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『霊気走破』の伝説たち

Miguel Lopez
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2025年2月3日

 

 『霊気走破』が描くギラプール・グランプリは、素晴らしい賞品とそれに相応しい参加者が集う多次元間レースです。謎に満ちた「霊気灯」を手に入れるために10のチームが競い合うのですから、優勝への道のりは波乱に満ちたものとなるでしょう。K. Arsenault Riveraが執筆したこのストーリーは先月に公開されており、こちらで読むことが(あるいは再読することが)できます。ストーリーを学んだなら、プレリリース・イベントと2025年2月14日の正式発売に向けて準備は万端です。

 とはいえ『霊気走破』の顔たるプレインズウォーカーのチャンドラや来たる統率者デッキのリーダーなど、このセットの伝説について興味をお持ちであれば、必要な情報はすべてここに揃っています。エンジンを始動し、シートベルトを締めて、『霊気走破』の伝説たちを迎えましょう。このハイオクなセットに相応しい面々です。

 『霊気走破』は2025年2月14日に発売されます。このセットの製品はお近くのゲーム店Amazonなどのオンライン小売店、マジック:ザ・ギャザリングの製品を扱う販売店にて予約受け付け中です。


未来の優勝者、バスリ

 バスリ・ケトはかつてプレインズウォーカーであり、オケチラ神の聖騎士でもあった。生者と死者の両方と共にファイレクシア人を撃退した彼は今、アモンケットの民衆英雄として次元中の尊敬を集めている。侵略の後、バスリはアモンケットの復興と人々の団結のために力を尽くしている。彼は遺棄地への遠征隊を率い、また前史の墓にて過去の君主たる不死者たちと交渉を行った。ギラプール・グランプリの開催にあたって、バスリはチャンピオンズ・オブ・アモンケットの共同キャプテンの地位に就いた。自ら参加することで、バスリは故郷に輝かしい未来をもたらしたいと願っている。

去りし栄光、ザフール

 伝説的な戦車兵ザフールの名は、ボーラスの統治下においては歴史から抹消されていた。だがその荘厳な墓所が、バスリ・ケトによる遺棄地の遠征にて発見された。しかるべき儀式が行われてザフールは蘇り、チャンピオンズ・オブ・アモンケットの共同キャプテンに誇らしく就任した。ザフールはレオニン種族マーヘステットの長でもある。彼らはかつて支配的な種族だったが、今はアンデッドの集団にまで落ちぶれてしまった。その衰退を食い止めようと決意したザフールは、ギラプール・グランプリの報酬を獲得して民と故郷の両方に新たな夜明けをもたらすことを望んでいる。

海の災い魔、ハウラー船長

 全身を傷に覆われた「海の災い魔」、ハウラー船長は揺らぐことなくキールホーラーズを率いて船員たちを富と栄光へ導く。この巨体のコルダタンは、とある水没した世界からやって来た。身体にはこれまでに停泊したすべての港の地図が刻みつけられており、その腕は得意の霊気大砲を巧みかつ残忍に操る。彼の部下である荒々しい船員たちはグランプリによって課せられた厳しい規則に憤慨しているものの、だいたいは規則を遵守している。とはいえカメラが回っていない所で彼らの邪魔をしたなら、悲惨な目に遭うことだろう!

翠色のラジアン、アーチック

 スピード・ブルードのアーチックは老獪なハイマインドであり、かつ速度と精度に長けた学識あるドルイドだ。彼女は今年のスピード・ブルードにおける「翠色のラジアン」の称号を得ており、自分たちの実力を見せつけたいと意欲に溢れる仲間たちを率いている。スピード・ブルードにとって、スピードは美である。従ってレースの目標は勝利そのものだけでなく、スピードという概念そのものと一体になることだ。今回は、アーチックにとってハイマインドとしての最後のレースとなる。これが終わったなら故郷に帰り、宿願を果たす。勝利、あるいは少なくとも良い成績は吉兆となるだろう。そして蛹の中で最高の休眠を過ごし、最も純粋な姿へと変化するのだ。

灯を追う者、チャンドラ

 チャンドラがケイレム次元のチーム、クラウドスパイア・レーシングを率いると決めたことはアヴィシュカーに衝撃を与えた。しかしチャンドラにとって、前年度の優勝チームに加わってレースをするというのは当然の選択だった。優勝賞品である霊気灯はあまりに素晴らしく、逃すリスクを冒すことはできない。恋人のニッサと再び多元宇宙を旅するためなら、チャンドラは何でもするつもりなのだ。彼女は競技に身を捧げ、優れたリーダーおよびドライバーとしての能力を証明し、戦争の英雄としての地位に加えて、すぐにグランプリの最も優秀かつ輝かしい選手のひとりとして名を馳せるようになった。

 グランプリの当日が近づくにつれ、チャンドラは好敵手のスピットファイアや母親のピア・ナラーと対決することになると実感する。激しい競争、スターとして集まる注目、そして周囲で密かに進行する危険な陰謀に直面しながら、チャンドラは断固としてレースに挑む――ニッサの未来のために。

勝利術士、コロディン

 クラウドスパイア・レーシングの前リーダーであるコロディンは、昨年のグランプリにて故郷ケイレムに勝利をもたらした。今年は共同キャプテンとしてそのパフォーマンスを再演するつもりである。彼は挑戦と忍耐を賛美する組織、グレートビクトリーの忠実な一員だ。コロディンとその組織は勝利術を鍛えている。これは勝利への燃えるような意欲によって唱えられる呪文だ。勝利術でコロディンは自身の意志を喚起し、それをチームに拡散させて、精緻なレースと言葉によらない連携を実現する。また自身の機体へと命を吹き込み、共に戦わせることもできる。

仮面のレーサー、シータ・ヴァルマ

 シータ・ヴァルマは仮面で正体を隠し、レース中は「スピットファイア」を名乗っている。彼女が慎重に維持しているのは、並外れた腕前の、冷静で謎めいたアンチヒーローという人物像だ。コース上では、彼女はピア・ナラーが設計した独自の外骨格スーツをまとう。これは霊気カートリッジを燃焼させ、霊気と現実が混在する空間である霊気揺らぎにシータを送り込むのだ。一方で仮面の下では、シータは裕福な元領事府職員の娘であり、その秘密を厳重に守っている。

呪われし運転手、ウィンター

 ウィンターはひとつの次元と化した館、ダスクモーンの生存者であった。今は亡霊として永遠にレースを続ける呪いを受け、終わることのない危険運転の人生に縛られている。彼はスピードデーモンと呼ばれる邪な存在とともに、破滅に取り憑かれたレーサーのチームを率いている。そしてスピードデーモンはウィンターのそばを決して離れることはない。ウィンターの人間性は、ぼろぼろの虚飾として彼の新たな形態を隠している――青い炎をあげて燃える亡霊。耐えがたいほどの苦痛に満ちた、見るも恐ろしい姿だ。彼はおたからを捕えており、領界路に関連するその能力を用いて最終的にレースに勝利し、永遠の苦痛から逃れたいと考えている。

スピードデーモン

 スピードデーモンはひどく飢えた存在だ。ダスクモーン出身の下位デーモンであり、ウィンターの監視役として永遠に呪縛されている。名の通りにスピードデーモンズの由来かつ共同キャプテンであるこのデーモンは、スピードへの尽きることのない欲求を満たすために、途切れることなく犠牲を要求する。

エンドの首領、ファー・フォーチュン

 エンドライダーズの長であるファー・フォーチュンは、傷だらけですり切れた走り屋たちの首領であり、ガスタルの不毛の墓場から多元宇宙の広く果てしない地平線へとギャングたちを率いてきた。かつては激しい怒りに突き動かされていたが、放浪生活でその血への飢えは和らいだ。それでも復讐心は消え去ってはいない。彼女は今でも昔の怒りの残り火を抱いており、それを究極の探求の原動力としている――故郷に戻り、ガスタルを手に入れるのだ。

ロケッティアの隊長、レッドシフト

 ゴブリン・ロケッティアーズを率いる以前、レッドシフトは向こう見ずかつ優秀な試験操縦士であり、驚異的な(ありえないと言う者もいる)生存率を誇っていた。ゴブリン航空学における革新者であるレッドシフトは、背中にロケットを取り付けて点火した最初のゴブリンではなかったが、生き延びて翌日を迎えた最初のゴブリンだった。運命によってか幸運によってか、レッドシフトはこれまでに実行したすべての試験飛行を生き延び、やがてその連勝は決して終わらないだろうという結論に達した。彼は仲間たちを新たな高みに導くと決意している。上に空があり、後ろにロケットがある限り、彼らはレッドシフトを追って突き進む。その先にあるのは死か、それとも栄光か。

ロケッティアの技師、ダレッティ

 ダレッティはゴブリン・ロケッティアーズの非公式な共同リーダーである。彼はプレインズウォーカーの灯を失った後、次元間移動の新たな手段を発見できると期待してチームに資金を提供した。そして彼の努力により、ロケッティアーズの技術は文字通り飛躍的に進歩した。だが後になって初めて、引き金を引くのが大好きなゴブリンの一団に、高度な弾道学と可燃性の極めて高い化学推進剤を与えるのは危険だったかもしれないと彼は考えた。現在、ダレッティは不承不承ロケッティアーズの主任技師を務めており、チームの安全とマシンの稼働を維持しながら、故郷へと至る領界路を密かに探している。

アラクリアの心、カラドーラ

 カラドーラは、とある領界路を介してアヴィシュカーと繋がっている次元アラクリアの勇者だ。地域の模範としてアラクリアン・クイックビーストを率いるつもりはなかったものの、レースのわずか数週間前に元のチームキャプテンが悲劇の死を遂げたため、その役割は彼女の双肩に委ねられた。カラドーラはその地域で最も優秀で聡明であり、優れた乗り手でもあるが、その任命は有無を言わせない、かつほろ苦いものだった。初々しくも決意に満ちた彼女は、チームを勝利に導くという途方もない挑戦と名誉を背負いながら、この新たな役割の勘所を臨機応変に学んでいる。

アラクリアの魂、ラゴリン

 年経たラゴリンは故郷の地域で最強のクイックビーストであり、グランプリでアラクリアン・クイックビーストを率いることが決まっている。誓約を交わした乗り手がレースの直前で亡くなってしまったものの、ラゴリンには誓約の名誉と人々の栄光のために、新たな乗り手とともに飛び続ける義務があった。当初は気が進まなかったものの、ラゴリンは引退前の最後のレースにふさわしい相棒としてカラドーラを重んじるようになった。

ガイドライト、雲水核

 雲水核とガイドライト・ボヤージャーズは、最初の多次元間グランプリにてレースに参加して以来、ファンに人気の謎めいたチームだ。彼らには噂がつきまとっている――無知な者は彼らがファイレクシア人の新種か何かなのではと気を揉み、好奇心旺盛な者は製造者の刻印を探して彼らを分解したがっている。真実ははるかに謎めいており、さらに悲劇的でもある。彼らは迷い子たちであり、雲水核はボヤージャーズの多くの機械の中で唯一の知性体なのだ。多元宇宙に迷い、多元宇宙の中でも風変りなボヤージャーズは、チームの各構成員が広大な知性ネットワークの中でひとつひとつの手足として機能しており、グランプリで競いながら故郷への帰り道を探している。

開拓者、おたから

 おたからは孤独な生物だ。種族も時代も不明の幼獣であり、サンダージャンクションの奇妙な宝物庫に眠った状態で発見された。知られている限り、彼はその種で唯一の存在である。この勇敢で新たな多元宇宙において、おたからは特別かつ貴重な力を持っているらしい――あらゆる領界路の正確な位置とその接続先を察知するというものだ。そしてこの力はまだ限界には達していないと思われる。成長するにつれて、彼は領界路を発見できるだけでなく、自分でそれを発現できるようになるかもしれない。

 おたからは好奇心が旺盛で、聡明で社交的だ。学ぶことに熱心で誰でも信頼する――しすぎるかもしれない。宝物庫から脱出した後、おたからはジェイスによって恐怖の次元ダスクモーンに連れて行かれ、そこでウィンターに捕らえられた。今の彼はスピードデーモンズにて、領界路を通して彼らを導くことを強いられている。

多弁な司会、ヴンウクスト

 今年のグランプリの案内役はケイレムで人気の饒舌な司会者ヴンウクスト、通称ヴィン。「スペルスリンガーズ」の解説者として広範囲に活躍した後、多くの要望に応えて帰ってきたのだ。ヴィンは聴衆に愛され、お喋りに長けている。退屈で間延びした瞬間や突発的な混乱も、彼は機知に富んだ言葉や胸が躍る壮大な物語へと巧みに変えてのける。

推進力、サムト

 アモンケット次元のサムトはハゾレト神の勇者であり、ナクタムンの生者を代表してその意志を伝える。彼女はナクタムンの無人区域の修復、その修復から得られた歴史の編纂、そしてアモンケットの発展に向けたそれらの活用を監督している。彼女はレースには参加していないものの、バスリとザフールの使命を支持している。

風乗り、ムー・ヤンリン

 行方不明の師であるリー・シャンを見つけるべく、ムー・ヤンリンは沈夢とその先を隅々まで捜し回った。その捜索は彼女を多元宇宙へと連れ出し、さらには多次元間戦争の陰謀に巻き込んだが、師の居場所についての手がかりは何もなかった。努力の成果がほぼ皆無のため、ムー・ヤンリンは戦術を変えることにした――リー・シャンを見つけられなくても、向こうが見つけてくれるかもしれない。この考えから、ムー・ヤンリンはグランプリの下位部門であるGPアスパイアに出場を果たした。彼女はチームなしの個人としてレースに参加している。風と水を操って勝利へと、そして願わくば師のもとへ辿り着くのだ。

夜の大臣、ゴンティ

 革命後のアヴィシュカーにおいて、ゴンティはもはや犯罪王ではなく正当な政治家である。「夜の大臣」の称号は、二度の革命における貢献への報酬として与えられた――領事府との、そしてファイレクシアとの戦いだ。多くの不安が続く中、ゴンティは新たな名を得たアヴィシュカーが自己を再発見できるよう力を尽くしている。熱心な革命家たちが昼のために戦う一方、ゴンティは夜に権力を握り、ギラプールの自由で騒々しいエネルギーを生産的な文化活動や起業活動に向けさせている。

自動機械職人、オビア

 オビアの造命工学は革命に、そして領事府とファイレクシアの打倒に大きく貢献した。現在、オビアはその比類なき技術を、ギラプール・グランプリの所轄団体である新文化共同体の支援に捧げている。かつてはファイレクシア人に対して恐ろしくも無敵の最前線を務めた彼女の構築物は、今では建設とメンテナンスから臨場感に溢れるシーンの提供まで、あらゆる面でグランプリの係員を支えている。

新たな夜明け、ケトラモーズ

 アモンケットの新たな神ケトラモーズは、生き延びるという生者の熱烈な決意と、それを守りたいという不死者の願望から顕現した。ナクタムンのルクサ川岸の葦から生まれた彼は、ファイレクシアの侵略が終わるときらめく水から現れた。この神はオケチラのそれに似た弓を携え、誇り高き獅子の頭部をもつ。ケトラモーズは明日の希望であり、夜明けの神であり、団結と忍耐の体現であり、農民の擁護者である。

ルクサの体現、サブ=スネン

 アモンケットに新たに顕現したサブ=スネンは、水を切望する生者と、子孫の繁栄を祈る死者から生まれた豊穣の女神であり、農業、灌漑、霊感、そして多産を司る。季節が移ろい、水が清く流れるのは今やサブ=スネンの意志によるものだ。彼女の最初の行いは、ファイレクシアの侵略の終わりにルクサを氾濫させ、ナクタムンから血や油や機械の屍を洗い流すというものだった。その洪水の後にさらなる雨が降り、次にカエルが、そして太陽と緑がやって来た。人々は歓喜し、その祝賀の最高潮にサブ=スネンは川岸に姿を現した。

求道神、ハゾレト

 ファイレクシアの侵略において、ハゾレトは酷い傷を負いながらも戦った。その隣にはスカラベの神と蝗の神、そしてアモンケットの連合軍の姿があった。ハゾレトは古い神々の最後の一柱であり、暗黒の時代にあっても揺るぎない存在を保ち続けた不屈の神としてアモンケット人から崇拝されている。戦後、ハゾレトは単独で生存者たちを率いて砂漠を旅し、ケトラモーズとサブ=スネンを発見するとともにその二柱の顕現を助けた。以来彼女はキチン宮廷の陰謀に対抗するため、さらなる同族の捜索に着手している。

崇められし擬態の原形質

 擬態の原形質はムラガンダの軟泥の中でも特異な存在だ。これは高い知性と、ある程度の神性すら持つ。そしてサウリド独裁政権の過去の指導者たちの凝固した記憶をその内に保持している。サウリドたちは擬態の原形質を崇拝しており、偉大な指導者が死ぬと餌として与え、その移動を時代の移り変わりとして記録している。この軟泥は非常に首尾一貫した経路でムラガンダ次元を移動するため、サウリドたちはその経路に巨大なアーチ型の寺院を建設して祝福と崇拝を捧げている。

暁の暴君、サンダイヤル

 サンダイヤルは歩行する不可解な構築物であり、絶え間なく変化するムラガンダの風景の中を遥かな昔から旅し、暁を追う巡礼者たちから崇められている。サンダイヤルは夜明けを導くと言われている。背中には大きな日時計があり、小さな太陽がそれを周回している。これが特定の場所を目指して進んでいるのか、それともさまよっているだけなのかはわかっていない。暁を追う巡礼者たちが何人も、その答えを求めて果てしなくサンダイヤルを追いかけてきた。だがその美はその謎にこそあると信じる者もまた多い。

珊瑚の暴君、ケローナ

 巨大なタコであるケローナは何世紀にも渡ってムラガンダの珊瑚柱の奥深くに潜み、この次元の破壊的な月の隕石から身を守ってきた。彼女は原初の力線を糧とし、その身に魔法の源泉を取り込んでいる。これまでは満腹状態で疑似冬眠を貪っていたものの、霊気と機械の響きがその意識を水面へと引き寄せた。今や彼女は故郷たる深海底、狂気じみた螺旋と侵入不可能に等しい珊瑚の鎧が刻まれた地から姿を現している。

飢えし暴君、カラクシオン

 カラクシオンはガラダクの傷痕における頂点捕食者だ。これは月の隕石のクレーターが浸水したもので、ムラガンダの大地に広く刻まれている。カラクシオンはかつての暴君鰐の名高い子孫であり、傷痕の恐怖そのものとして知られ、その大きさと凶暴性で知られる生態系の中でも飽くことはなく、止めることもできない。カラクシオンは絶え間ない縄張り争いでもある狩りに没頭し、その腹と血への飢えを満たしている。

サウリドの暴君、ティロックス

 ティロックスはサウリド独裁政権の悪名高い不滅者であり、その残忍な力と狡猾な戦術で知られている。グランプリがムラガンダにやって来た時、ティロックスは権力を掌握する機会だと捉えた。アヴィシュカーの外交官たちがこの次元と和平を結んだと信じて帰還すると、ティロックスはコース沿いの難所で待ち伏せを仕掛けるよう、部下である略奪者の軍団に命じた。独裁政権は即座に動きはしないだろう。レースの技術を奪い、乗っ取ることができたなら独裁政権の首都に座す裕福で怠惰な王朝から巨大な権力を奪い取ることができる、そうティロックスは信じている。

大地の暴君、テリアン

 ムラガンダの牙ドルイドたちは、この強大なテラリウム軟泥を「大地の暴君」と呼んでいる。この軟泥は核たる身体の内に一種のタイムカプセルを――ムラガンダの密林を旅しながら消費してきた古代の生態系そのものを――保持しているためだ。テリアンの内部は外部よりも広大で、ゼラチン状の膜を突き破って内部に侵入したなら二度と脱出できないと信じる者もいる。その核へと向かうことは、この次元の歴史を遡る体験に等しいのだ。


 『霊気走破』は2025年2月14日に発売され、お近くのゲーム店Amazonなどのオンライン小売店、その他マジック製品を販売している店舗で現在予約注文できます。エキサイティングなファーストプレイス・フォイル、革新的な統率者デッキなどを見つけてください。心しましょう――死してこそデス・レース。

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