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『モダンホライゾン2』の伝説たち 再来編

Ethan Fleischer
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2021年6月10日

 

 これから、『モダンホライゾン2』に登場する再登場キャラクターの簡単なプロフィールを紹介します。明日には残りの半分、新顔の「伝説」たちを紹介します。この先の全員と、そして明日、マジックへの新入りたちの顔ぶれをチェックしてください!


海と空のシヴィエルン
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 古ヴォーデイリアのマーフォークは、海泥と海水から彼らを創造した女神シヴィエルンを信奉していました。彼ら古代のヴォーデイリア人たちはシヴィエルンを、空に住むマーフォークと表現しました。シヴィエルンはドミナリアの元々の月である霧月に関連づけられる、高遠な存在でした。それは今も変わりません。彼女は古の時代にその教えを伝え、それ以来定命の存在とは意志の疎通を行っていません。現代のヴォーデイリア人はシヴィエルンを、輝く光輪に縁取られた満月に、両脇に眩しい光球を添わせた姿で描いています。

戦慄の朗詠者、トーラック
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 トーラックは漆黒の手教団の創設者です。この宗教団体は、サーペイディア帝国が凋落する数世紀前、ライトバー教団より分離したものでした。トーラックとその追随者たちは屍術師であり、しばしば自分たちの四肢や、時に人間の生命を生け贄として大いなる魔法を唱えました。ですがトーラック最大の力は詠唱と賛歌にあります。それらは聞いた者全てに狂気をもたらしうるのです。トーラックの死後、漆黒の手教団は彼を神格化する一方、ライトバー教団の追随者たちは、彼の復活に常に怯えながら暮らすこととなりました。神としてのトーラックはその後数世紀の間、数人の人物として転生したと言われています。その中には不死の戦士ティモリン・ローングレイド、新漆黒教団の司祭王ヴェトロの名もあります。

リプリー・ヴァンス船長
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 かつてリプリー・ヴァンス船長は紅蓮術を操る海賊であり、一隻のガレオン船を率いていました。ヴァンスは倒した敵船から大砲を奪っていき、やがて彼女の「リバイアサンの怒り」号はその重量に耐えきれなくなるほどでした。一隻の船の船長であり続ける以上の成功を収めたヴァンスは、自然の溶岩が流れ下るひとつの崖に解決策を見出しました。彼女は自らの船の大砲で崖の表面を破壊し、海に面した要塞を刻みこみ、火を吐く稜堡と名付けました。太陽海岸から離れ、孤高街とイクサランの中間に位置する火を吐く稜堡は、鉄面連合にとって補給と気張らしができる場所として有名になりました。ですが入港できる船はヴァンス船長に許可されたものだけです。彼女の怒りを招いた者は、接近する全ての船を見張る途方もない数の大砲からの砲撃を無慈悲に浴びせられます。

敏捷なこそ泥、ラガバン
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 ラガバンはカラデシュ次元のピーマ森林にて、他の猿たちと真に相容れたことがありませんでした。そのため、ある日飛行船「太陽追い」号が補給のために着陸すると、彼は密航しました。まもなくラガバンは甲板下で、当時十三歳のカーリ・ゼヴに発見されました。彼女はその猿へと近しい心を見出しました。すぐに、ラガバンは発見に喜ぶことになります。太陽追い号には空賊が乗っていたのです! 彼は威勢よく空賊の生き方を受け入れました。そして仲間の空賊たちが略奪相手との戦いで忙しい隙に、ラガバンは商船に飛び移っては最も高額な宝物を盗み出しました。

 ラガバンの手助けもあって、カーリ・ゼヴは自分の空賊船「ドラゴンの笑み」号の船長になり、霊気紛争の間には飛行船の艦隊を率いて領事府から略奪を行いました。彼女たちの最大の勝利は、領事府の旗艦スカイソヴリンを無力化させたというものです。

 今日でもカーリ・ゼヴとラガバンは空の支配を続け、偉大なる宝物を集めては、必然的に自分たちの飛行船の艦隊の燃料と補修に費やしています。一匹の猿にとっては、良い生き方です。

アスモラノマルディカダイスティナカルダカール
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 奈落の王たちは食を愛しています。かの魔道士アスモラノマルディカダイスティナカルダカールは、彼らを食わせる十分な準備をせずに、それら巨体のデーモンの一体を召喚しました。彼女は選択肢を提示されました。シェフとしてその闇の君主(ヴィンセントという名です)に地下世界で七年と七日に渡って仕えるか、あるいは今すぐ彼のディナーとなるか。

 アスモラノマルディカダイスティナカルダカールはヴィンセントとその怪物の客人たちへ、途方もなく豊富な種類の料理を提供しました。そして自分の後任が素早く鍛えられるようにと、彼女はそのレシピを一冊の料理書に記録しました。二十部だけ印刷された「地獄料理書」には、花崗岩のガーゴイルの胸肉の蜂蜜焼き、ビーブルのソテー、灰色オーガの爪先に黒く甘いソースをかけたものといった、恐ろしい珍味のレシピが多数掲載されています。

 当初の売り上げは緩やかでした。購入したのはヴィンセントと、アスモラノマルディカダイスティナカルダカールの母だけでした。やがてその本は世界中へと広まり、支配者階級の退廃した人々の間で大評判となります。灰色オーガの爪先の需要は跳ね上がり、アスモラノマルディカダイスティナカルダカールは地上世界へと戻ってきた際、自分には小さくない敵意が向けられていることを知りました。

 彼女は「地獄料理書 第二巻」を熱心に執筆中だと言われています。そこにはゴブリンの王子、ドワーフの議員、エルフの貴族を調理して食べるためのさまざまな手法が掲載されています。まさしく文字通りの「金持ちを食らえ」です。

獅子のカルス
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 古のドミナリア、兄弟戦争の大破壊よりも数世紀昔のこと。獅子のカルスは邪悪なプレインズウォーカーであるジアドロン・ディハーダに対する反乱に参加しました。その反乱は失敗し、カルスはディハーダの勇者ソルカナーが、彼の母と姉妹を含む同族を何百人と殺害する様子を見せつけられました。

 ディハーダの地下牢から脱出すると、カルスは呪われたプレインズウォーカー、黒き剣のダッコンを召喚し、復讐の任務へと縛り付けました。二人はディハーダの殺害こそ失敗しましたが、彼女の掌握を逃れて友情を結びました。腐敗したコロンドールを後にすると、二人はテリシア大陸へと向かいました。その地にてカルスの子孫、カルサリオン家はドミナリア史の至る所に顔を出し、重要な出来事において決定的な役割を担うことになります。

フェールス・ロキーリク将軍
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 九千年ほど昔、ラヴニカの街は無秩序状態でした。ギルドパクト、十のギルド間の義務を定める魔法的契約は発行から四百年が経過していましたが、ゴルガリ団とラクドス教団の破壊的な反乱が次第に増大しており、都市機能を奪っていました。法と秩序を施行する義務にあるボロス軍のウォジェク連合は、限界点に達しようとしていました。

 フェールス・ロキーリク司令官はひとつの解決策を考案しました。戦闘においては各々が百人もの兵士に匹敵する、石作りの強大なタイタンが十体、暴動を鎮圧し平和を維持するために街へと投入されました。その反乱が治まると、タイタンのうち九体は街の外縁部に駐屯しましたが、十体目のゾボルは第十管区を見張り続けました。万年紀祭にて破壊されるまで、それはボロス軍の力の、畏敬の念を呼び起こす証であり続けました。

移り気のピルー
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 ピルーはエルダー・ドラゴンの一体です。彼女はまだドミナリアが若かった頃、始祖ドラゴンから生まれました。伴侶のクロミウム・ルエルと共に、彼女は幾つものドラゴン種を誕生させました。その中には他でもない上古族、「粛清するもの」クローシスも含まれます。ピルーとクロミウムは、ニコル・ボーラスが起こした古龍戦争の数少ない生き残りでした。

 数千年後、ピルーとクロミウムはプレインズウォーカーのジアドロン・ディハーダに隷属させられ、黒き剣のダッコンとの戦いに送り込まれました。ダッコンはクロミウムを消し去り、ピルーをその呪われた剣で殺害しました。ピルーの力はあまりに莫大で、結果として生じた魔法エネルギーの爆発はドミナリアの地殻を砕きました。今日でもコロンドールの決闘の裂け目はその戦場として残っており、プレインズウォーカーの策略によって放たれた向こうみずな力を無言で語っています。

影の処刑者、ダッコン
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 ドミナリア次元、古のコロンドールにて。プレインズウォーカーのジアドロン・ディハーダは鍛冶師ダッコンへと、途方もない力と引き換えに一本の剣の鋳造を依頼しました。これは並外れたものでなくてはなりません。ディハーダは史上最強の武器を求めました。その剣を作り上げるために、彼女はダッコンへと十年の期間を与えました。

 黒き剣を鋳造するために、ダッコンは最も汚らわしい魔法を用いました。鋼に自らの血を織り込み、自らの息子を含めた何百人という人々の身体で刃を冷却しました。十年の終わりに、ディハーダが戻ってきました。ダッコンの影へと黒き剣を突き立て、ディハーダは彼のプレインズウォーカーの灯を点火させると同時に、彼の魂をその刃へと束縛しました。ディハーダの最強の武器が鋳造されました。黒き剣ではなく、ダッコン自身が彼女の究極の勇者となるのです。

 この運命に憤慨し、ダッコンは数千年に渡ってディハーダと戦いました。歴史はダッコンの終焉を記していませんが、黒き剣はギデオン・ジュラの手に渡り、灯争大戦においてニコル・ボーラスに対抗するために用いられたと知られています。

ジアドロン・ディハーダ
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 ジアドロン・ディハーダは途方もなく古い、悪魔的なプレインズウォーカーです。その策略は数千年の長きに渡り、力と支配への渇望には限りがありません。彼女は最強の存在を、自らの支配に下るように無理強いします。

 ある時は、エルダー・ドラゴンのクロミウムとピルーのように、求める勇者を見つけると彼らを強力な呪文で束縛します。またある時は、大いなる可能性を持つ生物を見つけるとそれらに働きかけ、堕落させ、自らの必要に合わせます。マローの魔術師ソルカナーとプレインズウォーカーのダッコンは、彼女に従順に仕えるためにそうして堕落させられました。

 ディハーダはファイレクシアの侵略の数年前、プレインズウォーカー戦争が近づくとドミナリアを離れました。ドミナリアの人々は、彼女が今も生きていると信じています。伝説では、ソルカナーは彼女の死とともに元の姿を取り戻すと言われていますが、彼は今日に至ってもコロンドールでデーモンの王として君臨しているためです。

片目のガース
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 民衆の英雄である片目のガースは、ドミナリア次元の都市エスタークにて、オール・タール家のガーリンとして生を受けました。闘技場の大師であるクスマンの命令により、オール・タール家は滅ぼされ、子供だったガーリンは片目を失いました。彼は街から逃げ延び、二十年の間放浪生活を送っていました。

 そして強大な魔道士として成長すると、ガーリンは偽名ガースを名乗ってエスタークへと帰還しました。彼は闘技場で戦い、クスマンに挑戦する権利を得ました。一族の仇へと復讐を遂げる勝利の瞬間、ガースの「プレインズウォーカーの灯」が点灯し、多元宇宙は彼の庭となりました。

カルドラの完成体
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 金属次元ミラディンにて、グリッサ・サンシーカーは強大な三つのアーティファクトを集めました。それらを組み合わせると、青白いプラズマの身体を持つ巨体のアバター、カルドラの勇者を召喚できるというものです。その後緑の太陽、巨大なマナの球がミラディンの核から弾け出た際に、カルドラの剣、盾、兜はその勇者自身とともに破壊されてしまいました。

 数年後、ミラディンは感染性の油に屈服し、新ファイレクシアとなりました。グリッサ自身を含めてほぼ全員に近い住人が「完成」させられ、肉と機械の入り混じった怪物に変質しました。

 グリッサはカルドラのアーティファクトを修復し、地表下の肉槽にて一体の特別な細菌クリーチャーを育てました。ファイレクシア最新の勇者は、元々のカルドラの勇者に匹敵する程に強く成長するでしょうか。あるいはもっと強い何者かに打倒され、その者がアーティファクトを手にするのでしょうか。どう転んでもファイレクシアは勝つか改善するのですから、グリッサは満足しています。

(Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori)

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