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行弘賢の「プロツアーへの道!」モダン攻略編 第2回:モダン環境徹底研究!
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2012.03.20
行弘賢の「プロツアーへの道!」モダン攻略編 第2回:モダン環境徹底研究!
皆さんこんにちは!
今回は特集の2回目ということで、モダンについて本格的に攻略していこうと思います。
「プロツアーって何?」「モダンってどんな形式?」については、第1回でお届けしていますので、ご覧いただいていない方は、ぜひそちらもお願いします。
行弘賢の「プロツアーへの道!」モダン攻略編 第1回:ここが楽しい!プロツアー
モダンのおさらい
モダンが競技マジックのフォーマットとして最初に場を設けられたのはプロツアー・フィラデルフィア2011でのことです。
この時は今よりずっと禁止カードが少なく、《雲上の座》や、青赤のコンボ系デッキに必須の《思案》や《定業》もフル投入できました。
しかし、あまりにも《雲上の座》とコンボデッキが猛威を振るい、環境を停滞させていたので、この大会の後に多数の禁止カードが追加されます。
特にその後の環境に影響が大きかったのは、《定業》と《思案》が禁止になったことにより、あらゆるコンボデッキが弱体化したことです。《緑の太陽の頂点》が禁止されたことにより、『ZOO』も若干ながら力を落としています。
次にモダンが採用されたプレミアイベントは世界選手権2011でした。
プロツアー・フィラデルフィアの後、多数の禁止カードが発表され環境が大きく変わったフィールドで結果を残したのは『ZOO』でした。
《緑の太陽の頂点》が禁止されてしまったそのスロットを埋めるべく採用されたのが《瞬唱の魔士》で、アドバンテージを取りつつクロックとして機能するため《緑の太陽の頂点》を失ったZOOにおいて非常に重要な立ち位置のカードとして機能しました。
《野生のナカティル》に代表される素早いクロックは、コンボデッキが弱体化したフォーマットでは以前にも増して強く、この世界選手権ではZOOが大活躍しました。
《罰する火》+《燃え柳の木立ち》は『ZOO』のようなタフネスが3以上あるクリーチャー以外のビートダウンデッキを駆逐してしまいました。
これもまた環境を停滞させる恐れがあるということで、この世界選手権の後、《野生のナカティル》と《罰する火》の両方ともの禁止が発表されました。
さて、このようにプロツアーと世界選手権という大きな大会の結果を受けて多数の禁止カードが発表され、現在のモダンは流動的にメタゲームが変わっていく非常に健全なフォーマットに生まれ変わりました。
様々な禁止によりコンボが弱体化し、《罰する火》の禁止によりビートダウンも様々な形態のデッキが存在できるようになっています。
コントロールはコンボの種類の減少により採用するべき対策カードを絞りやすく、ビートダウンの序盤のプレッシャーも《野生のナカティル》の退場により若干緩くなっていますので、場をコントロールして重いカードをプレイするスロウゲームをやりたいデッキも活躍できる環境になりました。
現環境の代表デッキ
ここでは、現環境でよく見かけるアーキタイプを列挙して見ていきましょう。
メリーラ・ポッド
《シルヴォクののけ者、メリーラ》と、《台所の嫌がらせ屋》などの頑強クリーチャーを《出産の殻》でサーチして、「無限ライフ」や「無限ダメージ」を狙うクリーチャーコンボデッキです。
これは後ほど詳しく解説いたします。
親和
《電結の荒廃者》《頭蓋囲い》を主軸として、それらの真価を引き出す0~1マナの軽量アーティファクト、《メムナイト》や《羽ばたき飛行機械》《信号の邪魔者》などがたくさん入ったデッキ。
《大焼炉》のようなアーティファクト・土地こそ多数禁止されていますが、《墨蛾の生息地》や《ちらつき蛾の生息地》《ダークスティールの城塞》などのアーティファクトとして数えられる土地は使用可能なうえ、《オパールのモックス》により爆発的な展開力が可能となっています。
実戦レベルで常に高いパフォーマンスを発揮するビートダウンデッキ。具体例は次節でご紹介します。
ウルザトロン
《ウルザの塔》等のウルザシリーズランドを用いて重いカードをプレイするデッキ。青白や赤緑、青赤等様々なカラーの組み合わせのデッキが存在します。
これも次節で例を挙げてご説明します。
ジャンド
赤緑黒の3色のカラーリングのデッキ。《思考囲い》に代表される優秀なハンデス(手札破壊)と、《終止》などの除去で相手を妨害しつつ、《タルモゴイフ》や《血編み髪のエルフ》のような質の良いクリーチャーで攻めます。
《欠片の双子》
《詐欺師の総督》や《やっかい児》に、《欠片の双子》か《鏡割りのキキジキ》を使うことで「無限トークン」を生み出すコンボデッキ。前記のプロツアー・フィラデルフィアの優勝デッキです。
青赤ストーム(青赤昇天)
《煮えたぎる歌》などの赤のマナ加速や《血清の幻視》などの軽量ドロー呪文を多数唱え、マナを増やして《炎の中の過去》をプレイし、最終的には《ぶどう弾》といったストーム呪文で勝利を目指すコンボデッキ。
《紅蓮術士の昇天》を採用しているタイプもあります。
緑白タッチ赤「トラップ」
《召喚の罠》や、《風立ての高地》や《苔汁の橋》といった「秘匿」土地シリーズから、《引き裂かれし永劫、エムラクール》などの制圧力のあるクリーチャーを戦場に出すデッキ。
《裂け目の突破》でハンドに来た重いクリーチャーを走らせるコンボも内蔵されています。
青白赤Delver
《秘密を掘り下げる者》や《ステップのオオヤマネコ》など、大きなダメージクロックが刻める1マナ域を展開し、《差し戻し》や《呪文貫き》のような軽いカウンターと《稲妻》《稲妻のらせん》のような軽い除去で妨害しつつ、一方的に殴りきることを目指すクロックパーミッションデッキ。
赤単
《ゴブリンの先達》《地獄火花の精霊》などの速攻持ちクリーチャーや、《モグの狂信者》《ケルドの匪賊》のような早く戦場に出て確実に打点を上げられるクリーチャーを中心に、1枚で3点以上の火力で早いターンに押し切ってしまうバーンデッキ。
黒を混ぜて《夜の衝突》が入っているタイプもありますね。
アグロローム
《壌土からの生命》により回収した土地を、このカードの発掘により墓地に落ちた《カラスの罪》や《炎の突き》など「回顧」カードで有効活用するデッキ。
《突撃の地鳴り》も《壌土からの生命》と非常に相性が良く、中心になっています。
その他のパーツとして、《タルモゴイフ》や《闇の腹心》《田舎の破壊者》がクリーチャーが多めに入った、いわゆるアグロタイプが基本形です。直近のグランプリ・リンカーンを制したのがこのデッキです。(リンク先は英語カバレージ)
これらのデッキの他にも多数のデッキタイプがありますが、現環境で活躍しているデッキをざっと挙げるとこんな感じになります。
簡単に説明させていただきましたが、更にこの中から安定してマジック・オンライン(MO)のデイリー・イベント(DE)で入賞しているデッキを中心に、より詳しい解説をさせていただきたいと思います。
親和
1 《山》 4 《ダークスティールの城塞》 4 《ちらつき蛾の生息地》 3 《墨蛾の生息地》 3 《空僻地》 1 《黒割れの崖》 -土地(16)- 4 《メムナイト》 4 《羽ばたき飛行機械》 4 《信号の邪魔者》 4 《大霊堂のスカージ》 4 《電結の荒廃者》 4 《鋼の監視者》 2 《刻まれた勇者》 -クリーチャー(26)- |
4 《オパールのモックス》 3 《バネ葉の太鼓》 1 《溶接の壺》 4 《感電破》 2 《爆片破》 4 《頭蓋囲い》 -呪文(16)- |
1 《刻まれた勇者》 2 《虚無の呪文爆弾》 3 《呪文貫き》 3 《古えの遺恨》 3 《鞭打ち炎》 3 《血染めの月》 -サイドボード(15)- |
親和は《メムナイト》や《羽ばたき飛行機械》、《オパールのモックス》の0マナアーティファクトから手札を一気に展開し、全体に修正を与える《信号の邪魔者》や《鋼の監視者》、アーティファクトが多いほど爆発的な打点が期待できる《頭蓋囲い》《電結の荒廃者》でゲームを決めるのが基本戦術になります。
親和は初手をキープする基準が大切で、特に《頭蓋囲い》は親和の一番強いカードなので、そこを引けるかどうかが重要になります。《頭蓋囲い》の水増しとして《鋼打ちの贈り物》を採用しているデッキリストもよく見かけますね。
《電結の荒廃者》は、MO上のDEで勝っているデッキでは2~3枚の採用としているレシピを多く見かけますが、このレシピは4枚となっています。
2枚引くとモッサリして弱い、というのがその少ない枚数の理由なのですが、2枚目の《電結の荒廃者》は《電結の荒廃者》で生け贄に捧げると、「接合」能力でもともと乗っている+1/+1カウンター分も+1/+1カウンターが増えるので1枚で2点分の計算ができます。
さらに、2枚目を出してしまえば、戦場のアーティファクトのほとんどを生け贄に捧げて《電結の荒廃者》にオールイン!する、いわゆる「キレ荒廃者」をしても、
の3体さえ残せば対戦相手は除去が3枚必要となります。
このように、複数枚引いた時も活用方法があるので、個人的にはキープ基準にもなる《電結の荒廃者》は4枚採用するべきだと思います。
《刻まれた勇者》はかなり強く、苦手なマッチアップでもその相性差をひっくり返すほどのカードパワーを発揮します。
戦場に出た段階で金属術を達成していることがほとんどで、全ての色のプロテクションを持つ以上ほとんど除去することが不可能であり、さらに《頭蓋囲い》は色の無い装備品なので装備可能、といった無茶苦茶な性能です。
被覆ならばまだどうとでもやりようはあるのですが、「プロテクション(すべての色)」なのでブロッカーとして地上を止める時も非常に強く、よく《タルモゴイフ》なんかを地上でもじもじさせている所を見かけますね。
親和の3マナはかなり重い部類に入るため、2~3枚の採用となっているレシピが多くなっていますが、メタゲーム次第で枚数を変えやすいスロットなので、この部分は調整しやすいと思います。
親和のサイドボード後は《血染めの月》で対戦相手の事故を狙う、『月ハメ』プランがよく採用されます。
サイド後は対戦相手も大量のアーティファクト対策をサイドボードから投入してくるため、《血染めの月》を張ることで軸をずらしたゲームをして勝利を目指さないと、相性差が厳しいということだと思います。
このことを考えて、親和と対戦する時は《血染めの月》がサイド後に出てくるものだと認識し、序盤のフェッチランドからは基本土地を積極的に集めるようにするように気をつけたいですね。
このリストは、同じ和歌山県で一緒にマジックしている友人が大阪のプロツアー予選を抜けた時に使用したものです。
前日に同じ大阪で開催されたプロツアー予選で火力が欲しいマッチアップと多く当たったということで、採用していた《物読み》を抜いて《爆片破》や《刻まれた勇者》に変え、このリストで参戦したそうです。
モダンは現在多種多様なデッキがあるため、メタゲームの移り変わりが激しくなっています。なので、気が付いたことは積極的に採用するのが良いかもしれませんね。
ウルザトロン
3 《島》 1 《山》 1 《蒸気孔》 2 《シヴの浅瀬》 1 《繁殖池》 4 《ウルザの塔》 4 《ウルザの鉱山》 4 《ウルザの魔力炉》 4 《沸騰する小湖》 1 《ウギンの目》 -土地(25)- 1 《無限に廻るもの、ウラモグ》 3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(4)- |
4 《イゼットの印鑑》 1 《虹色のレンズ》 4 《探検の地図》 4 《差し戻し》 3 《紅蓮地獄》 2 《電解》 4 《知識の渇望》 3 《強迫的な研究》 4 《裂け目の突破》 1 《卑下》 1 《撤廃》 -呪文(31)- |
1 《呪文滑り》 2 《ワームとぐろエンジン》 2 《墓掘りの檻》 2 《払拭》 1 《噴出の稲妻》 2 《倦怠の宝珠》 2 《古えの遺恨》 2 《焼却》 1 《紅蓮地獄》 -サイドボード(15)- |
前回の記事で紹介した青白トロンとはまた別の「青赤トロン」です。
《けちな贈り物》+《堀葬の儀式》ではなく、《裂け目の突破》+《引き裂かれし永劫、エムラクール》プランを採用しています。
軽量除去とドローを多く採用しており、基本的にはトロンを無理やり揃えに行くのではなく、ボードをコントロールしながら《裂け目の突破》コンボを目指すデッキに仕上がっています。
4 《燃え柳の木立ち》 4 《ウルザの鉱山》 4 《ウルザの魔力炉》 4 《ウルザの塔》 1 《アカデミーの廃墟》 1 《ウギンの目》 -土地(18)- 1 《ワームとぐろエンジン》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(2)- |
4 《彩色の宝球》 4 《彩色の星》 4 《予言のプリズム》 4 《衝動のタリスマン》 4 《古きものの活性》 4 《探検の地図》 4 《森の占術》 3 《探検》 4 《精神隷属器》 1 《全ては塵》 4 《解放された者、カーン》 -呪文(40)- |
2 《呪文滑り》 2 《ワームとぐろエンジン》 2 《大祖始の遺産》 2 《原基の印章》 3 《紅蓮地獄》 2 《古えの遺恨》 2 《焼却》 -サイドボード(15)- |
こちらは最近目覚ましい勢いで台頭してきた緑単トロンです。
緑単というのもおこがましいぐらい無色のカードしか採用されていないのには理由があり、青赤トロンと違いこちらのトロンは3ターン目に《解放された者、カーン》をプレイするのをコンセプトにしているため、基本的には序盤は色マナの出る土地を置くことができません。
そのため、無色でも色マナが生成できる《彩色の星》系のキャントリップ・マナフィルターアーティファクトが多数採用されています。
《古きものの活性》はトロンにおいて《探検の地図》でもあり、《解放された者、カーン》にもなる非常に優秀なサーチカードです。このカードが存在するため、このデッキがこれだけの高い完成度のデッキになったといっても過言ではありません。
《燃え柳の木立ち》が採用されているのは、親和のようなクロックが速いビートダウンが相性の悪いことから、サイド後に赤の軽量除去を大量にサイドインするためです。
一応メインデッキは緑単なので「緑単トロン」ですが、サイド後は赤緑になります。
トロン全般は《血染めの月》によりトロンが効力を発揮しなくなるため苦しいのですが、《原基の印章》が使える緑系トロンならサイド後もそれほど苦しまなくてすみそうですね。
メリーラ・ポッド
4 《森》 1 《沼》 1 《平地》 2 《草むした墓》 2 《森林の墓地》 1 《寺院の庭》 1 《剃刀境の茂み》 1 《神無き祭殿》 4 《新緑の地下墓地》 2 《湿地の干潟》 2 《霧深い雨林》 1 《ガヴォニーの居住区》 -土地(22)- 4 《極楽鳥》 1 《貴族の教主》 3 《臓物の予見者》 4 《根の壁》 3 《シルヴォクののけ者、メリーラ》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 4 《台所の嫌がらせ屋》 1 《永遠の証人》 1 《調和スリヴァー》 1 《イーオスのレインジャー》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 1 《納墓の総督》 1 《残忍なレッドキャップ》 1 《目覚ましヒバリ》 1 《叫び大口》 1 《太陽のタイタン》 -クリーチャー(29)- |
2 《思考囲い》 4 《出産の殻》 3 《召喚の調べ》 -呪文(9)- |
1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《オルゾフの司教》 4 《強情なベイロス》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《残忍なレッドキャップ》 1 《ワームとぐろエンジン》 1 《思考囲い》 2 《虚無の呪文爆弾》 2 《四肢切断》 1 《化膿》 -サイドボード(15)- |
「メリーラ・ポッド」は《極楽鳥》や《根の壁》からマナ加速し、《出産の殻》や《召喚の調べ》で《シルヴォクののけ者、メリーラ》+《台所の嫌がらせ屋》or《残忍なレッドキャップ》+《臓物の予見者》を揃えるのが目的のデッキです。
《シルヴォクののけ者、メリーラ》と《台所の嫌がらせ屋》に加え《臓物の予見者》が揃うと、コンボスタート。
《臓物の予見者》により《台所の嫌がらせ屋》を生け贄に捧げて占術すると、《台所の嫌がらせ屋》は「頑強」により戻ってきますが、《シルヴォクののけ者、メリーラ》の能力により-1/-1カウンターが乗らずに戻ってくるために、最初の状態に戻ります。
これで好きな回数だけ占術を行い、《台所の嫌がらせ屋》が戻ってきたときの2点のライフを得ることができます。
好きなだけライフを得つつ、占術を繰り返して1枚採用されている《残忍なレッドキャップ》がライブラリトップに来るようにし、次のターンには同様のサイクルで「無限ダメージ」が決まります。
《出産の殻》はコンボを揃えるだけではなく、《目覚ましヒバリ》や《太陽のタイタン》などの単純にカードパワーが高いカードを持ってきて押すだけで勝てることもよくあります。
《緑の太陽の頂点》がその汎用性の高さから禁止されてしまったように、この《出産の殻》もその場その場で最善のクリーチャーを探し出せるので、モダンというカードプールが広い環境では、こういったサーチ能力がついているカードは非常に強いようです。
最後に紹介いたしますのは。
さて、モダンの様々なデッキを紹介いたしましたが、最後は僕が友人のPTQの練習のために作った『エスパーヒバリ』の紹介をさせていただきます。
2 《島》 1 《平地》 1 《沼》 1 《神聖なる泉》 2 《金属海の沿岸》 2 《秘教の門》 4 《闇滑りの岸》 1 《湿った墓》 1 《神無き祭殿》 3 《孤立した礼拝堂》 4 《湿地の干潟》 1 《霧深い雨林》 1 《反射池》 -土地(24)- 1 《臓物の予見者》 4 《前兆の壁》 2 《瞬唱の魔道士》 1 《悪鬼の狩人》 1 《鏡の精体》 2 《造物の学者、ヴェンセール》 1 《誘惑蒔き》 4 《熟考漂い》 4 《目覚ましヒバリ》 2 《影武者》 -クリーチャー(22)- |
4 《コジレックの審問》 2 《思考囲い》 1 《悲劇的な過ち》 2 《流刑への道》 1 《破滅の刃》 3 《けちな贈り物》 1 《堀葬の儀式》 -呪文(14)- |
3 《孤独な宣教師》 2 《潮の虚ろの漕ぎ手》 1 《翻弄する魔道士》 4 《大爆発の魔道士》 1 《誘惑蒔き》 1 《流刑への道》 3 《解呪》 -サイドボード(15)- |
このデッキは当初、
「《心なき召喚》を張って《熟考漂い》想起したら1マナで2枚引けるから超強くない!?」
といったコンセプトにより作成されたのですが、《心なき召喚》を張ってしまうと、
- 《誘惑蒔き》で対戦相手の《闇の腹心》なんかのタフネス1をもらってきても死んでしまう
- パワーが元々低いクリーチャーの集まりなので殴り勝つのが難しい
- そもそも《心なき召喚》に頼っているために引かないとモッサリ感が半端無い
などなど、たくさんの欠陥を抱えていることに気が付きました。
更に言えば、《目覚ましヒバリ》を起点としたコンボとして、
「《目覚ましヒバリ》をコピーした《影武者》が墓地に落ちた時に、《影武者》=《目覚ましヒバリ》の能力により『自分自身+何か』を戦場に戻すことができ、サイクルになる」
というものがあります。
ここで必要な要素を並べると、
となりますが、《心なき召喚》を張ってしまうと『任意に生け贄に捧げられる能力』の部分の選択肢がかなり狭まってしまい、《大いなるガルガドン》を採用するしかなく、そうなってしまうと何色やねん!と突っ込みが入ってしまうほどマナベースもタイトになり、結果として《血染めの月》がぶっ刺さりまくるという、もう完全にグダグダなデッキになってしまいました。
結局《心なき召喚》とはそこでお別れし、新たに《けちな贈り物》を採用することで非常にバランスの取れたデッキとなりました。
《けちな贈り物》からこのデッキが持ってくるパッケージはおおむね2つです。
ケース1:無限コンボ
手札に《目覚ましヒバリ》がいない時は概ねこの4枚を持ってきます。いる時は、ヒバリの部分を《造物の学者、ヴェンセール》なんかに変えると良いです。
とにかくこんな風に持ってくると、大抵《影武者》+《目覚ましヒバリ》が手札に加わるはずなので、返しで《影武者》を《臓物の予見者》として出し、次ターンに《目覚ましヒバリ》想起、通ったら《影武者》を生け贄に捧げた後に《影武者》と《臓物の予見者》を釣り上げます。
あとは《熟考漂い》や《前兆の壁》で「無限ドロー」や、《造物の学者、ヴェンセール》で「無限バウンス」してしまいましょう。
ケース2:《瞬唱の魔道士》+除去
または
親和やメリーラ・ポッドなんかのクリーチャーデッキ相手で使う選択肢です。
この4枚を選べば確実に除去となるカードが2枚手に入るので、クリーチャーを除去したい時はこの2パターンを覚えておけば良いと思います。
マナの都合や対戦相手の除去性能によって、どちらのパッケージを持ってくるかは選んでください。
ハンデス(hand destruction=手札破壊)が多い理由
このデッキは《コジレックの審問》4枚、《思考囲い》2枚とかなり多めのハンデスを採用しています。
自分のデッキが《熟考漂い》や《前兆の壁》など強力なドローシステムを持っているため、消耗戦に持ち込みたいという理由はもちろんあるのですが、青赤ストームや《欠片の双子》等のコンボデッキに対してはこちらのコンボスピードが遅いため、ハンデスで妨害しなければ間違いなく相手のほうが先にコンボが決まってしまいます。
したがって、多くハンデスを採用することにより、あらゆるデッキにメインボードから戦いやすくしています。
カウンターやハンデスが入っているデッキ相手にもハンデスは効果的ですし、サイドボード後は《血染めの月》を抜くこともできるので、この環境の《コジレックの審問》と《思考囲い》は非常に優秀ですね。
モダンを制するのはデッキ愛!?
ここまでに何度もお伝えしてはいますが、この環境は正直どのデッキを使っても「有り」だと思います。
好きなデッキを使い込み、勝てるように強くしていく。これはデッキ構築の根底だと思いますし、それが可能なモダンは本当に面白いと思います。好きなデッキを勝てるようになるまで調整するというのは、環境を理解しなければできないことですし、そこまで環境を理解することができたならば結果の方が後からついてくると思います。
プロツアー・アヴァシンの帰還の予選シーズンも後半戦に突入しましたが、まだまだチャンスはあります。是非皆さんモダンをやりこんで参加してみてくださいね。
予選スケジュールはこちらから!
それでは皆さん、最後まで記事を読んでいただき本当にありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう!
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