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プレインチェイスの内幕
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プレインチェイスの内幕
Mark Gottlieb / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori
2012年5月21日
多元宇宙は広大で、通行には混乱を伴う場所だ。何人ものプレインズウォーカーが久遠の闇で行方不明となった。そしてもし君が立ち止まって通りすがりのエルドラージに道を尋ねることを怖がっていたら、永遠に立ち往生してしまうだろう! 心配しなくていい。プレインチェイスは壮大な多人数戦、君の友人達と未踏の次元を渡り歩き、君の航跡に破壊と混沌以外何も残さない戦いを遂行するために必要な全てを与えてくれる。おそらく君は、あらゆる存在を図らずも取り巻いている多元宇宙出身だ。そう、君が他のどこかの場所出身だいうことはありえない。だけど君は今まで、多元宇宙を探索するため実際に立ち止まったことはあるだろうか? 君の手にプレインチェイスのボックスがあれば、転がる準備は万端だ。文字通りに。
プレインチェイスにおかえり! もし君が前回のプレインチェイスのファンならば、君は間違いなくとてもいいものを手に入れる。もし君が2009年発売の最初のプレインチェイスを逃していたなら、君も間違いなくとてもいいものを手に入れる! 私は君がこれを気に入ってくれることをただ願う。我が名はマーク・ゴットリーブ、プレインチェイスのこの版の首席デベロッパーだ。この記事に3枚のでっかいプレビューカードを散らしておいた。さあ、それを手に入れに行こう。
プレイン何だって?
カオス・シンボル |
もし君がここを読んでいるのなら、プレインチェイスとは何かということを知る良い機会だ。だけど読まなくてもいい。では始めよう(もし君が既に速度を上げているなら、この段落は飛ばしても構わない)。
プレインチェイスはカジュアルな多人数戦のフォーマットで、ゲームは次元カードに影響を受ける。それらはゲーム全体へと影響を及ぼすオーバーサイズカードだ。多くは良い効果を及ぼし、いくつかは悪い効果を、そして単におかしな効果も少しだけ存在する。それはまさに、常に表向きになっている一つ(うん・・・通常は。それについては後述する)の次元がある。君のターンに、プレインズウォークを試みるべく次元ダイスを振ることができる――すなわち、表になった次元カードを変更するために。君はダイスを振るたびに、六分の一の確率でプレインズウォークし、6分の1の確率でカオス・シンボルを出す。それは次元カードの能力を誘発させ、......何かを起こす。君のターンの最初のダイスロールにマナはかからない。その後のダイスロールのコストはそれぞれ前回のものより1マナ多くかかる。
そうだ。何かを行う、表になった次元カードがそこに存在する。その他は、君はただマジックをプレイする。大抵それは多人数の「無差別」戦だ。だが次元カードは君が望むどんな種類のゲームにも重ねることができる。人気の組み合わせは、統率者戦のゲームに次元カードを加えるというものだ。
2012版では(2009版と同じように)4種類の異なるボックスが入手可能だ。それぞれに規定の60枚デッキ、10枚からなる次元デッキ、そして次元ダイスが含まれている。各デッキにそれぞれ含まれる10枚の次元カードはボックスごとに決められており、ランダムに封入されてはいない。4種類のボックスを手に入れれば、君は40枚の次元カードを全て手に入れる。君はボックスをそのままプレイすることもできるし、君が好むマジックのどんなデッキとも次元カードを組み合わせることもできる。各プレイヤーが自身の次元デッキを持つこともできるし、ゲームの進行役がテーブルの中央に次元カードの大きな山を下向きに置いて全員で共有してもいい。何よりも、これら新たな次元は最初のものと完璧に互換性があって混ぜることができるんだ!
新たなもの、改良したもの、新たなもの
本当に面白いのはここからだ。最初のプレインチェイスは素晴らしいものだった。だが我々は激しいブレインストーミングの話し合いに数ヶ月を費やし、一つのきわめて重大な問題について尋ね合った。もっと素晴らしくすることはできるか?
できる。できるとも。
もっと素晴らしいものにするための、四つの根本的な方法がこれだ。
もっと素晴らしき策略その1 現象カード
プレインチェイスはそのルーツを「混沌マジック」として知られるカジュアル戦フォーマットにさかのぼる。混沌マジックに正式なルールは何も存在せず、異なるグループがそれぞれのハウルスールに従ってプレイしていた。だが基本的に、君達はマジックのカードの山を「混沌デッキ」として置く。一定の間隔で(ダイスロールで決める、誰かのターンに、時間の経過で、等々)、その山のトップのカードがめくられる。時折このカードはエンチャントで(例えば《Caverns of Despair》)、ゲームへと断続的に影響を及ぼす。時折それはソーサリーで(例えば《神の怒り》)、ゲームをかき回して去って行く。
最初のプレインチェイスでは、君の次元デッキのあらゆるカードはその通り、次元だった。「次元」はこのフォーマットのために作られた新たなカードタイプだった。これらは「混沌マジック」で飛び出すエンチャントがモデルになっていたが、二つの重要な相違点があった。一つ。これらのカードの能力は、一対一の対戦のためにデザインされたエンチャントを再利用することとは対照的に、プレインチェイスのために特別にデザインされたものだった。そして二つ。それらはカオス能力を持っていた。
プレインチェイスの今回の版ではもう一つの新たなカードタイプが取り入れられている。「現象カード」だ。これらは混沌デッキに点在していたソーサリーのアイデアがモデルとなっている。それらは一時の出来事であり、プレインズウォークの最中にゲームを脇道にそらす。例として、我々は既に《時間のひずみ》を公開した。
プレインズウォーカー・シンボル |
君がたった今、次元ダイスでプレインズウォーカー・シンボルを出したとしよう。表になっている次元カードはその次元デッキの底に押し込まれる。君が次の次元カードを表にしたら、《時間のひずみ》だ! それはゲームに影響を及ぼす効果を持つ(この場合、ターンの順を逆回りにする。つまり君のターンが終わったなら、君の前にターンを行っていたプレイヤーが君の次にターンを得る。そしてゲームプレイは新たな順番で進む)。そして君はプレインズウォークを続ける。《時間のひずみ》を押し込み、次の次元カードをめくる。もしそれが別の現象だったなら、手順を繰り返す。君は着地するべき新たな次元を見つけるまで続ける。
全ての現象カードがゲームの根本的性質を変化させる奇怪なことを行うわけではない。いくつかは君も馴染み深い現存するソーサリーのような働きをする。だけどああ、他のクレイジーな現象もまたいくつか存在する。
君が《空間の接合》に遭遇したなら、君は次元カードを2枚同時に表にすることになる(《空間の接合》の記述によれば、君は次の二つの次元を見つける間、どんな現象カードも無視する。私を信じろ、これはとても道理にかなったやり方だ。そのように働く現象カードはこれだけだ)。次元カードが1枚表になっているのは面白い。次元カードが2枚表になっていたら、夢中で気が狂いそうだ。その全ての能力が働く。もし君がカオス・シンボルを出したなら、両方の能力が誘発する。もし君がプレインズウォークして去るなら、君はちょうど一つの次元におさまる(言い換えると、《空間の接合》の能力は一度しか適用されない。残りのゲームを歪ませ続けることはない)。
さて、私はどんな次元カードも公開することはできない(後に紹介する一つを除いて)、だからこの現象カードが新たな次元の一団と何をするだろうかを、君達に示すことはできない。だけど我々は最初のプレインチェイス次元を見ることができる! 二つのまったく異種の次元が同時にその効果を持つのはクールだ、何故なら我々は皆知っている、多いことは良いことだと。だけど君達は時々、二つの次元をぶつけてコンボを形成する。その時君は正気度メーターに新たな数値を取りつける必要にかられる。想像してみるといい、君の《Immersturm》と《Stronghold Furnace》が、《Academy at Tolaria West》と《Sea of Sand》の空間が接合したなら何が起こるかを。組み合わせは無限だ!(メモ:組み合わせは数学的には無限ではない)
4種の新たなプレインチェイスのボックスは全て、10枚からなる次元デッキを含んでいる。これらのうち8枚は新たな次元カード、2枚は現象カードだ。久遠の闇を横切る時は左右の安全を確認してからだよ、みんな。
もっと素晴らしき策略その2 クールなキーワードの再訪
最初のプレインチェイスのデッキは伝統的なテーマデッキの主題に沿って組み立てられた。ゾンビ、アーティファクト、エレメンタル、そして赤白アグロ。新たなデッキはより変わった角度をとっている。それぞれがキーワードを再訪している。
忍者の夜
これは青黒のデッキで・・・え、待って・・・忍者でいっぱいだ!(驚いただろう?) 忍者というテーマを支えるために、このデッキは君の対戦相手の防御をかいくぐって忍者装束へと変身するための、小型のブロックされ難いクリーチャーが含まれている。そしてドローとコントロールの要素もまた含まれている。
混沌の支配
これは5色デッキで(主として青、赤、緑だが)、続唱に沿って組み立てられている。つまりそのデッキはでたらめさと混沌を包含している。君が続唱するカードのいくつかは、たぶん、君が想像するようなものではない(もしくは君の対戦相手が想像するようなものではない!)。
原初の飢え
これは赤緑の、貪食に焦点を当てたデッキだ。多人数戦では恐ろしい計画のように思えるかもしれない。自身のリソースを複数生け贄に捧げて作り出した一つの巨大な脅威がバウンスされたり殺されたりしたら? だがそのようにはいかない。このデッキは死を愛するクリーチャーで満たされていて、その過程でしばしば君に交代要員クリーチャーをくれる。追加して素敵なトークンと、少々の・・・支援計画が含まれている。
凶暴なるオーラ
緑白デッキは、オーラの広大なテーマの中で族霊鎧を持ち帰ってくる。君のクリーチャー達を不死に近い怪物へと着飾らせながら、その過程でボーナスまで得る。そのデッキにはエンチャントされることを求めるクリーチャーがいて、エンチャントされている時に仕事をするクリーチャーがいて、エンチャント呪文を唱えた時に利益を与えるカードがある。
もっと素晴らしき策略その3 新規カード
オリジナル版のプレインチェイスでは、60枚からなるマジックのデッキは全て再版カードのみで作られていた。だが今回は違う!
昨年のマジック:ザ・ギャザリング 統率者デッキにて、我々は初めてブースターパックに封入されない新規カードを作り出した。これらのカードはエターナルのフォーマット(レガシーとヴィンテージ)で使用可能だが、より重要なのは、カジュアルな多人数戦で使用可能であり、そのためにデザインされたということだ。我々は普段のエキスパンションにはそぐわないであろうカードを作ることになった。そしてそれは大成功だった! ならば何故止める?
- そのデッキを動かす役割を務める、多色の神話レアである伝説クリーチャー。そしてそれは新たな統率者デッキを構築するのにもまた理想的だ。
- レアカードを2種類、1枚ずつ。
- アンコモンカードを2種類、2枚ずつ。
- 1枚のコモンカードをそれぞれのプレインチェイスデッキに1枚ずつ。
新規カードのいくつかは多人数戦でクールな働きをするようデザインされた。だがより多くの場合、その新規カード達は彼らが入るデッキのテーマを支えるためにデザインされた。それはつまり新たな忍者が登場するってこと? イエス。新たな続唱持ちカードが登場するってこと? イエス。(数ある中でも)貪食デッキを潤す新たなトークン製造カードが登場するってこと? イエス。エンチャントデッキに相応しい新たなおかしい道具が登場するってこと? イエス。
《砕けたパワーストーン》 アート:Rob Alexander |
そして、1枚のコモンカードについては? これは伝統的なマジックのカードにおいて、我々がはっきりとプレインチェイスのメカニズムに言及している唯一のものだ。他の全ての新規カードとは異なり、他のどこでも役には立たない。だけどもし君が次元間を漫遊しているのなら、これは手頃な地下鉄トークンだ!(訳注:「subway token」はニューヨークの地下鉄で使われていた代用貨幣のこと)
- プレインチェイス戦以外のゲームでは、《砕けたパワーストーン》の2つ目の能力は効果を持たない。
- 次元ダイスを振るという特別な処理のコストを確定するとき、これにより次元ダイスを振ったことは考慮しない。たとえば、あなたが次元ダイスを2回続けて振り、その後《砕けたパワーストーン》を起動して3回目の次元ダイスを振った場合、そのターンにさらにもう1回次元ダイスを振るときのコストは{2}となる。
もっと素晴らしき策略その4 新たな技術
もちろん、プレインチェイスの中心は次元そのものだと言えるだろう。次元こそ、そのフォーマットをマジックの中の他のどれからも離れたものにしている。次元はジュージューという音、ザワザワとした活気、じたばたの乱痴気騒ぎを加えてくれる。何が言いたいかって、Zだらけだってことだ。だけどそれはまた楽しくって独特で奇妙で面白くって間抜けで無秩序で、それが売りだ。次元の最初の一束はとてもよくやってくれたので、我々デザイナーと開発者は今回、とても大変な仕事をしょい込んだ。そして我々はこの仕事を軽く考えてはいなかった。事実、何年もかけて、異なる一団が新たな次元を作り出すために働いてきた。機会がいつであろうと、時間の都合があれば、人々の一団が顔をつき合わせていた。我々が次に行くであろう次元は何かを知るために。
最もエキサイティングなのは、次元のデザインは多様な異なる経緯を経てきたということだ。何故ならそれぞれの方法論は何か少しずつ違うものと、多くの興奮をもたらしたからだ。
- 我々は場所の選定から始めた。イニストラードの一地方、ラヴニカのとある地域、ウェブコミックで訪れた場所、マジックの小説に登場した地点、そのような探索したいと思う舞台をピックアップした。そしてそれらの場所を元にトップダウンのデザインを作った。
- 我々はアートから始めた。アーティストの選ばれし一団が、独特で魅惑的なビジュアルの風景を作り出すために選出された。それら風景の多くは「アーティストの遊び場」と呼ばれた。そして我々はそのアートを基調に能力をデザインすることができた。
- 我々はメカニズムから始めた。我々がセットのために特殊なカードを必要とする時(通常はレアと神話レア、とはいえ常にというわけではない)、我々は「穴」を埋める多くの創造的個体を徴募する。数年前、我々はこれら穴埋め達の一群を、次元を創造するために選出した。我々はプレインチェイスのデザインが始まる前からデザインされた次元の備蓄を既に持っていた!
- 我々はデッキから始めた。例えば、「凶暴なるオーラ」デッキは、オーラとクールな相互作用をする次元を本気で求めていた。だから我々は次元とオーラとを組にしてデザインした。このようなことは何度かあった。
もちろん、次元(それと現象、独特なカード、デッキ)は開発過程を経てきた。いくつかの次元は最初から素晴らしいもので、一度も変更されなかった。他はゲームプレイをつまらなくするか、悪いプレイパターンにはまるか、ゲームに何らインパクトを与えなかったので、変更されるか没になった。我々はこの開発過程を進める中、最初のプレインチェイスで使用しなかったいくつかの実に巧妙な道具が作業台上にあったのだと実感した。我々は新たな次元テクノロジーを思いついた。我々はそれを酷使はしなかったし、とらえがたいもので、だがその発見に我々は興奮した。この過程がどうだったかを実際に見せるために、私は本日最後のプレビューカードの開発過程を説明しようと思う。
偶像の手
このカードはアートが最初にデザインされた。何故かは君達もわかるだろう。それは単純にすぐれたものだからだ。そのアートがフィリップ・ストローブによって創造された時、このカードはストローブランドという名前とともにその生をスタートした。
アート:Philip Straub |
このカードは疑いもなく汚れた死の地だ。自分用メモ:ここにあまり時間を割かないこと。適切に。オリジナルデザインは一直線に死骸となった。
あなたのターン終了時に、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。
あなたが[chaos]を出すたび、他のすべてのプレイヤーはクリーチャーを1体生け贄に捧げる。
そのカードを正直に適用していた間、それはいい働きをしなかった。そのカードはプレイヤー達へとクリーチャー呪文を唱えることを抑制させた。それらのクリーチャー達はすぐさま黒い煙を吐き出す尖った火山、破滅の煙突に食われてしまうだろうから。時々それは興味深い決定を導きもした(今いるクリーチャーを生かしておくために消耗用クリーチャーを召喚すべきか? まだこの次元に留まって次のプレイヤーにもこの痛みを味わせるか?)。だが通常君達は、ただちにここから脱出するために可能な限りダイスを振る。それは興ざめだったので、変更された。
あなたのアップキープの開始時に、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。
あなたが[chaos]を出すたび、このターンにあなたの墓地に置かれたクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。
生け贄はターンの最後ではなく最初に移されたので、君達が唱えたクリーチャーは少なくともそのターンを生き延びられるようになった。追加して、そのカードは実用的なカオス能力を得て、アップキープに誘発する負の能力とバランスをとった。そしてプレイテスト中のカード名は「アズゴル次元、夜の支配」へと変えられた。
しかし更なるプレイテストによって、それはまだ良い次元ではないことが示された。一つに、私はその新たなカオス能力が好きではなかった。多くの単語を費やし、大きく回り道をして、ただ君のターン開始前に戻るだけだという。私は開発中にそれを没にする羽目になった。
生け贄能力については、それは今や、誰もダイスを振らなければゲームを沈滞させることをしばしば意味した。もし君がクリーチャーを生け贄に捧げるよう強要されたなら、君は間違いなく後に続くプレイヤーにもクリーチャーを生け贄に捧げることを求めるだろう。ひとたび盤上から生命が失われたなら、プレインズウォークすることは、君の対戦相手がクリーチャーを再増殖させるべく奮闘し、君へと飛びかかる態勢を整えることを意味した。だから君はおそらく、すぐにその次元を去ることに関心は持たないだろう。ううむ。新たな技術をゲームプレイに入れるならばここだ。
あなたのアップキープの開始時に、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。それができない場合、プレインズウォークする。
あなたが[chaos]を出すたび、考え中
これらはかつてカードに書いたことのない文章だ。私は悟った、プレインズウォークは次元ダイスによるものに限るべきだという理由は何もないと! この能力の解決は、君をダイスによるものと同様にプレインズウォークさせることができる。今、もし君が飢えた立孔の住人達の食欲を満たすことができないなら、彼らは君をその次元から蹴り出して、ゲームを前に進めさせる。
我々はまだ新たなカオス能力を求めた。前のカオス能力は君へとクリーチャーを与え、クリーチャーを殺す最初の能力を中和していた。我々はそのカードがただ死刑執行だけでなく、死/再生の二面を含むことを好んだ。我々はゾンビトークンで戯れ始め、それはこの死の次元にとてもふさわしいと感じた。奇妙にも、我々はプレインチェイス2009の次元、《The Fourth Sphere》にとても近い場所へと落ち着いた。
明白な共通点があるにもかかわらず、微妙な相違点がその世界を異なるものにしている。まず、「黒でない」という言葉がここではとても大きい。《The Fourth Sphere》は黒単色の「Zombie Empire」デッキと同じボックスに姿を見せていた。つまりその最初の能力が本当に示すのは、君の対戦相手はそれぞれアップキープにクリーチャーを1体生け贄に捧げるが、君はその影響を受けないということだった。そのことは、君は決してダイスロールを望まないが、君の対戦相手は常に望むということを意味していた。その様式は、黒のクリーチャーを含むどんなデッキとってもあてはまる真実だ。「夜の支配」は君にそのような抜け道はくれない。それは公正だ。従ってそのプレイパターンはさほどおつなものではない。
ただし・・・ただし我々がそのプレイパターンをもっと興味深くしたなら。《The Fourth Sphere》のカオス能力は君に1体のゾンビトークンをくれた。もしかしたら《The Fourth Sphere》の存在は、我々はその新次元ではトークンを避けるべきか、もしくはゾンビを避けるべきかということを意味したかもしれない。だけどゾンビを作ることはとても、とてもとても適切だと感じた。ならばこれをもっと多人数戦の政治的カードにするには? 我々が最初の能力へと追加した強制プレインズウォークをもっとねじ曲げ、取り締まるような方法は? 《The Fourth Sphere》から更に遠く、それ自身の独特な生態的地位へと切り離し、両方のカードの存在を隣り合わせにして正当化する方法は?
あるとも。これがそうだ。
あなたのアップキープの開始時に、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。それができない場合、プレインズウォークする。
あなたが[chaos]を出すたび、望む数のプレイヤーを対象とする。そのプレイヤーは、それぞれ黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
これは申し分なくふるまった。カード名は最終的に、怪しげで心をそそる「灰の偶像のねぐら」となった。最終的なカードがこれだ。
このカードと《The Fourth Sphere》がどう比較されるかは、プレインチェイスの2012年版がどう2009版と比較されるかの隠喩にうってつけだ。似ている・・・だが強くなった。我々がこのカードに与えた新機軸の類は途方もなく楽しくて、十分使いたくなるものだ。君達はそれらを様々な異なる次元で見るだろう。新たなプレインチェイス体験を創造するという経験は全て・・・そうだな・・・現象的だったと言えるだろう!
だけど私はそう言うつもりはない。私にとってさえ、そんな言葉はとても安っぽいものだから。
私はプレインチェイスが世界中で発売され、実際のオーバーサイズカードで、そして素晴らしいアートで(プレイテストのステッカーよりもずっと、ね)ゲームを遊ぶのが楽しみだ。君もそうだと願っているよ!
次回まで、転がり続けていてくれ。
マーク
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