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コラム

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あなたの街のティーチングマイスター 第6回:ドラゴンスター秋葉原駅前店(東京都) 佐藤裕也さん

瀬尾 亜沙子
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 「ティーチングマイスター」とは、初心者にマジックを教える認定資格を持つ人のこと。ティーチングマイスターが教えるマジック体験会「多元宇宙への招待状」の開催を記念し、全国各地にいる彼らの紹介インタビューをシリーズで掲載していきます。

 第6回は、かつてトレーディングカード専門店で数多くのティーチングを行ない、その後ドラゴンスター勤務となって引き続きマジックの普及につとめるこの方です。

ウラモグの衝撃

――マジックはいつから?

佐藤:小学生のとき、「コロコロコミック」を見て友人と『第6版』のパックを買ったのが最初です。ただ中学・高校は部活動でカードゲームからは離れていました。大学に入ってから、マジックではない別のカードゲームをやり出して、その仲間の1人が『エルドラージ覚醒』の発売直後、「マジックやってみたいから一緒にやらない?」と見せてくれたのが《無限に廻るもの、ウラモグ》でした。自分の知る昔のマジックでは見たことないすごいカードだったので、「今ってこんななんだ!」と驚いて、一緒に再開しました。平日は大学の帰りにショップに行き、土日は草の根大会に出るという感じで、ドはまりしていた覚えがあります。

――どんなデッキを使っていたんですか?

佐藤:いろいろ組みましたが、最初に組んだ赤単が思い出深いですね。漫画版「デュエルマスターズ」の切札勝負君が速攻デッキを使ってたりして、どっちかというと主人公的な早いデッキが好きだったんですよね。当時の赤単は今のモダンの赤単みたいな感じで、《ゴブリンの先達》も《稲妻》もあったし、フェッチランドと《焼尽の猛火》もあったので。

――ああ、強かったですね。

佐藤:その後、大学を出て神奈川で就職すると友達に会う機会が減ったり、仕事が終わってからではFNM(フライデー・ナイト・マジック)に間に合わなかったりして、またしばらくマジックを離れてしまいました。
その後仕事をやめて、トレーディングカード専門店であるMINTの横浜店でアルバイトを始めたんです。『タルキール覇王譚』発売後の2014年10月ですかね。当時、MINT横浜店ではまだTCGは扱ってなかったんですが、「マジック:ザ・ギャザリングってのがはやってるから、ここでもやろうと思うんだけど……」と当時の店長に言われて、「あ、実はけっこうやってました」と。

――じゃあ、MINTでバイトを始めたのはマジックとは全然関係なかったんですね。

佐藤:そうですね、サッカーが好きで、中高の部活でもずっとやっていましたので、働き先を探すときにサッカーのトレカも扱っているMINTがあった、という感じです。

――そしたらマジックの仕事がちょうどよく降ってきたと。

佐藤:そうなんですよ。自分よりプレイヤーさんのほうが絶対に詳しいだろうし、最初は不安だったんですけどね。やるからには勉強しなきゃということで、また赤単を組んで――《大歓楽の幻霊》があるころですね――スタンダードの大会に出たら、アブザンアグロにボコボコにされたりしました(笑)。

――当時のスタンダードあるあるです。

佐藤:はい、《包囲サイ》が強すぎて(笑)。
TCG取り扱いのなかった横浜店でマジックを扱い始めて、自分もカードショップの経験はありませんでしたが、当時は『タルキール覇王譚』の直後だったのでマジック自体の勢いがすごくて、初めてのお客さまも来やすい環境だったと思うんですよね。なので、プレイヤーとしても店舗スタッフとしても、マジックにどっぷりはまるにはすごくいいタイミングだったなと思います。

dragon2.jpg 最近のお気に入りはたくさんの剣を積んだ騎士デッキ

ゼロからのコミュニティ作り

――ゼロからお店作りというと、どういった苦労がありましたか?

佐藤:カードショップってそれぞれコミュニティがあるじゃないですか。だから、それがないところから作り上げる難しさはありましたね。そこで、2か月に1回は公式の「ティーチングキャラバン」を申し込んでいました。ウィザーズさんからティーチャーが派遣されてくる形のイベントですね。さらに間の月にも店舗独自のティーチングを開催して、毎月初心者向けのイベントをやることで、「初心者ウェルカムですよ、むしろ新規店舗だからこそ新しい方に来てほしいです」と打ち出していた覚えがあります。

――このころはまだ、ティーチングマイスターという制度はなかったですよね。

佐藤:はい、なのでウェルカムキットを使って店舗独自のティーチングを行なっていました。
当時は、「昔やってたマジックが今盛り上がってるらしいぞ」と聞いて来てくださった復帰組の方を多く取り込んで、コミュニティの盛り上がりにつながった記憶がございます。
また、当時ほかのお店さんでは18時半からのFNMが多かったんですが、20時からに時間をずらしたらけっこう人が来てくれて、コミュニティとして定着するようになったんですよ。いつもはほかのお店に行っているけど、仕事が長引いて出られなかったという方が来てくださったり。

――差別化をしていったら、コミュニティがゼロから生まれていったと。その後は?

佐藤:神戸の三宮にMINTが新店舗を作る際に、異動しました。『アモンケット』の後くらいです。三宮でも毎月のティーチングは続けるようにして、けっこうな人が来てくださいました。横浜でうまくいった流れをそのまま三宮に引き継いで、新しいコミュニティ作りを盛り上げられたかなと思っております。

ティーチングについて

――ティーチングマイスターの資格はいつ取られましたか?

佐藤:2018年6月ですね。制度ができてわりと最初のほうかと思います。もともと店でティーチングをやっていたので、自然な流れでした。また、ドラゴンスターに異動してから昨年末に取り直しています。会社が変わると試験を受け直す必要がありますので。

――ティーチングにはどういうお客さんが多かったですか?

佐藤:最初のうちは、マジックに興味があり、公式サイトを見てティーチングキャラバンという制度を知って、来てくださった方が一番多かったですね。三宮に異動したころからは、MTGアリーナに触れて、わからないルールがあるとか、おもしろいからテーブルトップでもやってみたいという方が増えた印象です。
最近は、いろいろなコラボから入ってこられる方もいますね。原哲夫さんが好きで、マジックのカードを描いていると知ったので……という方もいましたし。

――長らくティーチングをやってきて、よかったことはどんなことでしょうか。

佐藤:ティーチングをやった方が再来店してくださることが、一番うれしいですね。
ティーチングの際には、その方がもともとほかのカードゲームをバリバリやっていて競技的に大会に出たりしたいのか、それとも友人との集まりでやる趣味を1つ増やしたいのか、そういうレベル感によってお勧めするものは変わってくるんですよね。なので、ティーチング後に紹介する商品は人に応じて変えるようにしていて、それを購入した方が後日「楽しく遊んでます、ありがとうございます」と言ってくださったり、追加の購入をしてくださるのが、一番「よかったなー」と思う瞬間でした。

――なるほど。

佐藤:こないだ、プレイヤーズコンベンション千葉2023でブースに立たせていただきましたが、当時横浜でティーチングした方も大勢いらして、今もマジックを楽しんでくださっているのを見ることができて、それもよかったことですね。『マジック・オリジン』のころにティーチングした三人組の方たちが、そのままチーム戦に出ていたのは、すごくうれしかったです。

――それはいい話ですね!

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即売会は来店のチャンス

――今はドラゴンスターに移籍されているわけですが……。

佐藤:それはまあ、やはりコロナきっかけですね。カードショップをやっていくのが難しくなっていって、一度離れようということで、本当は雀荘で働く予定だったんです。
2021年の12月にMINTをやめたあと、有休消化期間の1~3月にお店に通っていろいろなカードゲームをしまくっていたんです。ドラゴンスターで、11時からと13時からと17時から別々の大会に出る、みたいなのを突然やり出したので、お店の人から「いったいどうしたんですか?」ということになるわけで(笑)。そこから関係者に話が行って、お声がかかったような感じですね。

――きっと関係者の皆さんが、「佐藤さんがカードゲーム業界にいないのはもったいない」と思ったんでしょうね。

佐藤:まあすごくよく言えば、そういう感じかもしれません。それで2022年の4月からドラゴンスターで働くことになりました。最初は大阪で研修をして、去年の7月からここ秋葉原駅前店に異動となりました。

――今はこちらの店長ということですが、どういうお仕事ですか?

佐藤:店舗運営はマネージャーにすごく助けられていまして、私はどちらかというと店長兼イベント運営担当という形で、スケジューリングやイベント運営スタッフの育成などを担当しております。
あとこの店では月に1回マジック即売会というのをやっておりまして、グランプリやプレイヤーズコンベンションのときのブースを、デュエルスペース半分を使って再現するんですが、そのときはブースに立って販売をしております。

dragon4.jpg (※画像はドラゴンスター秋葉原駅前店提供)

――おおー、楽しそうです。

佐藤:これから行なうティーチングのイベント「多元宇宙への招待状」は、この即売会に併催して盛り上げていけたらなと考えています。既存のプレイヤーさんが即売会にいらっしゃるとき、マジックを始めたい知り合いの方を連れて来ていただければ、その場でティーチングができますと。

――マジックのお祭りっぽくていいですね。

佐藤:また、即売会の際には、統率者交流会というのを開催してるんですけど、毎回満席で32人とか参加してくださっているんです。
ただ、統率者戦の盛り上がりと比べると、どうしても構築のほうはそんなに人が集まらないんですね。でも9月からは、スタンダードのカジュアルな大会に素敵な景品を用意してくださっているので、構築イベントも盛り上げていきたいと考えています。 まだ日程は決まっていないですが、そういうスタンダードの日にも、前後にティーチングを組み合わせたりして、初心者のお知り合いを連れて来られるような形にできたらなと。もちろんおひとり様でも、ティーチングではほかの人と一緒に遊べますし、横でやっているイベントや対戦の雰囲気を見ることもできますので。

――わかりました。日程など詳しくは、お店からの告知をご覧くださいということで。

佐藤:はい。ただ、私が過去にいたところと違って今のお店はTCG総合店ですから、取り扱っている製品の基本的なイベントはできるだけ全部開催しているので、マジックの時間をたくさん確保するのはけっこう難しくて……。なので、マジックはタイミングを集中して、インフルエンサーの方をお招きしたりもして、しっかり盛り上げられればと思います。

――では最後に、「ドラゴンスター秋葉原駅前店には行ったことないけど、ティーチングを受けてみようかな?」という方へのメッセージをお願いします。

佐藤:どなたでも気軽においでいただければと思います。特に学生時代や小さいころにカードゲームを遊んだことがあった方は、今遊んでもめちゃくちゃ楽しいので、ぜひ!


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ドラゴンスター秋葉原駅前店
住所:東京都千代田区外神田1-18-18 BiTO AKIBA PLAZA 6F
電話番号:03-3527-1287
公式サイト:https://dorasuta.jp/shop/detail?scd=12

文中の「統率者交流会」には、よそのコミュニティにいらっしゃる方がグループで来店されたりもするそう。ほかのお店をホームにしている方でも、ぜひそういう機会を「ドラゴンスター秋葉原駅前店」への初来店チャンスにしてみては。


ティーチングマイスターによる初心者講習会
「多元宇宙への招待状」 2023年9月3日~10月29日開催!

詳細はこちらから。

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