READING
翻訳記事その他
基本セット2012のメカニズム
読み物
翻訳記事
基本セット2012のメカニズム
2011年5月23日
6月はマジックにとって忙しい月になります!
統率者のプレビューに始まり、プロツアー・名古屋、新たなるファイレクシアのゲームデイ、統率者の発売と発売記念パーティ、そして月末には基本セット2012のプレビューが始まるのです。
すでに皆さんご存じの通り、マジック界で2012と言えば基本セット2012とデュエル・オブ・ザ・プレインズウォーカー2012です。これらは密接に絡み合っていますし、多くのメカニズムやカードが両方に含まれています(基本セット2012の特別プレビュー・カードがデュエル・オブ・ザ・プレインズウォーカー2012には含まれています)。
基本セット2012には、新しい常磐木メカニズム、帰ってきたキーワード・メカニズム、そして新しいルール用語が含まれています。「新しい」というのは相対的な表現で、既にデュエル・オブ・ザ・プレインズウォーカーでは使われていますし、その1つは基本セットに先駆けて統率者でも使われています。
この瑞々しい情報をまとめて紹介するのに、今日の特別記事は相応しい場所です。この6月に世に出る(あるいは帰ってくる)メカニズムや用語を、基本セット2012のプレビュー・カードとともにご紹介しましょう。
新キーワード:呪禁/Hexproof
感染や賛美のように、ある特定のセットやブロックでのみ使われるキーワードもありますし、飛行や絆魂のようにゲームの「常磐木」部分として扱われているキーワードもあります。常磐木キーワードはあらゆるセットで存在し得るもので、ほとんどのセットではどの常磐木能力も数枚ずつは含まれています。
基本セット2012は新しい常磐木キーワードを導入します。それが「呪禁(じゅごん)」です!
呪禁を持つクリーチャーは、あなたの対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象になりませんが、あなたは通常通り呪文や能力の対象にすることができます。つまり、あなたの対戦相手は《破滅の刃》であなたの《ダングローブの長老》を除去することはできませんが、あなたは《絆魂》のような何かを使って強化することができるのです。
常磐木キーワードの多くがそうであるように、これも新しいコンセプトではありません。《トロールの苦行者》や《聖なる狼》の持っていたおなじみの能力をキーワード化したものです。これらのカードや、他にも呪禁と全く同じ効果を持つ文章を持つカードは、全て公式にこの新しいキーワードを使ったものに修整されます。
《ダングローブの長老》 イラスト by Matt Stewart |
呪禁は、デュエル・オブ・ザ・プレインズウォーカー2012で公開され、基本セット2012を含むそれ以降のカードセットに導入されることになります。
新用語:死亡/die
「[このカード]が戦場から墓地に置かれた時」という言い回しは長ったらしく、プレイヤーたちが気軽にカードについて語り合うときは「[このカード]が死亡したとき」というように短く言うことがよくありました。今後、クリーチャーに関しては、カードにもそのように記載されるようになります。
「死亡する」はクリーチャーだけに用いられる、「戦場から墓地に置かれる」の省略です。
「死亡する」と「戦場から墓地に置かれる」は完全に同じことで、この変更による機能的な変更はありません。言い換えると、この新用語はカードの働きには影響しません。ただ、一部のカードを読みやすく、語りやすくするだけの変更です。
《正義の執政官》 イラスト by Jason Chan |
戦場にないカードや通常クリーチャーでないオブジェクト(例えばエンチャント)、あたはクリーチャーとクリーチャーでない物を含みうるオブジェクト群(例えば複数のパーマネント)を参照している場合、現在の用語を使い続けます。また、特定の墓地に置かれるカードを参照している場合(《屍賊の死のマント》など)にも「死亡する」は使われません。
「死亡する」はデュエル・オブ・ザ・プレインズウォーカー2012で公開されます。統率者では使われませんが、基本セット2012を含む以降のセットでは用いられることになります。
再録キーワード:狂喜/Bloodthirst
常磐木キーワードに加え、最近の基本セットには過去からのキーワードを含んでいます。基本セット2012では、ギルドパクトで登場して(他のキーワードと同様)未来予知で再録されていたキーワード、狂喜を取り上げています。
「狂喜 N」は、「このターン、いずれかの対戦相手にダメージが与えられている場合、このパーマネントは+1/+1カウンターがN個置かれた状態で戦場に出る。」を意味します。
ダメージによらないライフの喪失(例えば《蒸気の絡みつき》によるもの)は、狂喜持ちのクリーチャーにカウンターをもたらしません。その一方で、感染持ちの発生源(《嚢胞抱え》など)からのダメージはライフの喪失をもたらしませんが、狂喜持ちのクリーチャーにカウンターを与えます。
《血まみれ角のミノタウルス》 イラスト by Wayne Reynolds |
そのダメージがブロックされなかったクリーチャーからの戦闘ダメージか、それとも呪文や能力によって与えられた物か、またそのプレイヤーが後にライフを得たかどうかは考慮されません。考慮されるのは、単に、そのクリーチャーのコントローラーから見た対戦相手のうち少なくとも1人が、その同じターンの間、そのクリーチャーが戦場に出る前にダメージを受けたかどうかだけです。
狂喜はデュエル・オブ・ザ・プレインズウォーカー2012と基本セット2012に存在します。
再録カード・タイプ:プレインズウォーカー
プレインズウォーカー・カードは、2007年にローウィンで登場して以来マジックの一部であり続けています。プレインズウォーカーのルールについては何も変更はなく、以下に述べるのはプレインズウォーカーを使う上での注意点をすっきりさせるものです(あと、基本セットに新しく入るカードを紹介する口実です)。
プレインズウォーカー・カードは基本セット2012と以降のカード・セットに存在します。プレインズウォーカー・キャラクターはデュエル・オブ・ザ・プレインズウォーカー2012に登場します。
プレインズウォーカー・カードは他のカードと同じように、ゲームの開始時にデッキに混ぜて切り直されます。プレインズウォーカーを唱えることができるのは、あなたがソーサリーを唱えることができるときだけです。プレインズウォーカーはパーマネントなので、あなたのコントロールするプレインズウォーカー呪文が解決されると、あなたのコントロール下で戦場に出ます(ただし、プレインズウォーカーはクリーチャーではありません)。
《ソリン・マルコフ》 イラスト by Michael Komarck |
プレインズウォーカーはそれぞれ、サブタイプを持ちます。例えば、《ソリン・マルコフ》は「プレインズウォーカー ― ソリン」とタイプ行に書かれています。戦場にある複数のプレインズウォーカーが同じサブタイプを共有していたら、それら全てはそれぞれのオーナーの墓地に置かれます。チャンドラのようないくつかのプレインズウォーカー・タイプは、複数種類のプレインズウォーカー・カードで使われています。
プレインズウォーカー・カードの右下角に書かれている数字は「忠誠度」を示し、プレインズウォーカーはその数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出ます。忠誠カウンターが乗っていない状態で戦場にある場合、プレインズウォーカーはそのオーナーの墓地に置かれます。
忠誠度能力
プレインズウォーカーは、それぞれがいくつかの起動型能力を持っており、それらを忠誠度能力と呼びます。それらの能力を起動できるのは、ソーサリーを唱えることができるときだけで、またそのプレインズウォーカーの忠誠度能力がそのターンに一つも起動されていない場合だけです。
忠誠度能力を起動するコストは、特定の数の忠誠カウンターをそのプレインズウォーカーに乗せたり取り除いたりすることです。例えば、《ソリン・マルコフ》の[+2]シンボルは「このプレインズウォーカーの上に2つの忠誠カウンターを置く」ということを意味し、[-3]シンボルは「このプレインズウォーカーから3つの忠誠カウンターを取り除く」ということを意味します。プレインズウォーカーの上に取り除くべき数の忠誠カウンターが乗っていない場合、マイナスのコストを持つ忠誠度能力を起動することはできません。
プレインズウォーカーを攻撃する
プレインズウォーカーを攻撃することができます。攻撃クリーチャーを宣言する際に、それぞれの攻撃クリーチャーが対戦相手を攻撃するのか、その対戦相手のコントロールするプレインズウォーカーを攻撃するのかを選びます。対戦相手は、それらのクリーチャーがどちらを攻撃しているかに関係なく通常通りブロックできます。クリーチャーがプレインズウォーカーに戦闘ダメージを与えた場合、そのプレインズウォーカーからその量の忠誠カウンターが取り除かれます。
他の発生源も、プレインズウォーカーにダメージを与えることができます。あなたがコントロールする呪文や能力が対戦相手にダメージを与える場合、その代わりにあなたはそのダメージをその対戦相手がコントロールしているプレインズウォーカーに与えさせることができます。ですから、《ショック》でプレインズウォーカーを対象にできなくても、《ショック》で対戦相手を対象にし、そしてその2点のダメージを対戦相手の代わりにそのコントロールしているプレインズウォーカーに与えることができるのです。ただし、このダメージをプレイヤーとプレインズウォーカーの両方に与えたり、分配したりすることはできません。プレインズウォーカーに与えられたダメージは、その結果としてその量の忠誠カウンターをそのプレインズウォーカーから取り除きます。
RANKING ランキング
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
ジャンド独創力:プランは複数、独創力のみにあらず(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.20戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
-
2024.12.19戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.19コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
2024.12.18戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.18広報室
2024年12月18日号|週刊マジックニュース
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事