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戦略記事

佐藤レイの「一歩踏み込む!」リミテッドの極意

第1回:もっと勝てる!『基本セット2021』ドラフト

佐藤 レイ

 はじめまして! マジック・プロリーグ(MPL)所属の佐藤レイ(@r_0310)です。このたび縁あって、このマジック日本公式サイトでリミテッドについての記事を書かせていただくことになりました。よろしくお願いします!

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 僕は今でこそプレイヤーズツアーやミシックインビテーショナルなど、スタンダードをはじめとした構築フォーマットの大会に多数参加していますが、数年前まではほぼリミテッドしかプレイしていないほどのリミテッド好きプレイヤーでした。

 特にドラフトが大好きで、これまで国内外問わずリミテッドのイベントには頻繁に参加してきました。自分がプロマジックの世界に入ることになったのも、グランプリ・香港2017という海外のリミテッド大会で優勝したことがきっかけです。MPLに入ることができたのも、そして昨年それを維持することができたのもリミテッド、とくにブースタードラフトのおかげといえるでしょう。

 そんな自分にとって、数あるマジックの遊び方において最も自信をもって得意であるといえるブースタードラフトや、広くリミテッド全般について公式サイトで攻略記事を書かせていただけることを本当に嬉しく思います。

 今回は『基本セット2021』のドラフトについて、より勝つためにはどんな戦略をとって、何を意識していけばいいのかといった応用編の記事を書かせていただきました。

M21_logo_ja.png

 今回読者の方々としては、行弘賢さんが書かれた記事を読まれていたり、すでに『基本セット2021』のドラフトをプレイしたことがあったりと、環境の強力なカードやポイントをある程度把握されていることを想定しています。

 そのため「リミテッドは普段そこまで……」という方にとっては少しハードルの高い内容になっているかもしれませんが、マジックを楽しむ上で参考になることもあると思いますので、よろしければ最後まで読んでみてください!
 

もくじ


 
 

第1章 ジェスカイカラーに注目せよ!

 『基本セット2021』のブースタードラフトがどういった環境なのかを一言で言うと、「ジェスカイカラーの組み合わせのアーキタイプ(赤白、青赤、青白)が強い!」です。

{R}{W} or {U}{R} or {U}{W}

 この環境は色の強さに差がありすぎて、普通に強力なデッキを組もうとピックしていくと赤白、赤青、青白のどれかになりがちです。実際の勝率の高いアーキタイプも概ねこれら3つの組み合わせとなります。まずは、勝つために有効なアプローチとして残りの2色――黒と緑は狙う頻度を意識的に変えることが必要です。

 僕の『基本セット2021』における基本戦略は、「強いジェスカイカラーの組み合わせでデッキを構築することを目指し、たまに特定の優位な状況においてのみ弱いカラーである黒と緑に触れる」となります。

 まったく気にしていなかったという人は、とりあえず同じくらいの強さのカードでどちらを取るか悩んだら、黒と緑のカードをピックする優先度を下げてみてください。それだけで勝率が上がるかもしれません。

 第1章ではこれら強力な3つのアーキタイプについて、それらはどういう特徴のデッキで構築する際にどんなところに気をつければよいのかについて解説していきます。

赤白

 環境最速のアグロカラーコンビネーション。この環境において最も人気の組み合わせです。低マナ域のカードが多く、マナカーブを低めに抑え、環境のトップコモンの1枚である《バスリの侍祭》や強化オーラを上手く使えるのが強みとなります。

サンプルデッキリスト:赤白
『基本セット2021』ブースタードラフト[MO] [ARENA]
8 《
8 《平地
-土地(16)-

1 《選定された聖歌員
1 《高山の犬師
1 《高山の番犬
1 《チャンドラのマグムット
1 《夜明けの突撃獣
1 《炎血の野犬
1 《歴戦の神聖刃
2 《間に合わせの大隊
1 《雷光の猟犬
1 《包囲戦の打撃者
2 《バスリの侍祭
2 《強風の急襲者
1 《騒乱の道化
-クリーチャー(16)-
2 《噛み傷への興奮
2 《抵抗の妙技
1 《焦熱の竜火
1 《叙爵
1 《栄光の頌歌
1 《金屑化
-呪文(8)-

○注意すべき点やコツ

  • 赤白に頼りすぎない(ピック段階)

 赤白はコモンカードだけでもデッキが構築可能なため再現性が高く、それでいて強いので、ついつい狙いすぎてしまいます。

 この環境の赤と白は特に人気色という認識を持ってください。それだけ狙われやすく、上家(上流、ピックの際に自分の右側に座っている人のこと)のプレイヤーと被ってしまう可能性も高いです。本当に自分が赤白をやれるポジションなのかをしっかり考えながらピックしていきましょう。

 特に1パック目の序盤で赤と白のカードをピックしたものの、まだ色を確定させていない段階では、同じく強力な色である青の空き状況は常に確認しておきたいところです。場合によっては、白か赤のどちらか片方を切って青赤や青白にいったほうがいい、ということもあるでしょう。

  • 勝ちパターンを意識する

 赤白を構築する上で重要なことは「しっかりと押し切れるような構成にする」ことです。赤白は序盤の展開力こそ環境随一ですが、飛行クリーチャーが主体なわけでも、マナフラッド(土地のようなマナを生み出すカードを引きすぎてしまうこと)への受けが多いわけでもありません。一度膠着しまうと、なかなかそこから打開することは難しいです。

 そのためピックの段階で、自分のデッキはどのようにゲームを突破していくのかをイメージしておく必要があります。《バスリの侍祭》が複数枚取れたのなら、コンバットトリック(戦闘を有利に運ぶ呪文や能力)だけでいいかもしれません。飛行クリーチャーが多く取れたのなら《金屑化》のような除去があればいいかもしれません。オーラに頼るのであれば、除去よりも《抵抗の妙技》のほうが必要かもしれません。何もないなら《破壊的細工》や《燃えさかる炎》のようなカードがデッキには必要かもしれません。

 デッキの構成によって「決め技」は異なります。自分のデッキにはどんなカードが必要か、考えてピックしていきましょう。

  • 赤白で特に強いコモン


抵抗の妙技》:除去を回避できる、コンバットトリックになる、ときには相手クリーチャーにブロックされなくなる、相手から付けられた除去系のオーラを剥がせる……といった、とにかく素晴らしい働きをする1枚です。複数枚あって全く問題なし。3枚取れたら3枚デッキに投入しましょう。特にオーラをつけて攻める構成の場合、《ショック》や《金屑化》などの除去よりも優先して構いません。

  • 赤白ではあまり強くないコモン


ショック》:もちろんテンポ環境において弱いカードではなく、むしろ強い部類のカードなのですが、実は他のアーキタイプに比べ優先度は下がります。そもそもクリーチャーが軽く、実質的に《ショック》のような働きをすることが多いので、このカードが複数枚入っている赤白は「軽すぎて押し切れず負けてしまうデッキ」になりがちな印象です。

 
青赤

 優秀なアンコモンが最も多い強力な2色の組み合わせです。基本的には果敢ビートのような構成になることが多いですが、地上を止めて飛行で殴るデッキにも、はたまた《テフェリーの後見》を使ったライブラリーアウトデッキにもなることができます。差し合うのか、捌くのか、どのゲームレンジで戦うのかを自分で調節できるアーキタイプです。

サンプルデッキリスト:青赤
『基本セット2021』ブースタードラフト[MO] [ARENA]
8 《
8 《
1 《急流の崖
-土地(17)-

1 《心火の供犠者
1 《厳しい滑空指導員
1 《ヴォーデイリアの秘儀術師
2 《呪文喰いの奇魔
1 《北風の歌姫
1 《砲塔のオーガ
2 《うろつく光霊
1 《難破船の探知者
1 《嵐翼の精体
-クリーチャー(11)-
2 《ショック
1 《突破
1 《選択
2 《焦熱の竜火
1 《高尚な否定
1 《魂焦がし
1 《捕獲球
1 《実験的過負荷
1 《啓示の雨
1 《金屑化
-呪文(12)-

○注意すべき点やコツ

  • 赤い除去を最優先に取る

 多くの場合、果敢を上手く機能させるためにクリーチャー以外の呪文にデッキが寄ることになります。《難破船の探知者》《実験的過負荷》といった「スペル」を回収する2種類の強力なアンコモンを有する青赤においては、他のどのアーキタイプよりも《焦熱の竜火》や《ショック》の点数を上げてください。《焦熱の竜火》はゲームの流れを決定付ける強力なレアやアンコモン以外では、(時にそれらよりも)最も優先されるべきカードです。《ショック》の強さも赤白とは段違いです。

  • もっさりさせない

 《選択》や《突破》といったキャントリップスペルにマナが使う必要のある青赤においては、赤白のようなアグロデッキに負けないようにデッキを重くしすぎないことが重要です。ただただ重いだけのカードは使わないようにしましょう。長期戦に強い構成にするのにも《難破船の探知者》や《実験的過負荷》などを使っていきたいです。


 《テフェリーの後見》はデッキの核となる強力なアンコモンです。序盤に取ることができたのなら、積極的にこのカードを使って勝つデッキを構築してみましょう。赤青は赤にもキャントリップ(おまけでカードを引くことのできる呪文や能力)やドローがあり、一番使いやすい色の組み合わせです。

 サイドボードを使うBO3(2ゲーム先取)においてはエンチャント除去などを足されてしまうので、それだけに寄せすぎないようにしましょう。

  • 青赤で特に強いコモン


ショック》:赤のベストコモンである《焦熱の竜火》のほうが総合的には強力ですが、果敢や《呪文喰いの奇魔》のカウンター誘発にもなるので、赤白のときよりもずっと強く使うことができます。

  • 青赤ではあまり強くないコモン


有刺メガロドン》:軽くも重くも、捌くようにも差し合うようにも組めるのが赤青の強みなので基本的に強くないカードはほとんどありません。ただもっさりしないようにしたいので、《有刺メガロドン》のようなカードはあまり使いたくないですね。

 
青白

 飛行クリーチャーを駆使して、相手のライフを削っていくことを目的としたアグロデッキ。赤白に比べて序盤の爆発力はありませんが、対応力や柔軟性のあるアーキタイプです。

サンプルデッキリスト:青白
『基本セット2021』ブースタードラフト[MO] [ARENA]
8 《
8 《平地
1 《平穏な入り江
-土地(17)-

2 《天球の見張り
1 《協約のペガサス
1 《夜明けの突撃獣
1 《天界の処罰者
1 《北風の歌姫
1 《包囲戦の打撃者
1 《テフェリーの徒弟
2 《潮掬い
1 《バスリの侍祭
1 《強風の急襲者
2 《うろつく光霊
-クリーチャー(14)-
2 《エイヴンの鳥群使
2 《素早い反応
1 《天使への昇天
1 《抵抗の妙技
1 《高尚な否定
1 《捕獲球
1 《信仰の足枷
-呪文(9)-

○注意すべき点やコツ


 青白は飛行クリーチャーを使って差し合う展開が多くなるため、赤白や緑白など他の白アグロでは使いづらかった《素早い反応》をしっかり使うことができます。

 このカードを「上手く」使うために、できれば他にもいくつか2マナのオプションを用意しておくといいでしょう。3マナ2/3クリーチャーである《天界の処罰者》と《テフェリーの徒弟》はどちらもとてもいいカードです。

 それからこのデッキにしっかりとかみ合った打ち消し呪文、《高尚な否定》ですね。《抵抗の妙技》ももちろん素晴らしいです。こちらの残っている土地から何が飛んでくるかわからない状態にしてしまえば、相手はとてもプレイしづらくなるでしょう。

  • 青白で特に強いコモン

素早い反応》:上記の通り、このカードを上手く使えることがこのアーキタイプの強みになっています。

  • 青白ではあまり強くないコモン


高揚する書物》:もともと飛行がついているクリーチャーが多く、有効なつけ先が少ないので、青緑のような色に比べるとかなり評価は下がります。ただ《隼使いの達人》や《包囲戦の打撃者》を取っていたり、そもそもデッキの飛行の数が少なかったりすると点数が上がるので、そこは臨機応変にピックしてください。

~第1章のまとめ~

赤白
  • 赤白に頼りすぎるな! 特に青の空き具合を確認すべし。
  • 勝ちパターンをピック段階から意識しろ。オーラを使うのか、飛行に頼るのか、《破壊的細工》のような「決め技」に頼るのか。いずれにせよ突破力をデッキにつけろ!
 
青赤
  • どのアーキタイプよりも軽い赤い除去の評価を上げよ。
  • もっさりしすぎない。キャントリップなどを多用するため、意識的に軽く組む。
  • 早い段階で《テフェリーの後見》がピックできたら、それを中心にデッキを組んでみよう。
 
青白

 
 

第2章 黒と緑に、どのようにして向き合うか

 わざわざこんなタイトルをつけなければならないほど、ジェスカイ(白青赤)の3色とはカードパワーに差があります。黒や緑のアンコモンを並べてみても、初手で取りたいカードはごくごくわずかです。

 この第2章ではそんな黒や緑とどう向き合っていくのか、どういうときにこれらの色をやって、やるのならどういう組み合わせが強いのかという話をしていきます。

○黒について

 黒はこの環境において「やる色」ではなく「やらされる色」です。

 初手でまず取りたいと思うようなアンコモンはなく、レアや神話レアまで見てもほぼ確定で初手になり得るほど強力なカードは《悪魔の抱擁》と《虐殺のワーム》、それから《死者を目覚めさせる者、リリアナ》くらい。コモンにおいても《闇の掌握》以外早めに取りたいカードはありません。

 なので、自分から狙いにいく機会はかなり少なく、強力なカード(ほぼ《闇の掌握》)が流れてきたときや、1パック目で複数枚取れたときにスタートすることが多いといった印象です。

 僕が考える黒に入るべきパターンは主に2つです。

パターン1:「強力なレアを引いたからしょうがないから狙う」

 《虐殺のワーム》、《死者を目覚めさせる者、リリアナ》、《悪魔の抱擁》の3種は文句なしの初手級カードですが、うち2種は神話レアです。珍しいケースと言い切っていいでしょう。

パターン2:「1パック目で《闇の掌握》が複数枚(もしくは《闇の掌握》1枚、《偏執的な縫い師》など強力な多色カード1枚)取れた場合」


 こちらのケースのほうが多いです。結局のところ『基本セット2021』の黒はかなりの割合で《闇の掌握》に依存しています。

 黒を使ったデッキで一番頻度として多くなり、かつ強力なのは青黒でしょう。青いカードを取っていて、赤や白の流れは悪く、かわりに《闇の掌握》や《偏執的な縫い師》が流れてきて、それらをピックしていくことで青黒になるケースです。

青黒
サンプルデッキリスト:青黒
『基本セット2021』ブースタードラフト[MO] [ARENA]
9 《
6 《
2 《陰鬱な僻地
-土地(17)-

1 《異臭のインプ
1 《仮面の悪党
2 《偏執的な縫い師
1 《死花のサリッド
1 《リリアナの信奉者
1 《北風の歌姫
1 《テフェリーの徒弟
1 《墓所に潜むもの
1 《血の暴食
1 《大殺漢
1 《虐殺のワーム
1 《波起こし
-クリーチャー(13)-
3 《闇の掌握
1 《石の牙の聖域
1 《捕獲球
1 《啓示の雨
1 《静かな水の聖域
2 《再命
1 《とどめの一撃
-呪文(10)-


 青黒でデッキを構築する際には、《再命》を使ったリアニメイト戦略を常に意識しておきたいです。このカラーでは《偏執的な縫い師》以外にも、《墓所に潜むもの》や《テフェリーの徒弟》などを使って比較的クリーチャーを直接墓地に落としやすくなっています。

 また黒という色の特性として、以下の2点を意識するといいでしょう。

1.もう片方の色のダブルシンボルカードの点数を下げる

 《闇の掌握》を初めとして強いカードは色拘束がキツめです。きちんとやれているときはほぼ黒がメインカラーになるので、色事故を減らすためもう片方の色のダブルシンボルのカードについては点数を下げましょう。

2.ミッドレンジ~コントロールを意識する

 『基本セット2021』の黒は環境で唯一アグロ戦略を取らないことが基本となる色です。序盤を耐え、中終盤で勝つミッドレンジやコントロールのようなデッキを組むことを意識しましょう。これは青黒に限らず、黒白、黒緑においても同様です(赤黒だけは例外としてアグロ戦略を取ることになります)。

 いずれにせよ黒は環境最弱カラーで、たくさん流れてくるからしょうがなくやると認識でいいかと思います。

 

○緑について

 次は緑を見ていきましょう。緑も黒と同じく初手で取りたい数種類の強力なレア・神話レア(黒よりは多くなります)、特に初手で取りたいカードは何もないアンコモン、《狩人の刃》という強力なトップコモンが存在する、という構造になっています。


 僕の考える緑に入るべきパターンは3つあります。

パターン1:「強力なレアを引いたからしょうがないから狙う」

 《長老ガーガロス》、《解き放たれた者、ガラク》、《漁る軟泥》、《原初の力》、《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル》の5枚は素晴らしい初手級のカードで、これらでスタートするのであれば文句はありません。

パターン2:「3手目以降に《狩人の刃》、《ラノワールの幻想家》が複数枚流れてきている」

 トップコモンが流れてきていて、いいポジションが狙えるというケースです。特に《狩人の刃》のほうが強力なカードなため欲しいです。レアのない緑ではこのカードが2枚くらいないと話になりません。

パターン3:「片方の色をやっているときに緑多色のカードが流れてきた」

 《議事会の導師》、《知識鱗のコアトル》、あとはレアですが《ケルドの心胆、ラーダ》。この3枚はカードパワーが高く、また色としても緑白と青緑は他の緑の組み合わせより強いので、狙いにいく価値があります。

 緑もまた色としてカードパワーが低いので、いいポジションでやるか、強力なレアを持っている状況でスタートしたいので、これ以外の理由で緑に参入しないほうがいいでしょう。緑をやるのなら緑白と青緑がコンセプトとして強く、オススメです。

緑白

 +1/+1カウンターを軸にしたデッキで《議事会の導師》や、《鍛え抜かれた古参兵》などを上手く使うことができます。

サンプルデッキリスト:緑白
『基本セット2021』ブースタードラフト[MO] [ARENA]
8 《
8 《平地
1 《花咲く砂地
-土地(17)-

2 《議事会の導師
1 《うたた寝するティラノドン
1 《鍛え抜かれた古参兵
1 《野生林の災い魔
2 《トリュフ嗅ぎ
1 《ラノワールの幻想家
1 《誇り猫
1 《包囲戦の打撃者
2 《バスリの侍祭
1 《バスリの副官
1 《剣歯虎のやっかいもの
1 《節くれの賢者
1 《巨大な戦慄大口
-クリーチャー(16)-
2 《抵抗の妙技
1 《原初の力
1 《剛力化
1 《活性化のうねり
2 《狩人の刃
-呪文(7)-
青緑

 《知識鱗のコアトル》や《節くれ拳の樫》などのドローすることで能力が誘発する緑のクリーチャーたちと、青のドローを組み合わせて戦います。緑の大きいクリーチャーに《高揚する書物》をつけるだけでもわりと強力です。

サンプルデッキリスト:青緑
『基本セット2021』ブースタードラフト[MO] [ARENA]
8 《
8 《
1 《茨森の滝
-土地(17)-

1 《うたた寝するティラノドン
1 《ムウォンヴーリーの世捨て人、ジョルレイル
1 《厳しい滑空指導員
1 《クウィリーオンのドライアド
2 《知識鱗のコアトル
1 《ラノワールの幻想家
1 《北風の歌姫
1 《テフェリーの徒弟
1 《節くれ拳の樫
1 《剣歯虎のやっかいもの
2 《節くれの賢者
1 《うろつく光霊
1 《巨大な戦慄大口
-クリーチャー(15)-
1 《選択
1 《セテッサ式訓練
1 《非実体化
2 《高揚する書物
2 《狩人の刃
1 《捕獲球
-呪文(8)-

 緑という色の特性としては、以下の2点を意識しましょう。

1.2マナ以下のクリーチャー

 3~4マナのクリーチャーは豊富で枠が埋まりやすい一方、2マナ域以下のクリーチャーは《うたた寝するティラノドン》頼みです。結局強い緑デッキは《狩人の刃》でカウンターを置いたり、強化オーラをつけたり、《うたた寝するティラノドン》を上手く使っています。

2.トップコモンの枚数

 黒がアンコモンを含めても《闇の掌握》が一番強いように、緑もアンコモンを含めても《狩人の刃》がもっとも強いカードです。(それがこれらの色が弱い理由でもあります)なので、これらのトップコモンが何枚取れているかがデッキの強さに直結します。

~第2章のまとめ~

  • 黒と緑は基本弱い、強いレアを引いたときか、黒なら《闇の掌握》、緑なら《狩人の刃》がしっかり取れなければやりたくない。
  • 黒は青黒が一番おすすめ。基本コントロールチックなデッキになる。リアニメイト戦略を忘れずに。
  • 緑は緑白、青緑がおすすめ。

 
 

第3章 勝ち方は色々ある

 これまではカードプールの強弱から「強いジェスカイカラーの組み合わせでデッキを構築することを目指し、たまに特定の優位な状況においてのみ弱いカラーである黒と緑に触れる」という戦略を取ることを前提に、第1章では強力なジェスカイカラーを使ったそれぞれのアーキタイプについて、第2章ではあまり強くない黒や緑をどう使っていくかについて話していきました。

 ただ今回話したことがもちろんすべてではありません。リミテッドは、ドラフトは、そんなに底の浅いゲームではないのです。

 ということで、最後に僕の組んだ少し風変わりなデッキを2つほど紹介したいと思います。どちらもMTGアリーナの「プレミアドラフト」で7勝したデッキです。

緑白巻き添え
佐藤 レイ - 「緑白巻き添え」
『基本セット2021』ブースタードラフト[MO] [ARENA]
8 《
8 《平地
1 《花咲く砂地
-土地(17)-

2 《歴戦の神聖刃
1 《議事会の導師
1 《夜明けの突撃獣
1 《クウィリーオンのドライアド
1 《漁る軟泥
1 《打ち壊すブロントドン
1 《トリュフ嗅ぎ
3 《強風の急襲者
1 《剣歯虎のやっかいもの
3 《ガラクの血まみれ角
1 《金属複製機
-クリーチャー(16)-
3 《巻き添え
1 《抵抗の妙技
1 《セテッサ式訓練
2 《狩人の刃
-呪文(7)-

 対戦相手に飛行クリーチャーを生け贄に捧げさせる《巻き添え》を3枚入れた緑白アグロ。カウンターを置いていくという緑白の基本コンセプトとは別のテーマで組まれたデッキです。


 《巻き添え》は普通に打てたらラッキー、相手に飛行クリーチャーがいなくとも、3枚入っている《強風の急襲者》とのコンボで、相手のクリーチャーにむりやり飛行をつけて除去しようという作戦です。

 ドラフトのピック中にこの2枚のコンボに気づいたときは自分のことを天才だと思い、試さずにはいられませんでした……。《歴戦の神聖刃》を2枚取れたので、手札に腐った《巻き添え》を捨てることもできました。

赤黒サクリファイス
佐藤 レイ - 「赤黒サクリファイス」
『基本セット2021』ブースタードラフト[MO] [ARENA]
8 《
7 《
1 《血溜まりの洞窟
-土地(16)-

2 《ゴブリンの付け火屋
2 《引きずり鬼
1 《チャンドラの紅蓮獣
1 《心火の供犠者
1 《帆凧の掠め盗り
2 《凶兆艦隊の戦争屋
1 《檻の中のゾンビ
1 《死花のサリッド
1 《リリアナの軍旗手
2 《砲塔のオーガ
1 《骸骨射手
2 《騒乱の道化
1 《金属複製機
-クリーチャー(18)-
1 《噛み傷への興奮
1 《ショック
1 《闇の掌握
1 《確実な一撃
1 《魂焦がし
1 《裏切りの強欲
-呪文(6)-

 珍しく黒を使っていながら黒が薄く、かつアグロ戦略を取ったデッキ。アンコモンへの依存度が高く、この環境ではなかなか組めないアーキタイプなので、組めたあと嬉しくなってすぐにデッキを保存しました(笑)。

 2枚ずつ入っている《ゴブリンの付け火屋》、《引きずり鬼》、《凶兆艦隊の戦争屋》、《騒乱の道化》……まるで構築済みデッキのようで見ているだけでうっとりしませんか?

 これらのデッキのように、マイナーな色やコンセプトだったとしても十分に勝てるデッキを構築することは可能です。今回は3色デッキについては触れていませんが、もちろん強力な3色のデッキだって環境には存在します。

 実際のドラフトでは何が起こるか分からず、そして勝ち方のバリエーションはさまざまです。ですので、ドラフトをする際は自由にアドリブを利かせて、いろいろ試しながらピックしてみてください。同じ状況が二度とないところがドラフトの面白さだと思うので、一期一会のピックを楽しんで、自分のケースを独自に攻略していきましょう!

~第3章のまとめ~

 勝ち方は色々ある! 人の言うことは話半分くらいに聞いて、一度しかないピックを自分なりに楽しんで攻略していこう!

 

 今回の記事は以上となります。ここまでに書いたことが何か1つでも参考になればこんなに嬉しいことはありません。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!今後の参考にさせていただきますので、もしよければTwitter(@r_0310)などでご意見やご感想をいただけるとありがたいです!

 それでは、次回の記事でお会いしましょう!

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