READING
翻訳記事その他
ラヴニカへの回帰・プレリリース入門
読み物
翻訳記事
ラヴニカへの回帰・プレリリース入門
Tim Willoughby / Tr. Tetsuya Yabuki / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru
2012年9月24日
ご来場の皆さん、待つ時間はまもなく終わりを迎えます。皆さんがラヴニカへの回帰のカードで初めて遊ぶ機会を得るまであとわずか。公式サイトには画像付きの全カードリストも掲載され、新しいカードに触れ始めることをこれ以上ないくらい楽しみにしている、ということも私にはわかっています。
はじめの頃、ラヴニカは覇権を競い合う10のギルドが存在する、陰謀渦巻く巨大都市でした。ラヴニカへの回帰には多くの似通ったテーマや、再録カードがある一方で(《血の墓所》とその仲間たち、ちょうど君たちを見ているところだよ!)、この都市はまだ相当な割合でサプライズを残していると言って差し支えないと思います。本日の私の役目は、皆さんにとってとびきり特別なプレリリースとなることをお約束する全ての要素をご紹介し、皆さんが初めて体験するラヴニカへの回帰の、ツアー・ガイド的な役割を務めることです。
それではまず、今回のツアー・バスでの新しいことのためにも、通常のプレリリースがどのように行われるのか簡潔に紹介させてください。手短に言うなら、プレリリースとは誰もが一般販売の前に新しいセットのカードを使って遊ぶことができる、素晴らしいイベントです。つまり、プレイヤー全員が――私のように人生のほとんどをマジックで遊び通した恐竜であれ、あるいはまだデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズでしかマジックを経験していない初心者であれ――使用できるカード、そしてそれらのカードに対する経験値の点においてはまったく同じレベルにある、ということです。プレリリースは、初心者プレイヤーがイベントに挑戦するのに最適な場所であり、同時にただ単純にマジックで遊ぶのが大好きなたくさんの人たちと出会える夢のような場所なのです。
また、今回はイベントに参加するだけでPlaneswalkerPoints.comの実績を得られる初のプレリリースである、ということもお伝えします! ですが、「ラヴニカの訪問者」の実績を得るにはギルドのメンバーにならなければなりません。もしまだなっていないなら、PlaneswalkerPoints.comのアカウントに入り、ギルドを選ぶのをお忘れなく! プレリリースの後ではできないですよ! ひとたびギルドを選んでプレリリースに参加すれば、新たなバッジが手に入るでしょう! と言っても、PlaneswalkerPoints.comで選んだギルドはプレリリースで選べるギルドに制限をかけることはありませんので、ご心配なく。
ラヴニカの訪問者 |
プレリリースのフォーマットはシールドです。皆さんは6パックを受け取り、デッキ(支給される基本土地を含めて40枚以上のもの)を組みます。それから試合が始まり、いくつかのラウンドを戦った後、最良の記録を出した人たちがより多く、待ち望んでいた新セットのパックを勝ち取るのです。皆さんのデッキを組み上げるためにトレードをすることはできません――使えるのは皆さん自身と、ブースター・パック、それにいくらかの基本土地だけです。良いプレイ、良いデッキの構築、そしておそらく少しの運の組み合わせによって、誰もが勝利に向かって進むことができ、そして誰もが良いひとときを過ごすでしょう。
全ての色を分類する場合は、白青黒赤緑の5つのマナから分類を始め、そこにこんな風に各ギルドを加えていきます。残りはギルド門侵犯で埋まることでしょう。 |
良いシールド・デッキを作るための考え方、その道しるべの一端でもお教えしないのは、ツアー・ガイドの名折れとなるでしょう。私個人としては、土地は17枚で主に2色、あるいは3色目を数枚だけ入れるのを狙うようにしています。土地以外の23枚には、原則としてクリーチャーが17枚ほど欲しくて(理想を言うなら、様々なコストのものが混ざり、ブロックしにくいものや何かクールなことをしてくれるものを特に集めたいところです)、スペルは対戦相手のクリーチャーを除去するものが理想です。もっとも、私からのアドバイスはあくまでアドバイスでしかありません。プレリリースの楽しみのひとつは、新しいカードを試して、それらを皆さんの役に立たせることなのです。
ここまでは大丈夫ですか? 大抵のプレリリースがどのように行われるのか、その基本的な部分をまとめました。ラヴニカへの回帰では、これが少しだけ特殊なものになります。ご存知のように、ラヴニカはギルドの都市で、それはラヴニカへの回帰においても同じです。私たちは都市を支配する力を求めて抗争を繰り返す10のギルドのうち、5つと出会うことになります。ラヴニカへの回帰・プレリリースでは、そのうちひとつのギルドに加入し、その名のもとで戦う機会を得られるでしょう。
どのギルドを本拠地にするか決められない? クイズに挑戦です! |
ここ数週間にわたって皆さんはそれぞれのギルドの紹介を受けてきましたが、今週末のために、皆さんが加入し得るギルドの鍵となる特徴を繰り返させてください。
セレズニア議事会は、自然と成長を崇拝するメンバーが所属する緑と白のギルドで、クリーチャーの大群を築くことによって生命を育んでいます。このギルドのメンバーは、《天空の目》のようなカードを用いてここ最近では都市で見られなかったようなクリーチャーの軍勢を作りあげることにより、ラヴニカを元の自然な状態に戻す、という使命に従事することとなります。居住メカニズムが素早くトークンの群れを生み出しますが、居住は皆さんの戦場にあるトークンをコピーするものだ、ということを忘れないでください――ですから、このセレズニアのキーワード能力を持つ呪文を唱えるときにはよく考えて選んでくださいね。
ラクドス教団は、夢中になって騒乱と破壊にその身を捧げています。この赤と黒のギルドは自らをラヴニカの政治機構に組み入れてはいるのかもしれませんが、それを取り巻く信条はすべて、メンバーに顕著に表れる無秩序な傾向に覆い隠されています。解鎖という(《不気味な人足》に見られるような)ラクドスのメカニズムは、それを持つクリーチャーに悪魔の契約を提示します。+1/+1カウンターを置かずに戦場に出すか、または1個置いた状態で戦場に出すか、どちらも可能です。クリーチャーを大きくすることを選んだ場合、それではブロックできません。より強力なクリーチャーをレッド・ゾーンに送り込むことを選択するか、それとも小さなブロッカーで食い止めることが必要でしょうか? 次に繰り出す脅威の強さが良い意味で予測不可能であることは、ラクドスの魔法使いたちにとって強力なツールなのです。
イゼット団は、スペルに比べてクリーチャーへの関心が少ない発明家やマッド・サイエンティストたちの集団です――具体的な色で言うなら赤と青にあたります。もし皆さんが強力で思いもよらないインスタントやソーサリーに重点を置くならば、イゼットがお似合いのギルドとなるでしょう。超過メカニズムは、《ミジウムの迫撃砲》のような無難なスペルに超過するだけの魔力を込めることで、対戦相手のクリーチャー1体だけを対象にするのではなくたとえ対象にできないクリーチャーであっても全てに撃ち込むことができるのです!
ゴルガリ団は、ラヴニカの街路の底に住み(あるいは曖昧な部分を含んで「存在」しというべきでしょうか?)、己が栄光のためにこの都の廃棄物を延々と再利用しています。ゴルガリにとって死は生の一側面でしかなく――死者はその替わりとなるものの糧となるのです――、情け知らずの無法者たちをギルドにもたらします。彼らの持つ黒と緑の力は、ゴルガリのクリーチャーに見られるキーワード能力である活用に表れます。活用を持つクリーチャーが死亡、あるいは他の理由で墓地に置かれた場合、ソーサリー・タイミングで他のクリーチャーの「糧となる」お手軽なスナックが手に入るようになります。《水路の蠍》のようなクリーチャーを追放して適切なマナ・コストを支払うことで、皆さんがコントロールするクリーチャー1体に追放されたクリーチャーのパワーに等しい数の+1/+1カウンターを加えることができます。これは皆さんのクリーチャーがゲーム序盤で交戦し死亡してもそれほど気にならず、死してなお後のゲームに影響を与える、という面白い状況を見せてくれるでしょう。
最後は、法と正義の戦士アゾリウス評議会です。この白と青のギルドは、都市で起こる出来事の管理を堅く(堅すぎると言う者もいるでしょう)管理し続けることを望んでいます。評議会のキーワード能力、留置は――《リーヴの空騎士》に見られるように――、攻撃を仕掛けてくる連中を一時的に監禁し、敵の混沌とした選択がもたらすものに秩序を与えます。空騎士のようなクリーチャーが戦場に出たとき、対戦相手のパーマネントをひとつ「留置」できます。これは空騎士が戦場に出たときに起こり、空騎士を除去しても止めることはできません。1ターンにわたって、留置されたパーマネントは(それがクリーチャーなら)攻撃もブロックもできず、また起動型能力を使うこともできません。起動型能力を見分ける方法は、コロン(括弧の中に書くとどうしても顔文字に見えてしまうもの)を探すことです。もし皆さんが監禁によって物事を管理するというアイデアを気に入ったなら、アゾリウスは皆さんのためにあるのかもしれません。
どうして私はこんなにも全てのギルドの紹介を重視したのでしょう? そう、先述した通り、今回のプレリリースではそれらのギルドのうちひとつが皆さんのギルドになるのです。皆さんはイベントに参加する際、5つのギルドのどれでプレイするか選び、入団したギルドから特別な贈り物を受け取ることになるでしょう。
現時点では、私はどのギルドにも属していません(いくつか目星をつけてはいますが)。そのため各ギルド内での活動を皆さんにお伝えすることはできませんが、特別な贈り物に何が入っているのかは、いくつか知っています。
ラヴニカへの回帰5パック。スタートは上々ですね。そこから、行く手に立ちはだかる人たちと戦うためのデッキを組むことができるでしょう。
ラヴニカへの回帰・ギルド・ブースターパック1パック。今こそお話しましょう! ギルド・ブースターパックは、通常のものとはちょっと違ったものです。皆さんがきっとデッキ構築に使うこのブースターには、皆さんのギルドやその色のカードだけが入っています。通常のブースター・パックと同じ比率で封入された15枚のカード、そして皆さんのギルドのプレミアム版プレリリース・プロモカードが! レアの枠に入っている可能性のある神話レアは、皆さんのギルドの指導者です。《思考を築く者、ジェイス》や《見えざる者、ヴラスカ》が入っていることはありません。このパックのおかげで、他のラヴニカへの回帰パックに入っているものに関わらず、ギルドのカードを相当数使ったデッキで遊ぶことをほぼ確実に保証してくれます。だから、皆さんは好きな色やメカニズムを見つけて、よく考えてギルドを選んでください――それは皆さんのデッキ構築に大きな影響を与えるでしょう。
デッキに入れて使える、ギルド特有のプレリリース・プロモカード1枚。通常、プレリリース・プロモカードはそのイベント中使うことを許されていませんが、各ギルドとも、皆さんにプレリリース・プロモカードで大勝を収めて欲しいと思っているので、これが変更されます。私はギルドのメンバーではないので、今はまだそのフォイルたちが何なのかお伝えすることはできません。ですが、市内の噂ではそれらはとても良いもののようです――どのギルドも、ギルドの花形を持たせずに新入団員を送り込もうとは思っていないようです。
ギルドシンボル・シール1枚。これは皆さんが所属するギルドのメンバーであることを他の人たちに示すものです。このシールを襟の内側に貼るなどして、隠れた秘密のサインにするズル賢いプレイヤーもいるかもしれませんし、反対に(ラクドスの面々なんかは)できる限りよく見えるように貼るかもしれません。皆さんがどちらの方法を望むにしても、ギルドに加入したら注目の的になるのです。
ギルドのスピンダウン・ライフカウンター1個。どのギルドも、ギルドを背負う者たちが戦いに屈するのを見たいと思っているわけではありません。しかし、プレリリースでは全てのゲームでライフ総量の変化を把握することもまた重要です。そこで、ギルドは皆さんの奮闘を手助けするライフカウンターを支給するでしょう。
ギルドの指導者からの手紙1通。これはトップ・シークレットです。全てのギルドは使命を帯びていて、ひとたび皆さんがギルドを選択すれば、すぐに皆さんの使命が何であるのか知ることができます。それは最上位の者から下されたものです。ゴルガリはアゾリウスと同じように歪んだ陰謀をラヴニカに対して持つことはないだろう、と予想することはできますが、皆さんが実際に手紙を開くまで、本当のところは知ることができません。
目標カード1枚。ここには、皆さんのギルドが勝どきを挙げるための目標が書かれています。みなさんがあるギルドのために戦っている場合、それぞれ違う目標達成のためのターゲットは、他のギルドのメンバーから得ることになるでしょう。これは、皆さんがこのイベントをどのように過ごしていても皆さんはギルドの一部であり、プレリリースを楽しんでいる、という熱意を感じるための面白い方法なのです。
全てのプレリリースに共通しているものも、もちろんあります。ギルドの個性と色のバランスが非常に重要なラヴニカへの回帰では、皆さんは可能な限り一貫性のあるデッキを構築する上でどの色が安定しているか、ということについてしっかりと見定めなければなりません。どのデッキも何枚か門カードを採用でき、《ゴルガリのギルド門》のような門カード、そして《オーガの脱獄者》のような門カードに関わるクリーチャーの両方を用いれば、皆さんが唱えられる中で最も強力な呪文のために行うどんなマナ調整でも、意味のあるものにできます。
プレリリースに共通して念頭に置くべきことはもうひとつあります。プレリリースは1年を通して最も楽しいイベントのひとつで、参加者全員が最高の時間を過ごせるだろう、ということです。ぜひ行きましょう。友達と、そしてその日出会った人たちと、戦いましょう。皆さんのギルドを援護しましょう。プレリリースで選んだギルドと、PlaneswalkerPoints.comで選んだギルドの両方を。
最初のラヴニカは、いままで作られた中で最高のセットのひとつでした。今こそ回帰するときです。最後まで私がみなさんにできるのはご案内だけです――ラヴニカ世界に飛び込むのは、今週末なのです。
RANKING ランキング
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
ジャンド独創力:プランは複数、独創力のみにあらず(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.23戦略記事
グルール&ボロス、赤いアグロとダメージ呪文(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
-
2024.12.19戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.19コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
2024.12.18戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事