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お知らせ

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2023年12月4日 禁止制限告知

Dan Musser
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2023年12月4日

 

告知日:2023年12月4日

スタンダード

 変更なし

パイオニア
モダン
レガシー

 変更なし

ヴィンテージ

 変更なし

エクスプローラー
パウパー

発効日

テーブルトップおよびMagic Online:2023年12月4日
MTGアリーナ:2023年12月5日

 制限カード、禁止カードのフォーマット別一覧はこちら


 今日お話しすることはたくさんありますが、各フォーマットについての解説の前に告知と期間について少し明確にしておこうと思います。今後の告知の日付は今より少し柔軟になります。今後の禁止制限告知は各セットの発売後2週から5週後のタイミングで行われます。これによりプロツアーなどの大型イベントのデータを取りつつ次のセットのプレビューが始まる前に変更を行うことが可能になります。我々はみなさんが次のセットのカードの評価を行って集め出すよりも前に各フォーマットの明確な状態を定めたいと考えています。

 そのために我々は各主要セットの発売の後に告知を出す期間を設定しました。スタンダードのほぼすべての変更は新しい3年制スタンダードのローテーションと繋がった秋の禁止制限告知に年一回だけ行うという目標は変わりません。パイオニア、モダン、レガシー、ヴィンテージの変更は各主要セットの発売後の期間に行われる可能性があります。次の告知期間は『カルロフ邸殺人事件』発売後の2024年3月11日前後です。

 先週見逃した方のために、禁止制限告知やそのタイミングやその他諸々に関する全般的な理念について解説した動画のリンクを以下に掲載しておきます。(英語)

スタンダード

 我々は今年スタンダードについてたくさんお話ししてきました。そして5月の初めに数枚のカードに対して行動を起こして以降のこのフォーマットの状態に満足しています。スタンダードはそこから発展し、『エルドレインの森』と『イクサラン:失われし洞窟』のカードが加わりました。

 我々はスタンダードに大分類アーキタイプ(アグロ、ミッドレンジ、コントロール、コンボ)が存在して、新セットが既存のデッキにカードを追加し、そして全く新しいデッキを生み出しているときはこのフォーマットが健全であると見ています。現在スタンダードには全部で10(小型も含めば11)セットが含まれていますが、それでも5月の禁止以降このような事柄が起こっています。

 現在のスタンダード環境では、先程の大分類アーキタイプにのそれぞれに分類される複数の異なる戦略が存在しています。アグレッシブなスタイルのプレイがしたいなら、赤単アグロ、アゾリウス兵士、ボロス・アグロ(従来の召集型や《太陽の執事長、インティ》を使った新型)、グルール恐竜などを使うことができます。ミッドレンジのファンにもエスパー・レジェンズ、エスパー・ミッドレンジ、ゴルガリ・ミッドレンジ、オルゾフ・ライフゲインなどの選択肢があります。コントロールの形にはバント・コントロール、エスパー・コントロール、版図ランプといったいくつかの種類が存在します。ここ数ヶ月では《木苺の使い魔》、《アラーラへの侵攻》、《アガサの魂の大釜》を駆使したコンボデッキさえも存在します。

 もちろん、激しく歪んだ異常値がない限りはスタンダードの変更を年に一回秋のローテーションの時期にだけ行うことが我々の目標であることは変わりません。

パイオニア

 《大いなる創造者、カーン》禁止
 《地質鑑定士》禁止
 《密輸人の回転翼機》禁止解除

 我々はパイオニアに可能な限り多様性に富んだ体験を提供したいと考えています。パイオニアはカードがスタンダードを通さずに直接追加されず、またローテーションなしで過去のスタンダード環境のカードを楽しめる場所であり、スタンダードからの供給だけでカードが増えていくフォーマットの中で最大のものです。最大のフォーマットとして、基本的にスタンダードを経て印刷されたカードの中で最も強力であるか最もシナジーのあるカードだけが居場所を見つけることになります。強力なカードが溢れかえったフォーマットなので、パイオニアを可能な限り楽しいものに維持するためには適切な管理をする必要があります。

 約1年半前の2022年6月に我々はこのフォーマットに対して行動を起こしました。パイオニアの管理に対してもっと積極的な役割に戻ろうと計画しました。パイオニア設立後の1年間は頻繁に変更が行われ、1ヶ月の間に複数の変更が行われたこともありました。今後は、パイオニアをより良く管理していくために主要セット発売後の禁止制限告知の期間を積極的に活用していきます。

 緑単ニクソスデッキの使用率と勝率は妥当な範囲に収まっているとはいえ、このデッキはシンプルにこのフォーマットの誕生以来メタゲームの大きな構成要素となってきました。《大いなる創造者、カーン》はこのデッキがいかなる状況にあっても脅威と対策を探してくることができ、この戦略を突破するのはかなり難しい場合があります。これによりパイオニアのメタゲームではこのデッキを掻い潜ろうとするかコンボによってこのデッキを無視しようとするかのどちらかになってしまい、事実上このデッキの存在がメタゲームを歪めています。また、このデッキの安定性と強さは様々なタイプのフェアなミッドレンジ戦略が存在することをとても難しくしています。

 《大いなる創造者、カーン》の範囲はとても広く、複雑な無限コンボを機会損失ほぼなしで達成させられることでこのフォーマットをとっつきにくいものにしています。加えて、いるだけでアーティファクトを抑制するカーンの能力は興味深いカードがプレイされることを妨げている可能性があります。現在はメタゲーム上のシェアが落ち込んでいますが、このデッキが長い間メタゲームを歪める影響力を持っていたのは明らかであり、これらの理由から《大いなる創造者、カーン》は禁止となります。

 『イクサラン:失われし洞窟』の導入はこのフォーマットに新しいおもちゃをもたらしました。《地質鑑定士》や《クイントリウス・カンド》などのカードを筆頭とした発見メカニズムはクローン効果を除いて4マナ以下のカードをプレイしない全く新しい戦略を生み出しました。放っておくとこれらのデッキは戦闘で勝利するのに十分な数のクリーチャーか、《クイントリウス・カンド》の誘発型能力により対戦相手を直接倒すのに十分な点数のダメージを生み出します。

 宝物・トークンを1つ出せば3ターン目《地質鑑定士》でゲームに即勝利できることは、このフォーマットの長期的な健全性にとって良いことだと言うには少し与えるプレッシャーが大きすぎます。この動きがパイオニア最強なのかは定かではありませんが、相手が何らかの形で干渉しなければそのプレイヤーは自分の2ターン目にゲームに負けてしまう可能性があります。これはプレイヤーが序盤に負ける前に様々な大分類の戦略を楽しめるという我々の長期展望にそぐわないものです。すべてのデッキが1〜2マナの干渉する呪文を使わなければならないならば、このフォーマットは衰退してしまいます。これらの理由から《地質鑑定士》は禁止となります。

 クイントリウス・デッキは引き続き監視対象です。デッキ名を冠したカードを4ターン目に通すだけでゲームに勝つことができます。しかしこの余分にかかる1ターンで対戦相手は自分のゲームプランを整え、コンボの決まるターンにより上手く備える事ができます。

 我々は《密輸人の回転翼機》を2019年12月に禁止しました。それ以降、多くの新セットがこのフォーマットに加わり、時間とともに自然にフォーマット全体の強さは増していきました。我々は頻繁に禁止解除を行いませんが、フォーマットはそれを上手く吸収できると信じています。《密輸人の回転翼機》の再導入は新たなデッキ構築のパズルを生み出し(もしくは昔のものを復活させ)、さらなる多様性を供給します。《密輸人の回転翼機》は禁止解除されます。

 今回我々が取った行動と最新セットのもたらした影響により、パイオニアにはかなりの量の変化が起こります。我々はこのフォーマットがどのように適応していくのか興奮しており、データと皆さんの気持ちの両方を注視してこのフォーマットを可能な限り楽しい方向へと推し進め続けていきます!

モダン

 《激情》禁止
 《豆の木をのぼれ》禁止

 8月にモダンについて話をしたときに、『指輪物語:中つ国の伝承』の新カードで最も警戒していたのは《オークの弓使い》と《一つの指輪》でした。これらのカードはメタゲームの中で強力でしたが、別のカードがさらにこのフォーマットの可能性を抑圧していました。《激情》はほとんどの場合相手の盤面を薙ぎ払う4/4二段攻撃としてプレイされ、クリーチャー・デッキをプレイすることをほぼ不可能にしていました。ラクドス想起は今年の夏のプロツアー以降突出したメタゲームでのシェアを占めていて、それに続くのはやはり《激情》を積んでいる4色オムナスです。他のいくつかのデッキでも《激情》は使われており、複数の興味深い戦略を押しのけ続けています。この理由により、《激情》はモダンで禁止となります。

 《激情》の排除はラクドス想起の使用率と勝率の両方に影響します。現在は《悲嘆》や《激情》を出しなおすために《まだ死んでいない》などの「不死」効果が4枚以上使われています。《激情》がなくなると、何度も不死効果をプレイするための機会損失が増加し、デッキの安定性が下がってデッキに入れることが実際の損失になってしまいます。これらのデッキが《孤独》や《儚い存在》を活用した白いバージョンへと変身する可能性がありますが、《孤独》を出し直しても4/4二段攻撃ほどの脅威ではなくこのデッキがメタゲームに対してカバーできる部分が狭くなります。

 我々は《激情》の排除によりこのフォーマットが広がり、プレイヤーがさらなる戦略、特にタフネスの低いクリーチャーによるものを探求できるようになると考えています。最終的には、メタゲーム内でラクドス想起の数が減り、《オークの弓使い》と《悲嘆》に遭遇する回数が減ります。

 《豆の木をのぼれ》は最近モダンに加わったカードの1つであり、このフォーマットにある多くの5マナ以上のカードに恩恵を与えます。しかし、《豆の木をのぼれ》と一緒に使うカードに実際5マナ近くを払うことは稀です。《激情》の排除は確実に《豆の木をのぼれ》の活用にも影響を与えますが、我々はそれでは不十分だと考えています。即座にカードが引けるのでこの2マナのエンチャントに効果的な対処をすることは極めて難しく、差し引きで大きな利益を得るので《豆の木をのぼれ》のプレイヤーは同じターンにフリースペルを唱えることがよくあります。これは《衝撃の足音》や《死せる生》などの0マナ呪文よりも《豆の木をのぼれ》を続唱したほうがよりアドバンテージが取れると結論づけられた場合特に顕著です。これらの理由により《豆の木をのぼれ》はモダンで禁止となります。

レガシー

 レガシーに変更を加えるとき、我々はよくコミュニティの感情というレンズを通してデータを見ます。コミュニティは情熱的で、そして我々はプレイヤーが長年楽しんできたものをとても大切だと考えています。プレイヤーは《渦まく知識》、《意志の力》、《不毛の大地》がプレイしたいので、そのため他のフォーマットでは数が多すぎるために大昔に取り除かれたカードがまだ残っています。レガシーは他のフォーマットでは禁止が必要なカードを受け止めるのに十分な力強さがあり、そのため我々はほとんど行動を起こしません。

 『指輪物語:中つ国の伝承』の導入と『エルドレインの森』および直近の『イクサラン:失われし洞窟』の発売以降、レガシーのメタゲームにはいくつか新しいカードが追加されて戦略は進化してきました。

 例を挙げると《オークの弓使い》、《ロリアンの発見》、《カザド=ドゥームのトロール》、《進め、エオルの家の子よ!》、《豆の木をのぼれ》、《探索するドルイド》、《鏡に願いを》、《溶鉄の崩壊》などは様々な方法でこのフォーマットに影響を与えました。《オークの弓使い》は最も影響を与えたカードで、様々なテンポ・コントロール・ミッドレンジデッキに採用されました。それでも、メタゲームには大分類アーキタイプのそれぞれが表れています。新しいカードが影響を与えることで、戦略は適応しメタゲーム変化が起こっていて、我々は今回変更を行わないことにしました。

ヴィンテージ

 ヴィンテージの管理はレガシーと似ていて、データとコミュニティの感情を合わせて取り入れています。《一つの指輪》、《ロリアンの発見》、《オークの弓使い》、《鏡に願いを》などのカードは今のところ新しいものや既存のアーキタイプに居場所を持っています。このフォーマットは巨大で、ほぼ永遠に存在しているのにも関わらず、今もなおこれだけの新しいカードや戦略の探求が可能であるというのはものすごいことです!マジック最強のカードが使えるこのフォーマットが健全な位置にあることを示す素晴らしいサインです。

 最新カードではありませんが、《ウルザの物語》は多くの大分類アーキタイプに渡って増加しています。《ロリアンの発見》の導入によって、その無色マナで青マナを探してくる能力で《ウルザの物語》のマナ基盤を本質的に定着させることが可能になり、《意志の力》のピッチ・コストに使えて最悪の場合5マナの《Ancestral Recall》として唱えることができるマナ基盤として機能します!

 我々はこれらのカードがヴィンテージに与える影響を注視し続け、特に直近のエターナル・ウィークエンドに注目しますが、ヴィンテージはとてつもなく力強いフォーマットであり今変更がないことに満足しています。

エクスプローラー

 パイオニアで禁止されて「MTGアリーナ」で入手可能なカードはエクスプローラーでも禁止されます。これを保つため、《大いなる創造者、カーン》と《地質鑑定士》はエクスプローラーでも禁止となります。(注:パイオニアで禁止解除された《密輸人の回転翼機》は「MTGアリーナ」では入手できません。)

パウパー

 《僧院の速槍》禁止

 この禁止に関する詳細な解説はガヴィン・ヴァーヘイのパウパーの更新に関する記事をご覧ください。

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