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翻訳記事その他
グレートヘンジの建造
2019年9月18日
私はこれまでずっとストーンヘンジに魅了されてきました。イングランドにある壮大な三石塔の環は、言い表すのは簡単ですが解説するのは困難です。このファンタジーで頭がいっぱいの子供にとって、ストーンヘンジはいつもこの地球上にある本物の魔法の場所のように感じられました。これを作ったのはドルイド……? それかエイリアンかも? 巨人? 巨大なエイリアンのドルイドかも?
12世紀ごろ、ブリテンの僧侶モンマスのジェフリーは魔法使いマーリンがこの記念碑を建造したという、ストーンヘンジを幻想的な世界およびアーサー王とキャメロットの神話と消えないように結びつけた物語を記録しました。
もちろんこれは、エルドレインの世界にとって完璧で小さなインスピレーションをもたらしました。
《ギャレンブリグ城》 アート:Adam Paquette |
エルドレインの緑の宮廷が治めるこの城はギャレンブリグと言い、人間が力をつけるよりも前に巨人によって建築された石の環であることから《グレートヘンジ》と呼ばれています。この《グレートヘンジ》は巨大な日時計であり、僻境の中心部への魔法の門でもあります。
これはまた、すでにプレビューされている《忠誠の円環》、《魔法の鏡》、《永遠の大釜》、《エンバレスの宝剣》に続く5つの宮廷にある神話レアのアーティファクト・サイクルの最後の1枚でもあります。
9マナは重そうに見えますが、このサイクルの他のカードと同じように《グレートヘンジ》にもコストを軽くする「探索」が内蔵されています。そして過去2年を通して《原初の飢え、ガルタ》が示していたように、クリーチャーのパワーを参照するコスト軽減は達成しやすいものです。そして『エルドレインの王権』スタンダードにはスタッツお化けの《鉄葉のチャンピオン》はもういませんが、緑の宮廷の指導者である《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》を含むたくさんのサイズの大きな脅威が使えるようになります。
一度《グレートヘンジ》が卓に置かれれば、クリーチャーの流れは止まりません。《グレートヘンジ》は太っ腹なことにあなたへマナ、ライフ、カードに追加のスタッツまでくれて、あとはただクリーチャーのプレイを絶やさないだけでいいのです!
そうではなかったメカニズム
私が尊敬する同僚であるところのローズウォーター氏とゴットリーブ氏は、どちらも探索が一時期『エルドレインの王権』の正式なメカニズムであったがさまざまな理由で取り除かれたことを述べました。
『エルドレインの王権』セットデザインの前半に加わることができたのは幸運でした。トップダウンのデザインは私の最大の楽しみの1つなので、所属していてものすごく楽しいチームであり、チームで仕事をしている期間中に我々はこのセットに入れたいと思ったメカニズムを確定させて食物・トークンと出来事を考え出し、一徹を立て直しました。
探索はその期間のほとんどの間、このセットにありました。それは初代『ゼンディカー』にあったものとは違い、達成すると効果が得られる3項目のチェックリストのようでした(ゲーム中ずっとどの項目を達成したかを記録しておかないといけません)。本物ではありませんが、例を挙げるとこのような感じです。
達成した各項目にチェックを入れる。すべてを達成したとき、これを生け贄に捧げ報酬を得る。
【 】飛行を持つクリーチャー1体で攻撃する。
【 】アーティファクト・呪文を1つ唱える。
【 】クリーチャー・トークンを1体生成する。
報酬:10点のライフを得てカードを1枚引く。
こういうゲームの中にゲームが入っているカードは好きですが、デザインするのは大変で(特にフレーバー豊かなものにしたい場合)、バランスをとるのはもっと大変です。
最終的に、これらはほぼすべてこのセットから排除されましたが、私は、少数なら成立させられるということ、そしてこのメカニズムは神話レアのサイクルとして残す価値があるという希望にしがみつきました。このサイクルすべてが、5つの伝説のアーティファクトを探す探索でした。
このメカニズムの最初期のバージョンでは、このアーティファクト自体はデッキに入れられない強力なカードでした。なので、デッキに入るのは「グレートヘンジの探索」であり、それを達成すると「報酬:グレートヘンジという名前のカードをゲームの外部から戦場に出す」という報酬がもらえました。この報酬版《グレートヘンジ》は実際に印刷されたもののとんでもなく軽い版でした。{2}{G}のマナ・コスト(ただしコスト軽減はなし)で、「このカードはデッキに入れられない」という注意書きがあるものを想像してください。
この注意書きは多くの人、特にその探索を見ずに《グレートヘンジ》と出会った人にとってやる気をなくさせるものでした。なので我々は、「報酬:グレートヘンジを生成する」に報酬を変える何か他のものを試しました。そのときのグレートヘンジは長いルール・テキストを持ったトークン・カードでした。探索カードのほうにそのトークンの挙動をわざと詳しく書かなかったので、このカードはよりエレガントでミステリアスなものになりました。
もちろん、これはこの探索をプレイしたいときに毎回物理的なトークンを用意しなければいけないということであり、そのトークンがブースターから稀にしか出てこないためにリミテッドで大きな問題が起こる可能性がありました。これを解決するために、我々は探索が入っているブースターではその探索と関係するトークンが自動的に組み合わされるようにする方法を探しました。
これらの調査が進行中に(そしてこれは私の希望よりも困難でした)、何人かが気づいていても言い出しにくい問題を何度も持ち出してきました。この探索と報酬のパッケージは魅力的ですが、本質的には両面カードが変装したものであり、『イクサラン』の《軍団の上陸》や《宝物の地図》とさして変わらないものだというのです。
私はここで両面カードを本当に使いたくありませんでした。このセットの他の要素は両面カードを扱っておらず、「2枚のカードが1つになっている」メカニズムとしてはすでに出来事がありました。なのでサポートの沈没と実行面での難易度の増加に直面し、私は自分のどこか無謀なアイデアを諦めて、アーティファクトの探索要素をそのアーティファクト自体に詰め込みました。これらは今自己完結型でよりシンプルになり、それでいて私が望んだ素晴らしいゲームプレイをすべて持っています。
バケットリスト:チェック!
ストーンヘンジを元ネタにしたマジックのカードを作ることは確かにクールなのですが、私は今年これよりもずっと長い間私のバケットリスト(訳注:死ぬまでにやっておきたいことをまとめたリストのこと)にあった項目を消すことができました。
ロンドンでのミシックチャンピオンシップまでの数日、いくらかの時間を観光に費やしました(イングランドに行ったのは初めてでした!)。プレイデザインのマネージャー、ブライアン・ホーレイ/Bryan Hawleyと私はウィンザー城、オックスフォード大学、そして、そう、ストーンヘンジに行くツアーバスに乗りました。これは私が思い描いた通りに魔法のようでした!
巨人やドルイドやマーリンやエイリアンは写っていません。
9月27~29日の『エルドレインの王権』プレリリースでは、あなた自身の探索を行うことができます!
――アーロン・フォーサイス (@MTGAaron)
(Tr. Takuya MASUYAMA / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)
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