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お知らせ

お知らせ

2024年12月16日 禁止制限告知

Wizards of the Coast
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2024年12月16日

 

告知日:2024年12月16日

スタンダード
  • 変更なし
パイオニア
モダン
レガシー
ヴィンテージ
  • 変更なし
アルケミー
  • 変更なし
エクスプローラー:
ヒストリック
  • 変更なし
タイムレス
  • 変更なし
ブロール
  • 変更なし

発効日:2024年12月16日

制限カード、禁止カードのフォーマット別一覧はこちら


 前回、競技シーズンの動向と密に連携するため禁止制限告知の間隔の変更をお伝えしましたが、これが変更後の第1回となります。現在は、パイオニアで行われている地域チャンピオンシップの現行ラウンドや「Eternal Weekend」シリーズ、そしてモダンで行われている地域チャンピオンシップ予選シーズンが間もなく閉幕するところです。それらのイベントに加えてMTGアリーナやMagic Onlineでのプレイ状況を合わせることで、各フォーマットの競技シーンにおける問題に対処するために必要なデータが集まりました。

 新たな禁止制限告知の間隔は、新年を迎えて以降も継続するつもりです。したがって次回の禁止制限告知は、2025年3月31日となる予定です。それでは早速、各フォーマットの現状と変更点を見ていきましょう。

 なお今回の変更については、太平洋時間12月17日10時(日本時間27時)よりtwitch.tv/magicでの公式配信でも詳しくお伝えします。

特定のフォーマットへ飛びたい方は、以下のリンクをクリックしてください。



 

スタンダード

(この項はダン・マッサー/Dan Musserよりお送りします。)

  • 変更なし

 前回の告知から、スタンダードには『ダスクモーン:戦慄の館』と『ファウンデーションズ』が追加されました。両セットのカードはスタンダードのメタゲーム上に広がり、色の分布の面でも大枠のアーキタイプの面でも環境に十分な多様性をもたらしています。2025年初頭にアメリカ・アトランタにて始まる「マジック・スポットライト」シリーズへ向けて、準備は整っていると言えるでしょう。

 現在の環境では《偉大なる統一者、アトラクサ》や《世界を喰らうもの、コーマ》を《逸失への恐怖》で墓地へ送り、《ゾンビ化》でリアニメイトする戦略も、《叫ぶ宿敵》や《心火の英雄》と《噴出の稲妻》や《稲妻の一撃》を組み合わせて対戦相手を素早く打ち倒すことも、あるいは『ダスクモーン:戦慄の館』の「大主」たちを《永遠の策謀家、ズアー》で動かすこともできるのです。

 スタンダードには探索の余地が多くあり、あなたの好みのプレイ・スタイルに合わせて対戦を楽しめます。私たちは、スタンダードの現状に非常に満足しています。


 

パイオニア

(この項はアリヤ・カラムチャンダリ/Arya Karamchandaniよりお送りします。)

 前回の禁止制限告知以降、私たちはパイオニアのメタゲームを注意深く観察してきましたが、現在のところ、パイオニア環境は健全で多様性あるものに見えます。このフォーマットには大枠のアーキタイプが幅広く存在し、人気を集めるデッキはいずれも勝率、使用率ともに十分に受け入れられる範囲内です。しかしデッキの多様性については良いのですが、《湧き出る源、ジェガンサ》が多くのデッキで採用カードの幅を狭めており、このフォーマットの多様性を損ねていると私たちは考えています。

 《湧き出る源、ジェガンサ》は、大抵のデッキで唱えられる相棒である点と相棒の条件に違反するキーカードがない点から、多くのパイオニア・デッキで採用されています。リソースが限られるゲームにおいて外部からカードを使えることの価値ゆえに、《湧き出る源、ジェガンサ》をプレイできるデッキはその戦略に合うかどうかに関わらずこのカードを採用しているのです。

 これにより、それらのデッキの採用カードは画一化され、本来一級品であるカードが憂き目にあっています。個人的なお気に入りカードやメタゲーム特有のカードの採用を検討しても、「ジェガンサを諦めることになる」という事実が立ちはだかるのです。パイオニアでは、プレイヤーの皆さんがスタンダードでお気に入りだったカードを続けて使える場所にすることを、私たちは大切にしています。スタンダード向けに作られる強力なカードはマナ・コストに同じマナ・シンボルを2つ以上含ませることでバランス取る傾向にあるため、《湧き出る源、ジェガンサ》は私たちの理念を大きく妨げています。このフォーマットで使用されるカードの多様性を高めるために、《湧き出る源、ジェガンサ》はパイオニアにて禁止となります。


 

モダン

(この項はダン・マッサーよりお送りします。)

 今回の告知を迎えるにあたり、競技フォーマットの中でも特に助けを必要としているのがモダンであることは明らかでした。8月の措置にて、私たちはこのフォーマットで特に目立っていた問題である《有翼の叡智、ナドゥ》に対処しました。ですがその後の状況にも、あまり改善は見受けられていません。私たちは前回の措置においても、プレイヤーの皆さんがエキサイティングな対戦を楽しめる場所にできるよう、さまざまな選択肢を分析しました。しかしながら、より多くの対応が必要であったと感じました。

 プレイヤーの皆さんの存在は、マジックの競技シーンを支える屋台骨です。私たちは大会の結果を観察し、メタゲームを分析し、勝率のデータを掘り下げる仕事をいくらでもできます。しかし実際に各フォーマットをプレイしているのはプレイヤーの皆さんであり、究極的には、可能な限り皆さんにゲームを楽しんでもらうことこそが私たちの仕事なのです。

 モダンは、以前とは異なるフォーマットになっています。以前に禁止したカードはいくつもありますが、それから新しいセットがいくつも発売されました。中でも「モダンホライゾン」セットは、このフォーマットに相当な影響を与えてきました。そのような状況を受けて、今こそいくつかのカードの禁止を解除するときであると私たちは判断しました。まずは、今回の禁止措置についてお伝えします。それから、禁止解除についてお話しをします。

 18か月前に登場して以来、《一つの指輪》がモダンのメタゲームにおいて大きな一角を占め続けていることは疑いないでしょう。8月の告知にて私たちは、《一つの指輪》について「モダンを脅かすような『一つの指輪デッキ』は存在せず、さまざまな戦略で見受けられる」とお伝えしました。確かにさまざまなアーキタイプで採用されているのですが、それは現在モダンで最も支配的な戦略である「ボロス・エネルギー」のパーツとしても定着しています。

 《一つの指輪》を採用することの機会費用は、ほぼあらゆるデッキにおいて極めて低く、その存在はイベントにおいて多くのプレイヤーを煩わせています。《一つの指輪》は、特定の色に縛られることもなく、自身を守る手段としてもカード・アドバンテージ源としても優れた機能を発揮します。皆さんの多くがそうであるように、モダンは《一つの指輪》を含まない方がより楽しいフォーマットになることが明らかであると、私たちも考えるようになっています。したがって、《一つの指輪》はモダンにて禁止となります。

 《一つの指輪》が取り除かれることで、モダンで最も人気を集め盤石の支配を築いている「ボロス・エネルギー」が痛手を受けることは間違いないでしょう。しかしながら、この措置は他の戦略にも影響を与えます。直近で《有翼の叡智、ナドゥ》に対して行ったように「ボロス・エネルギー」を環境から排除することは、私たちの望むところではありませんが、このデッキの全体的な勝率や使用率を直接的に下げる措置を取りたいと思っています。「ボロス・エネルギー」を少し後退させるために、私たちは《魂の導き手》や《ナカティルの最下層民、アジャニ》、《火の怒りのタイタン、フレージ》などさまざまなカードを検討しました。そして最終的に私たちが着地したのが、《色めき立つ猛竜》でした。

 検討した他のカードはいずれも「ボロス・エネルギー」以外のアーキタイプにも採用される可能性がある一方、《色めき立つ猛竜》は「ボロス・エネルギー」にしか見受けられません。《色めき立つ猛竜》は、このデッキに爆発的なスタートをもたらします。エネルギーの供給源としても消費先としても優れており、ゲームの序盤から1~4マナ域のカードを追加で唱えられることもよくあるのです。以上の理由から、《色めき立つ猛竜》はモダンにて禁止となります。

 《湧き出る源、ジェガンサ》の禁止については、前項でアリヤよりご説明した理由の多くがモダンにおいても当てはまります。結局のところ、マナ・コストに同じマナ・シンボルを2つ以上含むカードの採用を避けるという判断は、あまり楽しいものではないのです。デッキ構築の際に数枚のカードを入れ替えれば、ほとんど代償なしで5/5のクリーチャーを使えるようになり、勝率を数パーセント上げられるかもしれません。しかしそれは、デッキ構築の際に検討する選択肢の幅を狭め、フォーマット全体の多様性を損ねています。

 《湧き出る源、ジェガンサ》は、「エネルギー」から「Zoo」やその他の主流でないデッキまで、モダン全体でおよそ40%ものデッキに採用されています。「ボロス・エネルギー」の支配を弱め、モダンにおけるカード選択の幅を広げるため、《湧き出る源、ジェガンサ》はモダンにて禁止となります。

 上記の禁止措置はきっと、モダンをより楽しくバランスの取れたフォーマットにしてくれるでしょう。ですが、もっと良くすることはできないでしょうか? 私たちがカードを禁止する場合、大会のデータやコミュニティからのフィードバックをもとに生じている問題に対処し、そのフォーマットをより良いものにするべく取り組みますが、この客観的な根拠と主観的な理由づけを組み合わせる手法には、欠点もあります。フォーマットに含まれるセットが多ければ、その分パワーレベルも上がるものです。そこで私たちは、禁止制限リストからいくつかのカードを再びモダン環境へ投入する検討を重ねてきました。

 今回の措置は、新時代の幕開けとなるでしょう。「古き良きモダンを再び」という声は、「モダンホライゾン」セットが環境のパワーレベルを上げ、かつての象徴的なデッキが取り残され始める以前から繰り返し寄せられてきました。長きにわたる検討のすえに、私たちは最初期の禁止カードを禁止解除するという選択をしました。禁止解除されるカードがモダンの競技イベントにどのような影響を与えるのか、私たちはこれから迎える地域チャンピオンシップ・シーズンを通して注視していくつもりです。環境の推移を評価した上で、2025年3月31日の禁止制限告知にてお伝えできればと思います。

 果たして私たちの選択は、モダンをより良いフォーマットにするでしょうか? モダンに再び押し寄せる、懐かしくも悪名高いカードの波に私たちは対応できるでしょうか? モダンの楽しさが損なわれるようなものを解禁することになるのでしょうか? その答えは、時間が教えてくれるはずです。それでは詳しく見ていきましょう!

 モダンの歴史の大部分において、「親和」や「《クラーク族の鉄工所》コンボ」、あるいは「ランタン・コントロール」のようなアーティファクト中心のデッキは、このフォーマットの柱の1つでした。しかしここしばらくは、そういった戦略が競技シーンで見受けられなくなっています。『モダンホライゾン2』や『モダンホライゾン3』でもアーティファクト戦略を持ち上げる手を打ちましたが、残念ながらそれでも、単純にパワーが足りていないという状況です。《オパールのモックス》は、相性抜群の《最高工匠卿、ウルザ》が収録されている『モダンホライゾン』の導入後、2020年に禁止されました。初期手札に《オパールのモックス》が入れば爆発的な動きを実現できますが、その一方で私たちも、(《溶融》や《空の怒り》をはじめとして)強力なアーティファクト対策の印刷を止めていたわけではありません。

 《オパールのモックス》を再び環境へ投入することで、強力なデッキにさらなる力を与えることなく、新旧さまざまなアーティファクト戦略が盛り上がることに私たちは期待しています。そのため、《オパールのモックス》はモダンにて禁止解除となります。

 《緑の太陽の頂点》は、2011年からモダンにて禁止カードに指定されていました。当時は緑のデッキがあまりに強力で、このカードは他が対抗できないほどの安定性と柔軟性をデッキにもたらし、採用カードの検討の幅を狭めることも多々ありました。今回《湧き出る源、ジェガンサ》を禁止する論拠が、当時の《緑の太陽の頂点》の禁止理由にも当てはまっていたのです。しかしそれは、10年以上も前のことです。

 現在、緑のクリーチャー・ベースのデッキは非常に少なくなっています。「《日を浴びる繁殖鱗》コンボ」デッキでも、デッキ名を冠するカードは《緑の太陽の頂点》では持ってこられません。「ヨーグモス・コンボ」では《飢餓の潮流、グリスト》を探せる点は効果的ですが、《オークの弓使い》や《スランの医師、ヨーグモス》、《ズーラポートの殺し屋》といったキーカードは持ってこられません。

 「エルフ」は復権できるでしょうか? 『モダンホライゾン3』にてモダンに初収録された《森を護る者》や《ワイアウッドの共生虫》のような再録カードが良い対象になるかもしれません。それから《ドライアドの東屋》や《原始のタイタン》のような昔ながらの人気カードの姿をもっと見かけるようになるかもしれません。メタゲームの多様性を高める後押しをするため、《緑の太陽の頂点》はモダンにて禁止解除となります。

 2019年に開催された「2019ミシックチャンピオンシップⅣ(バルセロナ)」にて、《甦る死滅都市、ホガーク》が想定以上に強力であることが明らかになりました。そしてホガークの罪を背負って犠牲となったカードの1つが、《信仰無き物あさり》でした。しかし一方で《信仰無き物あさり》は、実に多くの戦略を支えていました。《弧光のフェニックス》や《虚ろな者》、「ドレッジ」はもちろん、《若き紅蓮術士》や《歴戦の紅蓮術士》のようなカードを擁するフェアなミッドレンジ・デッキまで、あらゆるデッキが《信仰無き物あさり》を採用していたのです。

 それから5年を経て、あの恐ろしい問題を引き起こす巨大なアバターがいない今、《信仰無き物あさり》に何ができるのか。そこに私たちは興味を引かれています。《オパールのモックス》の項でも言及しましたが、私たちは《信仰無き物あさり》が禁止されて以降も《忍耐》や《ボガートの獲物さらい》のような墓地対策をモダンへ投入し続けています。以上の理由から、《信仰無き物あさり》はモダンにて禁止解除となります。

 長年の議論の1つに、「《欠片の双子》は現在のモダンでも強いのか?」というものがあります。《欠片の双子》は、メタゲームの上位に定住しいくつかのプロツアーを制したのちに、2016年に禁止されました。このカードが健在だった当時は、3マナを残す相手にタップアウトでターンを返せば即敗北という恐怖が現実のものとしてありました。皆さんは除去で対応できるようマナを残し続けていたでしょうか。それとも対戦相手が《やっかい児》と《欠片の双子》のワンツーパンチを揃える前にゲームを終わらせるべく、盤面を進めていたでしょうか。《欠片の双子》を《鏡割りのキキジキ》に替えてもうまくいかないことは、歴史が伝える通りです。では8年にわたるフォーマットの進化は、「欠片の双子コンボ」を抑えられるでしょうか? 私たちはできると考えています。

 今ではマナを支払わず使えるカードを含め、かつてはなかった回答があります。対戦相手がタップアウトで4マナのエンチャントをつけると決断しても、生き残れるでしょう。《孤独》や《否定の力》、《活性の力》、《拒絶の閃光》はモダンの競技シーンで見受けられ、いずれも《欠片の双子》デッキがかつて見せていたプレイ・パターンに対応できます。

 それぞれ複数の戦略をサポートする《オパールのモックス》や《信仰無き物あさり》、《緑の太陽の頂点》と異なり、《欠片の双子》がサポートするのは1つの戦略のみです。しかし今回の禁止解除の要点は、かつてのモダンを思い起こすことです。いずれのカードも、当時のモダンでは禁止されるに足る理由がありました。ですが時代は変わり、モダンはこれまでと異なることに私たちは気づいたのです。プレイヤーの皆さんが懐かしく振り返るモダンの一時代を象徴するカード、《欠片の双子》が禁止解除となります。数々のミームを生んだ1枚を、どうぞお楽しみください。


 

レガシー

(この項はダン・マッサーよりお送りします。)

 前回の告知にて、私たちは「ディミーア・リアニメイト」による支配を抑えるために《悲嘆》を禁止しました。しかし一定の効果は出たものの、それは私たちが期待したほどのものではありませんでした。「ディミーア・リアニメイト」の使用率が第2位のデッキの倍を記録し、勝率も高い数値を維持していることを受けて、さらなる措置が必要であると私たちは確信しました。

 《超能力蛙》はリアニメイト戦略の主要な形とすこぶる相性が良く、回答必須の脅威でありながら、リアニメイト対象の高コスト・カードを引き込んだときにも役立ちます。これにより「ディミーア・リアニメイト」デッキは極めて効率的なフェアゲーム・プランを持つことができ、墓地対策手段を回避することができるようになっているのです。レガシーにおいてはリアニメイトも健全なアーキタイプであると私たちは思っていますが、このアーキタイプにつきものの弱点は持つべきです。加えて、《超能力蛙》の強さはリアニメイトのバリエーションを狭め、使用者はディミーアの殻にこもることを余儀なくされています。

 この現象は、「ディミーア・マークタイド」のデッキリストにも見受けられます。《超能力蛙》の強さゆえに、青ベースのテンポ・デッキが白や赤や緑を探求する妨げになっているのです。既存のアーキタイプの多様性を高めつつ特定の戦略を完全に排除しないよう、《超能力蛙》はレガシーにて禁止となります。

 《超能力蛙》に関する議論に加えて、私たちは他に「ディミーア・リアニメイト」の強さを抑えるために禁止できるカードはないか検討しました。中でも注目したのは、《納墓》と《再活性》でした。しかしながら、それらを取り除いても「ディミーア・リアニメイト」が堅実なフェアゲーム・プランを持つという問題は解決しない、というのが私たちの考えです。墓地対策を詰め込んでくる相手には、《超能力蛙》の脅威に頼ることができるでしょう。また、《納墓》を禁止しても《再活性》を禁止しても、リアニメイト戦略はあまりに大きなダメージを受け、メタゲームから完全に排除される恐れがあるのです。

 マナ・コストの支払いなしに使える打ち消し呪文は、レガシーの柱の1つです。それはこのフォーマットをまとめる接着剤の役割を果たしています。特定の戦略が主要なゲームプランを進めながら非常に少ないコストでこの柱の影響を無視できるようになれば、またたく間にレガシーは崩壊を始めるでしょう。「《神秘の炉》コンボ」や「《絵描きの召使い》コンボ」のようなデッキ、それから《古えの墳墓》を用いる赤のデッキなどは、必要がなくなれば他のカードに変換できる1マナのアーティファクトを喜んで採用しています。

 レガシーのメタゲームにおいて《苛立たしいガラクタ》が採用されるようになったのは最近のことですが、早くもその活躍ぶりと強さが証明されています。《苛立たしいガラクタ》をメインデッキから複数枚採用しているデッキの勝率が懸念される数値を示していることと、このフォーマットの柱の1つに対する強さから、《苛立たしいガラクタ》はレガシーにて禁止となります。

 《超能力蛙》と《苛立たしいガラクタ》がこのフォーマットから取り除かれることで、いくつかの上位デッキは変化を必要とするでしょう。「セファリッド・ブレックファスト」や「バント・ゼニス」の《有翼の叡智、ナドゥ》入りのバージョンが成功していることを受けて、私たちは《有翼の叡智、ナドゥ》への注視を続けています。今のところは、今回の変更がこのフォーマットをより多彩で健全な環境に導いてくれると私たちは信じています。


 

ヴィンテージ

(この項はダン・マッサーよりお送りします。)

  • 変更なし

 8月の告知にて《苛立たしいガラクタ》と《ウルザの物語》の制限措置をお伝えして以降、メタゲーム上で《夢の巣のルールス》デッキの使用率増加が見受けられています。無色マナ源の心配が必要なくなったルールス・デッキの多くは代わりに《超能力蛙》を採用し、ディミーアやエスパーの形に統合されてきています。しかしルールス・デッキが最大勢力を誇る中でも他の戦略は十分に姿を見せており、上位デッキの勝率も許容範囲内です。

 私たちは引き続き、ヴィンテージの進化に目を光らせ、ルールス・デッキの活躍ぶりと使用率を観察していきます。《夢の巣のルールス》を制限しても何の効果もなく、ヴィンテージにおける禁止のハードルは極めて高いのです。


 

アルケミー

(この項はデイヴィッド・フィンセス/David Finsethよりお送りします。)

  • 変更なし

 この数か月に行われた再調整と『アルケミー:ダスクモーン』の導入により、アルケミーは大きな変化を迎えています。直近11月に行われた再調整はアルケミーのメタゲームを揺るがし、赤単色の戦略は選択肢として残りながらも、その勢力は減少しています。そして空いたスペースには、新しいデッキが繁栄しています。「赤緑恐竜」は新たに《確固たる棘尻尾》を獲得し、クリーチャーに注目したランプ・デッキが実現しました。また新たに「グリクシス合唱」デッキが登場し、《時代賛歌》と《リバルド・シャンティ》の2枚は再調整後に多く使われている姿が見受けられます。

 それから、《黄金の助手》を擁する「白黒コウモリ」デッキにも注目していることはお伝えしておきます。このデッキは現在高い人気を集めていますが、勝率は私たちがこのフォーマットで目指している範囲に収まっています。今後も新たなセットが導入されていくにつれて、使用率も落ち着いていくと見ています。


 

エクスプローラー

(この項はデイヴィッド・フィンセスよりお送りします。)

 エクスプローラーでは引き続き、テーブルトップ準拠の体験をお届けするという意図に沿って、パイオニアと同じ禁止措置をとっていきます。


 

ヒストリック

(この項はデイヴィッド・フィンセスよりお送りします。)

  • 変更なし

 『ファウンデーションズ』と『ファウンデーションズ ジャンプスタート』は、MTGアリーナに多くの新規カードをもたらしました。リリース後1か月にわたり、ヒストリック・プレイヤーの皆さんはそれらのカードを色々と試してきました。このフォーマットの第一歩として、単色のデッキが人気を集めてきています。《苔生まれのハイドラ》は緑のランプ戦略を支える追加戦力として、その力を見せています。黒のデッキは《ギックスの僧侶》を使い、面白いリアニメイト・コンボを組み上げています。また現在のメタゲームでは『ファウンデーションズ ジャンプスタート』に収録された《物読み》とアーティファクト・土地でアドバンテージを得る新たなアーティファクト・デッキも姿を見せています。

 これらの新戦力たちは、まさしく私たちがヒストリックで見たいと思っていたものです。メタゲームで5%を超えるシェアを有するデッキもなく、勝率も想定内に収まっています。


 

タイムレス

(この項はデイヴィッド・フィンセスよりお送りします。)

  • 変更なし

 ヒストリックと同様に、『ファウンデーションズ』と『ファウンデーションズ ジャンプスタート』はタイムレスにも新たなカードを数多くもたらし、創造性にあふれるプレイヤーの皆さんは、ゲームの新しい壊し方を探し求めています。《幻影の盾甲羅》と《拒絶の閃光》をコントロール寄りのディミーア・デッキで使い、カード・アドバンテージを生み出す形は、その好例でしょう。アーティファクト・デッキも、メタゲーム上で存在感を発揮するべく数を増やしてきています。

 タイムレスの上位デッキは互いに牽制し合っており、このフォーマットはテンポ、アグロ、コンボの戦略が良いバランスで存在しています。MTGアリーナで可能な限り、最高にパワフルなゲームを楽しめるでしょう。


 

ブロール

(この項はデイヴィッド・フィンセスよりお送りします。)

  • 変更なし

 私たちはブロールにおいて、対戦して楽しくない統率者を対象にいくつか再調整を行いました。再調整を経て、 《歪んだ看守、グレンゾ》のパワーレベルは私たちの望むライン内に収まっています。《A-有翼の叡智、ナドゥ》については、再調整後によりバランスが取れた楽しいカードになっていると見受けられます。

 『ファウンデーションズ ジャンプスタート』では、35体の統率者がMTGアリーナに加わりました。その多くが人気を博しているようです。これらの新たな統率者のプレイ状況を見ながら、私たちは引き続きマッチメイキングの観察と調整を行い、組み合わせの失敗が何度も起こらないようにしていきます。

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