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プレインズウォーカーのための『神河:輝ける世界』案内
2022年2月3日
現在と過去が出会う魅惑の次元、神河へようこそ! ここでは魔法とテクノロジーが意外な形で接近遭遇している。だがまずは、この次元がいかにして現在の姿へと進化したのか、千二百年の歴史の旅に出よう。
神の乱から現代までのさらなる詳細は、このセットの英雄譚として描かれた神河の物語を参照だ。
神の乱
《今田の断片》 アート:Andrew Mar |
千二百年前、君主
統合
《精霊界との接触》 アート:Marta Nael |
定命と精霊の領域はやがてひとつに統合し、神と定命の境界など無いひとつの次元を形成する――哲学者や科学者たちはそう信じている。だがふたつの領域が完全に統合したなら何が起こるのか、それは誰にもわからない。統合は無作為な場所で発生している。そこには魔力が高濃度で集中し、現実の下部構造を垣間見せているが、同時に危険でもある。統合が発生した周囲には統合のゲートが建てられ、その地点と見物客を守っている。
都和市
《耐え抜くもの、母聖樹》 アート:Chris Ostrowski |
年月の経過とともに、新たな大都市が樹海を取り囲むように発達した。今やそびえ立つ摩天楼の中に、神も人も同じく生きている。街路は昼夜を問わず人々であふれている。海岸沿いの一等地は商取引の中枢となっており、また近接する森によって暴風雨から守られている。空中灯篭とネオンの光が、一日中影に埋もれるはずの都市の下層部を明るく照らし、同時にこの都市をまばゆい色彩の標へと変えている。
大体において、定命と神は調和して生きている。だが誰もが同じようにこの次元の変化に適応しているわけではない……
皇国
《皇国の鎮圧者》 アート:Zara Alfonso |
皇国は神河で最も広範かつ力のある機構である。元は定命と精霊の領域の統合を対処する香醍を支えるために設立されたが、時とともに統治組織へと拡大していった。今も平和的な統治の姿勢を旨としているが、その使命を脅かす活動に対して権力を行使することはためらわない。社会的安定を保つために必要であるとして、現政権は新技術の規制を広範囲かつ活発に行っている。
《狐の腕利き》 アート:Joseph Weston |
皇国への参加を志願する者は厳しい訓練を受けねばならない。訓練生はしばしば侍、神との仲介者、蛾乗り、メカの操縦士を目指す。何世代も続けて皇国に仕える家系もあり、その子供たちは剣が持てる年齢に達すると訓練を始める。だが皇国に仕える門戸はあらゆる職業や階層の人々に開かれている――重要なのは忠誠であって社会的地位ではないのだ。献身と懸命な働きがあれば、富と権力を手にすることができる。
《道照らし》 アート:Benjamin Ee |
皇国はしばしば神と交流する。多くの神もまた望んで皇国と共同し、統合やその副作用に対処するために力を貸す。「神河の皇」の地位は香醍と絆を結んだ者に与えられ、従ってその人物はこの次元やその魂と繋がる。大体において、民は香醍を信頼している。だが現在の皇は失踪し、その行方の手がかりすら存在しない。香醍も皇の失踪以来、困惑し取り乱したままである。
永岩城
《皇国の地、永岩城》 アート:Julian Kok Joon Wen |
永岩城はかつての同名の城の基礎の上に建てられており、古の社や先祖代々の家々が小奇麗な近代的建築物と隣り合って並んでいる。古い建築物は壊されたり建て直されたりはせずに丹精に維持されて組み込まれ、過去と現在が優雅に調和した空間を作り出している。永岩城は皇宮の所在地でもある。高官たちはここに住居を持ち、勤務し、また皇への謁見を求めて世界中から旅人が訪れる。神河の守護精霊、香醍の本殿も皇宮内に位置している。
サイバ未来派
《千の顔の影》 アート:Ekaterina Burmak |
意欲的で秘密主義の未来派は、神河の技術革新の最前線を担うエリート専門技術者たちである。彼らは革新を追い求めて熱心に可能性の限界を押し広げようとし、自分たちの研究は公明正大なものであると世界に主張している。名目上、未来派は技術開発に関する皇国の規制に従っている。だが実際にはしばしば法の限界に挑み、時には一線を踏み越えている。彼らの発明の多くがこの次元の役に立っているが、権力と地位を守るために最高の知識はしばしば秘密としている。彼らは想像もつかないほどに技術的発展の限界を広げている、といった噂も流れている。
《サイバの侵入者》 アート:Evyn Fong |
未来派は複数の部門で編成され、各部門を主任が率いている。あらゆる部門に研究者と実験主義者がいるが、病的と言えるほどの秘密主義に陥り、諜報活動のための工作員を雇う部門すら存在する。研究内容には謎めいた暗号名が与えられ、魔法的な秘匿のヴェールに覆われている。未来派の長だけが組織全体を完全に把握しているが、その正体は謎に包まれている。
《駆動メカ》 アート:Jonathan Kuo |
ほとんどの未来派は神の魔法に頼るのを好まない、それは神の気まぐれに身を委ねるに等しいと考えているためである。彼らはむしろ自由な実験と探求を好んでいる。時に彼らも神の意見を伺うが、大体においては自分たちの創意工夫を用いて物事を解決する方を選ぶ。とはいえ独立した未来派の中には、神の魔法や現実を定義する力そのものを研究する者も存在する。
大田原
《天上都市、大田原》 アート:Alayna Danner |
浮遊都市の大田原はかつてムーンフォークの閉鎖的な領地であったが、今はあらゆる種族の大胆な研究者たちへとその門戸を開いている。一方でそこは今も美しい神秘の地であり続けている。建物の間を霧や雲がうねり、余所者を混乱させるために小路や建物の入り口は秘匿され、あるいは故意に入り組んでいる。古の宮廷である
勢団
《お前はもう死んでいる》 アート:Zoltan Boros |
勢団は広大かつ緩く繋がった複数の犯罪組織であり、その歴史は神の乱以前にまで遡る。通常、彼らは合法の事業を堂々と運営するが、その前に立ち塞がった者に対しては、厳格な掟に則って速やかかつ激しい報復を行う。一団間の同盟、裏切り、縄張り争いは日常茶飯事だが、余所者に対しては結束して立ち向かう。神河の主要な組織の中でも、勢団は技術と神の力の両方を最も柔軟に利用している――仕事を成し遂げられればそれでいいのだ。彼らは未来のあるべき姿を然程気にかけてはいない。そこから利益を得られるかどうかだけが問題なのだ。
《超力刃》 アート:Campbell White |
社会に幻滅しつつある者は勢団に惹かれる。皇国に憤慨した、皮肉的な侍は多くが勢団に加入するが、同時に勢団は毒手や神使い、忍者を勧誘する。鼠人が率いる大牙勢団は暴走族や技師を引きつける。出自が何であろうと、勢団の内には強い家族意識と仲間意識が存在する。
《暗殺者の色墨》 アート:Heonhwa Choe |
勢団員に対しては、定期的に忠誠心が試される。忠誠を保ち、裏切りを防ぐ魔法の刺青を全員が入れられる。勢団内で地位を得るにつれ、一団内での義務や絆を示す刺青の数も増えていく。首領たちはしばしば首から爪先まで全身に刺青を入れている。
下層街
Dismal Backwater《》 アート:Kekai Kotaki |
浅利の蜂起軍は、皇国の支配は抑圧的で権威主義的であるとみなし、その打倒を目指している。力と技術的知識は秘蔵されるのではなく共有されるべきであり、皇国は時代遅れで退行的であると彼らは考えている。忠義と忠誠は称えられ、不忠と裏切りは罰せられる。蜂起軍はしばしば皇国の執行者と白昼堂々衝突する。皇国の抑圧的な命令の全重量にさらされる、職人と工匠の山岳都市である
《浅利の司令官、理想那》 アート:Ekaterina Burmak |
蜂起軍に上下関係はなく、侍や兵士や武器職人たちと彼らを支える共同体の職人や発明家とで構成されている。彼らは公式な本部を持たず、街に点在する一時的な集会所を用いる方を好む。彼らの長である
《屑鉄の溶接者》 アート:Simon Dominic |
蜂起軍は抽象的な理論よりも、実用的かつ物理的な解決策を重視する。入手できる資源が限られているため、彼らは手に入るあらゆる材料を駆使して自分たちの装置を手入れし、修理することに誇りを持っている。彼らの装備の多くは屑鉄を組み上げて作られているため、構成員の装具にひとつとして同じものは存在しない。「新しい」素材を決して使わないことを誇りとする職人すら存在する。
霜剣山市
《反逆のるつぼ、霜剣山》 アート:Lucas Staniec |
頑強かつ独立独行の霜剣山市では、自立した技術者や職人たちの共同体が繁栄している。鋳造所や製鉄所は頻繁に起こる吹雪を避けるために、また地熱を直接炎として利用するために山腹を掘って建造されている。この山岳都市での生活は簡単ではなく、この街を我が家と呼ぶ者は頑固で機知に富み、自分たちの生き方に強くこだわっている。街を取り囲む山々には天然鉱泉が点在しており、一年を通してとても賑わっている。
樹海の兵団
《樹海の幻想家、しげ樹》 アート:Anna Podedworna |
技術は自然の構造を傷つけている、樹海の兵団はそう信じている。指導者であり、自然の神との絆を持つ大蛇人のしげ
《春葉の報復者》 アート:Wisnu Tan |
兵団は神河次元に点在する支部で成り立っている。各支部は小規模で、だいたいは数人の潜伏工作員とひとりかふたりの神使いで構成されている。彼らは必要に応じて素早く召集され、あるいは身を隠し、素早い破壊をする決断力のある行動を好む。技術的中枢に侵入し、神の魔法を吹き込んだ爆破装置で、あるいは神を召喚して破壊を行うというのがよく用いられる手法である。こういった攻撃は統制されて狙いは確かであり、破壊対象が無人となるまで彼らは待ち、居住区域を攻撃することは決してない。だが邪魔をする者はためらいなく切り伏せる。
《樹海の好意》 アート:Howard Lyon |
樹海の兵団の形成と導きにおいて、神は非常に積極的に役割を果たしている。彼らは力や友誼を提供し、目的意識を共有している。非常に深く個人的な絆を神と結んだ構成員は、その魔法の深遠にまで触れる許可を得ることもある。そのような神使いは強大な精霊を召喚し、原初の自然の力を振るう。
母聖樹地区
《茨森の滝》 アート:Sam Burley |
母聖樹は神河最古の生ける樹木であり、都和市内に残された樹海の唯一の名残である。その枝は周囲の摩天楼よりも遥かに高く大きく、眼下の都市へとほぼ永遠の影を投げかけている。樹そのものの上に住居が築かれた母聖樹地区は、急速で必死な現代生活から抜け出して自然と触れ合いたいと願う人々の避難所として生まれた。
歴演衆
《調和の織り手》 アート:Tuan Duong Chu |
変化し続けるこの次元において、歴演衆は過去が忘れ去られる、あるいは沈黙のうちに消し去られるのではと危惧している。完全な過去の歴史を把握しているわけではなくとも、彼らはそれを保存し、可能な限り誠実に、先入観や脱落なしに歴史的出来事を記録しようと努めている。歴演衆はそれらの物語を刺青にし、舞踏や演劇、歌によって命を与える。上演の中でそれらの刺青は魔法的に宙へと浮かび上がり、動く絵画となって歴史的出来事を伝える。彼らは訓練において個人的偏見を消すよう教えられるが、自分たちの芸術の性質からして、作品には根本的な所で個人的視点が入り込んでいるのではという意見もまた存在する。
《探求者の肖像》 アート:Lindsey Look |
歴演衆は神の乱の直後、神河の歴史家である
デーモン信者
《勢団の取り引き》 アート:Justine Cruz |
力と破壊を約束され、あらゆる階層の人々がデーモンの崇拝に引き寄せられる。集合的に「信者」と呼ばれてはいるが、個々の信者たちが集うことはほとんどない。多くの信者は公然と敵対しているため人混みにまぎれて生き、あるいは不要な注目を浴びないよう頻繁に住処を移す。何にせよ、彼ら全員にひとつの共通した目的が存在する。主であるデーモンへと十分な力を与え、精霊の領域に束縛された彼らを解き放つというものだ。
《貪る混沌、碑出告》 アート:Isis |
デーモンは混沌と破壊の存在であり、数世紀前に香醍によって精霊の領域へと封じられた。定命の領域から切り離された彼らは自由に食らうことができず、力は衰えていった。信者の間で最も有名な人物は
おわりに
『神河:輝ける世界』をもっと知りたい? ならば英雄譚の記事とウェブフィクションを読もう!
『神河:輝ける世界』 クレジット
『神河:輝ける世界』クレジットは、英語版製品情報ページ最下部を参照していただきたい。
(Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori)
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