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企画記事
はじめての「競技レベル」イベント(大会当日編)
はじめての「競技レベル」イベント(大会当日編)
By Naoaki Umesaki(DCI認定Lv3ジャッジ)
こんにちは、DCI認定レベル3ジャッジの梅咲直瑛です。
開催が迫ってきている「グランプリ・東京2016」や、各地のショップで開催されている「プロツアー予備予選」など、「ルール適用度:競技」で開催される大規模イベントに参加する際に気をつけるポイントを簡単に紹介していく本企画、今回は後編の「大会当日編」です。
初心者の方や、最近マジックに復帰した方は、必見の内容!前編の「事前準備編」を読んでいない方は、まずこちらから前編をご覧ください。
普段皆さんが参加している大会は参加者が10人〜50人ほど、多くても100人規模だと思います。しかし、今回開催される「グランプリ・東京2016」は3000人規模!
これだけ規模が違うと、大会当日は具体的にどういったポイントに気を付ければいいのか、想像がつきにくいと思います。しかし、大規模イベントになっても結局やっていることの基本部分は同じ。気を付けることの大半は、普段の大会と変わらなかったりもします。
それでは、さっそく大会当日に気を付けるべき点を、役立つテクニックと一緒に紹介していきたいと思います。
ゲーム中、何かあったら必ずジャッジを呼ぼう!
ゲーム中、ルールで分からないことがあったり、対戦相手とコミュニケーションなどでトラブルが起きてしまった場合、当事者だけで解決を行うと後々にしこりが残る解決となってしまったり、結果的に対戦相手が主張したルールが間違っていたということもあります。
イベント会場では、ジャッジが大会の公平性を守るのと同時に、プレイヤーの皆さんがゲームを楽しめるようにフロアを巡回しています。
どんな些細なことでも、必ずジャッジを呼んで対応するようにしましょう。
【お役立ちテクニック】
手札にあるカードのルールについて質問したいけど、その場でジャッジに聞くと対戦相手に手札のカードがバレてしまう時があると思います。そういった場合、ジャッジにテーブルから少し離れた場所でルールについて聞くことも可能です。
また、「どんな些細なことでも」と上で書きましたが、例えば対戦中にどうしても席を離れないといけない場合(トイレなど)も、ジャッジを呼んで下さい。試合時間が短くならないよう、その試合に延長時間が出ます。
このように、イベント中は何か困ったことがあったら、どのような内容でもとりあえずジャッジを呼んで相談してみましょう。
コミュニケーションはしっかりと!
友達同士で遊ぶ時は手慣れた攻防に関してコミュニケーションを省略して阿吽の呼吸でゲームを進めることもあるかと思いますが、大会においてコミュニケーションの省略はトラブルのもとです。
呪文を唱えるタイミングや対象はゲームの内容に非常に大きな影響を与えるので、必ずしっかりとした宣言を行い、対戦相手とコミュニケーションを取るようにしましょう。
また、呪文を唱えるタイミングの他にも、ターンの最初にカードを引く際や、呪文を解決する際なども対戦相手とのコミュニケーションは重要です。
対戦相手が打ち消し呪文を持っていたり、対応して除去呪文などのアクションを取りたい可能性もあるからです。
どんな時も、対戦相手とのコミュニケーションは重要。トラブルなく、お互いが気持ちよくゲーム出来るよう、徹底しましょう。
【お役立ちテクニック】
もし対戦相手がタイミングや対象を宣言せずに呪文を唱えてきた時は、「対象はどこですか?」「タイミングはいつですか?」といったように自分から確認を取るようにしましょう。状況が曖昧なままゲームを進めてトラブルになってしまった場合、ゲームをリスタートする状況があなたにとって不利益のある可能性もあるからです。
両面カードとチェックリスト・カードの取り扱いには注意しよう!
両面カードの使用に際してブースターパックに封入されているチェックリスト・カードを使用することができますが、そのカードが戦場や墓地などの公開領域に移動する際には必ず本物のカードとチェックリスト・カードと入れ替え、本物をゲーム内の領域に置くようルールで決められています。
チェックリスト・カードは完全にゲーム外の場所に置いて、ゲームに混ざらないよう注意しましょう。
【お役立ちテクニック】
マッチ終了後にカードを片付けてデッキケースにしまう際、サイドボードの戻し忘れを確認すると同時に、メインデッキを「10枚切り」や「6枚切り」などの枚数を確認できる方法でシャッフルするのがオススメ。万が一、対戦相手のカードが混ざっていたり、両面カードとチェックリスト・カードの両方がデッキに混ざっていても気が付けます。対戦相手のカードのコントロールを奪う系統の呪文が流行している環境の時は、特にオススメな安全確認です。
体調管理はしっかりと!
思考ゲームであるマジックは、実はとても体力を使う頭脳競技です。
そして、グランプリの1日目は全9回戦。1日がかりの長丁場です。
万全のコンディションで1日ゲームを楽しめるよう、「前日はしっかりと寝る」「食事はしっかりと取る」といった基本的な大量管理は大事にするようにしましょう。
【お役立ちテクニック】
グランプリでは昼食の時間が固定で設けられていないので、ラウンド間の時間を上手く使って飲食ブースなどで食事を取ることになります。
そこで注意しなければいけないのが、次のラウンドの開始時刻に遅刻しないようにすること。
プレイエリアから離れて飲食ブースなどに行く際は、必ずステージに置いてある競技時計で残り試合時間を確認して、競技時計の残り時間がゼロになる頃にはプレイエリアに戻るようにしましょう。
場内アナウンスには要注意!
「次のラウンドの対戦組み合わせが発表されました」
「試合時間開始です」
「試合時間終了です」
......といったように、場内アナウンスされるのは大会進行に関する重要なことばかり。参加者全員にとって、非常に重要なものです。
この他にもタイミングごとに様々なことがアナウンスされますが、絶対に聞き逃さないようにしましょう。
【お役立ちテクニック】
対戦組み合わせの発表は場内にプリントでも掲示されますが、スマートフォン・携帯電話からその場で確認出来る「オンラインペアリング」が非常に便利。近年の大規模イベントでは導入されていることが多いので、要チェック。もちろん、「グランプリ・東京2016」でも用意される予定です。
観戦中のリアクションやヒソヒソ話は駄目
グランプリでは注目の試合を観戦できる「フィーチャーマッチ・エリア」が設けられています。また、こういった試合ではなくても、たまたま友達の試合を観戦することもあるかと思います。そういった時に気を付けて欲しいのが、観戦中のリアクションやヒソヒソ話です。
ザワザワとしている会場内では、対戦しているプレイヤーに観客のヒソヒソ話は届かないようにも思えますが、意外と聞こえてしまうものです。また、ヒソヒソ話をしている様子やゲーム中のドローに対するリアクションなどを見ただけでも、対戦しているプレイヤーが何かを察してしまう危険性もあります。
そういった外部から要素でゲームの内容が変わってしまうと、取り返しのつかないことになってしまいます。もし自分がやられたとしたら、気分のいいものではないでしょう。
ゲームを見てヒソヒソ話はしない、リアクションは絶対にしない。ゲーム中と同様に、観戦中も紳士的な振る舞いを心掛けましょう。
【お役立ちテクニック】
もし観戦中のゲームでルールの間違いに気が付いた場合、ギャラリーであるあなたが直接間違いを指摘するのではなく、対戦中のプレイヤーに「ルールが間違っている可能性があるので、ジャッジを呼んでいいですか?」と一声かけてゲームを一時停止してもらい、近くのジャッジを呼んで対応してもらうようにしましょう。
ジャッジではない第三者が直接ゲームに介入するのは、トラブルの元です。
紳士的に、みんなで気持ちのいいゲームを楽しもう!
ここまで、「競技レベル」のイベントに参加する際の注意点を簡単に紹介してきました。振り返ってみると、普段の大会と多少の違いはあれど、根本的に気を付けることは変わらないことが分かります。
そして、今回最後に紹介する「注意すべき点」は大会に参加する上で一番大切なことですが、これも普段の大会と何ら変わらないことです。
「大会中は常に紳士的に振る舞い、ルールを守る。締めるところは締めて、みんなで気持ちのいいゲームを楽しもう!」
ゲームのルールは時代によって変化する部分もありますが、ゲームを遊ぶ上で根底にあるこの考え方はいつの時代も変わりありません。
日本国内で開催される構築戦イベントとしては、参加者記録を更新することがほぼ確実であろう「グランプリ・東京2016」。参加者の皆さんと協力して、記録だけではなく、記憶にも残るような楽しいイベントになればいいなと思っています。
本戦だけでなく、「グランプリ・東京2016」ではさまざまなフォーマットの併催ビッグイベントも開催が予定されています。ぜひ、この春イチバンのお祭りイベント「グランプリ・東京2016」でお会いしましょう!
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