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翻訳記事その他
賢き魔術師定価を払わず
2018年4月5日
不死性は物語において興味深いアイデアです。時にはそれを探すことは愚か者の行いであり、人生の儚さがいかに貴重であるかを我々に教えてくれます。またある時は、後戻りするには遅すぎる時にしか判明しない失敗、呪いです――吸血の呪いへのよくある言い回しです。そしてごくまれに、無限の時間に与えられたリソースを最大限に活かせる人にとっては完全に有益な加護です。
《時計回し》 アート:Zoltan Boros & Gabor Szikszai |
『ドミナリア』の特定の伝説のキャラクターについて、無限の生命に関するどの考え方に該当するか私には分かりませんが、彼のこれまでの物語を考えると、3つすべてが少しづつあるのではないかと思っています。それが《永遠の大魔道師、ジョダー》です。
彼はいまだ現役で、呪文の詠唱に対処する方法を知っています。
マナを踏み倒す5つの指
ストーリー・チームが現在の彼の活躍を紹介していますが、ジョダーはすでにいくつかの歴史の要所で知られています。
- 彼はゴブリンから身を隠すためにそこらの泉(実は《若返りの泉》でした)に身を浸し、不死性を得ました――その時に彼自身はそれを知りませんでした。
- 彼はマナの性質を学び、当時最も強力だった秘儀の学校でマナの色の理解を深めました。
- 彼はフレイアリーズが氷河期を終わらせた呪文を唱えるために使った強力な鏡を所持していました(『アイスエイジ』)。
- 彼はヤヤ・バラードがプレインズウォーカーになれることを見抜き、前述の鏡を彼女の頭の上で割ること(ええ、文字通り)によってその灯を点させました。
- 彼はテフェリーやジョイラたちが『時のらせん』ブロックの出来事で引き起こした、時の裂け目の封印を手助けしました。
彼の経歴は1つの記事では収まりませんが、永遠の大魔道師として、彼はいくつかの技を習得しました。簡単なものは「飛行」で、この時点の彼にとってこれは子供だましで、4マナ4/3というサイズは彼をリミテッドでの驚異として十分なものにしています。
強力な同盟者として浮遊することは、あなたが秘儀で訓練されている場合は簡単です。これは彼の興味深い余技です。
あなたは、あなたが唱える呪文のマナ・コストを支払うのではなく、{W}{U}{B}{R}{G}を支払ってもよい。
代替コストはほぼ常に強力で、マジックのルールを壊す手段です。我々は不死身ではありませんが、幸い、これまで十分長い間この能力を見てきました。
では彼は我々のために何してくれるのでしょう?
10マナの呪文を5マナで唱えられるのは壊れです。コストの多くかかる呪文には2通りのフレーバーがあります――重い必要があるなにか大きなもの(《甲鱗のワーム)》や《ワームの突進》)か、もしくはそれだけ多くのマナを費やしたことに対する見返りです。
これらのカードはどれもマジックのゲーム中で強力です。大量のマナを得るのは、これらの派手な呪文のほとんどが最大の見返りを与えてくれる場所である統率者戦の特徴です。軍勢を丸ごと全部コピーしたい? 全ての墓地から全てのクリーチャーを釣り上げたい? 自分のアーティファクトを全部破壊不能にしたい? 支払いが9、10、あるいはそれ以上という多くのマナではなく5マナというのは明白な利点です。
厳しいコストではなく5マナを支払うことで真価が発揮されます。これを使うにはすべての色にアクセスできるような計画が必要です――すぐに見ることになります――しかし、そうしたならばジョダーはあなた次第で重い呪文の世界を開いてくれます。これらの呪文を全部一緒に使ってみたいと思ったことはありませんか?
これら大きな呪文のうち1つを唱えようとすると、大量のマナだけでなく特定の計画や準備が必要になります。《約束された終末、エムラクール》は多くのカード・タイプを――デッキだけでなく、墓地にも――必要とします。《大いなる歪み、コジレック》は無色マナを必要とし、土地やマナ基盤に明確な圧力をかけます。ダブル・シンボルやトリプル・シンボルは3色以上のデッキにとって難しいかもしれません――そして《永遠の大魔道師、ジョダー》を安定して出せるデッキを組むなら少なくとも3色デッキということになります。
全色のマナを出すことに全力を出すことはジョダーのデッキの第1段階であるだけでなく、幅広い強力な呪文を唱えることも簡単にします。コジレックや《召し上げ》や《疫病風》が5マナなのは端的にフェアではありません。
5色全てのマナを払うということは、他の人がほとんど使えないカードが使えるということです。唱えたい重い呪文に焦点を当てたくなりがちですが、5色のマナが出せればより多くの選択肢を得ることができます。
《黒の夜明けの運び手》を含むサイクルの他のカードにもそれぞれ用途がありますが、自分のアップキープに毎回《吸血の教示者》をするのはずば抜けています。《大渦のきずな》は自分のターンの最初の呪文に続唱ををつけて2枚分の効果にしてくれます。(このメカニズムがいかに強力かは、最近モダンに戻ってきた《血編み髪のエルフ》を見てください。)《月の報復者》をジョダーと一緒に使えば《ジョダーの報復者》よりも優れた報復者です。《白日の下に》は自動的に「5マナのものを見つけてくる」になります。
これらのカードはすべて5色のマナを意識していて、《永遠の大魔道師、ジョダー》でアドバンテージを得ようとするデッキでこれらも輝きます。
しかしながらほとんどの秘儀の力と同じく、いくつかの注意するべき事柄があります。
コストにXが含まれる呪文を踏み倒すことはできません。《悪魔火》をX=50を唱えると目をむくようなすごさですが、きちんとそのマナを支払う必要があります。この{W}{U}{B}{R}{G}の代替コストは機能せず、この場合(興奮しているところ残念ですが)マジックのルールではX=0を支払ったことになるからです。
1つの呪文に適用できる代替コストは1つだけです。フラッシュバックは墓地から呪文を唱えることを可能にしますが、実際にフラッシュバック・コストを支払わなければいけません――{W}{U}{B}{R}{G}に置き換えることはできず、それが《ワームの突進》とジョダーがコンボにならない理由です。複数の代替コストを混ぜることができないのもマジックのルールの1つです。
5色すべてのマナが出せなくてはいけません。3色以上のデッキがあまり一般的ではない理由の1つは、単純にそのマナをうまく機能させるのが難しいからです。5色すべてのマナを出さなければいけない場合、通常3つの方向性があります。
- 緑を軸にして《砕土》や《耕作》、《桜族の長老》のような基本土地を引っ張ってくることができるカードを使う方法。これの利点は《不毛の大地》や《破滅》のようなカードにかなり強い点です。欠点はゲームの中盤以降に弱い土地を持ってくる呪文をたくさんプレイする点です。
- 《連合の秘宝》や《ダークスティールの鋳塊》のような好きな色を出せるマナ・アーティファクトを大量に入れる方法。これの利点はどんな土地を引いても安定して加速できる点です。欠点は《粉砕の嵐》や《オーラの破片》のような効果、そしておまけでアーティファクトを割る効果に弱い点です。《質素な命令》1枚で完封される可能性があります。
- 複数の色を出せるマジックの最高の2色土地を全部入れる方法。これの利点はスロットを全て強力なカードとそれを守る手段、そしてジョダーの恩恵を受けるためものに使える点です。欠点は複数の色を生み出す土地の多くはタップ状態で戦場に出ること、そして《発展の代価》、《呪詛術士》、《シヴの収穫》、《黄塵地帯》、《廃墟の地》などから基本土地がないことを咎められる点です。
5色デッキのバランスを取る手段は個人の選択によりますが、統率者戦のことを考えるならば、去年の『統率者(2017年版)』の「ドラゴンの支配」デッキはマナ基盤の良い出発点です。
《永遠の大魔道師、ジョダー》はドラゴンと並べるのに最適というわけではありませんが(そして私はそれを提案しているわけではありません)、しかしさまざまな範囲の複数色を生み出す土地と各色の基本土地を並行して使い、必要に応じてどちらの方向にでも向かうことができます。《旅人のガラクタ》や《天球儀》などを使って基本土地を探す柔軟性は、マナ・アーティファクトか2色土地の一方に依存しすぎることの間の良い妥協点です。
そして本当にジョダーの力を解き放ちたいのなら、対戦相手を力で圧倒するときにその部分に至る方法をいくつか用意しておいたほうがいいでしょう。結局のところ、《永遠の大魔道師、ジョダー》は長期戦をします。呪いでも祝福でも、それは無限の生命をアドバンテージにするための一部なのです。
(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)
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