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企画記事
行弘賢の「2015スーパーサンデーシリーズ・チャンピオンシップ」レポート!
行弘賢の「2015スーパーサンデーシリーズ・チャンピオンシップ」レポート!
by 行弘 賢
皆さんこんにちは! グランプリ2日目のサイドイベントの目玉として「スーパーサンデーシリーズ」がありますが、それを勝ち抜いた先の「2015スーパーサンデーシリーズ・チャンピオンシップ(以下SSSC)」に参加してきました! 大変面白いイベントでしたので、ぜひ皆さんにその楽しさを伝えるべく、レポートを書かせていただきました。最後まで読んでいただければと思います。
スーパーサンデーシリーズとは?
グランプリ2日目のサイドイベントである厳しい予選を抜けると、本戦であるSSSCに出場できます。
SSSCはウィザーズ・オブ・ザ・コースト本社で行われ、予選さえ抜けられれば旅券&ホテル&滞在中の食事が支給、とほぼ現地ではお金を使うことがないほどの待遇を受けられます。
本戦の賞金はなんと優勝賞金6000ドル! グランプリの優勝賞金よりも大きな金額です。使用されるフォーマットは3種類で毎年変わり、そのうち1種類は変り種が混じる、いわばお祭りのような大会です。今年のフォーマットはスタンダード、『タルキール覇王譚』&『運命再編』ドラフト、そして変り種の新フォーマットである「シールドドラフト」です。
詳細についてはこちらの記事をご覧ください!
初日:いざシアトルへ!
関西空港から成田へ乗り継ぎ、そこからはシアトルへ直行便で到着。西海岸なので移動は9時間程度と、体にお優しい設定です。
空港に到着すると、飛行機に同乗していた同じくSSSC参加者であるトモハル(齋藤 友晴)さんと合流しホテルへ無料のシャトルバスで移動します。その後トモハルさんの部屋でスタンダードの調整を始めるも、時差ボケであまりにも眠すぎて少し仮眠し、夜のプレイヤーミーティングの時間を迎えました。
明日の説明を受けた後は、おまちかねのフリードラフト! 合間に供給され続けるピザとドリンクも取り放題と、開幕からテンションマックスのお祭り気分に皆おおはしゃぎ。初日から夢のような時間を過ごし、翌日に備えて少し早めの就寝となりました。
2日目:SSSC本戦初日
朝食はホテルのレストランにて。こちらももちろん無料です。スクランブルエッグやソーセージ、ヨーグルトなどアメリカのホテルでよく見かける、オーソドックスな「いかにもアメリカ!」といった朝食を取り、いざ会場へ。
会場はホテルと目と鼻の先で、少し歩いた所にあります。会場に到着すると、まずは新セットである『運命再編』の借りたいカードをデッキリストに記入し提出します。というのも、SSSCは『運命再編』発売週末のイベントであるため、『運命再編』のカードを揃えるのが難しいことを考慮し、不足している『運命再編』のカードを貸してもらうことができるのです。
今回は赤白のミッドレンジを使うことに決めていたので、《魂火の大導師》、《僧院の導師》、《乱撃斬》、《前哨地の包囲》を4枚ずつ借りることにして、デッキリストを提出します。
さて、いよいよ本戦の開幕です。今回の優勝者は次回のSSSCに招待されるというアナウンスもあり、会場は大盛り上がり!
最初のフォーマットは「シールドドラフト」です。
シールドドラフトとは、最初に3パックを開封し、そのプールを確認した後に3パックを使用したブースタードラフトをし、最初の3パックのシールドのプールとドラフトのプールを混ぜてデッキを作るフォーマットです。
この変り種フォーマットであるシールドドラフト、実は今回まったく練習していません。というのも、他の人もほとんど練習できていないと思いますし、ここに時間を割くのならスタンダードやドラフトに時間を割いた方が効率的だと考えたからです。
そんな訳でぶっつけ本番で挑んだ結果は...!
今回は3パック開封したシールドのプールのレアが弱く、さらにシールドの方と合った色のレアがパックから出なかったため6パックもありながらなんとレア0枚デッキになってしまいました。全ゲーム1本以上はなんとか取るのですが、マリガンも多く、レアなしのカードパワーの格差もありで1-2ならむしろ上等か...?といった感じでした。
実際にこのシールドドラフトを遊んでみた感想として、最初のパック3パックは少し多いと思いました。3パックを開封するとカードの枚数が多くなるため、ドラフト中は色の合った土地を取るだけの作業となりがちなので、最初に開封するのは2パックだけでも良さそうですね。なかなか奥が深そうなフォーマットなので、ぜひ皆さんも遊んでみてください。
さて、滑り出しは少しつまづいてしまったので、次はスタンダードで挽回です。と、その前にお昼休憩ですね。ランチはもちろんドリンク、デザートなんかも全部無料です。今回は海老のサラダの生春巻きと、チキンバーガーに少々の野菜、オレンジジュースをいただきました。全体的にアッサリしてて非常に美味しかったです。
さらにその後はウィザーズ本社の中を見学させてもらえることに。普段入れない様な場所なので、興奮してたくさん写真を撮ってしまいました。
愛嬌のあるゴブリン |
トモハルさんと《アトランティスの王》 |
等身大元祖ティム(《放蕩魔術師》) |
一通り見終わり、会場に戻ってきました。ランチ、社内見学と気分はまったりモードですが、ここからはまた気分を入れ替え、いざスタンダードへ!
8 《山》 5 《平地》 4 《戦場の鍛冶場》 4 《凱旋の神殿》 2 《進化する未開地》 -土地(23)- 4 《道の探求者》 4 《魂火の大導師》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 4 《僧院の導師》 -クリーチャー(16)- |
4 《乱撃斬》 2 《岩への繋ぎ止め》 2 《神々の思し召し》 3 《稲妻の一撃》 1 《勇敢な姿勢》 1 《払拭の光》 4 《前哨地の包囲》 4 《かき立てる炎》 -呪文(21)- |
3 《オレスコスの王、ブリマーズ》 3 《静翼のグリフ》 2 《ヘリオッドの巡礼者》 3 《灰雲のフェニックス》 1 《消去》 1 《勇敢な姿勢》 2 《神々の憤怒》 -サイドボード(15)- |
今回使用したデッキは赤白ミッドレンジです。新カードである《僧院の導師》や《魂火の大導師》は非常に強力だと思い、さらに《前哨地の包囲》はデッキのキーパーツになると考え、そこからデッキを構築しました。結果、《乱撃斬》も含めると『運命再編』のカードをなんと16枚も使用した、今までの環境になかった新鮮なデッキとなりました。
初戦、2戦目と同型を踏みましたが《前哨地の包囲》の差が大きく、大きなアドバンテージの差により勝利できました。3回戦目は日本人参加者のササキさんの青白英雄と当たり、3ゲーム目のギリギリまで追い込みましたが、最後の一押しが足りずに逆転敗北してしまいました。
これで初日が3-3と少し物足りない感じとなってしまいましたが、去年のトップ8のボーダーが3敗なのでまだ可能性はあります。明日のドラフトに備えて帰って寝るか......とそんな訳はありません!
初日終了後は昨日のようにフリードラフトが行われ、その後送迎車でレストランへ!
ここではなんでも注文し放題! 僕はお値段の高いステーキを注文させていただき、大満足でした。各国から集まった皆とも交流できて、普段では絶対に体験できないような楽しい食事会となりました。
その後は流石に疲れもあり部屋に戻り爆睡しましたが、元気な面々はホテルに戻った後ドラフトしてたそうな。僕も参加すれば良かったーと少々後悔しつつも、3日目を迎えます。
3日目:SSSC本戦2日目
SSSC2日目のフォーマットは『タルキール覇王譚』&『運命再編』のドラフトです。こちらは連載の記事の方でも解説させていただいていますので、そちらの方もよろしくお願いいたします。
今回はこのフォーマットに一番力を入れて練習してきました。ここで3-0するぞと意気込んでいざドラフトへ!
ドラフトは初手こそ《マルドゥの急襲指揮者》となかなかのレアを引くも、その後はいまいち流れに乗れず、結局2パック目以降の《神秘の痕跡》や《秘密の計画》の予示や変異のシナジーを勝ち筋とした、青緑タッチ白黒のいまいちパッとしないデッキとなってしまいました。
結果は1-2(最終戦は不戦勝)と見るも無残な成績に。デッキもあまり強くなかったですが、相性の悪い相手にマリガン祭りともはや泣きっ面に蜂状態でした。
これで本戦も終わり僕自身の成績は4-5と非常に残念なものでしたが、SSSC全体で見れば僕のように本戦が残念な参加者が楽しめるような様々な工夫を凝らしてあり、参加者のほとんどが満足できる大会だったと思います。ぜひ来年も参加するべく、今年もグランプリで初日落ちした後は絶対スーパーサンデーシリーズに参加しようと思いました。もちろん、グランプリ初日落ちはしたくないですけどね!
その後はディナーも兼ねて参加者全員でBARへ。BARでもドラフトと、とにかくドラフト尽くしの、最高の3日間でした。
帰国
さて、いよいよ帰国するだけとなりました。ホテルのロビーではこの期間中に仲良くなった参加者の皆と別れの挨拶をしつつ、空港へ。
ほとんど初対面だった日本人の参加者の方々である安田さん、永井さん、ササキさんともこの3日間で仲良くなれて、来年もまたSSSCに皆で参加できたらいいねーなどと話しつつ飛行機に搭乗しました。
流石に3日間の疲れから飛行機の中では爆睡。気が付いたら成田に到着していました。
僕はここからチームリミテッドのグランプリ・サンノゼ2015、プロツアー『運命再編』と毎週末イベント尽くしで、まだ気を休めるわけにはいきません。そのまま練習会に参加するべく移動するのでした...。
という訳で今回はSSSCのレポートをお届けいたしましたが、いかがでしたでしょうか。ぜひ皆さんも予選を抜けて来年は参加してみてください。一生思い出に残る素晴らしい体験ができることをお約束します。
それでは皆さん、また次回の記事でお会いしましょう!
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