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ストリクスヘイヴンの伝説たち
2021年4月13日
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』には大図書棟の蔵書にも匹敵する数の伝説たちが並んでいます。……ええ、大図書棟には実質無数の蔵書がありますので、この声明は少々大げさです。それでも、学ぶべき伝説はとても沢山いるのです。さあ、マスコットと一緒にくつろいで(ロアホールドの生徒にとっては挑戦的かもしれませんね)、ストリクスヘイヴンの伝説たちについて学びましょう。
ストリクスヘイヴン
学生の代言者、マビンダ
マビンダ・シャープビークはストリクスヘイヴンの生徒たちの進路指導教員です。名文句と優しい翼を備え、対人関係や大学の選択において生徒たちを支えています。
温和で思いやりがあるマビンダですが、見くびるべきではありません。ストリクスヘイヴンの教員である彼女は強大な魔道士であり、強力な感情移入の魔法を振るいます。普段は生徒たちをなだめ、彼らの感情をよりよく理解するためにそういった魔法を用いますが、危機の際には相手を意気消沈させる魔法を振るうこともできるのです。
騒々しい写本、コーディ
何百年も昔に複雑な神秘主義の知識について書かれた「絶叫写本」が、不機嫌な意志を持つようになりました。これはむくれながら大学をさまよいつつ、自身の文章を声高に朗読しています。もしあなたが興味を持ったのを悟ったなら、この写本は何時間もあなたを追いかけ、やがてあなたも欲求不満に駆られてしまうでしょう。
この写本はロアホールドの精霊召喚呪文が失敗した結果だとも、宇宙の残酷なジョークだとも言われています。生徒が与えた「コーディ」というあだ名を快く思ってはいませんが、不幸にも、異議を唱えてはその名が更に定着する結果となっています。
創始ドラゴン:シャドリクス・シルバークイル、ベレドロス・ウィザーブルーム、ターナジール・クアンドリクス、ガラゼス・プリズマリ、ヴェロマカス・ロアホールド
二つの次元のマナが相争う形で重なり合った際、この次元が誕生しました。多くの生命形態がその新たな構造に適応し、また新たに発生しました。五つの特に強力な、重なり合ったマナの渦は光り輝く球となり、そこから誕生したのが五体のドラゴンです。このドラゴンたちはアルケヴィオス次元の魔法の象徴、相争う二つのマナの衝突を体現する存在となっています。
この創始ドラゴンこそ、五つの対抗色の組み合わせの魔法を最初に習得した者たちです。人型種族が栄えるようになると、当初ドラゴンたちは定命の存在が荒々しい魔法の力を用いようとしたことに怒りました。ですがやがて、統制された学習を通してのみ、魔法は安全に扱えるようになると認識します。そのため、何世紀も昔、ドラゴンたちはマナの五つの組み合わせを学ぶための機構を設立しました。その機構こそが現在のストリクスヘイヴンです。五つの大学は各ドラゴンが習得した魔法を基礎としています。
今日でも創始ドラゴンたちはこの次元を放浪し、五体の危険な空の賢者として知られています。彼らはもはや直接ストリクスヘイヴンには関わらず、名代として学部長たちや代弁者としてのタイヴァ校長に大学を任せる方を好んでいます。ドラゴンたちの知恵は広大ですが、気は短いかもしれません。彼らを探し求める魔道士は、極めて掴みどころのない曖昧な秘密を学んだだけで終わります。
シルバークイル大学
墨の決闘者、キリアン
キリアンはシルバークイルの競争心旺盛かつ意欲的な生徒であり、自らに多くのプレッシャーを課しています。楽々と技をこなすように見せながら、彼は毎日長時間をかけて密かに鍛錬を行っています。
キリアンの物語は4月30日(訳注:太平洋夏時間)に掲載予定です。
光輝の学部長、シャイル
シルバークイルのシャイル学部長は常に楽観的なオーリンであり、力強く感情豊かに話します。彼女は文学に精通しており、しばしば有名な文書からよく知られていない節を引用します。魂を満たすその助言と教養のある引用は、人々を文字通り輝かせることで知られています。
シャイルは性善説を信じており、生徒たちには世界をよりよい場所にしてほしいと願い、そう教えています。彼女とエムブローズ学部長はしばしばシルバークイルのカリキュラムについて衝突しますが、互いの調和は両者の言葉が語るよりも遥かに雄弁です。
影の学部長、エムブローズ
シルバークイルのエムブローズ学部長は練達の詩人であり、そのインクの魔法は威圧的かつ無慈悲です。辛辣な言葉を素早くぶつけるエムブローズ学部長は、多くの魔道生徒がストリクスヘイヴンを退学する様を見てきました。そしてやり通せない者にかける誉め言葉はありません。
皮肉家であるエムブローズは、多くの人々は自分自身に深入りしすぎていると信じています。彼は生徒たちへと、言葉の魔法を「自らに相応しいものを得る」ために用いることを学ぶよう課しています。彼はしばしばシャイル学部長と衝突しますが、同時にこのオーリンへと深い(不本意な)尊敬を抱いています。
大衆扇動者、ブリーナ
ブリーナは常に自分の思い通りにする技術を持っています。彼女が誰かに何かをして欲しいと望んだなら、ただそれを行うだけではなく、完全に自分が考え出したのだと確信して行うことになるでしょう。ブリーナの生徒も同僚も、彼女のあらゆる言葉を慕っています。ブリーナは群衆の前では優雅な墨魔法の渦で自分のスピーチを盛り上げ、カリスマの中心となります。彼女は戦いも得意とする精鋭魔道士ですが、敵を言葉だけで打ち負かす方を好みます。
かつて、オリークの工作員がブリーナを捕まえて勧誘し、従わなければ生徒の命は無いと脅しました。わずか一時間で彼女の説得により工作員は生徒を解放し、悪の道を捨て、アルカイックの知恵を求めるようになりました。
規律の執行者、ニルス
楽観主義者を標榜するニルスは、全生徒の潜在的な偉大さを信じています。ですが残念ながら、彼らが最適ではない選択をする度に失望させられています。そのためほとんどの人々からは気難しく厳格な人物と思われており、些事でも叱責することで知られています。
仲介人、フェイン
大切な教科書を失くしましたか? 故郷の味が恋しいですか? 何か後ろ暗い禁制品がご入用ですか? フェインまでどうぞ。彼は学校内外にまたがる幅広いネットワークを持っており、何でも調達してくれます――価格に糸目をつけなければ、ですが。
シルバークイルの牙、フェリーサ
吸血鬼のフェリーサは、シルバークイルにおける学園の女王として君臨しています。洒落ていて、人気者で、とてつもなく機知に富んでいます。誰もが望んでいるように、フェリーサに気に入られているなら、彼女は魅力というものの具現です――が、悪い印象を持たれてしまったなら、彼女(とその忠実な親衛隊たち)は絶対的な悪意を向けてくるかもしれません。口だけで相手を打ち負かせない場合、フェリーサは放課後に魔道士の決闘で目的を果たすことでしょう。
プリズマリ大学
気まぐれな芸術家、ルーサ
ルーサ・スコールハートはプリズマリの魔道生徒です。熱烈で、多感で、自らの芸術を完璧なものとすることに取りつかれています。彼女はしばしばひとつの実現不可能なアイデアに夢中になり、それを素晴らしいものにするために数週間を費やし、そして不意に自らの作品を憎んで次の日には破壊してしまいます。彼女は自身の芸術を通して名声と承認を求めており、しばしば自らの限界を超えようとします。
ルーサの物語はこちらで読むことができます。
完全の学部長、ユヴィルダ
プリズマリ大学のユヴィルダ学部長は芸術的技巧の専門家であり、決して眠りません(アルケヴィオス次元のジンは睡眠を必要としません)。カリキュラムに専念していない時は常に、彼女は水のエレメンタル魔術のあらゆる技を鍛えています。ユヴィルダの個人的フィードバックは有名です――評価の後、彼女は魔道生徒へと小さな助言の一片を与えます。それは彼らに衝撃を与えて世界の見方を完全に揺さぶるのです。
良い芸術は頭脳からもたらされるとユヴィルダは信じています。彼女にとって、注意深く計算された筆遣いは真に具現化された芸術ですが、熟考の末に配置された物体はただの混乱です。ナサーリ学部長がその誇大な表現で彼女の繊細な作業をもう一度でも邪魔したなら、ユヴィルダはクアンドリクスに入学して縮小の方法を学ぶでしょう。
表現の学部長、ナサーリ
プリズマリ大学のナサーリ学部長は、いつも更に大きな芸術を求めています――更に過激な構想と、更に感動的な衝撃を。魔道生徒時代の卒業制作としてナサーリは「地震」を提出し、それはキャンパスの建物三つをほぼ破壊したというのはよく知られています。その作品は魔道生徒の大多数から拍手喝采を、そしてキャンパスの工事ゴーレムからは不機嫌な不評を浴びました。
真の表現とは心から来るものだとナサーリは知っています。そのため生徒たちには、世界全てを自分たちのカンバスとして扱い、その足跡に感情と興奮を広めるよう激励しています。ナサーリはユヴィルダの静かな傑作にほとんど関心を示しません――事実、ユヴィルダの作品がそこにあっても、ナサーリはしばしば完全に忘れてしまうのです。
雷の指揮者、ザファイ
ザファイが成人するとすぐに、両親は彼の音楽の才能の芽生えを確信し、世界最高の指導を受けるに値するとストリクスヘイヴンに入学させました(彼の才能は確かに天才的なものでしたが、実のところは、練習の度に自分たちの家が稲光に撃たれたり、竜巻に飲み込まれたりと無秩序な被害を受けることに飽き飽きしていたのです)。魔道士として、また音楽家として大成しながらも、彼は新たな素質を発見しました――指揮です。
教壇に立つだけでなく、彼はプリズマリの優秀な学生たちの特別課外活動、ストリクスヘイヴンズ・アーケイン・オーケストラで首席指揮者を務めています。彼らの練習が常に屋外で行われている理由は明白です。そのコンサートは、美しい精霊術の爆発で空を覆い尽くすのです。
生ける卒論、オクタヴィア
オクタヴィアは、何年も前に卒業した生徒が最後の研究課題として製作したものです。キャンパスに住んでおり、離れたことはありません。それ自身いわく、全生徒が一度は真の芸術を直接目にするべきであると。支離滅裂だとも言われていますが、オクタヴィアはとても概念的な考え方の持ち主というだけなのです。
炎の踊り手、リオーニャ
プリズマリの生徒は、課題製作を一人で進めるか複数人で進めるかを自由に選べます。リオーニャはその「両方」を初めて選んだ人物です。彼女は自分のビジョンを他人に説明できるほど忍耐強くはありませんが、その振り付けに常に完璧に従ってくれる協力者が一人います。彼女自身です。
双対の声、ヴェイラン
ヴェイランは熟達した精霊術士であると同時に、多くのプリズマリの誓約魔道士の指導者でもあります。彼女は、あらゆる芸術的な探求において、ありのままの情熱と技術の鍛錬の両方が重要であると熱心に提唱しています。もしも新入生が動揺している、参っている様子を見たなら、すぐに彼女は陽気で美しいエレメンタル・クリーチャーを呼び出して彼らを元気づけます。
ロアホールド大学
実地歴史家、クイントリウス
クイントリウス・カンドは、穏やかでひたむきな古術師です。軍学校を退学となった後、彼はロアホールドの魔道生徒としての真の情熱を見出しました。クイントリウスは物知りで、何でも読みたがります。進路に迷う長い思春期を過ごした彼は、何よりも「自らを発見する」ことを求めています。そしてそれを、この世界の驚異的な歴史的重要地点を探検することで達成できると信じています。少し指導してあげるだけで、彼はきっと自らの道を見出せるでしょう。
クイントリウスの物語は今週末の4月16日(訳注:太平洋夏時間)に掲載予定です。
混沌の学部長、プラーグ
ロアホールド大学のプラーグ学部長は、戦史を専門とする無愛想な盲目のオークです。過酷な教師として知られていますが、それでも生徒たちは何百もの正確な歴史的知識や、強力な巻物魔法の授業のために彼へと集います。彼は「熱の字体」を発明しました。これは文章が浮き出て触覚的に読むことができる、魔法の羊皮紙の一形態です。
歴史とは、気まぐれで争いに満ちた混沌でいっぱいだとプラーグは信じています。そのため彼の生徒は全てに備えることを必要とされます。危険なくして得るものはないと彼は教えており、野外実習の終わりには常に複数人が医務室へと送られます。彼はオーガスタ学部長の仕事にはほとんど注意を払っていません。混沌の中に秩序を見出そうとする彼女の試みを、向こう見ずな時間の無駄として軽視しています。
秩序の学部長、オーガスタ
ロアホールド大学のオーガスタ学部長は霊魂の研究を専門としており、この学校で最も才能ある過去起こしと呼ばれています――歴史的人物の幽霊を召喚するだけでなく、授業においては歴史的出来事の完全なジオラマを作り出せるのです。
歴史は自ら繰り返しながら、理想へ向かって秩序立って進歩している。そして過去の過ちは現在の選択を助け、平和と秩序と規則の世界を作るとオーガスタは信じています。彼女は物事を極めて定石通りに扱い、プラーグ学部長の危険な野外実習に赴く生徒たちに心から失望しています。
霊鍛冶のホフリ
ロアホールドの戦霊能者は霊魂を呼び出し、生前の姿を模した彫像に住まわせて頑健な兵士とします。もしも彫像が手に入らない場合、平均的な戦霊能者はその霊魂を物理的に顕現させられませんが、ホフリは平均的な戦霊能者ではありません。
ストリクスヘイヴンに入学した当初、自分の未来はプリズマリにあると彼は信じていました。勤勉に学び、彼はただちに技術を習得しましたが、心のどこかで魔法を欲したままでいました。学生の相談役であるマビンダと話し合った後、ホフリはロアホールドで運を試すと決めました。そして彼は生まれつき霊魔術の才能に恵まれていると判明しました――生粋の、真のロアホールドです。
ですがプリズマリで過ごした時間も決して無駄ではありませんでした。芸術的な技と鋭い霊的な感覚を組み合わせ、ホフリは霊の生前の姿を可視化して彼らを住まわせる実用的な彫像を構築できるのです。ロアホールドの歴史上、霊魂の彫像を無から作ることができた者はいません。ホフリは卒業後に教授職を提示され、喜んで受諾しました。
再構築者、オスギル
ロアホールドの目で見ても、オスギルは過去の遺物に執着しています。豪奢な宝石を戴いた王冠であろうと、不格好で古ぼけたシャベルであろうと、彼は古の文明に繋がるあらゆるものを大切にします。学生時代、彼はロアホールドの発掘現場から出土した最高の品々を自室に溜め込んでいたため、いつも居残り沼送りにされていました。「歴史は我々全員の共有財産である!」と何度厳しく言われたかわかりません。
そのため自然と、彼は魔法による複製修復術の技術を修めました。古の物体や装置を最小の残骸から完璧に再構築できるだけでなく、個人的に所有するために、常に同一の二個目を生産できるのです。彼はロアホールドの執務室にて週替わりの展示を行っています。悪魔殺しの強大な剣から、エルフの繊細なオルゴールまでさまざまなものが見られます。
機械仕掛けの学者、ロシール
自分は可能な限り怠けるためにとても勤勉に働く、ロシールは誇りとともにそう認めています。彼女はその素晴らしい頭脳を、より効率的な機械式召使の構築に向けています。最終的な目標は、一日中自分が全く立ち上がらずとも何でもできるようになることです。
再鍛の刃、ラエリア
最初にラエリアの霊が目覚めた時、彼女は自身の死を知り激怒しました。大昔に自分を裏切った兵士たちへの復讐はもはや叶わず、彼女は決闘クラブを設立しました。そこでラエリアは魔法の戦闘技術を生徒たちに教えています。
古代の証人、アリボー
数十年前に、ロアホールドの発掘チームはセイアドゥーンの遺跡で古代の戦闘用ゴーレムの発掘に興奮しました。それだけでなくゴーレムが息を吹き返し、彼らを虐殺するのではなく、血の時代の戦闘技術についての誤解を正し始めたとき、彼らはさらなる興奮に包まれました。このゴーレムは流血沙汰よりも会話を好みますが、必要とあらば大学を守ると誓っています。
ウィザーブルーム大学
魂浸し、ダイナ
ダイナは奇妙で、暗いユーモアと茶を愛するウィザーブルームの魔道生徒です。彼女は病を癒したいと常に願い、あらゆる類の薬品の醸造法を不気味な沼の生物たちから学んでいます。彼女が一杯の茶を差し出してくれても、辞退した方がいいかもしれません。
ダイナの物語はこちらで読むことができます。
血流の学部長、ヴァレンティン
ウィザーブルーム大学のヴァレンティン学部長は古より生きる繊細な吸血鬼であり、沼地に棲むあらゆる生物の血を摂取します。ヴァレンティンは一種の吸血術士です――貪った血から幻視を受け取り、それらを用いて、その生物や場所についての暗い真実を学ぶのです。
個人的な獲得のために、沼地の生物を食い物にすることにヴァレンティンは何のためらいもありません。彼の授業はしばしば解剖や腐敗に焦点を当てます。彼とリセッテ学部長はしばしば動物の傲慢な扱い方を巡って衝突しますが、だからといってリセッテは彼の発見を自身の研究に用いることを止めはしません。
樹根の学部長、リセッテ
ウィザーブルーム大学のリセッテ学部長は強大な自然魔女です。彼女は世界的な癒し手であり薬草師です。かつて、ロアホールドの創始ドラゴンの病を密かに癒したとすら言われています。リセッテの授業は談話や講義よりも、実践と実地経験に重点を置いています。リセッテが口を開く時は柔らかく、奇妙で色鮮やかな隠喩を用います。
リセッテは自然保護と生命の拡大を信じています。彼女は生徒へと、あらゆる生命への尊敬を持つように教え、アルケヴィオスの繁栄の力になりたいと強く願っています。ヴァレンティンが生物を扱う態度には嫌気を感じていますが、一方では彼の残酷さがもたらすものが、未来の生命を助けるとしてその研究成果を利用しています。
厄介な害獣、ブレックス
ウィザーブルームの害獣の生涯は喜ばしく、ですが短いものです。害獣は生徒たちに育てられ、大いなる気配りと優しさをもって扱われます――強大な呪文を唱えるために生命力が必然的に消費されるまでは。仲間の害獣たちの多くが囲いから連れ出されて二度と戻らない様子を目にした後、ブレックスは逃走を計画しました。
害獣にしては異様なほどの我慢強さと知性を見せ、ブレックスは囲いから出される時に備えて餌の一部を隠しました――生きた、のたうつ昆虫です。哀れな生徒が彼の籠に手を入れて顔面いっぱいのムカデを受け取った瞬間、ブレックスは沼地の下生えの中へと姿をくらましました。
新人しごきの一環として、ウィザーブルームの新入生たちは、一匹の害獣が逃げ出したのでそれを捕まえるのが仕事だと言われます。ブレックスの居場所を突き止めた生徒はわずかですが、その生徒たちはげっぷをする、育ち過ぎた生物を目の前にして衝撃を受けます。
本質の予見者、ウィロウダスク
ウィロウダスクの本当の年齢は誰も知りません。彼女いわく血の時代から生きているとのことです。それは誇張だろうと多くの人々は推測している一方、反証できるほど長生きしている者もまたいません。何年も前、反抗的な学生の一団が居残り沼で絶望的に遭難した際、避難しようとした場所はウィロウダスクの根の中だったということがありました。彼女は好意からその生徒たちを飢えた沼グロフの群れから保護し、逆回り講堂まで導きました。その道中、彼女は薬草の正しい収集法を説きました。
その教えがとても効果的だったため、ウィロウダスクは教授として残ってほしいと請われました。彼女は自分が持つ医療用の薬草、害獣の養殖、解剖技術の知識を新たな世代へと喜んで教え、そして執務室では常に茶を淹れて待っています。
暗影の召喚士、ティヴァシュ
手を汚さずに生と死の秘密を研究するのは困難である――ティヴァシュが新入生へと最初にそう教えます。彼が操る暗黒の力を「邪悪だ」と呼ぶ者もいますが、力の善悪はあくまで使う者次第だと主張しています。
霊園の庭師、イェドラ
イェドラは学院の整備員の長であるとともに、ストリクスヘイヴンの非公式な葬儀人です。生徒や卒業生はしばしば、死後を自分たちが愛した大学で過ごしたいと願い、彼女は喜んでその願いを叶えます。イェドラが植えた木の一本一本が死した魔道士の本質を表すだけでなく、彼女はその全員の名を覚えているのです。
料理長、ギヨーム
ギヨームに会ったことがなければ、トロールは偉大な料理人になどなれないと思うでしょう。彼は地元の食材と故郷フェルンボスクの野趣あふれる風味を組み合わせ、変化に富んだメニューに新たな珍味を加えています。どの大学の生徒も、はるばるセッジムーアを抜けて彼の料理を食べにやって来ます。ギヨームが受けてきた不満はただひとつ、彼の取り分が理不尽に多いということです。
クアンドリクス大学
クアンドリクスの神童、ジモーン
ジモーン・ウォーラは年少ながらストリクスヘイヴンに入学を認められた神童です。彼女は多くの神秘的な技のエキスパートですが、クアンドリクスの数魔術に引き寄せられました。彼女は現在、かの著名なヴォルザーニの推論、予測不能なマナ転換の無限連鎖に関する未解決の魔法理論を解くことに注力しています。ジモーンの少なくない才能が目にとまらないはずはなく、オリークの闇の力が動こうとしています。
ジモーンの物語は来週、4月23日(訳注:太平洋夏時間)に掲載予定です。
物質の学部長、キアン
燦燦として風変り、クアンドリクス大学のキアン学部長はこの次元の著名なマナ学者のひとりです。交錯やスターアーチから名もなき古の寺院まで、彼女はアルケヴィオス全土の奇妙なマナ現象に赴いて研究してきました。彼女は耳を傾ける者全員へと、喜んで自身の途方もないマナ理論を伝えます。
数学を用いて現実の物理的性質をよりよく理解できる、キアンはそう信じています。彼女は応用計算を通して、日々の生活を向上させる実践的な魔法を重視しています。イムブラハム学部長の理論に対しては呆れており、空想の世界に住んでいるとして彼を軽視しています。
理論の学部長、イムブラハム
クアンドリクス大学のイムブラハム学長は、その湾曲したくちばしのように鋭い知性を持つ厳格で明敏なオーリンです。彼は黒板に複雑な定理を素早く書きながら、首を真後ろに回して生徒たちに話しかけることで知られています。イムブラハムは人々や屋外よりもずっと数字を愛しています――何年もの間、クアンドリクスのキャンパスの一定の区画から外に出ていないとすら言われています。
イムブラハムは何よりも、ひるむような複雑な理論を通してアルケヴィオスの謎を解きたいと願っています。彼はしばしば生徒たちへと、自分の未解決の方程式を解いたなら報償を与えると提示しています――ジモーンが講義を受けるまで、それを受け取った者はいませんでした。
双子唱者、アドリックスとネヴ
ピンザリ諸島のマナが豊富な海に囲まれ、双子のアドリックスとネヴは文字通り魔法の中を泳いで育ちました。幼いころにはもう、ふたりは潮汐や潮流のパターンを見出すようになりました。当時、彼らの社会で最も尊敬される学者ですら理解できていなかったものです。やがて、ふたりは誰の目にも穏やかな海に突然の津波が到来するのを予見し、百人もの命を救いました。その後、双子の腕前に対するあらゆる疑いは拭い去られました。
ストリクスヘイヴンでは、青と緑のマナへの熟達を組み合わせ、二人組で教壇に立つ特別な許可を受けています。彼らは様々な、難解な数学の原理の是非を絶えず議論していますが、ひとたび生徒たちが危機に陥ったなら完璧に息を合わせて飛び出します。
フラクタルの理論家、ディーカ
ディーカは世界を、相互に連結する無数の方程式とみなしています。彼女が想像しうる最も美しいものです。ディーカは新たな定理に物理的な姿を与えて探求し、その絶妙に美しい幾何学的創造物の眺めはいつもキャンパスを刺激的にしてくれています。
忍耐強い教授、ラクサ
野生的な新理論は刺激的ですが、基本原則を深く理解していない限りそれらに価値はない――ラクサはそう知っています。彼はあらゆる水準の学生に教え、最も経験豊富な生徒ですら、世界の積み木への理解を更に深めて多大な利益を得ます。
フラクタルの花、エシックス
かつて、無限方程式の考案を課せられたクアンドリクスの学生グループが、偶然にもエシックスを生み出しました。それから長い年月が経過し、少数の教授がエシックスを停止させようと試みてきましたが、何故かその全員の数式がゼロで割る結果となって立ち消えてしまいました。エシックスは自分自身の計算に没頭しているため、そういった脅威には気が付いてないようです。
アルケヴィオスの大界
オリークの首領、エクスタス
エクスタスは何年も前にストリクスヘイヴンのシルバークイル大学に通いましたが、五体の創始ドラゴンによって神託者の地位を見送られました。復讐を遂行するため、エクスタスは血の化身と呼ばれる巨体で破壊的な存在を召喚しようとしています。ストリクスヘイヴンを破壊し尽くし、世界に轟く呪文の宝庫を我がものとするためです。
エクスタスはエゴの塊です――自分こそがアルケヴィオス全土でも頭ひとつ抜けた魔道士だと信じているのです。その傲慢さは発作的な憤怒に現れます――彼が優れていると認めない、そう理解しない者に対しては怒り狂い、また心からの服従を示さない者に対しては容赦しません。
アルケヴィオスの神託者、ジャズィ
神託者は、この次元で最も賢く最も練達した魔道士です。神託者は魔法が人々のために用いられ、邪悪な結果へと歪まないようにするために生涯を捧げます。神託者になるには、魔法の本質についての根本的な真実を理解し、何千何百もの呪文を知るだけでなく振るい、申し分のない判断力と美徳を備えなくてはなりません。
現在の神託者はジャズィという名の老女です。彼女は途方もない知識を蓄えてストリクスヘイヴンを卒業しました。彼女はアルケヴィオスの全てのスターアーチの場所を知っていると言われています。
狡猾な相棒、ミラ
ミラはアルケヴィオス生まれの、狐に似た不思議な生物です。身の危険の際には灼熱の炎を呼び起こして身を守ります。ルーカがこの次元にやって来た際、ミラは彼の後を追うようになりました――そしてルーカはどこか不承不承、それを受け入れました。ルーカの力によって魔法的な絆を結ぶと、真の協力関係が生まれました。
以上、ストリクスヘイヴンのたくさんの伝説たちを紹介しました。もっと調査したいことがありますか? 「プレインズウォーカーのためのストリクスヘイヴン案内」をどうぞ。それでは皆さんの学びが実り多いものとなりますように、そして全員が進級できますように!
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