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企画記事

あなたの街のティーチングマイスター 第14回:晴れる屋トーナメントセンター東京(東京都) 菊地啓史さん
「ティーチングマイスター」とは、初心者にマジックを教える認定資格を持つ人のこと。「あなたの街のティーチングマイスター」では、『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』が発売となるこのタイミングに、全国各地にいる彼らの紹介インタビューをシリーズで掲載していきます。
今回は、昨年12月の「東京コミコン2024」でもティーチングを担当したこの方です。
「好き」を追いかけて
──本日はよろしくお願いします。まず、マジックとの出会いについてお聞かせください。
菊地:子供の頃に漫画「デュエル・マスターズ」を読んでいて、そこでマジックの存在自体は知っていました。それから何年か経った後に、ネットかどこかでマジックのアートを見て「ああ、こういうイラストのカードゲームもあるんだ」と興味が湧いたのがきっかけです。
確かエルドラージ......《荒廃の双子》だったかな。人型だけどちょっと異形、みたいなデザインを見て惹かれて。そこで、MTGアリーナがパソコンで遊べることを知って、じゃあゲームとしてもやってみよう、ということではじめました。『ラヴニカの献身』『ラヴニカのギルド』くらいの頃ですね。
──まずはイラスト、そしてアリーナから、と。その後、実際のカードの方でプレイされるようになったのはいつ頃でしょうか?
菊地:『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』の統率者デッキがきっかけですね。青黒のホラーデッキがあったんですけど、これも人外系といいますか、デザインの方向性がエルドラージと似ているんです。このデッキ面白そうだな、と購入して、改造するところから実物を触りはじめた感じです。
今でも基本的には統率者メインで遊んでいます。仕事終わりに遊んだりもして。複数人でワイワイやれる、コミュニケーションツールとしての楽しみ方が非常に好きですね。
──おお。お気に入りの統率者をお伺いしてもよろしいでしょうか。
菊地:今は《海の災い魔、ハウラー船長》を使っていますね。他のディスカードと組み合わせて、いきなりサイズを上げてバン!みたいな動きをするのが楽しいです。統率者戦だと一人が強い動きをすると周り3人がざわざわしちゃうんですが、そういったところもちょっと好きです。
──ありがとうございます。ではそうしてマジックを楽しまれる中で、現在のお店にお勤めになることを決められたのでしょうか。
菊地:大学ではまったく関係のない分野を学んでいて、卒業後に国家試験を受けることになったんです。でも、いざ試験を受けるぞ、となったときに、「別にそんなに好きじゃないかも……」って思ってしまいまして。
それよりは好きなこと、マジックを自分の仕事にしてみようかなと考え、アルバイトを経てこちらで働くことになりました。
──国家試験直前まで進まれたということは、結構長い時間をかけてお勉強されたこととお見受けします。
菊地:そうですね。もちろん不安といいますか、本当にこの選択をしてもいいのか?という気持ちはありました。
ただそれ以上に、あまり興味のない分野でこれからの日々を過ごしていくのが、自分にはちょっと耐えられないかなと思って。子供のころから触れているカードゲーム、なかでもすごくハマっているマジックで行こう、と。
──情熱を傾けられるか、という点が決め手だったわけですね。
マジックの輪を広げたい
──ではその後、マイスターを取得されるまでにはどのような経緯があったのでしょうか。
菊地:客数が多く、ティーチングイベントも沢山開催されるTC東京では、スタッフのマイスター取得が推奨されていました。
──そこでご自身から立候補された?
菊地:お店の上の方から声をかけていただいて、やりたいです、と。晴れる屋に来た原動力の一つにこの面白いゲームをもっと広めていきたいという想いがあったので、初心者の方と向き合って輪を広げていくマイスターの役割はそこにも合っていましたね。
カードゲームって、どうしても対戦相手がいないと成立しないものじゃないですか。なのでそれを増やしたい、という思いもありますし、色んな方に知って欲しい。
それからマジックという共通言語があると、初対面の人とでも繋がることが出来ます。それこそ海外の方とでもコミュニケーションが成り立ったりするので、言葉とはまた違った交流の楽しさを知ってもらいたいなという気持ちがあるのかもしれません。
──カードを介して言語の壁も越えられるというのは、確かにマジックならではの体験かもしれませんね。
──ティーチングについてもう少し聞かせてください。マジックに初めて触れてもらうにあたって、気を付けていることはありますか?
菊地:できるだけ難しい単語や専門用語を使わないことでしょうか。カードゲーム自体を全くやったことがない方には、ドローと言っても伝わりませんし、ハンドと言っても何のこと?と。なるべくやさしい言葉を使うと言うのは必ず心がけています。
あとは、できるだけイレギュラーを話さないこと。特殊な例が無限に出てくるゲームですが、それらはできるだけ話さずになるべく理解しやすいようにしていますね。
──なるほど、ドローが伝わらない、というのは盲点でした。そうしたティーチングでやりがいを感じた瞬間、印象的な思い出などはありますか?
菊地:初心者体験会で教えた方がまた来店されているのを見たときです。非常に嬉しいですね、ちゃんと続けてくれているんだなって。口コミに「初心者体験会が非常に楽しかったです」みたいなことを書いていただいたこともあって、具体的にこの体験が良かったと言っていただけたのがめちゃくちゃ嬉しかった。
あとは先日コミコンに初心者体験会担当として読んでいただいたというのも光栄でした。色々な場所やイベントでマジックを教えるというのは、マイスターにしか味わえない楽しみなんじゃないでしょうか。
──逆に、マイスターを務めるうえで難しいなと感じたことなどもあったりするのでしょうか?
菊地:マイスターと名乗る以上、中途半端なことはできないな、という責任のようなものは感じていますね。自分のティーチングでこの人がこれからマジックを楽しめるかが決まるんだ、ということは毎回考えております。
──確かに責任重大ですね。
菊地:覚悟というか、心構えのようなところですね。
込められた魅力を共に
──いよいよWPN店舗では6月6日に先行販売が開始となる『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』。マジック・アカデミーもFF仕様となり、これからマジックを始めてみよう!という方も多くなるはず。意気込みや想いを聞かせてください。
菊地:日本を代表するゲームということもあり、これまで全くマジックを知らなかったという方もたくさんいらっしゃるはず。そういった方にもマジックの魅力が伝わるように分かりやすく体験会を行いたい、と強く思っています。
──マジックの魅力、といいますと。
菊地:奥深さ、でしょうか。二人対戦の真剣勝負、4人でワイワイ楽しむ統率者戦みたいな、ゲームとしての魅力も様々ありますし、背景ストーリーや背景世界、イラストといった楽しみ方もあります。色んな楽しみ方ができるのが魅力の一つです。
それから、カードゲームの祖ということもあって、非常に様々なゲーム的要素を包括しているのもポイントかもしれません。ちょっと触ってもらえれば、必ず自分の好きな戦略やカードが見つかると思いますよ。好きなタイミングで応酬ができるインスタントなど、マジックならではのものもありますし。
あとは、カードとして表現されたFFのキャラクターの面白さを知っていただきたいですね。例えばFF7の主人公・クラウドのテキストには7という数字が散りばめられているんだよ、とか。マジックはこの落とし込みが上手いカードゲームだと思っているので、ぜひ伝えられればと思います。
──ゲームデザインとしての原作再現、ということですね。注目しているカードなどはありますか?
菊地:召喚獣をクリーチャー・英雄譚として表現するメカニズムがとても優れているなと。召喚されて活躍して、最後に必殺技を発揮して消えていく。召喚獣の動きが上手く落とし込まれています。
特に《召喚:バハムート》には個人的に注目しています。先ほど統率者戦のお話をしたんですが、最近使っているもう一つのデッキが《書かれざる者、ウレニ》統率なんですね。
──ライブラリー上8枚からドラゴンを呼び出す……ということは、《召喚:バハムート》が出せる!
菊地:4人での対戦となると考える量も増えてきてしまうので、こういう派手なカードを使いたくなってしまいますね(笑)
──最後に、ここからはじめる皆様にメッセージをお願いします。
菊地:マジックというゲームは世間一般的なイメージとして「なんか難しそう」と捉えられがちなところはどうしてもあるんですが……少し触れてもらえば分かる楽しさ、魅力というものもたくさん詰まっています。
そういったことを我々のティーチングでお伝えして、難しく捉えずに楽しんでいただきたい。なので、コラボでちょっと興味が湧いたなら、いったん触ってみてくれませんか?ちょっとこちらに来ていただけませんか?という気持ちです。ゲーム、アート、コレクション、色んな楽しみ方ができるので。
あと、私は今回のコラボをきっかけにFFを初めたんですよ。3からスタートして、今は6の途中。おそらく来てくださる皆さんの方がずっとお詳しいので、お互いに教え合う双方向の体験会ができたら楽しいな、なんて思っています(笑)
──ティーチングのトレード、素敵なアイデアです!本日はありがとうございました。
晴れる屋トーナメントセンター東京
住所:〒169-0075 東京都新宿区高田馬場 3-12-2 OCビル 2F
電話番号:03-5332-7544(代表)03-5332-7517(通販専用)
公式サイト:こちらから
「晴れる屋トーナメントセンター東京」は東京・高田馬場にあり、最大300席の大規模プレイスペースが特徴的です。プレイヤーの憧れ・フィーチャーエリアも完備。自販機やWi-Fiも備えられ、広い店内で一日中マジックを楽しむことができます。
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