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MAGIC STORY
タルキール龍紀伝
龍出没注意
龍出没注意
Gavin Verhey / Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing
2015年3月17日
ドラゴンだー! ドラゴンが出たぞー!
『タルキール龍紀伝』カードイメージギャラリーで全てのカードが公開されているが、まだ見ていないならぜひ確認してきてほしい。命令サイクル、軽量除去呪文、優良クリーチャー、そしてもちろん強大なドラゴンの数々が揃ったこの大型セットは、スタンダードに大変動をもたらすに違いない。もしメタゲームががらっと変わったとしても私は驚かないよ。
さてそこでだが、ドラゴンとともにこの素晴らしきスタンダード新世界を探検するには、どこから始めるのが良いだろうか?
今回の「ReConstructed」では、タルキールの空を支配している荒々しいドラゴンたちに注目した読者の投稿デッキを集めて、美味なるバイキング料理を提供するよ。お店のイベントなどで、集めるカードのアイデアを決めたいなら、ここから手をつけ始めるといいぞ!
さて、ぐずぐずしてる場合じゃない。タルキールの時間と空間を隅から隅まで網羅するんだからね。搭載したドラゴンで直接殴りかかるだけでなく、そのドラゴンとのコンボ要素も備えた、5つのドラゴン・デッキを列挙するぞ。始めよう!
龍の降下コンボ
私が取り上げたい最初のデッキには、「クリーチャー ― ドラゴン」のカードが1枚も採用されていない。どうなってる?
いや、このデッキにドラゴンが居ないってわけでもない。とある方法により、デッキのクリーチャーはすべてドラゴンなんだ。いわばシュレディンガーのドラゴン......のようなものかな。
見てみよう。
3 《島》 4 《山》 4 《シヴの浅瀬》 4 《天啓の神殿》 4 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 -土地(23)- 4 《戦場の秘術師》 4 《前兆語り》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 -クリーチャー(12)- |
4 《予期》 4 《龍の大嵐》 4 《マグマの噴流》 4 《軍族童の突発》 3 《蒸気占い》 4 《龍の降下》 2 《時を越えた探索》 -呪文(25)- |
認めるよ、過去にこんなデッキは見たことがない。アサダ(と、似たようなデッキを投稿してくれたショーン・スキナー/Sean Skinner)は、かなりエキサイティングな相互作用を投入してきた。
《龍の降下》は、自分のクリーチャーすべてをドラゴンへと変えるには少々重いかもしれない。例外は......《戦場の秘術師》がいるときだ! こいつを覚えているかい? 《戦場の秘術師》がいれば、ほとんどの場合《龍の降下》のコストはたったの{R}{R}になる。
しかしドラゴンの大群を得るだけでは終わらない。《龍の大嵐》がすぐさま対戦相手を倒すだろう――もしドラゴンが戦場に出たときに誘発する能力からのダメージだけでは足りないなら、速攻を得たドラゴンの群れによる攻撃が完全なとどめになる。
この動きは実際には《戦場の秘術師》を必要とすらしない。秘術師は早いゲームにおいて良い助けになるが、遅いゲームなら《龍の降下》の重いコストをそのまま支払って勝つこともできる。
このデッキのコンセプトは本当にクールでユニークだ。もし私がこのデッキをさらに調整するとすれば、《龍の大嵐》と飛行・ドラゴンとの相互作用をより劇的なものにできないか考えるだろう。例えば、《雷破の執政》、《氷瀑の執政》、そして《嵐の息吹のドラゴン》はどれも、《龍の大嵐》環境下で確実に仕事をしてくれるであろう手堅いカードだ。その場合、《シルムガルの嘲笑》や《龍詞の咆哮》はかなり強力なんじゃないかな。よりドラゴンを意識したテンポ・デッキにしてみたり、軽いカードで押し切れるか試してみるのもありだろう。
ティムール・ドラゴン・コントロール
《龍の降下》デッキから、実際にドラゴンが入ったドラゴン・デッキへと移行しよう。パブロ・スケノーネ/Pablo Schenoneはティムールの新しいデッキを組み上げた。
緑のランプ(マナを伸ばす行為)に青と赤のコントロール要素を組み合わせることで、新たに加わったドラゴンを巧みに利用している......そしてドラゴン要素を取りまとめるのは、ほかならぬサルカンだ!
3 《森》 3 《島》 3 《山》 4 《開拓地の野営地》 2 《ヤヴィマヤの沿岸》 3 《神秘の神殿》 2 《奔放の神殿》 2 《シヴの浅瀬》 3 《天啓の神殿》 1 《進化する未開地》 -土地(26)- 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《雷破の執政》 2 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(10)- |
3 《頑固な否認》 4 《予期》 4 《無効化》 4 《シルムガルの嘲笑》 4 《ティムールの魔除け》 2 《荒ぶる波濤、キオーラ》 3 《揺るぎないサルカン》 -呪文(24)- |
通常なら《開拓地の野営地》が入ったデッキには、続けて《凶暴な拳刃》のようなカードが並ぶと予想するものだが、ここではそうじゃない。《シルムガルの嘲笑》、《ティムールの魔除け》、そして《頑固な否認》といった有力な打ち消し呪文一式を取り揃えたこのデッキは、本当に対戦相手のデッキを封殺できるかもしれないぞ。そうしつつ、こちらは強大な脅威を繰り出していくんだ!
このデッキは軸となる素晴らしい要素を持っているだけでなく、多少別の方向性へと変化することもできる。もし、よりコントロール・デッキであろうとするなら、さらなる除去呪文の追加は必須だ。《焙り焼き》はそのための良い選択肢だし、《龍詞の咆哮》も可能性を秘めている。このデッキは《森の女人像》を採用していないので、《神々の憤怒》もいかにも使えそうなカードだ。除去を控えてランプする方向性を伸ばしたいなら、《森の女人像》のようなカードは検討の価値ありだろう。
しかしながら、このデッキはいくつかの調整を行うことで、ゲームをコントロールすることと、4/4のドラゴンと打ち消し呪文を利用して遅いデッキに先行すること、その両方をこなせる構成になる。注目すべきは、対戦相手が《雷破の執政》に除去を唱えてきて、それをこちらが打ち消した場合でも、3点のダメージを飛ばせる点だ。ひえーっ!
いや、ちょっとまって、ナヤはタルキールにはないよ!
ナヤはアラーラ次元の断片(より正確に言えば赤緑白の断片)かもしれないが、だからといって、その3色の素晴らしいドラゴンをスタンダードで集合させない理由にはならないさ。
マーク・イアン・アローソ/Mark Ian Allosoは赤緑の要素を中心に手堅く構築しつつも、怪物とドラゴンが並び立って強烈な攻撃をしかけられるデッキになるよう、そこに白の呪文をいくつか加えた! こんな感じだ。
3 《山》 4 《森》 2 《平地》 4 《樹木茂る山麓》 2 《吹きさらしの荒野》 4 《奔放の神殿》 4 《豊潤の神殿》 1 《マナの合流点》 -土地(24)- 4 《羊毛鬣のライオン》 4 《森の女人像》 3 《クルフィックスの狩猟者》 3 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 2 《狩りの先駆け》 3 《龍王ドロモカ》 -クリーチャー(23)- |
2 《岩への繋ぎ止め》 4 《アタルカの命令》 4 《火口の爪》 1 《払拭の光》 1 《英雄の導師、アジャニ》 1 《龍語りのサルカン》 -呪文(13)- |
5/7の警戒絆魂持ちによる攻撃は強烈だ。
《龍王ドロモカ》がお披露目されたときは、他の龍王に比べれば盛り上がらなかったが、通ればある種のデッキを停止させてしまえるカードだ。《悪斬の天使》系に位置する《龍王ドロモカ》があることで、このデッキは素早く彼女を叩きつけて多くの対戦相手を悶絶させることだろう。
とにもかくにも、このデッキはランプに尽力し、《森の女人像》、《クルフィックスの狩猟者》、そして新顔の《アタルカの命令》を用いて土地を並べまくる。いったん5マナに達すれば、盤面に《嵐の息吹のドラゴン》のような強大な脅威を送り込み始めることができる――そして6マナともなれば、そこに《龍王ドロモカ》と《狩りの先駆け》が加わる。対戦相手のライフを後少しにまで追い込んだら、《火口の爪》が決着をつけるだろう。
いや、私はこのデッキが微妙だなんて言わないよ。
このデッキは大量のクリーチャーを相手にする場合にのみ、素晴らしいだろう――単にそういうことさ。そこでだが、《爪鳴らしの神秘家》はランプするための別の要素が必要ならいい働きをすると思う。《羊毛鬣のライオン》は序盤に唱えるのがちょっと難しいし、私が思うに白をタッチで使うなら序盤に白を必要としないほうがいい。それと、《ドロモカの命令》と《龍王アタルカ》はどちらもこのデッキの優秀な追加カードとなりえるだろう。前者は除去としても使える、便利なカード。後者は除去としても使える、流れを変えるカードだ。
大量の赤と緑のドラゴン、それに加えて白の呪文、最後にさらなる決定打となる白を含んだドラゴン、その全てを取り込んだ赤緑モンスターデッキをプレイしたいなら、このデッキだ。上のような感じで試してみてくれ!
ラクドス・ドラゴン
ここまで3色のデッキばかりを見てきたが、(そしてこのあともう1つ見ることになるが、)2色の組み合わせについても話したい。皆は黒赤という組み合わせについて、ドラゴンに注目した色としての期待を持っていないかもしれない。しかし実際には、ドラゴンのための素晴らしい選択肢がいくつも備わっている。自分のドラゴン軍団には傷一つつけることなく、対戦相手に《疫病風》を食らわせる、そんな《命運の核心》を使いたいなら、このデッキがそうだ!
見てみよう。
8 《山》 6 《沼》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《悪意の神殿》 2 《血溜まりの洞窟》 -土地(24)- 4 《龍王の召使い》 4 《炎跡のフェニックス》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 2 《雷破の執政》 2 《嵐の憤怒、コラガン》 2 《嵐の息吹のドラゴン》 2 《龍王コラガン》 -クリーチャー(20)- |
2 《思考囲い》 2 《龍の大嵐》 2 《英雄の破滅》 2 《前哨地の包囲》 2 《エレボスの鞭》 4 《命運の核心》 2 《龍の降下》 -呪文(16)- |
攻撃も防御もうまくこなせるのが、このデッキの極めて面白い部分だ。《ゴブリンの熟練扇動者》に続けて《雷破の執政》を展開したいって? いいとも。ゲームをコントロールするために、《英雄の破滅》と《命運の核心》を続けざまにぶっ放したいだって? もちろんできるさ!
このデッキを改善するための鍵は、このデッキに必要なものをもう少しよく理解し、そのために数を絞っていくことだ。私は2枚挿しが多いデッキを見かけたときに思うことがある。デッキ構築者は、デッキが求めている最適なカードがどれなのか、決めきれなかったんだな、と。これは実際のところ《龍の降下》デッキだろうか? クリーチャーを見る限り、恐らく違うだろう。アグレッシブにいくなら《炎跡のフェニックス》は有効だと思うが、コントロールに寄せたいのであればサイドボードに送ったほうがいいだろう。
とは言うものの、そういった問題を除けば、ここには良い構成要素が数多く並んでいる。軽量のドラゴンを目いっぱい詰め込んで《命運の核心》を使う、という残酷な手法を取り入れたデッキをプレイできるのは魅力的だね。あなたもそう思うなら、おそらくラクドス・ドラゴンはあなた向きだ!
もう一度ジャンドに戻ろう
サルカンの故郷はタルキールとジャンドだ――それだけで、タルキールのドラゴンをジャンド・デッキでうまくまとめるには充分だろう。これはそれらのドラゴンについて本気で取り組んだミッドレンジ・デッキだ! 《火のるつぼ》や《精霊龍のるつぼ》まで採用しているぞ。
興味が出てきたかな? ちょっと見てみよう!
2 《森》 4 《山》 2 《沼》 3 《樹木茂る山麓》 3 《血染めのぬかるみ》 2 《奔放の神殿》 2 《疾病の神殿》 2 《悪意の神殿》 2 《精霊龍のるつぼ》 -土地(22)- 4 《エルフの神秘家》 4 《森の女人像》 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《雷破の執政》 3 《嵐の憤怒、コラガン》 3 《世界を溶かすもの、アタルカ》 -クリーチャー(22)- |
4 《稲妻の一撃》 3 《龍の大嵐》 2 《火のるつぼ》 3 《命運の核心》 2 《龍語りのサルカン》 2 《龍の降下》 -呪文(16)- |
ドラゴンに焦点を合わせた他の緑含みデッキ同様、リストの片隅に《森の女人像》/《クルフィックスの狩猟者》/《エルフの神秘家》のセットが見える。しかし重視しているのが『運命再編』と『タルキール龍紀伝』のドラゴンだというのは間違いない。
他のいくつかの(特に最初に紹介した)デッキのように、このデッキも《龍の大嵐》を利用し、《龍の降下》コンボも採用している。しかしこのデッキの《龍の大嵐》には強烈な存在感がある。それが最も明白なのは、《世界を溶かすもの、アタルカ》との組み合わせだ。速攻を付与することで、唱えたターンに12点の戦闘ダメージを叩きだせるぞ。もしも(例えば《雷破の執政》や《嵐の憤怒、コラガン》といった)他のドラゴンに続けて展開したのであれば、相手はもう生きちゃいないさ!
このデッキを安定させるために《龍王アタルカ》が役立つのは間違いないと思うよ。《火のるつぼ》がデッキリストに入っているのは確かにそれっぽいけど、使うにはちょっとばかり熱すぎるかな!
ある意味、このデッキは私の大好きな要素を他のデッキリストから持ってきて組み合わせたものと言える。戦場にドラゴンを並べて《命運の核心》を唱えられる。突然大打撃を与える能力もある。《龍の降下》と《龍の大嵐》のコンボまである。ここには素晴らしい動きになる要素が数多く詰め込まれており、いくつかのバージョンを試してみる価値は絶対にあるぞ。
(以下のデッキ募集部分は、原文・本日(3月31日)掲載分の記事から抜粋・収録しております。 この節の文責・編集 吉川)
モダンの龍
今の時期のスタンダードは素晴らしく楽しい......だが、モダンにもワクワクが待っているぞ!
皆さんはどんなモダン・デッキを考えているだろう? さあ、今こそそれを示してくれ!
フォーマット:モダン
デッキの制限:なし!
締め切り:4月7日(火) 午前10時(日本時間)
投稿方法・投稿先:reconstructeddecks@gmail.com 宛にメールにて。
デッキリストは、最初の行に「あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)」、それに続いて各行に1種類のカードを、「枚数(半角数字)」+「半角スペース」+「カード名(英語)」の形式で、以下のように入力していただきたい。
12 Mountain
4 Satyr Firedrinker
3 Ash Zealot
4 Lighting Bolt
カードの枚数と名前の区切りには半角スペース以外のものを使わないでほしい――「4x Lightning Bolt」などのように。整った書式のデッキリストは、読みやすく、このコラムに取り上げやすくなる。書式が崩れたリストはおそらく受け付けられないだろう。(デッキリストを読めないことには、それについて語ることもできない!)
皆さんのモダン・デッキを見ていくことを私はいつも楽しみにしていて、それらがどう変わっていくのかにワクワクしている。『タルキール龍紀伝』の新しいカードを使ったならボーナスポイントをあげよう!
それまで、この記事についての感想やフィードバックがあれば、気軽に私に送ってほしい! 私へのツイートや、Tumblrでの質問はいつでも歓迎だ。必ず拝見することをお約束しよう。
また次回お会いしよう!
Gavin / @GavinVerhey / GavInsight
DragonsofTarkir タルキール龍紀伝
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