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お知らせ
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)
2021年4月20日
はじめに
こんにちは、皆さん!
私はジェス・ダンクス/Jess Dunks、マジックの新しいルール・マネージャーです。皆さんを講義の初日に、そして私の初めての更新速報にお招きできて光栄です! 今回の記事では、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』に伴うルールの変更やカードの更新についてお知らせし、簡単に説明させていただきます。有効になり次第、ルール・ページやGathererで確認できるようになります。それでは始めましょう!
総合ルール変更点
これは、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』とともにマジックに訪れるルール変更の概要です。この概要と公式ルールとの間に齟齬がある場合、公式ルールが優先されます。
新ルール、更新されたルール
マナ総量
これまで「点数で見たマナ・コスト」と呼ばれていたものは「マナ総量」と変わりました。総合ルール内でのこれへの言及もすべてそのように更新されています。この術語の意味は変わっておらず、rule 202.3 で定義されています。
起動は~としてのみ行う
能力を、あなたがソーサリーを、あるいはインスタントを、唱えられるときにのみ起動できる、というカードは「起動はソーサリーとしてのみ行う。」となりました。あるいは、「起動はインスタントとしてのみ行う。」となりました。「起動はソーサリーやインスタントとしてのみ行う。」にはなっていません。言いたいことはわかると思います。これに伴って多くのルールが更新になっています。
207.2c
魔技が能力語の一覧に追加されました。
400.11b
人生から講義を履修できることもあります。講義というのが、ゲームに持ち込んだカードであることもあります。講義が不充分で、カードを取り出して次のゲームのために切り直さなければならないこともあります。このルールは、私が多人数戦に持ち込んだカードが私とともにゲームを離れるということを明確化しています。
602.5d-f
これらは「ソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。」、「インスタントを唱えられるときにのみ起動できる。」という記述を扱うルールです。602.5fは、古いテキストが書かれているカードはエラッタを受ける、ということを明確化するために追加されました。
603.3b
プレビュー時期に注意深く見ていたプレイヤーが、《厳しい試験官》が奇妙な誘発条件を持っており、現在のルールではこの効果はうまく動かないということに気づきました。《厳しい試験官》の能力が、スタック上で打ち消そうとする能力よりも下に置かれることになる場合があります。誘発型能力をスタックに置く処理を2段階の工程にし、《厳しい試験官》が確実に条件を満たせるようにするためにルールが更新されました。
607.1d
《星界の騙し屋、ティボルト》の紋章を扱う関連した能力のルールは拡張され、《霊鍛冶のホフリ》のトークンも扱うようになりました。607.2pは削除され、その情報は新しい607.1dに組み入れられました。
701.13c
「切削されたカード」という表記はそのカードを移動した先の領域で見つけることができる、というルールです。《遺跡の盗人、アノワン》など一部のカードは、その表記を使っていません。そこでこの記述をより一般的なものに広げ、すべてを扱えるようにしました。
701.45
キーワード能力である履修に関するルールです。ここはテストに出ますよ。
702.21
護法のルールです。他の常盤木能力の直後に入れなければならないので、他のキーワード能力を1枠ずつずらすことになりました。他のルールは抵抗したのですが、すべての抵抗は無駄だったのです。文書全体の参照が更新されています。
702.144
新ルールを学ぶための最高の方法は、誰かに実際にやってもらうことです。それができない場合は、実演というキーワード能力の働きを書いたこのルールを読んでください。
800.4f
多人数戦で、すでにゲームを離れているプレイヤーが選択しなければならない場合に何が起こるかを定めるルールです。その選択がコストを支払うことに関するものである場合、それが適用されるかどうか、どのように適用されるかが明確ではありませんでした。この枠の新ルールでそれが、コストは支払われていない、と明確化されました。そしてこの節の以降のルールは1文字後ろにずれました。
新サブタイプ
クリーチャー
フラクタル、墨獣
呪文
講義
用語集の新項目
実演、履修、マナ総量、護法
用語集の更新した項目
点数で見たマナ・コストは廃語になりました。それへのすべての参照は「マナ総量」を使っています。
オブジェクトには「紋章」が定義に含まれるようになりました。
オラクル変更点
大規模テンプレート変更
マナ総量
今後、これまでカード上で「点数で見たマナ・コスト/converted mana cost」という表記を用いていたものに、「マナ総量/mana value」という表記を用います。マナ総量が意味するものは、点数で見たマナ・コストがこれまで意味していたものと全く同じものです。600枚少々のカードがこれのエラッタを受けましたが、これは機能変化ではありません。
ライブラリーを切り直す
カード上で、ライブラリーについて触れた後でその同じプレイヤーがそのライブラリーを切り直す場合、2回目ではライブラリーを明示しないことにしました。(日本語では「ライブラリーを切り直す。」とだけ書くようにしました。)このために、700枚以上のカードにエラッタを出しました。これは機能変化ではありません。
起動制限
カードの中には、特定の場合にのみ起動できる起動型能力を持つものがあります。それらのカードには、「この能力はソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。/Activate this ability only any time you could cast a sorcery.」というように書かれていました。これらのカードのほとんどはエラッタを受け、「起動はソーサリーとしてのみ行う。/Activate only as a sorcery.」などの短いテンプレートになりました。およそ480枚のカードがこのエラッタを受けましたが、これは機能変化ではありません。
小規模テンプレート変更
プレインズウォーカーを攻撃できない
《徴税の大天使》など一部のカードは、クリーチャーがプレインズウォーカーを攻撃できないようにします。これらのカードはこれまで、そのクリーチャーは「あなたやあなたがコントロールしているプレインズウォーカーを/you or a planeswalker you control.」攻撃できない、となっていました。(英語では)この書き方では、あなたがコントロールしているすべてのプレインズウォーカーを攻撃できないのか、攻撃できないプレインズウォーカー1体を選ぶのかがやや曖昧になっていました。これを明確化するため、エラッタによってこのプレインズウォーカーを複数形にします。この影響を受けるカードは17枚で、機能変化ではありません。
戦場に出る、戦場を離れる
クリーチャー・カード6枚は、そのクリーチャーが「戦場に出たか戦場を離れたとき/enters the battlefield or leaves the battlefield.」に誘発する誘発型能力を持っています。(英語では)これを短縮化し、「enters or leaves the battlefield」にします。これは機能変化ではありません。
個別カードの更新
《精霊表現者》
《精霊表現者》は、あなたがこのクリーチャーを追放したとき」誘発する能力を持って印刷されています。しかしながら、置換効果が含まれる場合など、誰がパーマネントを追放するのかが明白でない場合があります。この効果がどう処理されるのかを明確にするため、《精霊表現者》はエラッタを受け、この能力はこのクリーチャーが追放領域に置かれたときに誘発するようになりました。ほとんどの場合、これは同じ結果になります。しかしながら、対戦相手が《剣を鍬に》などの呪文や能力でそのクリーチャーを追放した場合には、機能変化になります。
旧テキスト:
Magecraft — Whenever you cast or copy an instant or sorcery spell, choose target creature you control. Until end of turn, it gains "If this creature would leave the battlefield, exile it instead of putting it anywhere else" and "When you exile this creature, create a 4/4 blue and red Elemental creature token."
新テキスト:
Magecraft — Whenever you cast or copy an instant or sorcery spell, choose target creature you control. Until end of turn, it gains "If this creature would leave the battlefield, exile it instead of putting it anywhere else" and "When this creature is put into exile, create a 4/4 blue and red Elemental creature token."
和訳:
魔技 ― あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるかコピーするたび、あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは「このクリーチャーが戦場を離れるなら、これを戦場以外に置く代わりに追放する。」と「このクリーチャーが追放領域に置かれたとき、青赤の4/4のエレメンタル・クリーチャー・トークンを生成する。」を得る。(その能力はそれぞれに誘発する。)
《霊鍛冶のホフリ》
《霊鍛冶のホフリ》は、追放されているカードをあなたの墓地に戻す、という能力を持って印刷されています。しかしながら、そのカードがそもそも対戦相手の墓地から追放されていることがあり、別の墓地に戻るようなことはさせたくありません。専門的に言えば、rule 400.3がすでにこの問題を処理していますが、プレイヤーがそのルールを学ばなければプレイできないようにはしたくありませんので、これを明確化するために《霊鍛冶のホフリ》を更新します。
旧テキスト:
Spirits you control get +1/+1 and have trample and haste.
Whenever another nontoken creature you control dies, exile it. If you do, create a token that's a copy of that creature, except it's a Spirit in addition to its other types and it has "When this creature leaves the battlefield, return the exiled card to your graveyard."
新テキスト:
Spirits you control get +1/+1 and have trample and haste.
Whenever another nontoken creature you control dies, exile it. If you do, create a token that's a copy of that creature, except it's a Spirit in addition to its other types and it has "When this creature leaves the battlefield, return the exiled card to its owner's graveyard."
和訳:
あなたがコントロールしているすべてのスピリットは+1/+1の修整を受けトランプルと速攻を持つ。
あなたがコントロールしていてトークンでもこれでもないクリーチャー1体が死亡するたび、それを追放する。そうしたなら、それの他のタイプに加えてスピリットであり「このクリーチャーが戦場を離れたとき、その追放されているカードをオーナーの墓地に戻す。」を持つことを除きそのクリーチャーのコピーであるトークン1体を生成する。
《雷の指揮者、ザファイ》
《雷の指揮者、ザファイ》の印刷されたルール文中に、誤ったカード名が含まれていました。オラクルの文章には、このカードの正式名である「Zaffai, Thunder Conductor」が正しく反映されています。
旧テキスト:
Magecraft — Whenever you cast or copy an instant or sorcery spell, scry 1. If that spell's mana value is 5 or greater, create a 4/4 blue and red Elemental creature token. If that spell's mana value is 10 or greater, Zaffai, Thunder Collector deals 10 damage to an opponent chosen at random.
新テキスト:
Magecraft — Whenever you cast or copy an instant or sorcery spell, scry 1.If that spell's mana value is 5 or greater, create a 4/4 blue and red Elemental creature token.If that spell's mana value is 10 or greater, Zaffai, Thunder Conductor deals 10 damage to an opponent chosen at random.
和訳:
魔技 ― あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるかコピーするたび、占術1を行う。その呪文のマナ総量が5以上であるなら、青であり赤である4/4のエレメンタル・クリーチャー・トークン1体を生成する。その呪文のマナ総量が10以上であるなら、対戦相手1人を無作為に選び、雷の指揮者、ザファイはそれに10点のダメージを与える。
《先見的設計家、ムッツィオ》
《先見的設計家、ムッツィオ》はこれまで、全員にカードを公開して、それから、全員が見終わったら戦場に出していました。公開領域に出そうとしているカードを公開することは全く不必要な工程なので、その工程を取り除きました。厳密に言えば機能変化ですが、プレイの上では同じようになります。
旧テキスト:
{3}{U}, {T}: Look at the top X cards of your library, where X is the highest converted mana cost among artifacts you control. You may reveal an artifact card from among them and put it onto the battlefield. Put the rest on the bottom of your library in any order.
新テキスト:
{3}{U}, {T}: Look at the top X cards of your library, where X is the highest mana value among artifacts you control. You may put an artifact card from among them onto the battlefield. Put the rest on the bottom of your library in any order.
和訳:
{3}{U},{T}:あなたのライブラリーの一番上にあるカードX枚を見る。Xはあなたがコントロールしているアーティファクトのマナ総量のうちで最も大きい数に等しい。あなたはその中からアーティファクト・カード1枚を戦場に出してもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
《アシュリングの特権》
《アシュリングの特権》は「点数で見たマナ・コストに選ばれた数を持つ」クリーチャーに言及していました。これは「マナ総量に選ばれた数を持つ」になります。数という言い方は広すぎるので、この奇数偶数の選択は「性質」と変更します。同じような変更が、《絶滅の契機》と《ラバブリンクの冒険者》にも適用されます。
旧テキスト:
As Ashling's Prerogative enters the battlefield, choose odd or even. (Zero is even.)
Each creature with converted mana cost of the chosen value has haste.
Each creature without converted mana cost of the chosen value enters the battlefield tapped.
新テキスト:
As Ashling's Prerogative enters the battlefield, choose odd or even.(Zero is even.)
Each creature with mana value of the chosen quality has haste.
Each creature without mana value of the chosen quality enters the battlefield tapped.
和訳:
アシュリングの特権が場に出るに際し、奇数か偶数を選ぶ。(0は偶数。)
マナ総量が選ばれた性質を持つ各クリーチャーは速攻を持つ。
マナ総量が選ばれた性質を持たない各クリーチャーはタップ状態で戦場に出る。
《血の公証人》
2か所に「you」を加え、誰が行動するのかを明確化しました。
旧テキスト:
If you would draw a card while you have no cards in hand, instead draw two cards and lose 1 life.
新テキスト:
If you would draw a card while you have no cards in hand, instead you draw two cards and you lose 1 life.
和訳:
あなたの手札にカードがないときにあなたがカードを引くなら、代わりにあなたはカードを2枚引き1点のライフを失う。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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