
- 詩と音楽……アブザンの人々は熱心な詩人であり音楽家だ。彼らは衣服に詩を刺繍し、武器に詩文を刻み、戦いの前や祖先を召喚する際には詩的な祈祷文を朗詠する。アブザンの詩はしばしば音楽と組み合わされる。アブザンの音楽家たちは、アブザン独特の打楽器と熱情的な歌で人々を喜ばせ、楽しませる。
一族の永続
アブザンの中心となる信念は永続性だ。氏族の構成員は皆、生と死のサイクルを完遂し、次の世代の生存と持続を確実なものとすることで氏族を確かに存続させなければならない。この義務は死後も継続する。アブザンが祖先に保護と導きを求めるのはそのためだ。
族樹
族樹とは、家族の祖先の霊が宿る神聖かつ生きた一本の樹である。その家族の一員、つまりアブザンの一員とみなされるためには、その樹と結びつかなければならない。現在の族樹は、生きた樹と霊的エネルギーが組み合わさったものである。ほとんどはもはや実をつけず、ドロモカによる破壊を生き延びた少数の族樹から切り取った挿し木を移植することで繁殖している。
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アート:Chris Rahn |
族樹と結びつくためには、その個人の血を木の根に与え、霊に紹介して受け入れてもらう儀式を執り行う。これによって個人は血筋に関係なく、自分の家の族樹に連なる霊を召喚することが可能となる。そしてそれはアブザン家の一員であることを示す証にもなる。
行使されるのは極めて稀ではあるが、個人と族樹との霊的な繋がりを断ち切って家族から絶縁させるための手順もまた存在する。族樹から採取した樹皮を用いて火を起こし、個人の血をその中に垂らし、その罪を霊に説明するのだ。
家族の再会
古い伝統に新たな解釈が加えられている――かつては祖先と語り合う厳粛な時間だったものが、今では各家族で年に一度行われる賑やかな祝祭となっている。祖先に感謝を示すために、生者は自分たちの祖先の名において宴会や上演を行う。出席者全員が族樹の前に参列して感謝を捧げ、伝統的な食物、自作の詩、舞踏の上演といった自分たちの努力の成果を贈る。
祖先からの嘆願
ドロモカの敗北以来、多くの気まぐれなアブザンの霊が現れては自分たちの魂を慰めて欲しいと、家族の族樹を回復して欲しいと子孫に願うようになった。氏族員にとってこれらの願いを叶えることは、しばしば自らを証明したり社会的地位を向上させたりする手段となる。嘆願の内容には、何世代も未解決の謎を解くことや、タルキール各地から一連の品々を回収することが含まれているかもしれない。
祖先の大渦
この渦巻く嵐は、ドロモカの統治下で見捨てられた後に狂暴化した祖先の霊たちがぶつかり合って形成された。その魂を慰めるためには、多くのアブザンが団結して苦しみから解放してやらなければならない。大渦は通常、見捨てられた族樹の近くで発生する。その樹を見つけ出して養うことが、大渦を鎮める最も速い方法であることが多い。
埋葬
家族の一員が亡くなると、遺体は族樹の近くに埋葬されてその根に吸収される。彼らの魂は族樹と結びつき、子孫たちに召喚されるようになる。遺体を埋葬できない場合は、遺物やその他の重要な品物を埋葬することがある。
結婚と養子縁組
アブザン氏族は訪問者を歓迎するが、他の氏族員を自分たちの家族に迎え入れることについては慎重だ。そのため、結婚や養子縁組は厳格な規則によって管理されている。どちらの場合も、先祖たちがその個人を承認し、家族の族樹と繋がらせる必要がある。他氏族からアブザンに迎えられた者はクルーマと呼ばれ、真の家族とみなされ、他のアブザン氏族員と同等に扱われる。
武器への命名
最も巧みに作られた武器、偉業を成し遂げた武器には名前が与えられる。こういった武器は家族内で何世代にもわたって受け継がれ、族樹から採取したばかりの樹脂と樹液で処理するという長い工程を経て、祖先の霊と調和する。名の付いた武器の中には、一体の霊と永遠に結びついたものも存在する。
アブザンの魔法
アブザンの魔法は、大地を操ることと霊の召喚を中心としている。地象師たちは周囲の大地を制御し、岩の防護壁を立てたり、植物の成長を促したり、砂漠で砂を用いて軍勢を隠したりする。アブザンでは、族樹と繋がる者は誰でも祖先の霊を呼び出すことができる。それらは召喚者を強化したり、導きを与えたり、さらには実体をとって世界と関わることさえできる。
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アート:Inkognit |
族樹の管理人は祖先によって選ばれ、家族の神聖なる族樹の世話と維持に責任を負う。管理人たちは力ある魔法使いであり、祖先の霊を召喚することに最も精通している。
アブザンと龍との、および龍の嵐との関係
龍狩り
嵐の追跡や予測においては他の多くの氏族よりも機敏ではないものの、アブザンは次元の南部広域に前哨基地を複数持つことで、迫りくる龍の嵐に素早く対応している。アブザンはその大人数と防御戦術を活用して損失を最小限に抑え、戦って捕獲できる野生の龍の数を最大限に増やす。彼らはより大型で威圧的な個体を優先する。そして捕獲を試みる龍よりもしばしば長く持ちこたえ、疲れ果てた相手を簡単に制圧するのだ。
氏族の龍
氏族の中では龍もその一員とみなされ、家族のように扱われる。だが龍は族樹と結ばれてはおらず、祖先を召喚したりそれらと話したりすることはできない。このため、アブザンは龍を選択する際には能力と気質の両方を考慮する。アブザンの龍は大型で非常に防御的、穏やかな気質を持つ傾向にある。彼らはアブザンの兵と共に防衛の最前線を形成する。アブザンの龍は焼けつく光をブレス攻撃として用い、その強力なエネルギーの光線は一瞬のうちに生物の肉を剥ぎ取る。
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アート:Maxime Minard |
龍の嵐
龍の嵐によって引き起こされた複数の陥没により、隠されたオアシスや岩の中の避難所が姿を現し、アブザンは直ちにそれらを繁栄する新たな都市へと変えた。追加してアブザンは、より無防備な場所を守るために魔法で呼び出す巨大な壁を開発した。これにより、龍の嵐の只中でもほぼ通常通りの生活を続けることが可能となっている。
重要地点
アブザンの領土の大部分は変容する荒野にある。緑豊かな草原地帯、暑い砂漠、そして絶えず移動して地下に隠れたカルスト地形が現れる砂地で構成される地域だ。この土地は概して乾燥しており不毛である。周囲にはいくつかの山脈があり、マルドゥ及びスゥルタイと境界を接している。
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アート:Josu Solano |
- 陥没……砂漠に陥没孔が突然発生するもので、龍の嵐によってその頻度と激しさは増すばかりである。アブザンは熟練した砂漠航行士たちではあるが、この現象は最も熟達した旅人の命すらも奪っている。危険ではあるものの、失われた要塞や地下のオアシスなどアブザンにとって有益なものが現れることもある。
- カトロスのカルスト都市……砂岩のカルストが陥没によって露出し、そこに最新の要塞都市が建設された。かつてはドロモカの統治時代に反乱軍が使用していた洞窟と通路網に過ぎなかったが、現在では拡張されて活気ある都市となり、龍の嵐からの避難所として機能している。
- 偉大なるアラシンの都……アブザン最大にして最古の要塞都市であり、緑豊かなオアシスと地下の泉の上に建てられている。かつては大いなる高楼と呼ばれる巨大な要塞であり、ドロモカが住処としていた。アラシンはその魔法の防護壁でも知られており、これは嵐だけでなく龍が関係する他の脅威も防ぐ。
- ドゥシュト森……神秘的で緑豊かな地下の森林であり、水や動物が豊富で、果実の実る木々が立ち並ぶ。大規模な陥没によってこの場所が露わになり、最近発見された。
- 塩路……タルキール全土に伸びる幅広の道であり、アブザンの主要な交易路として使用されている。
- 監視所……スゥルタイとの境界を示す山脈の近くに位置するこれは、赤みがかった石で建築された高さ400フィートの監視塔だ。
- 自由なるものの高巣……放棄された古代の構造物であり、ドロモカの統治時代には龍だけが住んでいた。今は野生の龍の群れに占拠されており、近隣地域のアブザンを脅かしている。
- アナフェンザの族樹……ドロモカの統治から最初に復活を果たした族樹が根差す場所。現在は族樹の管理人たちによって丁寧に管理され、緑豊かなオアシスとなっている。
ジェスカイ:一体となって行動せよ
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アート:Jessica Fong |
ジェスカイを率いるのは、思想の調和と現実の共通理解を求める「道」の修行僧たちである。ジェスカイはその正確さ、慈悲の心、そして厳格さで知られる。彼らは伝統と信念を堅持し、タルキールをよりよい未来に導くことを自らの義務とみなしている。また規律正しい瞑想、厳しい武術の訓練、そして巧みな手管でも名高い。彼らは次元の東部に広がる山岳地帯を領土とし、異なる「道」の哲学を専門とする三大僧院とそれを取り囲む村々で暮らしている。
ジェスカイはこの次元の出来事を装飾写本へと細やかに記録しており、また龍王たちによって失われた歴史を絶えず探し求めている。「道」の理想に身を捧げるため、ジェスカイは体制と組織化を通じてタルキールの統一を目指しており、各氏族の自主性と独立性が失われる可能性はそのために必要な代償であると考えている。ジェスカイは概して外交的解決から始めることを好むものの、その考え方は頑固であり、公然とした戦いに発展することも少なくない。そしてその際は戦術的な専門知識と狡猾さを用いて勝利を収めるのだ。
ジェスカイの再興
オジュタイの治世において、龍王の教えにあえて疑問を呈した者は殺されるか、良くても群れから追放された。生き残った者たちは密かに集合し、次元の歴史の真実を交換し合ったものの、小規模かつ主として知識面での抵抗勢力であり続けた。ファイレクシアの侵略の間、散り散りになっていたこの追放者たちはオジュタイの元弟子であるナーセットのもとに集まった。彼女は指導者の地位に就き、力を合わせてタルキールを守ると宣言した。
侵略戦争によってオジュタイの軍勢は弱体化し、ジェスカイの隠された文書保管庫で発見された秘密が以前よりもたやすく広まるようになった。これにより龍王の権力基盤は揺らぎ、反乱軍は勢いを増した。
だがナーセットはわかっていた――タルキールの民がどれほど強くとも、流血なしに龍王たちが権力を手放すことはないだろうと。嵐を鎮めるか嵐を龍王に逆らわせない限り、人と龍は過去と同じく絶え間ない戦いに巻き込まれることになる。解決策を模索する中、ナーセットは古代より伝わる嵐の絆の儀式を発見した。そして彼女は他の反乱軍指導者たちに説得されて儀式を実行に移し、龍王の最終的な打倒に至った。
ジェスカイの僧院と村々
ジェスカイは、「道」の修行僧と僧院を支える民間人とで構成されている。ジェスカイの三大僧院それぞれの長たちが評議会を形成しており、この三人のうちのひとりが氏族の指導者たる道師として選ばれる。道師はジェスカイ氏族全体に関連する規則や他の氏族との交流を統括し、もうふたりは僧院と周辺地域に対する責任を担う。民間人の指導者たちは評議会や地元の精神的指導者に助言を行う。彼らは共同体の日常的な必要性を管理する上で、だいたいにおいて自主性を持っている。
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アート:Randy Vargas |
ジェスカイの村々と民間人は、周囲の僧院やその僧たちと相互支援の関係を形成している。共同体は僧たちへと必要な物資や資材を提供し、僧たちは見返りとして教育や魔法的な奉仕、保護、精神的な指導を与える。村々と僧院は丹念に整備された道路や橋で結ばれている。村では村長と評議会が小規模な事柄を管理し、また僧院と調整を行う。
修行僧
修行僧とは主に三大僧院のいずれかに居住し、次に挙げる「道」に従うことに生涯を捧げた人々である。
- 個人的な執着を捨てる:修行僧のほとんどは、自分たちはかつての家族の一員だとは考えてはおらず、あるいは何らかの形で彼らに恩義があるとも思っていない。そのため共同社会への奉仕へと完全に献身することができる。
- 物質的な所有を放棄する:同時に彼らはより禁欲的な生活様式を採用し、個人的な品物をほとんど所有せずに僧院内で共有する。
修行僧の一日には瞑想、武術の訓練、学問的追求、魔法の実践が含まれる。そしてこれら厳しい訓練の合間に、僧院やその周囲に関する多くの雑用や義務をこなす。野生の龍の攻撃で損傷した壁の修繕、共同で取る食事の調理、薬の作成、武器の鍛造、氏族の龍の世話などだ。
高位の修行僧は、若い僧の訓練にも多くの時間を費やす。それぞれの僧院内で、修行僧は一般的に戦か学問のどちらかの道を歩む。戦の僧はジェスカイの防衛に特化し、学問の僧は戦略と研究に重きをおく。
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アート:Lie Setiawan |
かつてのジェスカイに存在したカマキリ乗りの伝統を受け継ぐのが空乗りである。龍の群れによる捕食を逃れたカマキリが少数おり、氏族はそこから新たな世代の乗騎カマキリを育て始めた。カマキリ乗りの僧は空中戦闘の特別な訓練を受けている。同時に彼らは氏族の主要な龍乗りにして世話人でもあり、2種類の空飛ぶ生き物を育てるとともに共に働いている。
日々の生活
比較的大規模な村の外に住む民間人は土地に根差して生きており、その多くは農耕や牧畜、漁業、その他の補助的な役割に携わっている。村々の中には大きな尊敬を受ける技師や職人たちがおり、船大工や鍛冶師、織工、石工など多岐にわたる。
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アート:Anna Pavleeva |
氏族では民間人の生活であっても、依然として「道」の目的と原則によって形作られている。とはいえ村に生きる人々が「道」へと生涯を捧げることはできず、生活のための必要性の方に多くの関心を向けている。瞑想の儀式は一般的に行われており、実践においては教えを暗唱したり、自身の行動がジェスカイの他の人々とどのように調和しているかを熟考したりする。村には、日々を過ごす人々にとって感情的および精神的な通過地点として機能する彫像や社がしばしば置かれている。人々は食べ物の包みや縄、新品の靴といった供物を社に捧げていく。それらを必要としている別の通行人が受け取ってくれるようにという意図からだ。
- 農業と交易……ジェスカイは主要生産物として米、小麦、蓮、茶などを栽培している。彼らは通常、山岳地帯で見つかる石や宝石や金属といった原材料を、自分たちの領土内では調達困難な資源や食料と交換している。
- 芸術と手工芸……ジェスカイは個人的な表現よりも、その技術と規律のための芸術の実践を重視する。芸術作品のほとんどは、何らかの有用な物品であるか有用な結果をもたらすものだ――書道、タルキールの歴史を記録した装飾写本、その場所の自然な美を引き立てる印象的な石細工や彫刻、武器や衣服のための精巧な金属細工などがある。
- 運動競技と身体活動……心身の厳しい訓練は幼少期から始まり、生涯にわたって続けられる。そしてジェスカイにとっては、余暇的活動でさえもより大きな目的のためのものだ。村の広場や僧院の中庭で人気の球技としてオルジュボールがある。これは器用さ、正確さ、知性が試される。サッカーや蹴鞠(訳注:日本の平安時代に貴族間で行われていたものではなく、その起源となった古代中国の球技)のように少人数のチームで行われ、選手は硬い革の球を高く立てられた網へと蹴り込み、相手チームよりも多くの点数を獲得することを目指す。
ジェスカイの「道」
古のジェスカイの隠された書庫がひとつ、オジュタイによる粛清を免れていた。そしてそこでシュー・ユンの文書が発見された。文書の中には「平和を成し遂げるには、調和を成し遂げよ」という信条が刻まれており、以来これは新たなジェスカイの指導原理となっている。「道」の信奉者は精神的調和と共通の理解を目指して日々奮闘している。彼らは苦しみと争いを終わらせるために、ひとつとなって行動し、考え、感じる「世界精神」を追い求めている。そしてその過程で、ジェスカイは真に平和なタルキールをもたらすことを望んでいる。
精神的調和を達成するための方法として、次に挙げる三原則がある:
- 協調的行動……一致した取り組みにより、最良の結果が得られる。
- 対立的思考の解消……協力して働くためには、互いを理解する必要がある。
- 志同じく……ひとつの結果を目指して取り組むには、理想と目標を共有する必要がある。
氏族は全体的な目標においては統一されているものの、その方法論においては分裂している。三大僧院はそれぞれ異なる原則を中心として精神的調和を目指している。僧はしばしば生涯をかけて複数の僧院を渡り歩いて修行に励み、広範なジェスカイ哲学を氏族全体で共有できるようにしている。
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アート:Aurore Folny |
- コーリ山の僧院……赤のマナに列するこの僧院は「協調的行動」の原則を重視し、精神的な調和は肉体的な調和を通じて進展すると信じている。協調して行動すれば、考えや理想の共通理解を達成できるだろう。この僧院の修行僧は孤立主義者や伝統主義者であることが多く、複雑で入り組んだ手順、瞑想、武術に従事し、結束した共同体の構築に生涯を捧げている。
- ダルガー湖の僧院……青のマナに列するこの僧院は「対立的思考の解消」の原則を重視し、精神的調和は最良の思考法へと人々を導き教えることで実現すると信じている。彼らは直接的な伝授と哲学的な指導を通じて理解を養う。この僧院の修行僧は策略や政治活動や説得の専門家であり、知識と魔法を用いて制度や人々を方向づけ、目標の達成を支える。
- 嵐鶴の僧院……白のマナに列するこの僧院は「志同じく」の原則を重視し、精神的調和は他者を助けるために協力することで実現すると信じている。生き延びることに精一杯の人々は、他の物事に目を向ける余裕などない。そのために修行僧が力を貸し、精神的調和と共通の理解というより大きな目標に集中するための時間とリソースを獲得できるようにするのだ。この僧院は空を飛んでタルキールを移動する。僧たちは最も必要とされていると感じる場所に赴き、脅威からの保護だけでなく食料や精神的な指導を提供する。
死と死後
他の多くの氏族とは異なり、ジェスカイはオジュタイによる龍の輪廻の教えを否定している。代わりに彼らが中心とするのは現在と、生者に対する自分たちの義務だ。ジェスカイは死や来世に関する信念と慣習を軽蔑しており、それはしばしば他の氏族との衝突に繋がる。一方で先人たちの行いを尊敬しており、特に彼らが残した知識には注意を払っている。
祝賀行事と儀式
重要な祝賀行事においては村人の大半が僧院を訪れる。より熱心な者は僧たちが主導する定期的な儀式に参加することもある。
- 学知の祭……シュー・ユンの遺産とタルキールの歴史保存への献身を称える日。学者たちは書庫の文書を点検し、僧や長老たちは村の聴衆にタルキールの歴史を語る。
- 団結の宴……農作物の生育期が終わると、僧たちは僧院を離れて村々へ赴き、収穫や冬季の貯蔵のための梱包を手伝う。その後、僧と村人たちは収穫物の一部を僧院まで運ぶ。そして共同社会の団結を称えるため、質素ながらも多くの人々が集まる祝宴が開かれる。
ジェスカイの魔法
ジェスカイの魔法は肉体と精神の操作を中心としており、戦闘のための肉体強化、精神的な幻覚、治癒魔法に用いている。魔法を操る民間人はごく少数だが、ほとんどの僧は何らかの魔法に精通している。各僧院は「道」への取り組み方と同じように様々な形態と形式の魔法を教えている。
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アート:Wayne Wu |
ジェスカイと龍との、および龍の嵐との関係
龍狩り
龍狩りにおいては、ジェスカイは僧院やタルキールの北方付近の龍の嵐に集中する傾向がある。とはいえ他氏族への使者が他の地域の嵐に関する情報を持ち帰ることもある。騎乗僧と空飛ぶ修道院のおかげで、ジェスカイは龍が陸地に近づくのを待つまでもなく準備を行い、嵐から出現した瞬間に捕獲することができる。他氏族が同じ嵐に近づこうとも彼らが引き下がらないのはこのためだ。
氏族の龍
ジェスカイの僧たちは龍を世話し教えを授けるが、それは僧院内に居住する氏族の龍にほぼ限られる。知性や理解力、穏やかな気質を持つ龍をジェスカイは高く評価している。これらの龍は個々よりも共同体の結束を重視しており、儀式や式典、訓練、紛争の際には僧の集団と共に活動する。ジェスカイの龍は氷を操り、相手を一瞬で凍らせる超低温の氷のブレスで敵を吹き飛ばす。
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アート:Andrew Mar |
龍の嵐
ジェスカイの僧院には、龍の嵐の接近を地元民に警告するための大きな鐘が設置されている。ジェスカイは龍の嵐に対応するために機動力を向上させており、空を飛ぶ嵐鶴の僧院と龍乗りの僧を用いて村から村へと素早く移動する。地形もまた変化している――ジェスカイは橋で繋がる都市を建設し、北部地域の多くの植物相を変化させた水位と気温の上昇に対応している。
重要地点
ジェスカイの領土のほとんどは東部の天孫山脈内に位置し、高い火山と大きな湖が点在する低地の平原がある。一年の大半は寒冷な気候だが、春の雪解け水が大河の水源となって輸送手段や食料の多くをジェスカイに供給している。ジェスカイの領土はマルドゥとティムールの土地に接している。
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アート:Leon Tukker |
- コーリ山の僧院……人里離れた山岳地帯、火山の浸水カルデラの中に建てられた到達困難な僧院。火山性鉱物が豊富であるため、鮮やかな赤い植物に囲まれている。
- ダルガー湖の僧院……浮き島の上に座す大規模で堂々とした僧院であり、湖の浅瀬や岸辺の大きな漁村とは橋で結ばれている。ダルガー湖の僧院はジェスカイの重要地点でも塩路に最も近く、他氏族の外交官や商人が頻繁に訪れる。
- 嵐鶴の僧院……この僧院は、ファイレクシアの侵略で破壊された賢者眼の聖域の残骸から建造された。これは巨大な一隻の船であり、湖や川を航行でき、必要に応じて飛行船へと変形が可能となっている。
- 河水環村……とある崖の斜面に建てられた小さな集落。住民たちはかつてのオジュタイの聖域をゆっくりと再建しており、地域一帯を覆う氷が溶け始めた今は、中心にある大きな水車の改修に取り掛かっている。
- 高峰の僧院……山頂にある小さな僧院であり、巨大カマキリとその世話人が住んでいる。この僧院の僧のほとんどは、三大僧院の教えを組み合わせて実践している。
- 炎の縁、カダット……ジェスカイ領土の北の境界にある、到達困難な山脈の一地域。活発な火山活動で知られている。
- 真珠湖……人里離れた山々の中に位置する広大で美しい湖であり、近くには僧院がひとつ座している。静謐な風景の中で瞑想するために、多くの僧がここを訪れる。
「プレインズウォーカーのための『タルキール:龍嵐録』案内 その2」は2月24日(月)に公開予定であり、新たなスゥルタイ、マルドゥ、ティムール氏族を取り上げます。タルキールへの帰還の物語は2025年3月3日、『タルキール:龍嵐録』ストーリー公開へと続きます。The Magic Story Podcastではオーディオブックも利用可能となります。龍たちは咆哮し、氏族は衝突し、龍の大嵐の真の凶暴性が明らかとなるでしょう。
タルキールの空に翼を広げる準備はいいですか?『タルキール:龍嵐録』は2025年4月11日に発売されます。このセットはお近くのゲーム店、Amazonなどのオンライン小売店、その他マジック製品を販売している店舗で現在予約注文できます。氏族に加わり、嵐を打ち破りましょう!
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