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お知らせ
2021年10月13日 禁止制限告知
2021年10月13日
告知日:2021年10月13日
スタンダード
変更なし
我々はスタンダードのローテーションおよび『イニストラード:真夜中の狩り』の発売以降、このフォーマットのメタゲームを注意深く監視してきました。『イニストラード:真夜中の狩り』シーズンが終わり来月の『イニストラード:真紅の契り』発売が近づいてきて、我々は一部のプレイヤーが《アールンドの天啓》や《エシカの戦車》などのカードがメタゲームの多様性に与える影響について懸念を抱いていることを認識しています。MTGアリーナのメタゲームのデータと(世界選手権を含む)直近のデジタル・イベントを総括し、そして『イニストラード:真紅の契り』の発売を考慮に入れ、今回は変更を行わないことを決定しました。
我々は『イニストラード:真紅の契り』がメタゲームに与える影響を評価した後に、必要であればスタンダードの環境への変更を考慮します。
ヒストリック
5枚のデジタル専用カードに再調整:
- 《ダブリエルの萎縮》と、《魂の仲介人、ダブリエル》の3番目の能力が「対戦相手のコントロールしているクリーチャー1体を対象とする」に変更
- 《顔なしの工作員》が2/1から2/2に変更
- 《シヴの放浪者、サルカン》の2番目の能力が[0]から[+1]に変更
- 《破壊分子の見習い》のコストが{B}{B}から{1}{B}になり、2/2から2/3になり、人間(訳注:クレリック)やファイレクシアンになることによるタフネスの増加量を1減少。
MTGアリーナ発効日:2021年10月14日
『Jumpstart: Historic Horizons』はヒストリックのメタゲームに大量の変化をもたらし、その大部分は前向きなものでした。しかし最初の評価、9月のヒストリックで行われたアリーナ・オープン、そしてそのアリーナ・オープンを受けての幅広いメタゲームの反応を観測した後、我々はヒストリックにいくらかの調整が必要だと感じました。
通常の禁止と一時停止に加えて、『Jumpstart: Historic Horizons』のデジタル専用カードにはマジックで長年行われていなかったバランス調整手段であるカードの機能上の再調整へと戻るチャンスがあります。詳細は後ほどご説明します。
禁止と一時停止
広大なヒストリックのメタゲームの最前線で最も大きな変化の1つが《ティボルトの計略》を核としたデッキの復権であり、《混沌の辛苦》を使いコンボの的中率を劇的に増加させています。これによりこのデッキの勝率は以前のバージョンと比べて大きく上昇し、それに伴い使用率も上がりました。初期の安定性の低いバージョンのこのデッキはボーダーライン上にあり、そして成功率の上がった今のバージョンはそのラインを越えていました。我々はヒストリックがこの速度と安定性を持ったコンボを安全に内包できる可能性は低いと考えたため、《ティボルトの計略》はヒストリックで禁止となります。
今年行われた禁止制限告知で、我々は赤青デッキによる制圧について取り上げました。過去の変更と『Jumpstart: Historic Horizons』の追加はこの問題の対処という面で優れた成果を残しましたが、まだ少し問題が見られます。
特に高レベルでのプレイとアリーナ・オープンを見てみると、《記憶の欠落》が好成績の青いデッキにほぼ必須パーツとして見かけられます。これはアリーナ・オープンとBO3ラダーで最も多く使われた土地以外のカードであり、BO1でも最も多く使われているカードの1つです。我々は《記憶の欠落》をヒストリックから排除することでこのフォーマットのさらなる多様性が生み出されると考えていますが、《ティボルトの計略》の場合よりもはっきりしないとも考えています。そのため、このフォーマットの多様性を高めるため《記憶の欠落》はヒストリックで一時停止されます。
禁止と一時停止に関しての締めくくりは《渦まく知識》についてです。現在このカードはヒストリックで一時停止の状態ですが、この一時停止はメタゲームの健全化に寄与しました。この一時停止が前向きなものであると証明されたので《渦まく知識》はヒストリックで禁止となります。
カードの再調整
これらの禁止と一時停止に加えて、我々は今回の告知で5枚のカードに再調整を行います。ヒストリックのようなデジタル専用フォーマットでのデジタル専用カードには、単純明快なカードの再調整が可能になりました。我々は単純にデジタルでテキストを更新することができ、カードには新しい性能が正確に反映されます。
機能上の再調整はフォーマットを管理する方法における重要な変更であり、そしてこれがどういう意味であり、どういう意味ではないのかを少し説明しなければいけません。今後、我々は「MTGアリーナ」のフォーマットを2つの異なる方法で管理し、スタンダードのような「印刷」フォーマットは引き続きテーブルトップと全く同じように機能します。ヒストリックのような「ライブ」フォーマットでは、フォーマットを改善するための手段として我々は禁止と一時停止に加えて、再調整が使われるようになります。
我々は「MTGアリーナ」のプレイヤーの多くがテーブルトップのマジックを忠実に再現したものであってほしいと望んでいることを重々承知しています。そして「印刷」フォーマットは完全にそのままです。ここではカードは印刷されたバージョンの挙動と同じように機能し、今まで通り問題があると証明されたカードを禁止することでバランスが維持されます。
「MTGアリーナ」はテーブルトップに忠実なバージョンであることに加えてデジタルゲームでもあります。デジタルゲームはリアルタイムでの再調整などの幅広いバランス調整手段を用いますが、これには相応の理由があります。デジタルゲームによってプレイ数が増加しデータ収集が可能になったことでパワー・バランスの不均衡の影響は大きくなる傾向にあり、バランスを修復するための手段を増やすことが重要になっています。
現在、我々はこれらの変更を印刷版とデジタルで衝突が起きないデジタル専用カードだけに制限しています。我々はこれをさらに拡大したいと考えています(例えば、以前禁止されたカードをデジタルのフォーマット限定で安全にプレイできるように再調整するなど)。これらの変更を検討する前に、解決する必要がある明確さやコミュニケーションの問題が複数存在します。これは今後数か月に渡って取り組む予定であり、繰り返しになりますが、デジタル・フォーマットにだけ影響します。
ここ数年間に渡るマジックの最大のテーマの1つは、マジックをプレイするさまざまな方法を認識して受け入れることでした。テーブルトップ側では、我々はモダンのプレイヤーや統率者戦のプレイヤー、コレクターそしてそれ以外のグループに向けた新製品を発売してきました。「MTGアリーナ」では、我々は伝統的なテーブルトップのマジックのファンとデジタルゲームのファンがいることを認識しています。この変化とともに、我々は、スタンダードのようなフォーマットで本格的なテーブルトップ体験を提供し続け、そしてヒストリックのようなデジタル専用フォーマットで新しいバランス調整手段を取り入れて両方に完全なサポートを行うことを目指しています。
再調整されたカードはどのように機能するのか?
デジタル専用カードは「MTGアリーナ」にのみ存在するため、我々は存在する全てのカードを一度に更新することができます。「MTGアリーナ」の10月14日のアップデートで、これらのカードのテキストとスタッツはオラクルが更新されたときと同じように新しいものに変更されます。これらの変更は変更されるカードが使用可能なフォーマット全てで適用されます(ヒストリック、ヒストリック・ブロール、ダイレクトチャレンジなど)。再調整に関するゲーム内告知はありませんが、現在対応中です、
禁止や一時停止と同じく、再調整を行うときには変更を行う理由の背景を説明したいと思います。以下のドナルド・スミスによる解説をお読みください。
変更に向けて
みなさんこんにちは、プレイデザイン・チームのドナルド・スミスです。このサイトにはチャレンジャー・デッキについて、《光明の繁殖蛾》の期限について、そして2017年の世界選手権で使った私のデッキで《ずる賢いゴブリン》がどれほど強かったかについて(強くはありませんでした)などで何度か登場したことがあります。その裏で、私は「MTGアリーナ」の「鏡よ、鏡」イベントに取り組んでいて、そして今日は再調整されるカードの理論的根拠を説明するためにやってきました。
リアルタイムでのバランス調整はデジタル専用デザインのようにデジタル・フォーマットのポテンシャルを最大限に引き出す新しい手段です。この第1回目の変更はメタゲームに大きな影響を与えることが目的ではなく、ラダー体験を向上させるためのものです。またこれにより我々はこの変更に対する環境の反応とデータを収集することもできます。我々はこれからもカードの禁止と一時停止を行いますが、リアルタイムでのバランス調整を通して競技的メタゲームの改善やその他の問題を解決する機会も探しています。
変更のうち3つの強化は強くする余地のある人気カードを対象としていて、それを使うデッキをより良くし、デザインで意図された役割をより良くこなせるようにするためのものです。あとの2つのバランス調整はカードのプレイアビリティを減らすものではありませんが、ヒストリックで望ましくないコンボに対処するためのものです。
再調整注釈
(編訳注:画像は英語版のものです。)
《ダブリエルの萎縮》と《魂の仲介人、ダブリエル》
「対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体」だけを対象に取れるようになりました。
容易に引き分けが起こってしまう《夕暮れヒバリ》との望ましくない相互作用を排除しました。
《顔なしの工作員》
2/1から2/2に変更
《顔なしの工作員》は現在のヒストリックでマナ・カーブを埋めるためのカードが十分にない部族デッキにとって重要なカードです。これはそのような部族デッキを使うプレイヤーの体験を向上させるための単純強化です。
2番目の能力が[0]から[+1]に変更
サルカンの2番目の能力は他の2つよりも弱く、特に《シヴ山のドラゴン》を創出するか後で[-2]能力を使うために1番目の能力を使うかという衝突が起こります。我々の狙いはバランスの改善と2つの能力間の衝突の回避です。
《破壊分子の見習い》
コストが{B}{B}から{1}{B}になり、2/2から2/3になり、人間(訳注:クレリック)やファイレクシアンになったときのタフネス増加量が1減少
《破壊分子の見習い》は防御的な選択肢を求めている黒いデッキで《才気ある霊基体》と直接被りすぎていて、マナ・コストを変更することで黒いデッキが《才気ある霊基体》を採用するために黒に大きく寄せることなく防御的な選択肢を得られるようになります。タフネスを1増やすことで《破壊分子の見習い》は序盤の防御的な役割をより良くこなせるようになり、そして《ファイレクシアの抹殺者》との関連性を維持するために能力によるスタッツの増加量を調節しました。
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