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お知らせ
MTGアリーナ:ヒストリック本格展開のお知らせ
2019年11月13日
9月に、私たちはMTGアリーナ初のローテーションなしのフォーマット、「ヒストリック」を11月のゲーム更新で本格展開することをお伝えしました。今こそ詳しい内容とヒストリックの役割、間もなく実装される新たなカードをお伝えします。
私たちの目標は、ヒストリックをスタンダードと対を成す競技フォーマットにすることです。そのための第一歩として、以下の施策を行います。
- 11月22日に、ヒストリックに新たなカードが20種類加わります。
- 以降、四半期ごとに新たなカードを追加していく計画です。
- 2019年11月22日~2020年1月16日の期間中、ヒストリックのマッチ・ランク戦モード(2本先取)が開放されます。
- ランク戦シーズンの終わりに、ヒストリックのマッチ・ランク戦で行われる大会が開催されます。
- 1月より、ヒストリックの競技イベントが常設されます。
歴史を変える
ヒストリックは、マジックの歴史全体のカードが息づくローテーションなしのフォーマットです。これが他のフォーマットと一線を画するのは、「デジタル重視」であることです。つまり私たちは、新しいことを試しながら他にない方法でこのフォーマットを成長させられるのです。
(もちろん、プレイヤーの皆さんがテーブルトップのマジックと体験を共有できるプレイモードも求めていることを、私たちは知っています。スタンダード以外の体験についてのその他の計画はこちらをご覧ください。)
マジックのカードやデッキには深く豊富な歴史があり、昔の人気カードや戦略の一部をMTGアリーナに実装するというアイデアに私たちは心躍っています。一度にすべてを実装することはできませんが、時間をかけて開発を進め、このフォーマットを広げていくことはできます。ヒストリックは、未来と過去の両方に向かって広がっていくのです。そして間もなく、その第一歩となるカードの追加がやって来ます。私たちはそれを、『ヒストリック・アンソロジー1』と呼んでいます。
『ヒストリック・アンソロジー1』では、ヒストリックを拡張してより面白くなるよう厳選された20種類の追加カードが収録されます。懐かしいカードもあれば、新たなアーキタイプを生み出す楽しいカードもあり、また強力な新戦力もあります。
ヒストリックはデジタルのみのフォーマットであるため、私たちはテーブルトップのマジックよりもずっと意欲的な選択ができます。カードが足りていないアーキタイプがある? 新しい選択肢になるようなカードを1、2枚追加するでしょう。特定のアーキタイプが、不健全なほど環境を支配している? 私たちはその状況に深く踏み込みます。皆さんがご存知の「禁止」措置を取ることもあれば、一時的にヒストリックから取り除き、どのような変化が起きるか確かめる「停止」措置を取ることもあるでしょう。このフォーマットに対しては自由に限界を押し広げられるため、環境の動きに素早く対応できるのです。
歴史の進行
ヒストリックは11月のゲーム更新から本格展開が始まり、カードやイベント、ランク戦の追加が行われます。以下に、実装計画の概要をお知らせします。(詳細についてはこちらでご確認ください。)
『ヒストリック・アンソロジー1』――まずは今回の更新で『ヒストリック・アンソロジー1』が実装されます! 収録される20種のカードはすべて、ワイルドカード1枚で1枚作成できます。また、ストアにて全種4枚ずつのセット(合計80枚)を3,400ジェムでお買い求めいただけます。(追加される20種を知りたい方は、もう少しこの記事にお付き合いください!)
ヒストリック実装記念イベント――カードの追加とともに、11月22~26日にかけてヒストリック実装記念イベントを開催します。参加費は200ジェムまたは1,000ゴールドで、1本先取のゲームを好きなだけお楽しみいただけます。また報酬として、『ヒストリック・アンソロジー1』で加わるカード5種の装飾アイテムをご用意します。
ランク戦:ヒストリック――準備ができたら、マッチ・ランク戦:ヒストリック(2本先取)のモードに飛び込みましょう。こちらも11月22日から開放され、2020年1月16日(『テーロス還魂記』の実装前日)までお楽しみいただけます。このモードでの勝敗は、ランク戦:スタンダードと同様に構築ランクに影響します。つまりヒストリックをプレイしても、MCQの参加権利を得られるのです(もちろん簡単なことではありませんが)。
ヒストリックの大会――ヒストリックの実装を華々しく飾るために、『テーロス還魂記』の実装前にMTGアリーナ初となるヒストリックの大型大会を開催予定です。この新たなフォーマットの腕前を見せつけ、報酬を獲得するチャンスになるでしょう。
ヒストリックの常設イベント――『テーロス還魂記』の実装とともに、ヒストリックはオフシーズンを迎えます。競技志向のヒストリック・プレイヤーの皆さんのために2本先取のヒストリック・イベントは常設される予定ですが、MTGアリーナとしては再びスタンダードに注目していきます。次にヒストリックを取り挙げるのは、現時点では2020年3月に予定している『ヒストリック・アンソロジー2』です。
ヒストリックの「プレイ」モード――そしてもちろん、ヒストリックは引き続き「プレイ」モードで、1本先取のカジュアルなクイック・ゲームをお楽しみいただけます。(データによると、「プレイ」ような勝ち負けにこだわらないモードでは、2ゲーム、3ゲームと続けて遊ぶプレイヤーがあまりいないようです。そのためモード内の人口が減少しており、マッチングが適切に機能しにくくなっています。ヒストリックでの本気の勝負を楽しみたい方のために、ランク戦や常設イベントは2本先取で行われますが、カジュアルなデジタルゲームとして楽しむなら1本先取の方が良いと思われます。)なお、「プレイ」モードではデイリー/週間勝利報酬を獲得できませんが、上記のその他のモードでは得られる予定です。
歴史を作る
さて、上記のような新たなイベントでは、どんなカードが使えるようになるのでしょう? その質問は……ひとことで答えるにはとても難しいですね! マジックは長い歴史を持ち、26年間にわたって登場してきた各セットには強力なカードや懐かしいカード、活躍の場所を楽しみにしている一風変わったカードが詰まっています。私たちは皆さんの個人的なお気に入りを聞いたり、さまざまな形でアンケートを実施したりして比較検討しながら、適切なカードを求めてウェブサイトを探し回りました。
それでもほとんど決められなかった私たちは、最終的に方針を決めて選ぶ範囲を狭めることにしました。いくつか重要な目標を定め、それを満たすカードに絞ったのです。
- ヒストリックを単なる「旧スタンダード+『エルドレインの王権』」にしないために、既存のデッキとは異なるデッキに活力を与えられるカードを探しました。
- 競技志向のプレイヤーのために新しい選択肢を用意するため、過去のスタンダードで活躍したカードを探しました。モダンなどのフォーマットで見受けられるカードも議題に挙がりました。
- ヒストリックで使えるカードの範囲を示すことが重要でした。そこで私たちは、広範囲のカードを扱うキューブ・ドラフトや統率者戦における人気カードも調べました。
- モダンやパイオニアで使用できるカードだけに限ることも検討しました。しかし結論として、ヒストリックをそれらと同じフォーマットにするつもりはありません。生半可に使用できるカードを定めても、それで突然フォーマットが完成するわけではありません。ヒストリックには、他のフォーマットのなりそこないではなく、独自のフォーマットとして発展してもらいたいと私たちは思っています。
ヒストリックの方向性については、皆さんに掘り下げていただいた環境から学ぶつもりです。なので今後の『アンソロジー』は、そこで得た方針に沿ったものになると思います。ですが今回は、カジュアル向けのものから競技志向のものまでさまざまなカードをお届けします。きっと、誰もがお気に入りの1枚を見つけられるでしょう。もったいぶるのはこれくらいにして――今回の追加カードをご覧ください!
- 《セラの高位僧》
- 《魂の管理人》
- 《キンズベイルの騎兵》
- 《宝物探し》
- 《遠くの旋律》
- 《墓所破り》
- 《惑乱の死霊》
- 《ファイレクシアの闘技場》
- 《堕落の触手》
- 《窯の悪鬼》
- 《ゴブリンの女看守》
- 《碑出告の第二の儀式》
- 《エルフの幻想家》
- 《獣相のシャーマン》
- 《傲慢な完全者》
- 《炎樹族の使者》
- 《艦長シッセイ》
- 《羽ばたき飛行機械》
- 《精神石》
- 《ダークスティールの反応炉》
これらのカードが持つ可能性をより詳しくお伝えするために、たたき台となるデッキをご紹介しましょう。私たちの上の階にあるテーブルトップ部門から、友人を連れてきました。ここからはイアン・デューク/Ian Dukeよりお伝えします。
皆さんこんにちは! MTGアリーナにヒストリック用カードが新たに加わることを記念して、私はプレイ・デザイン・チームのザック・エルシク/Zac Elsikにいくつかデッキを作るようお願いしました。そして私たちは、追加カードを使ったプレイテストを大いに楽しみました。以下のデッキ例が皆さんのデッキ構築の第一歩になれば幸いです!
3 《平地》 3 《沼》 4 《神無き祭殿》 4 《孤立した礼拝堂》 4 《静寂の神殿》 2 《神聖なる泉》 1 《氷河の城砦》 2 《湿った墓》 1 《水没した地下墓地》 1 《オラーズカの拱門》 -土地(25)- -クリーチャー(0)- |
4 《黄金の卵》 4 《精神石》 3 《ギルド球》 2 《ガラスの棺》 4 《ケイヤの誓い》 4 《ファイレクシアの闘技場》 3 《屋敷の踊り》 4 《予言された壊滅》 4 《ケイヤの怒り》 3 《最古再誕》 -呪文(35)- |
現在のスタンダード環境で序盤に人気を博した「《屋敷の踊り》/《予言された壊滅》」デッキをもとに、《精神石》と《ファイレクシアの闘技場》という強力な追加カードを組み合わせています。《精神石》はどのデッキでも使える2マナの無色マナ加速役ということで、間違いなく環境に一石を投じるでしょう。このデッキでは、早い段階で《予言された壊滅》をプレイしたり、ゲーム後半に戦場にあっても墓地にあっても《屋敷の踊り》の威力を上げたりする助けになります。さらに、「空気」のようなカード(単体でゲームに大きな影響は与えないものの、他のカードに変わるカード)を多く採用したデッキにおいて、マナ源にもなり手数を増やせるのはいつでも役に立つでしょう。
《ファイレクシアの闘技場》は、黒のデッキならどこにでも採用できる単純に強力なカードです。このデッキではさらに、《予言された壊滅》を維持するための生け贄に捧げるカードを供給してくれる最高の相棒となるでしょう。それでもうまくいかず、ライフが危なくなってきたら、《ファイレクシアの闘技場》を生け贄に捧げてもう1ターン《予言された壊滅》を維持することもできます。そして《屋敷の踊り》で参照されるアーティファクトやエンチャントの数にもカウントされるのです。
19 《山》 3 《エンバレス城》 -土地(22)- 4 《狂信的扇動者》 4 《脚光の悪鬼》 4 《ジンジャーブルート》 4 《焦がし吐き》 2 《槍播き》 4 《ヴィーアシーノの紅蓮術師》 -クリーチャー(22)- |
4 《稲妻の一撃》 4 《殺戮の火》 4 《碑出告の第二の儀式》 4 《無頼な扇動者、ティボルト》 -呪文(16)- |
今回の追加カードで最もわくわくするものを挙げるなら、ザックも私も《碑出告の第二の儀式》と答えるでしょう。完璧なタイミングで条件を満たせば「実績解除」の気持ち良さを味わえるだけでなく、ヒストリックの赤単アグロにおいて強力な別の勝ち手段になってくれます。
モダンと比べると、ヒストリックでは自身のライフが変化する機会はそう多くありません――例えばフェッチランドもペインランドもありませんから。ですがこのデッキには1点のダメージを与える攻撃的なカードが多く採用されているため、労せず対戦相手のライフをちょうど10点にできるでしょう。また、たとえ《碑出告の第二の儀式》を引けなくても、20点を削り切れる構成になっています。
2 《森》 4 《寺院の庭》 4 《陽花弁の木立ち》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 4 《神無き祭殿》 3 《孤立した礼拝堂》 -土地(25)- 4 《培養ドルイド》 4 《楽園のドルイド》 3 《隠された手、ケシス》 4 《艦長シッセイ》 3 《探索する獣》 1 《豊潤の声、シャライ》 1 《永遠神オケチラ》 1 《黎明をもたらす者ライラ》 1 《狼の友、トルシミール》 1 《不和のトロスターニ》 -クリーチャー(23)- |
1 《モックス・アンバー》 2 《ケイヤの誓い》 1 《ウルザの殲滅破》 1 《ヨーグモスの不義提案》 1 《グレートヘンジ》 1 《黒き剣のギデオン》 1 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》 1 《復讐に燃えた血王、ソリン》 3 《ビビアン・リード》 -呪文(12)- |
ザックは、追加カードによって実現可能になった一風変わった戦略も探求しました。これは、《艦長シッセイ》を中心に据えたミッドレンジデッキです。統率者戦のプレイヤーなら、《艦長シッセイ》は除去耐性こそ低いものの、除去されなければ膨大なアドバンテージをもたらすことをご存知でしょう。このカードで探せる強力かつ特別な伝説のカードはたくさんありますし、『ドミナリア』の「伝説のソーサリー」のおかげで、対戦相手の盤面だけ壊滅させることも可能です。また、好きな伝説のカードをいろいろと詰め込んで組み合わせられるのも、こういったデッキの最大の魅力と言えるでしょう。
21 《沼》 4 《ロークスワイン城》 -土地(25)- 4 《泥棒ネズミ》 4 《帆凧の掠め盗り》 4 《ヤロクの沼潜み》 4 《惑乱の死霊》 4 《残忍な騎士》 4 《悪ふざけの名人、ランクル》 2 《貪欲なチュパカブラ》 -クリーチャー(26)- |
3 《喪心》 4 《はぐれ影魔道士、ダブリエル》 2 《最古再誕》 -呪文(9)- |
私は個人的に、レガシーの「Pox」やモダンの「8-Rack」のような対戦相手のリソースを破壊するデッキが好きなのですが、《惑乱の死霊》や《はぐれ影魔道士、ダブリエル》を中心にした構築には興味をそそられるものがあります。このデッキでは手札破壊に焦点を当てていますが、《帆凧の掠め盗り》から《惑乱の死霊》と続く動きはミッドレンジ・デッキでも良い働きを見せてくれると思います。
また、クリーチャーが少ないコントロール・デッキのサイドボードに《惑乱の死霊》を搭載するのも良い使い方です。対戦相手が《ショック》や《見栄え損ない》のような効率的な除去を採用していない、あるいはそれらをサイド・アウトした場合、《惑乱の死霊》はゲームを圧倒できるだけの力があります。《潜水》のような軽い防御呪文で《惑乱の死霊》やその他の妨害能力を持つクリーチャーを守るのもいいでしょう。
今回、そして今後の更新がプレイヤーの皆さんのデッキ構築意欲をかき立て、ヒストリックが常に新鮮なフォーマットになることを私たちは願っています。ザックと私が触れたのは、このフォーマットのほんの一端に過ぎません。皆さんがどんなデッキを考え出すのか、楽しみにしています。次回の『ヒストリック・アンソロジー』もお楽しみに!
もちろん、ここでご紹介したデッキはごく一部のアイデアであり、20枚の追加カードも始まりに過ぎません。ヒストリックは、デジタル限定ならではの方法で変化と調整が加わる流動的なフォーマットです。私たちは、皆さんがこのフォーマットをプレイする様子を綿密に観察し、皆さんからのフィードバックを活かして正しい方向に成長させていきます。
どうぞお楽しみください!
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