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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

「出来事」起こせ、その名はゴライオン(統率者戦)

岩SHOW

 これぐらいの裏話はしても良いかな。当コラムはなんだかんだ1500回以上続けさせていただいている。ありがたいことですよ。それだけの回数をやっていながら、そのほとんどが僕の自由意思でやらせていただいている。いや~本当に良くぞここまで好き放題を許していただきました。改めて感謝を。「絶対にこれをやってください!」と言われることがなかったこと、それがここまで続けられた秘訣かもしれない。

 ただ担当の方からリクエストをいただくこと自体はある。「このシーズンは○○を推していきたいです!」というようにね。この夏のリクエストというか、方針を伺ったところ「イベントの開催もありますのでぜひ統率者戦を」とのこと。そういえば7月末、大きなイベントがあったなぁ。そこへ向けて統率者戦のデッキを考えていたのだが……間に合わずッ! 担当さん本当申し訳ないッッ! 統率者戦のデッキは大会結果から拾ってくるということができない分、自分で考えたリストになるのでどうしても時間がかかってしまうんだよなぁ。

 イベントが終わってしまってからにはなるが、何もイベントがマジックのすべてじゃない。統率者戦なら友人同士で集まっても、オンラインのツールを用いてでもプレイすることができる。カジュアル・フォーマットは日常的に気軽に遊んでこそ。夏のお休みはぜひ統率者戦でまったり過ごしてほしいところ。

 というわけでようやく取り掛かることができた統率者戦のデッキリスト、ひとつのサンプルを紹介しよう! バチバチの瞬殺コンボ搭載というわけではなく、4人でワイワイやりとりしながら遊ぶマジックを意識した構築なのでそこはあしからず。

岩SHOW - 「統率者:賢明な導師、ゴライオン」
統率者戦 (2022年8月)[MO] [ARENA]
1 《賢明な導師、ゴライオン
-統率者(1)-

4 《
4 《平地
4 《
1 《統率の塔
1 《スパーラの本部
1 《海辺の城塞
1 《寺院の庭
1 《陽花弁の木立ち
1 《草茂る農地
1 《地平線の梢
1 《豪勢な大通り
1 《枝重なる小道
1 《繁殖池
1 《夢根の滝
1 《回復の温泉
1 《神聖なる泉
1 《さびれた浜
1 《雲海
1 《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ
1 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《天上都市、大田原
1 《ヴァントレス城
1 《聖遺の塔
1 《無限地帯
-土地(33)-

1 《アヴァシンの巡礼者
1 《極楽鳥
1 《貴族の教主
1 《エッジウォールの亭主
1 《路上芸術家、エラント
1 《フェアリーの導母
1 《亜麻色の侵入者
1 《巨人落とし
1 《群れの番人
1 《惑乱スプライト
1 《厚かましい借り手
1 《永遠の証人
1 《恋煩いの野獣
1 《不思議な道照らし
1 《薔薇棘の見習い
1 《捧げ物の魔道士
1 《見張るもの、ヴェイガ
1 《放浪馬
1 《祝福のヒポグリフ
1 《ムーンシェイのピクシー
1 《オークヘイムのレインジャー
1 《灯の分身
1 《陽景学院の師匠
1 《空召喚士ターランド
1 《ティムールの剣歯虎
1 《伝承の語り部、チュレイン
1 《イリシッドの収穫者
1 《ヤング・ブルー・ドラゴン
1 《クリスタル・ドラゴン
1 《エメラルド・ドラゴン
1 《豆の木の巨人
1 《戦慄のリノーム
1 《ガーディアン・ナーガ
1 《発展の暴君、ジン=ギタクシアス
1 《王国まといの巨人
1 《彼方の賢者
1 《サファイア・ドラゴン
1 《ソード・コーストの海蛇
1 《トリンカリの狩人
1 《アルケヴィオスの神託者、ジャズィ
-クリーチャー(40)-
1 《太陽の指輪
1 《秘儀の印鑑
1 《友なる石
1 《思考の器
1 《流刑への道
1 《剣を鍬に
1 《俗世の教示者
1 《エラダムリーの呼び声
1 《ホーン・オヴ・ヴァルハラ
1 《幸運のクローバー
1 《共に逃走
1 《バントの魔除け
1 《斡旋屋一家の魔除け
1 《雲石の工芸品
1 《水晶の破片
1 《耕作
1 《木霊の手の内
1 《終わりなき迂回
1 《フェイの贈り物
1 《激情の後見
1 《完璧な策略
1 《移ろいの門
1 《モンスター・マニュアル
1 《ミラーリの目覚め
1 《呼応した呼集
1 《王冠泥棒、オーコ
-呪文(26)-

 もったいぶらずにリストを晒しながら話していこう。まず統率者は最新セット『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』から選ぶことにした。カードリストを眺めていると、背景選択など新しい要素が見えるが……最もビビッときたのは《賢明な導師、ゴライオン》だ。

 ゴ、ゴライオン!? 名前のインパクトが凄いぜ。まるで合体ロボのような響きだが、彼はバルダーズ・ゲートに関するPCゲームの登場人物とのこと。ゲーム開始直後にプレイヤーを待っている、秀でたスペルキャスターにして多くを学びし賢者である。

 マジックのカードとなったゴライオンは出来事呪文をコピーするという、《幸運のクローバー》を内蔵したクリーチャーとなった。色も3色、テーマもしっかり決まっている能力なので統率者デッキを組みやすく、そして名前の響きがたまらない。こりゃあゴライオンで行くしかないっしょ!と統率者選択には迷う要素がなかった。

 ゴライオンでデッキを組むならやることはひとつ。出来事カードをたっぷり詰め込め! 単体の効果はどれだけ薄くとも、ゴライオンとクローバーでコピーすれば確実なアドバンテージを得ることが可能だ。なので、何も考えずに22枚!

 これらをコピーしつつ、さらには出来事持ちのクリーチャーを唱える&追放領域の呪文を唱えるという条件を満たして《エッジウォールの亭主》と《見張るもの、ヴェイガ》でドローする。

 尽きないアドバンテージ源で粘り強く、ねちっこく、確実に。この3つをモットーに盤面を作り、優位に立つことを狙ってみた。

 特殊な勝利は狙わずに真面目にクリーチャーで殴り勝つのを狙う。各種出来事の中でも《戦慄のリノーム》のように打点を引き上げるものを使ってクリーチャーを強化して真っ向勝負だ。

 《サファイア・ドラゴン》《惑乱スプライト》などで妨害しつつシンプルな攻めを押し進めていこう。

 上記の打ち消し出来事や《ガーディアン・ナーガ》《王国まといの巨人》などの妨害型の出来事、そして《ヤング・ブルー・ドラゴン》などアドバンテージ型の出来事……どれも何度も使いまわしたいものである。

 そこで、このデッキでは自身のクリーチャーを手札に戻す手段を重視。

 《水晶の破片》《移ろいの門》《雲石の工芸品》といったいわゆる置き物、

 インスタントでは《共に逃走》、

 《ティムールの剣歯虎》《陽景学院の師匠》《伝承の語り部、チュレイン》などのクリーチャーと分厚い陣容で、戦況に併せてクリーチャーを手札に戻して出来事を再利用しよう。

 とにかくマナが必要になってくるが、そこは《耕作》《豆の木の巨人》などで土地を増やし、《太陽の指輪》などのアーティファクトを並べ、《ミラーリの目覚め》で爆発的にマナを伸ばして……と着実に基盤を形成することでなんとかしよう。

 些細な出来事が大きなアドベンチャーに繋がる。《賢明な導師、ゴライオン》というテーマが分かりやすい統率者、どんなデッキを組んだら良いかわからないというプレイヤーにもオススメの1枚だ! この夏は涼しい室内での統率者戦で猛暑を乗り切ろう!

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