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アルケミーにおける再調整の理念

Donald Smith
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2021年11月29日

 

 日々何百万回もプレイされるMTGアリーナにおいてメタゲームの進化を促し盛り上がりを維持するために、アルケミーでは定期的にカードの再調整が行われます。

 カードの下方修正(ナーフ)がメタゲームに影響を与える主な手段になるでしょう。ナーフの対象となるのは、それ自体の強さや勝率、あるいは他の戦略を抑制することでメタゲームに多大な影響を与えているカードやデッキです。ナーフの目的は、そのカードに対抗できる戦略を増やし、それらが舞台に上がれるようにすることです。再調整されたカードも引き続き舞台に残り、強力な選択肢の1つとしてあり続けることが理想です。

 カードの上方修正(バフ)の対象となるのは、競技的なメタゲームでは見かけないものの数多くプレイされている人気のカードです。バフの目的はそのカードを使う体験を改善することです。そのカードを使う人の満足度を全体的に上げつつ、競技的なメタゲームへの影響は軽微に抑えます。第1回となる今回の調整ではさまざまな戦略それぞれの1枚のカードのバフを行いますが、今後の更新では1つの戦略のために複数のカードをバフする場合もあります。

 私たちは、長い歴史を持つ象徴的なカードについては再調整を行わないつもりです。《スレイベンの守護者、サリア》や《水蓮のコブラ》、《思考囲い》、《否認》のようなカードはどれも強力ですが、新しいカードや能力を評価する際によく引き合いに出されます。それらを再調整してしまうと、その手の会話を大きく妨げることになるのです。もしそういったカードが問題を起こすようであれば、環境の変化による間接的な解決か、必要であれば禁止措置を検討します。

 アルケミーは新しいフォーマットであり、デジタル・フォーマットを取り扱う新しい方法です。今後プレイヤーの皆さんからのフィードバックやデータをもとに、この理念も更新されると予想されます。

再調整情報

アールンドの天啓
  • 鳥・トークンの生成を予顕された場合のみに変更。予顕コストを({4}{U}{U}から){5}{U}{U}に変更。

 《アールンドの天啓》はそれ自体を連打したり《感電の反復》と組み合わせたりすることで、盤面が空の状態からでも勝利できます。私たちは、その効率の高さを抑えることを目指しました。今回の変更により、(元の《アールンドの天啓》が予顕されているかどうかに関わらず)《感電の反復》によるコピーからは鳥・トークンが生成されなくなり、また予顕したターンにはその呪文を唱えられないため、《アールンドの天啓》の連打も難しくなるでしょう。再調整された《アールンドの天啓》は《くすぶる卵》や《黄金架のドラゴン》のようなクリーチャーによるサポートが必要になり、この強力な勝ち手段にもより多くのデッキが干渉できるようになるはずです。

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エシカの戦車
  • 戦場に出たときに生成する猫・トークンを(2体から)1体に変更。(搭乗4から)「搭乗2」に変更。

 《エシカの戦車》は単体除去に対してあまりに多くの優位があり、また機体であることで(《神の怒り》のような)全体除去に対しても根本的に強くなっています。そのため、除去による干渉をしやすくしたいと考えました。搭乗も2にすることで、2/2の狼や2体の1/1トークンのような小型トークンとのシナジーが見込まれます。

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不詳の安息地
  • (4/3から)3/3に変更。

 《不詳の安息地》のパワーを4から下げることで、攻撃的な単色デッキが制御しやすくなると思われます。《不詳の安息地》によるプレッシャーの中でも解決策を探す時間が増え、デッキ構築の面でもこれをブロックできるタフネス4のクリーチャーが価値を増すようになるでしょう。

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黄金架のドラゴン
  • 「呪文の対象になるたび」という誘発条件を削除。

 《エシカの戦車》の再調整と同様に、《黄金架のドラゴン》も除去で干渉しやすくしようとしています。《黄金架のドラゴン》の誘発型能力は、特に《否認》や《襲来の予測》と組み合わさると干渉手段を厳しく制限します。クリーチャー同士のやり取りは私たちが促進しようと考えているマジックの一面です。

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光輝王の野心家
  • 能力の誘発を(「あなたのターンの戦闘の開始時に」から)「あなたの終了ステップの開始時に」に変更。

 特に1マナ域のクリーチャーに続く《光輝王の野心家》について、それがゲームに即座に与える影響力を抑えたいと私たちは考えています。対戦相手からの攻撃を予測してクリーチャーを強化するという防御面での有用性を維持するために、アップキープではなく終了ステップへ移すことを決めました。

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創造の座、オムナス
  • マナ・コストを({R}{G}{W}{U}から){1}{R}{G}{W}{U}に変更。戦場に出たときの誘発型能力を(「カードを1枚引く」から)「占術1を行う」に変更。

 《創造の座、オムナス》の強さの大部分は、これを唱えるために消費したカードやマナを取り戻せることにあります。爆発力は健在ですが、失ったリソースを自分で回復できる能力を失うことで、効率の高さが抑えられるはずです。また、戦場に出たときの能力は削除するのではなく「占術1を行う」に変更しました。これで、土地のプレイにはスタックを用いませんが、「上陸」能力が誘発する前に干渉する余地があるようになります。

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星界の霊薬
  • (「あなたは2点のライフを得る」から)「あなたは2点のライフを得て占術1を行う」に変更。

 《星界の霊薬》を唱えられる状況で毎ターン2点回復という効果は有用であると言いがたく、4マナのカードとしては効果が小さすぎます。「占術1を行う」を加えることで効果が少し強化され、ライフを得る効果とシナジーを持つカードやカードを引くための他のライフを得るカードを探して採用するプレイヤーが増えることでしょう。

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デミリッチ
  • (4/3から)4/4に変更。

 《デミリッチ》を使うデッキはクリーチャーが少なくなりがちで、複数の除去呪文や戦闘を切り抜けるのに困難が伴います。タフネスを4に上げることで、《デミリッチ》はデッキの中心として信頼できるカードになるでしょう。

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クラス・エンチャント

ドルイド・クラス

  • レベル3能力のコストを({4}{G}から){2}{G}に変更。
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ウィザード・クラス

  • レベル3能力のコストを({4}{U}から){2}{U}に変更。
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 これら2種のクラス・エンチャントの強さの大部分はレベル1とレベル2に集約されており、レベル3到達にかかる費用は高く設定されすぎていました。レベル3に到達しやすくなることで、これらはより多用途に使いやすくなり、ゲームの進行に伴うクラスのレベル上げを促進することになります。

世界を彫る者、ファイラス
  • トランプルを追加。上陸能力に「それはターン終了時までトランプルを得る。」を追加。

 《世界を彫る者、ファイラス》は、同じく緑の6マナで複数体のクリーチャーを生成するカードである《トヴォラーの猟匠》と比較されています。《世界を彫る者、ファイラス》の方がデッキ構築における要求が高いため、本体と上陸能力にトランプルを付け加えます。これでより効率的にゲームを終わらせることができるようになり、《トヴォラーの猟匠》との差別化を図れるでしょう。

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