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コラム

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あなたの街のティーチングマイスター 第12回:GAMEBAR LOTUS(大阪府) 北村剛さん

瀬尾 亜沙子

 「ティーチングマイスター」とは、初心者にマジックを教える認定資格を持つ人のこと。ティーチングマイスターが教えるマジック体験会「多元宇宙への招待状」の開催を記念し、全国各地にいる彼らの紹介インタビューをシリーズで掲載していきます。

 第12回は、統率者戦のメッカであるゲームバーの元常連客で、今は店長のこの方です。

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常連客から店長へ

――マジックをやるようになったきっかけは?

北村:小中学生のときに、少しだけマジックに触れる機会があったんです。友達が親戚からもらった寄せ集めのカードを「魔法のカードや!」とみんなで分け合ったりして、ほんとにマジックの入り口にちょっと触れた程度です。
その後マジックを再開するのは、社会人になってからですね。高校くらいからいろいろなTCGをずっと遊んでいて、別のカードゲームを遊ぶためにこのお店に来て……当時まだ開店して1年目くらいだったんですけど、常連客になりました。『灯争大戦』が出たときにマジック・リーグが始まって、それを機にどっぷりはまるようになりました。

――いろいろなTCGをやってきて最後にマジックにハマったということですが、その魅力とは?

北村:歴史が長いので多種多様なカードがあって、統率者戦を遊びまくっているような人でも、突然知らないカードに出くわすことがあるのがおもしろいんですよね。あと、ルールにもすごいハマってしまったんです。特にスタックという概念に惚れ込んでしまいまして。

――へえー、スタックがお好きなんですか?

北村:ほかのTCGにも、相手の使うカードに対応してこちらが何かする、スタックのようなルールはたくさんあるんですが、やりとりをいったん全部解決するルールがほとんどなんですね。マジックの場合、解決している途中でまたスタックを積める。だからこそ成立しているコンボやテクニックがたくさんあって、そこがおもしろいんです。

――なるほど。今はこちらの店長さんとのことですが、このお店で働くようになった経緯は?

北村:前職は家電量販店勤務だったのですが、退職することになり、この店で働くことになりました。そこから、店長になったのは今年です。

――こちらのお店ができたのはいつですか?

北村:2018年6月で、今6年目です。
最初はほかのTCGがメインだったんですが、マジック・リーグによるマジックブームが店に到来しまして、それと同時にコロナが始まると、次第に統率者戦に移行して、今では統率者戦が大ブームになりました。

――マジック・リーグは不特定多数の人と遊ぶけど、統率者戦はよく知ってる友達と少人数だけで遊ぶから、コロナ禍でもやりやすかったということですか?

北村:そうですね。あと、ほかのTCGをやっていたお客様もコロナで出るイベントがなくなってしまったので統率者戦に加わったり、ほかのお店で遊んでいた方が、「最近あの店で統率者戦がブームらしい」と噂になって来店されたりして、どんどん輪が広がっていきました。

――じゃあここは、統率者戦の大好きな人たちが集まるお店なんですね。

北村:当店は、イベント自体はいろいろなフォーマットでやっているんですが、お客様のほぼ全員が統率者戦をメインに遊ばれてるんです。
統率者戦って、デッキのレベル帯を合わせるという要素があるんですけど、当店は統率者戦をメインにやっている人ばかりなので、デッキもたくさん持っているんです。「カジュアルで楽しいデッキを遊びたい」という人と卓を囲めばそういうデッキを用意するし、「強いデッキを使いたい」という人が来れば強いデッキで迎え撃つ、という感じで臨機応変に遊んでらっしゃいます。ですので、始めたばかりの方でも、すぐに輪に入ることができます。

――統率者戦は飲みながらワイワイ遊ぶのにも向いてますし、いいですね。

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マイスターへの道

――ティーチングマイスターの資格を取られたのは2022年の12月とのことですが、その理由は?

北村:統率者戦はルールが複雑になりやすいので自然と詳しくなっていき、時々ルールについては教えることがあったんです。
そんな中、ほかのお店でティーチングマイスターが講習をやっている場面を見たら、予備知識がゼロの人にもわかりやすく教えていて、すごいなと。自分はルールはまあまあ詳しいけど、人に伝えるすべは乏しいということに気づきまして、ティーチングマイスターになって教える技術も身につけようと考え、応募しました。

――マイスターになるには試験がありますが、その「初心者の人にゼロから教える」ような教え方というのは、試験勉強とかをしたんですか?

北村:応募した段階で、先輩マイスターの人とお話しする機会をいただきまして、まずティーチングマイスターとはどういうものか、どういうふうに教えないといけないのか、どういう言葉を使ってどういう言葉は使わないようにするか、といったことを丁寧に教えていただけたんです。その教えてもらった内容を復習して自分の中で落とし込んでから、試験で実際にそれをやるということになります。

――最初に座学みたいなのがあるんですね。

北村:なので、自力で1から10まで準備してから応募しないといけないわけではないんですね。基本的なルール知識と志さえあれば、先輩方に教えてもらう機会はありますので、応募のハードルは思ったほど高くないというか……先輩方のおかげで低くしていただけた形です。

――マイスターになってから、ティーチングの機会はありましたか?

北村:そんなに多くはないですが……友達が統率者戦をやっていて、一緒にやってみたいとなったとき、その友達が「あのお店に行くと教えてもらえるよ」と紹介して、それで来ていただける方が多いです。
また、しばらく前に天使のプレイマットがもらえるキャンペーンのとき、そのプレイマットが欲しいので、マジックのルールを知りたいという方もいました。マジックをやってはいなかったけどイラストが好きなので、じゃあマジックを覚えてイベントに参加しようと。

――それはすごい。ティーチングの際、何か気をつけている点などはありますか?

北村:何かほかのTCGに触れたことがあるかどうか最初に確認して、あればそのゲームの似ている部分にたとえたりして、スムーズにわかるようにします。TCGに触れたことがない人には、専門用語を不用意に使わないように注意します。ドローとか、当たり前の用語ですが日常生活では使わない言葉なので。

――確かにそうですね。では、ティーチングをやってよかったことは何ですか?

北村:ティーチングを受けていただいた方が、次に来店されたときには統率者戦のデッキをもう持っていて、ティーチングのときは「土地のタップって何?」レベルだったのに、別人のように軽快に土地をタップして楽しそうにやっているのを見ると、その成長ぶりに驚きと嬉しさを覚えますね。

デッキのレンタル制度

――えっ、初心者向けのデッキで学んだ次の機会には、もう統率者戦用の100枚デッキを作ってくるんですか? すごい飛躍ですね。

北村:そういう熱意のある方もいますが、うちではオリジナルの統率者デッキの販売と、レンタルをしているんですよ。

――ああ、それはいいですね!

北村:たとえば、常連のお客様がマジックに興味のあるお友達を連れていらっしゃって、その人がティーチングを受けたあと、そのままこのレンタルデッキで遊んでみることもあります。

――統率者戦って知識ゼロからは始めにくいし、レンタルでいろいろ試せるのはすごくいいですね。

北村:今は20種類以上バラエティ豊富に用意していますので、しっくりくるデッキがあればそれを少しずつカスタマイズしながら遊んでいただければと思います。

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――デッキは誰が作ったんですか?

北村:私とオーナーのほか、デッキを作るのが大好きな常連のお客さんにもお願いしたり、有志の知恵を出し合いながら作ったりもしています。

――みんなで作ったデッキもあるんですね。せっかくなので、お勧めを教えてください。

北村:「力は正義」という人にお勧めなのは《怒りの座、オムナス》のデッキです。オーソドックスに、大きいクリーチャーによる戦闘ダメージで相手のライフを削ります。
次に、キャラクター人気が高い《希望の天使アヴァシン》のデッキは、全体除去を撃って自分は破壊不能で守られるという、決まると気持ちいいデッキになります。
自分のカードも相手のカードも使って盤面をハチャメチャにしたい、カオスが好きな人に勧めたいのはこの《深海の破滅、ジャイルーダ》デッキです。
青いコントロールが大好きな人には、《永遠の造り手、ラシュミ》のデッキがお勧めです。対戦相手が3人いてもコントロールしきって、相手にやりたいことをさせずに勝つことができてしまいます。
そのほかにもたくさんデッキがありますので、聞いていただければ都度ご紹介させていただきます。

――こういうことがしたいと言えば見繕ってもらえるし、あるいはビジュアルのカッコよさで選んでもいいよと。

北村:はい。始めたての方は絵で選んでもらうのが一番ですね。

――レンタルデッキを借りるだけだったら、レンタル料はかからないんですか?

北村:はい、無料です。うちでは店内利用料だけいただいておりまして、時間制だったり飲み放題だったりのプランがあります。

気軽なボードゲームのように

――ではティーチングイベント「多元宇宙への招待状」の話に戻ります。この記事が載るときにはもう始まっていると思うんですが、取材時はまだ開始前ですので、意気込みをお聞かせください。

北村:ええと……たとえば、日本人だから日本語が完璧なわけではなくて、読めない漢字があったりして、それでも日常生活に支障はないですよね。同じように、マジックプレイヤーもマジックのルールやカードのことが完璧にわかっているわけではないけど、普通に楽しんでいるわけです。
なので、ティーチングに来るときに、全部しっかり覚えなくちゃいけないと思う必要はないです。まずゲームの流れだけでもつかめれば、みんなと同じように楽しめますし、なんでも聞いてくれれば教えます。

――簡単な基本だけでいいんだよと。

北村:そうです。ルールを1から10まで理解してないとイベントに参加しちゃダメかな? と遠慮する方もいらっしゃるんですけど、全然そんなことはないので、気軽に来ていただけたら。「新しいカードゲームを学ぶ」というより、今日遊ぶボードゲームのルールを聞いて、それで遊ぼうかなくらいの感覚で。
TCGなのでカードを集めてデッキを作るところまでイメージするとハードルが上がってしまうんですけど、今から30分くらい遊ぶボードゲームだと考えれば、軽い気持ちでできると思います。

――わかりました。イベントはいつ開催していますか?

北村:毎週木曜日にやっていますし、それ以外の日でもお店がゆったりしていて私が空いていれば、いつでも声をかけていただければティーチングいたします。
ただうちのシステムとして、ティーチング自体は無料なんですが、お店の利用料だけはいただいております。ティーチング専用の、特別にお安くさせていただくプランになりますので、WEBサイトなどをご確認ください。

――最後に、お店に来たことがない人へのメッセージをどうぞ。

北村:これからマジックの世界に触れてみたいという方は、お1人様でもドリンクを飲みながらリラックスした雰囲気で、ルールと魅力についてお伝えしますので、ぜひ気楽にティーチングへ足を運んでください。
また、統率者戦の遊び相手を探している方は、毎週金曜日にフライデー・ナイト・マジック(FNM)をやっていまして、どんなデッキでもかまいませんのでぜひ遊びに来てください。

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GAMEBAR LOTUS
住所:大阪府大阪市中央区道頓堀2-2-17 忠兵衛道頓堀ビル4F
電話番号:06-4708-3135
公式サイト:https://twitter.com/gamebar_lotus

道頓堀にある「GAME BAR LOTUS」は飲みながらテーブルゲームを楽しめるお店で、現在はマジックを中心に各種TCGやボードゲームが遊べます。文中にあるレンタルデッキのほか、プレイマットとダイスとライフカウンターも無料で貸し出しているので、完全に手ぶらで来ても大丈夫です。


ティーチングマイスターによる初心者講習会
「多元宇宙への招待状」 2023年9月3日~10月29日開催!

詳細はこちらから。

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