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命運の交差点
命運の交差点
Blake Rasmussen
2015年1月28日
『運命再編』の物語の核心を示す上で、サルカン・ヴォルが時間を遡って辿り着いたこの伝説の瞬間を差し置くことはできないでしょう。
この瞬間は、まず間違いなく、マジックの物語で最も重大な場面のひとつです。『タルキール』ブロックの大半の部分はこの場面を中心に動いているため、私たちとしてもこのアートの概要に触れて、ここで描かれている争いは一体何なのかを確かめずにはいられません。(ダグ・ベイヤー/Doug Beyerの紡いだこの戦いの物語をまだお読みでないなら、ぜひご一読ください)。
《命運の核心》 アート:Michael Komarck |
それではまず、舞台から見ていきましょう。
舞台:『運命再編』でのタルキール。
色:黒のソーサリー。
場面:のちにウギンの墓となる場所の上空。ここは、すでに公開されている場所の過去の姿。特徴的な形の岩が、現在の姿と過去の姿を結びつける。この岩は画面手前に配置すべきだろう。サルカンが身を隠し、この伝説的な戦いを目にしやすいように。
「ここは、すでに公開されている場所」?
《精霊龍の墓》 アート:Sam Burley |
なるほど、ある精霊龍にとっては縁起の良い場所ではなさそうですね。
(この時点では、地面はまだ大きく裂けておらず、雪と氷に覆われたツンドラが広がっている。この戦いののちに、墜落したウギンの体が大地を裂いたのだ。)
ネタバレをし過ぎましたかね? では、どういった経緯でその瞬間に至ったのでしょうか?
状況:タルキール上空で戦いを繰り広げる、伝説のドラゴンのプレインズウォーカー、ウギンとニコル・ボーラス。神話級の戦いの中で、両者が激突するたび筆舌に尽くしがたいほど膨大な魔法のエネルギーが解き放たれる。衝撃波が直下の大地を抉り、彼らを取り巻く雲は散らされて空は丸くくり抜かれている。この時点のウギンとボーラスは共に「大修復以前」のプレインズウォーカーであり......際限なき力を行使する神のごとき存在だ。この戦いの様子は、人間ではその一端をかろうじて理解することしかできないくらいの、壮大なスケールで描くべきだろう。
アートの中心:凄まじい力を持った2体のドラゴンが繰り広げる戦い。
全体の雰囲気:想像を絶するほどの規模の衝突。
この戦いを恐れながらも見守るサルカンを画面手前に描き出し、アートを手がけたマイケル・コマーク/Michael Komarckは、この重大な瞬間を求められた通りに壮大な雰囲気で描き切りました。そして......ちょっと待ってくださいね......
お気づきになりましたか? ダグの紡いだ物語にもヒントはありましたが、決して明言はされていなかった1行に。
この時点のウギンとボーラスは共に「大修復以前」のプレインズウォーカーであり......際限なき力を行使する神のごとき存在だ。
『時のらせん』の頃にマジックをプレイしていなかった方のためにご説明しますと、「大修復」とは多元宇宙全体に影響を及ぼし、プレインズウォーカーの在り方を変えてしまった出来事です。このアートの概要でも述べられているように、「大修復」以前のプレインズウォーカーは、その指先ひとつで(ウギンとボーラスの場合は爪の先ひとつで、ですね)際限なく魔法の力が使える神のごとき存在でした。つまり、彼らをもってすれば信じられないような大破壊も可能であり、プレインズウォーカー同士の戦いでは度々そういうことが起こるものだったのです。無神経な「大修復」以前のプレインズウォーカーの手によって荒廃した土地も、数多くあります。
『時のらせん』ブロックでの出来事の後も、プレインズウォーカーたちは次元間を移動する能力を持ち続けました。しかし彼らは全能の力を持つ存在ではなく、「強力な魔道士」に近い存在になりました。「大修復」を生き延び、その身に宿った「灯」を残したプレインズウォーカーは、この新しいタイプのプレインズウォーカーへと変化を遂げたのです(カーンやニコル・ボーラスのように)。
今となっては皆さんご存知のことでしょう。以上が、2体の象徴的なプレインズウォーカーが繰り広げた戦いの結末なのです。
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