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お知らせ
2023年8月7日 禁止制限告知
2023年8月7日
告知日:2023年8月7日
モダン
- 《定業》禁止解除
レガシー
- 《精神の願望》禁止解除
発効日:
テーブルトップおよびMagic Online 2023年8月7日
制限カード、禁止カードのフォーマット別一覧はこちら。
前回の告知で、新しい禁止制限告知の周期と、スタンダードのローテーションが2年から3年に延長されることについてお話ししました。その記事の中で、我々はほとんどのフォーマットの変更が1年に1回、(通常は)ローテーションが伴う秋のセットのプレビューの直前であるこのタイミングに行うと発表しました。その目的はスタンダードの信頼性と安定感を高めるために変更を年1回にすることですが、各主要セットの発売に合わせて変更を行う期間を残しておきました(次は10月16日です)。この期間は慎重に運用しようと考えています。この短い期間の中で、我々はスタンダードよりもローテーションのないフォーマットへの変更を行いやすくなります。前回の告知の中にはスタンダードへの変更が含まれていて、そしてスタンダードは健全で多様性があるように見受けられるため、今回はパイオニア、モダン、レガシー、ヴィンテージに焦点を当てていきます。大きな問題が発生しなければ、次のスタンダードの更新は来年のこの時期になる予定です。
モダン
文:マイケル・メジャース/Michael Majors
《定業》禁止解除
今回と同じくバルセロナで4年前に開催された前回のプロツアー・レベルのイベント以降様々な戦略が流行りそして廃れ、禁止制限リストに多くの変更が行われ、『モダンホライゾン2』が発売され、モダンはより対話を行うフォーマットへと変化しました。
先日直接モダン入りする3番目のセットである『指輪物語:中つ国の伝承』が発売され、先週末行われたそのセット名を冠したプロツアーの舞台が整いました。最初に話題になった無色のアーティファクトである《一つの指輪》は多種多様なデッキで使用され、そのすぐ後に《オークの弓使い》が勢いを増しました。
今回のプロツアーのメタゲームが事前公開されたとき、当初は懸念がありました。メタゲーム内での各デッキのシェアは通常の範囲内で比較的多様性がありましたが、新カードの使用率は《一つの指輪》と《オークの弓使い》が1位と2位であり、これは高レベルのエターナルのトーナメントでは珍しいことです。
我々がプロツアーを観戦し、そしてプロツアーの参加者やMagicCon: Barcelonaにモダンをプレイしにきたプレイヤーと多くの話をすることでその懸念は薄れていきました。様々なデッキが活躍し、ゲーム内容やその中でのやり取りは健全に思われました。我々はその週末を通して、起伏があり、興味深く、対話の行われた素晴らしい試合をいくつも目にしました。
この2枚のカード、特に《一つの指輪》は今回のプロツアーやモダン環境に大きな波を起こしましたが、モダンに存在する他のあらゆるものを覆い隠すことなく、このフォーマットの中で快適に競技が行われるよう様々なデッキや主要アーキタイプに適応することができます。
《一つの指輪》を複数ターンの間出したままにすることでゲームが決まってしまうことが頻繁に起こりえますが、モダンのようなパワフルなフォーマットで4マナのカードを強すぎると断ずる基準は高いものです。《一つの指輪》か《オークの弓使い》のどちらかの逃げ切りによってすぐに決まるゲームは多くはなく、プレイヤーに何度も有利不利の入れ替わる対話のあるゲームを行わせます。《一つの指輪》対策で《ウルザの物語》から《機能不全ダニ》が持ってこられるのを間違いなく何度も見かけており、そこには「この物語の真の主役は誰なんだ?」という疑問が生じるほどです。
今回我々は『指輪物語:中つ国の伝承』のどのカードに対しても行動を起こしませんが、これらのカードが監視対象であることは明確にしておきたいと思います。トーナメントの結果は健全で、地域チャンピオンシップ予選においてこのフォーマットをより深く掘り下げる余地もあるのですが、この2枚のカードの使用率は高いままであるのも事実です。我々は《一つの指輪》のプレイパターン、特に戦場に出たときの能力を繰り返すためにループやリセットする能力を与えるプレイパターンの楽しさを長期的に監視していきます。同じように、《オークの弓使い》はモダンでラクドス想起以外で《敏捷なこそ泥、ラガバン》があまり使われなくなるほど環境からタフネス1を駆逐する働きをかなりの数成し遂げています。
ではなぜ《定業》を解禁するのか? 解禁はあまり行われませんが、我々はフォーマットを楽しくしてプレイヤーの選択肢を増やす禁止リスト縮小の機会を常に探っています。最初に書いた通り、この4年間で多くの変更がモダンになされました。ましてや2011年に《定業》が禁止されて以降となればさらに多くの変更がありました。
《定業》と《思案》は元々強力なイゼットのコンボデッキである「ストーム」と「欠片の双子」に大きな安定性を与えていたために禁止され、どちらのデッキもそれ以降複数回禁止を受けました。この禁止にはモダンを、カードの組み合わせ次第で開始4ターン以内に死ぬということが頻繁に起きない、少し遅いフォーマットにしようというビジョンがありました。
現在のモダンは平均的に双方向性が大きく増していて、その要因の一部は「モダンホライゾン」シリーズによるものです。これらのセットを発売した目的は対戦相手のコンボを止め、長くプレイできて双方向性のあるゲームにするための強力な選択肢を提供することでした。結果として、我々は《定業》がコンボ戦略の安定性を単純に増加させるのではなくフェアな青いデッキを強化すると考えています。
これはまた『モダンホライゾン2』発売から『指輪物語:中つ国の伝承』発売までの間最も人気のあったデッキの1つだったが、《オークの弓使い》の登場によりそれ以降人気が落ちているイゼット・マークタイドに何かを返そうという目標の一部でもあります。
パイオニア
文:カルメン・ハンディ/Carmen Handy
パイオニアのメタゲームでは幅広いプレイスタイルが存在し、トーナメントごとに代表的なアーキタイプが異なっています。緑単信心、各種ラクドス、クリーチャー中心のアグロという柱ははっきりしていますが、それらのメタゲーム内でのシェアは健全な速度で増減しています。現在新しいバージョンの《睡蓮の原野》コントロールが注目されていますが、その勝率と使用率は我々が妥当だと判断するデッキの地点まで来ています。明確な勝ち組や他のデッキを弾き出す対処不能なアーキタイプは存在せず、今回は変更を行わないことにしました。
レガシー
文:カルメン・ハンディ/Carmen Handy
《精神の願望》禁止解除
マジックは豊富で様々な物語のある歴史を持ち、その中には史上最速で禁止された《精神の願望》の逸話があります。その当時、マジックの脅威の強さは回答よりもはるかに強く、レガシー(またはタイプ1.5)のメタゲームでクリーチャーが占める割合はとてもとても小さなものでした。今とは大違いです。
《精神の願望》の禁止から20年が経過し、その間にクリーチャーは強くなり、新しくプレインズウォーカー・カードが導入され、複数のフリースペルのサイクルができたことでストーム・メカニズムの愛好家になることは難しくなりました。コンボプレイヤーが他のアーキタイプが主要な製品から偶然に得られるものと同じレベルの新しいカードと強さを得られるようにするため、我々はレガシーで《精神の願望》の禁止解除を決断しました。
この呪文コンボの存在以外にも、レガシーのメタゲームは『指輪物語:中つ国の伝承』で進化し続けています。《オークの弓使い》はメタゲームに大きな影響をもたらし、このフォーマットに昔から大量に存在していた軽いドロー呪文を咎めています。今のところ、《精神の願望》が咎めるであろうデッキの多くはこれまで過小評価されていたアーキタイプが輝く余地を残しながら適応しているように見受けられます。今後数ヶ月でどのように適応していくか観察し続けますが、現時点で何か禁止する必要があるとは考えていません。
ヴィンテージ
文:カルメン・ハンディ/Carmen Handy
最後に、ヴィンテージのプレイヤーは最近《一つの指輪》という形で新たな道具を得ましたが、我々は現時点でそれに対して行動を起こす必要があるとは考えていません。このフォーマットには多くの強力なアーティファクトが存在するという重荷があるにも関わらず、プレイヤーはその可能性をまだ探っていて、我々はどこに落ち着くのかを見てみたいと考えています。《ウルザの物語》はこれらのデッキの強さの源として定着していますが、それらのデッキとドゥームズデイ、白単イニシアチブなどのデッキや、よりフェア寄りの青いアーキタイプなどを比較したメタゲームでの割合には基本的に満足しています。
我々はフォーマットの進化とともにここで挙げたカードに目を光らせ続けますが、そのどちらも使っていないデッキの成功はまだ行動を起こす必要がないということを示しています。
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