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お知らせ
『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)
2022年6月1日
はじめに
こんにちは、冒険者の皆さん!
『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』の発売が間近に迫ってきました。いつもの通り、セットに伴って、いくつかのルール更新と、オラクル上の数枚のカードの文章の変更があります。この文章は、ルールやカード・テキストの変更の編集中に書かれたものなので、最終的なものとは少し異なる場合があります。完成したら、ルール・ページ(英語版)で公開されます。セットが発売されたら、カードの公式なオラクルがGathererで公開されます。
それでは、早速飛び込みましょう!
総合ルール変更点
これは、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』の発売に伴って計画されているマジック公式ルールへの変更の概要です。新しいメカニズムとその働きの概要を知りたければ、このセットのメカニズム記事をご参照ください。
執筆時点で、公式ルールは検証中であることにご留意ください。公式ルールは、ルール・ページ(英語版)で公開されます。この概要と公式ルールとの間に齟齬がある場合、公式ルールが優先されます。
新ルール、更新されたルール
イニシアチブを得る
721
これが最初なのは、イニシアチブという状態やそれに関わるあらゆることを定義している新項目だからです。ゲームを再び開始する、サブゲームといったルールの項番は変更になります。
地下街探索
205.3p
この新ルールは、このセットに入っている新しいダンジョン・カードである地下街もサブタイプを持つと説明しています。そのサブタイプは、地下街です。このサブタイプは「ダンジョン探索」能力で使われます(後述)が、ダンジョン・タイプと相互作用するカードはありません。
701.46d
ダンジョン探索の変種である「地下街探索」がどのように作用するかを説明するルールです。
背景選択
702.124h
このルールは共闘能力の新しい変種である背景選択について説明しています。これは、「1枚がこのカードでありもう1枚が伝説の背景・エンチャントであるなら、あなたの統率者としてその2枚を指定してもよい。」を意味します。これは他の共闘能力と組み合わせることはできず、追加の統率者として背景エンチャントを指定することができるようになるのは背景選択能力を持つクリーチャーを使っているときだけです。
それ以外のルール変更
107.3n
これはカードでのXの使い方への追加となる新ルールです。《嵐の王の雷》は、その呪文のために支払われたXの値を必要とする遅延誘発型能力を生成します。このルールで、それが作用するようになります。
111.5
トークンが戦場に出られないなら、生成されない、というルールです。インスタントやソーサリーであるカードのコピーであるトークンを作る場合を扱えるように加筆されました。ご想像通り、それらのトークンも生成されません。
112.2a
スタックにある呪文をコピーしたら、rule 112.2に則って、それのオーナーはそれをスタックに置いたプレイヤーです。ただし、さまざまな効果で、大抵は追放領域にある。カードのコピーを生成してプレイヤーに唱えさせているものがあります。この新サブルールは、そのコピーのオーナーが、そのコピーを生成して唱える許可を得たプレイヤーであるということを明記しています。
112.4
この一般則は、あまりにも広範になっていました。効果がパーマネント・呪文の特性を変更するなら、それはその呪文がなるパーマネントにも適用され続けると書かれていました。rule 400.7にはその範囲は特定の効果に限るとあり、このルールもそれを反映する形に書き改められています。
115.9
《ワイルの逆転》は、「1つ以上の対象を持つ」呪文や能力だけを対象とできる新カードです。rule 115.9はこれまで単一の対象を持つ呪文を扱うルールでしたが、任意の数の対象を扱えるように若干更新されました。
400.7a
これは、パーマネント・呪文に適用される効果のうち何がそれが戦場でなるパーマネントにも適用され続けるかを説明するルールです。前回の更新でルールへの変更が抜けていて、《道具箱、ヘンジー・トーリ》の機能に関して混乱が生じていました。具体的には、今回の変更によって、奇襲を持つ呪文を《道具箱、ヘンジー・トーリ》の効果で唱えた場合、その呪文が戦場でなるパーマネントも奇襲を持ち続けることが明確になります。
506.6
《狡猾な扇動者、フィルクラーグ》は、戦闘に参加しているクリーチャーが「攻撃しなければならなかった」かどうかを知る必要があります。戦闘フェイズのルールに新しく追加して、その意味を定義します。具体的には、攻撃クリーチャーを指定する時点でクリーチャーに攻撃を強制する1つ以上の効果がそのクリーチャーに適用されていたなら、クリーチャーは「攻撃しなければならなかった」となります。攻撃している状態で戦場に出たクリーチャーは攻撃クリーチャーとして指定されていないので、それらのクリーチャーには適用されません。プレイヤーが宣言しうる適正な攻撃が、実際にはその種の効果が適用されていないクリーチャーだけでの攻撃しかないという奇妙な状況がありえます。その場合、《狡猾な扇動者、フィルクラーグ》の能力はそれらのクリーチャーを無視します。
601.4
この新ルールは、呪文を唱える間のプレイヤーの選択方法を少し拡張します。具体的には、モードの選択、コストに含まれるXの決定、追加コストや代替コストの選択などの、rule 601.2bで列記されている選択です。通常、呪文を唱えるプレイヤーはこれらの選択を、このルールに書かれている順番で行ないます。しかし、呪文によっては、異なる順番で選択しなければならないものがあります。例えば、《豊穣の碑文》はキッカーと「以下から1つを選ぶ。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに以下から望む数だけ選ぶ。」を持つモードを持つ呪文です。rule 601.2bにおいてキッカー・コストを支払うかどうかの決定はモードの選択よりも後に書かれていますが、この呪文では、いくつのモードを選べるかを決めるためにキッカー・コストを支払うかどうかを先に選ばなければなりません。《道具箱、ヘンジー・トーリ》に関する議論(上述rule 400.7a 参照)の中でも、この状況でどのような順番で選択するのかについて混乱が見られました。新しいrule 601.4は、それを明確化します。《道具箱、ヘンジー・トーリ》について具体的には、Xをマナ・コストに含むクリーチャー・呪文の場合、マナ総量が4点以上になるXの値を選んだなら、それによって与えられる奇襲能力を使うことができます。
607.3
追放されているカード1枚に言及する関連した能力を持つオブジェクトが複数のカードを追放した場合にどうするかを説明する新ルールです。追加された段落で、その能力が「その追放されているカード」のコピーであるトークンを生成するものであって伏線追放していたなら、その能力は追放されているカードそれぞれのコピーであるトークンを生成します。この状況では、その前半部で複数枚のカードからなる、合同パーマネントや合体パーマネントを追放しているのが通例です。
608.3
このルールとそのサブルールは、パーマネント・呪文の解決について説明しています。文章は大幅に書き換わっていますが、取り上げるような機能変化はありません。ではなぜ更新したのでしょうか? 説明します。1段落飛ばして、まとめだけ読んでいただいても結構です。おまかせします。
これまで、このセクションではパーマネント呪文の解決は1工程、単にそのパーマネントを戦場に出すだけと書かれていました。簡単ですよね? 例外としてオーラが書かれていましたが、これも簡単に理解できるものでした。その後、比較的最近になって、パーマネント呪文のコピーが、さらに変容が例外に追加されました。他にも、この工程には、ルールには書かれていない例外や追加がいくつか隠れていました。例えば、授与されたオーラの対象が不適正な場合の処理は変容の場合と非常によく似ていますが、このセクションでは変容についてしか書かれていません。授与は抜けていました! パーマネント呪文の解決に際して他の効果を持たせる能力すらあります。全体として、このセクションに個別のルールを書くこと(や、書いていないこと)に実際上の問題があるわけではありませんが、私たち(間違いなく私も含みます)融通の利かない人間にとって面倒な問題を積み上げていくことになっていました。
結論として、私たちはこれを整備して明確化することにしました。
700.8
このルールとそのサブルールは、パーティー・メカニズムについて説明しています。新カード《団結》には、プレイヤーが自分がコントロールしているクリーチャーの中から「パーティーを選」ぶと書かれています。これは、単に自分のパーティーに含まれるクリーチャーの数を数えていたこれまでのパーティーの効果とは違います。このセクションは書き直され、説明のために新しいサブルールが追加されました。パーティーを選ぶ場合、各プレイヤーは該当するクリーチャー・タイプ(ウィザード、クレリック、戦士、ならず者)ごとにそれぞれ自分がコントロールしているクリーチャー最大1体を選びます。
702.21b
《無慈悲な魂、ミンタラ》は「護法 {X}、Xはあなたが持っている経験カウンターの個数に等しい。」を持っています。護法の新サブルールで、Xの値は語法能力の解決に際して決定されると説明されています。誘発した時点で固定されるわけではありません。つまり、誘発してから解決されるまでの間に経験カウンターを増やした場合、対戦相手はその呪文が打ち消されないようにするためにはその増えたマナを支払う必要があります。
702.122d
機体が「搭乗され」たときに誘発する能力に関するルールが、それに搭乗したクリーチャーについての情報を必要とする「場合」節を扱うために拡張されました。その場合節で参照できるのは、それを誘発させた搭乗能力のコストを支払うためにタップされたクリーチャーだけであり、他のときにそれに搭乗したクリーチャーは含みません。
702.124i
「共闘」という語を使わない共闘能力の変種をマジックに導入し始めて、「共闘を持つ」という表現の意味について混乱を生じさせることになると気づきました。カードが共闘を持ちそれでないカードを参照する場合、それは共闘のすべての変種を参照するのではなく、共闘と「~との共闘」メカニズムだけを参照すると決めました。
702.145
キーワード能力である日暮に関するルールです。文字通り読むと、これは夜に《クローン》が日暮クリーチャーのコピーとして戦場に出ること(これそのものが充分に奇妙です)を含むコーナーケースで直感に反する相互作用を起こします。その場合、《クローン》は変身した状態で戦場に出ることはできないので、両面カードのルールから、その《クローン》はそもそも戦場に出ないのです! 日暮ルールは、変身する両面カードで表されるパーマネントにしか適用されないと変更されました。
705.1-2
コイン投げに関するルールです。パーマネント呪文の解決の工程と同様、これも少々整理整頓されましたが、ルールの機能は1つを除いて大きくは変わっていません。これまでは、ルール上厳密には、コイン投げをさせた効果が必要としない限り、コイン投げの勝敗を決めることは求められていませんでした。これは勝者が必要であると書かれてはいないけれども必要な《酒場の悪漢》で問題でした。《酒場の悪漢》は、このルールで適切に扱われるようになります。
903.13e
統率者ドラフトのセクションにあるこのサブルールは、《虹色の笛吹き》をドラフトで統率者として扱う方法についてのルールなので「《虹色の笛吹き》」ルールと呼ばれていました。おそらく、これは今後「《虹色の笛吹き》と《正体を隠した者》」ルールと呼ばれることになるでしょう。言いやすいですね。
新サブタイプ
クリーチャー・タイプ
ギス/Gith、セイウチ/Walrus
プレインズウォーカー・タイプ
エルミンスター/Elminster、ミンスク/Minsc、ターシャ/Tashe
エンチャント・タイプ
背景/Background
ダンジョン・タイプ
地下街/Undercity
用語集の新項目
背景、背景選択、イニシアチブ、[性質]探索
オラクル変更点
このセットの発売に伴い、オラクルの文章に訂正が入ったカードが数枚あります。ギャザラーでカードの公式テキストが参照できます。
《エルタレルの流刑者、ゼヴロア》
《エルタレルの流刑者、ゼヴロア》の起動型能力は「only」が抜けて印刷されており、おかしな表現になっていました。オラクル上では追加されています。
旧テキスト:
Haste
{2}, {T}: When you next cast an instant or sorcery spell that targets a single opponent or a single permanent an opponent controls this turn, for each other opponent, choose that player or a permanent they control, copy that spell, and the copy targets the chosen player or permanent.
新テキスト:
Haste
{2}, {T}: When you next cast an instant or sorcery spell that targets only a single opponent or a single permanent an opponent controls this turn, for each other opponent, choose that player or a permanent they control, copy that spell, and the copy targets the chosen player or permanent.
和訳:
速攻
{2}, {T}:このターンであなたが単一の対戦相手か対戦相手がコントロールしている単一のパーマネントだけを対象としてインスタントやソーサリーである呪文を次に唱えたとき、それ以外の各対戦相手につきそれぞれ、そのプレイヤーやそのプレイヤーがコントロールしているパーマネントのうち1つを選び、その呪文をコピーし、そのコピーはその選ばれたプレイヤーやパーマネントを対象とする。
《暴走魔法の使い手、ニーラ》
《暴走魔法の使い手、ニーラ》の印刷された文は、公開して土地でないカードを唱えないことを選んだときにそれをどうするかが明確ではありませんでした。他のカードと一緒にライブラリーの一番下に置かれるということが明確になるよう更新されています。
旧テキスト:
Whenever you cast a spell, you may put it on the bottom of its owner's library. If you do, reveal cards from the top of your library until you reveal a nonland card. You may cast that card without paying its mana cost. Then put the rest on the bottom of your library in a random order. This ability triggers only once each turn.
新テキスト:
Whenever you cast a spell, you may put it on the bottom of its owner's library. If you do, reveal cards from the top of your library until you reveal a nonland card. You may cast that card without paying its mana cost. Then put all revealed cards not cast this way on the bottom of your library in a random order. This ability triggers only once each turn.
和訳:
あなたが呪文を唱えるたび、あなたはそれをオーナーのライブラリーの一番下に置いてもよい。そうしたなら、土地でないカード1枚が公開されるまで、あなたのライブラリーの一番上から1枚ずつ公開していく。あなたはそのカードをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その後、これにより公開されて唱えられなかったすべてのカードをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。この能力は、毎ターン1回しか誘発しない。
《熟達のインヴォーカー、ダイナヘール》
《熟達のインヴォーカー、ダイナヘール》は、次にあなたが4点以上のマナを支払って起動した能力をコピーするという起動型能力を持っています。ただし、このカードにはこの類の能力に通常書かれている、マナ能力では誘発しない、という表記がありません。この表記がないと、4マナ以上のマナを支払ってマナ能力を起動した場合、誘発はしますが、予想とは違うかもしれませんが、誘発型能力の解決時にそのマナ能力はコピーされません。
「え?」
はい、奇妙なことです。マナ能力は、デザイン上、他の能力とは全く違う振る舞いをします。最大の違いは、対応されることがないようにするため、マナ能力はスタックを用いず、起動された直後に効果が発生するということです。この違いは、コピー効果の奇妙な結果を引き起こします。コピー効果は、コピーしようとするゲーム内のオブジェクト、大抵は戦場にあるパーマネントやスタックにある呪文や能力、を見て、コピーがなるべき姿をそのオブジェクトをもとに決定します。厳密なルール用語で言うと、そのオブジェクトの「コピー可能な値」を参照します。マナ能力は起動した直後に解決されるので、コピー可能な値を持つオブジェクトは生成されません。もとにするオブジェクトがないので、マナ能力をコピーしようとするコピー効果は何もしないのです。
まだ着いてきていますか? これは正直なところ頭の体操の類です。まとめると、欠けていた語を《熟達のインヴォーカー、ダイナヘール》のオラクルに加えて、誘発条件がマナ能力を完全に無視するようにします。
旧テキスト:
Haste
You may activate abilities of other creatures you control as though those creatures had haste.
{T}: When you next activate an ability this turn by spending four or more mana to activate it, copy that ability. You may choose new targets for the copy.
新テキスト:
Haste
You may activate abilities of other creatures you control as though those creatures had haste.
{T}: When you next activate an ability that isn't a mana ability this turn by spending four or more mana to activate it, copy that ability. You may choose new targets for the copy.
和訳:
速攻
あなたはあなたがコントロールしていてこれでない各クリーチャーのすべての起動型能力を、それらのクリーチャーが速攻を持っているかのように起動してもよい。
{T}:このターン、あなたが次に4点以上のマナを支払ってマナ能力でない能力を起動したとき、その能力をコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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