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開発秘話

Play Design -プレイ・デザイン-

Mファイル『エルドレインの王権』編・赤緑その他

Melissa DeTora
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2019年10月11日


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 こんにちは、そしてMファイル『エルドレインの王権』編にようこそ! それでは、このメリッサ・デトラが展望、セット、そしてプレイデザインの各チームからの開発中のカードに対する洞察とコメントをその1年後にご紹介します!

 以前はマルチバース(Mファイルという名前はここから取られています)と呼ばれていたドレイクは、マジックのカードを、すでに印刷されたものも、デザインの初期のものも、その間のものもすべて記録するために使う、社内のデータベースです。わたしたちは時折セット・デザイン中のカードに触れて、そのセット・リードのためにコメントを残します。皆さんが見るコメントだけが、わたしたちがそのカードについて議論しているすべてではありません。これらはわたしたちがそのセット・リードとコミュニケーションを取って意見を伝える多くの手段の1つに過ぎないのです。

 各登場人物の顔をご覧になりたいなら、こちらをクリックするとコメンテーターの一覧が表示されます。

 それではカードを見ていきましょう!


七人の小人

PTL: PTLからの新しいトップダウンのカードだよ。
JDR: とてもキュート。
MAGO: 《アヴァラックス》型のフェッチではなくドワーフ・カウンターに変更。ドワーフ部族ではなく人間以外への見返りを持っているのは変な感じがする。これにつけていいかどうかは自信がない。
AF: これが必然的なアンコモンかどうかは分からないが、違うなら多分コモンとしてのほうが楽しさの総量は多くなる。
AF: 適当な質問――これをドラフトで10枚取っても、プレイしていいのは7枚だけなのか?

 《七人の小人》は名前とデザインの両方が展望デザインの頃からセットのファイルにありました。セットデザインに移行するのに伴い、そのチームはこれのレアリティをどうするべきか、そしてリミテッドでどう機能するか疑問に思いました。リミテッドの今のルールではドラフトで取った同じ名前のカードは何枚でも使えます。《七人の小人》はこの形のデッキ構築上の制限を持った初めてのカードです。このカードが8枚あるのはものすごく起こりにくいことですが、わたしたちはこのカードをどうするべきかを決めなければいけませんでした。リミテッドのカード・プールにこれが8枚以上あるのはとても起こりにくいので、わたしたちは簡潔な文章と直感的なルールで行くことにしました。もしドラフトで8枚以上の《七人の小人》が取れたら、わたし宛に画像をツイートしてください!


砕骨の巨人

SPS: これのおかしさ、もしくはすごさ、はたまたその両方の位置にあるかどうかは言い尽くせませんぞ。
PC: これが2マナに移ることを前提にすると、2マナの除去では強すぎるけど1マナの効果は弱いように思える。《ショック》は現状唯一の赤い1マナ除去だから、《火柱》か《マグマのしぶき》のバリエーションがいるかな?
ABRO: 《雷破の執政》のテキストを追加。
ABRO: 対濃霧用ダメージ軽減阻止を追加。プロテクションとの相互作用に注意。

 《砕骨の巨人》は構築フォーマットでプレイすると楽しいカードですが、これをわたしたちが適正だと考えるパワー・レベルにするのは苦労しました。先週のMファイルを読んだ方なら、プレイデザインがプレイヤーに出来事クリーチャーに関する選択肢を提供し幅広いプレイパターンを供給したいと考えていることを読まれたと思います。

 《踏みつけ》が1マナだったとき、プレイテスターたちは簡単にできるので毎回出来事を先に唱えていて、そのせいでどのゲームも同じような感じになり面白みに欠けてしまっていました。またこの時のスタンダードの最新セットは『ラヴニカのギルド』で、「ターボ・フォグ」型のデッキの人気が上がっていました。その戦略への対策は《強迫》、《思考消去》、打ち消し呪文などがありましたが、すべての色に十分な対策があるわけではありませんでした。わたしたちは他の色にダメージ軽減への安全弁をつけ始めたいと考え、そして最終的に《踏みつけ》にはこのテキストがつきました。このこととクリーチャーの面を強化することで、わたしたちはプレイヤーが《砕骨の巨人》に多くの選択肢を持つようになると感じました。


義賊

GSV: このカードを私向けにしている素晴らしいフレーバー。ナイス!
ELI: 「到達は射手ロビン・フッドと同じ」という連絡を見たが、依然として到達はアグレッシブなやつにつけるのは変な感じがする――1/1の、実際に射手でない方に傾いている。
DEL: レビュー:職業タイプ1つ分しかスペースがありません。大事な単語をよく考えて。
MAGO: 射手なので射手にしたいし、盗賊なのでならず者にしたい。実際にカットする単語は「伝説の」に決めた。これは特定のキャラクターを元ネタにしたトップダウンのカードだが、『エルドレインの王権』の物語のキャラクターではない。
MAGO: これにはカラー・パイと長さに関する懸念があるが、レア投票で2位だったのでこれを機能させる方法を見つける必要がある。

 ここのコメントはわたしたちがデザイン中に抱えている制限について解説をしています。長過ぎるテキストやカラー・パイの違反があり、このカードには変更が必要でした。

 各セットのデザイン・チームは、ウィザーズ内の他の部署にレア投票を送ります。従業員はレア・カードをそれが印刷された場合どれぐらい興奮するかを1~10の段階で評価するように求められます。わたしたちはこれをデザイナーではないマジックのプレイヤーからの第一印象を得るために行っていて、これはわたしたちの持つあらゆる先入観を捉えることを助けるためにとても有益です。投票する従業員は彼らがなぜそのカードを好きだったり嫌いだったりするかをわたしたちが理解する助けになるようにコメントを書くこともできます。

 《義賊》はこの投票でとても高いスコアを記録したので、わたしたちはこのカードの機能をなんとかして保ちたいと考えました。プレイデザインは何度もデザインの変更を行い、その中の1つが一回きりの出来事・ソーサリーから毎ターン起こる攻撃時の誘発への変更でした。


金のガチョウ

ABRO: 「{2}{G}{G},{T}:食物・トークンを1個生成する」を追加。
KEN: 自分で自分の卵を食べるの? 自分の子供を共食いするガチョウの話?
ELI: ガチョウは邪悪なクリーチャーなのだよ、ケン。
CJB: 意味があるかどうかは分からないが、色の協議会はこのカードについてはっきりししなかったけども《極楽鳥》の再来として楽しんでいた。そこから遠くなればなるほど、より多くの反発が想定される。
ABRO: 起動コストを{2}{G}{G}→{1}{G}に。
SPS: とても魅力的になりましたな。

 《金のガチョウ》は《極楽鳥》の再来で、強く安定して使うためには他の食物カードを使う必要がありました。問題点は、このガチョウは食物がないと本当に弱いということでした。1ターン目に強力な動きをしたけれどもそれが使えなかった場合ものすごく嫌な気分になるので、こういうA+B型のシナジーを1マナのカードにつけることをわたしたちは好みません。わたしたちはこのガチョウに自分で燃料補給(餌やり?)できる能力をつけることにしました。この回答はこのガチョウをより機能的にしただけでなく、他の食物カードにもシナジーを供給しました。


恋煩いの野獣

ELI: 実に魅力的だ!
YS: 超クールで、残念なのは「美女」がバニラなところだ。{U}の出来事コストでトークンを独自なものにしたバージョンはできないかな?
MDT: 美女を伝説のトークンにしてバニラに何か付け加えられるかもしれません。(『灯争大戦』のトルシミールとヴォジャみたいに)
MAGO: パワー/タフネスを増加。最初の能力をこれがぼっちだと生け贄ではなく動けないように変更。人間ではなく1/1を参照するようになった。パワー1のクリーチャーを参照するようにもできる。
AP: このカード好きだ。相手のクリーチャーに+1/+1カウンターを置く、文字通りの意味でのカウンタープレイをしているのを見た!
HINDERM: 私がプレイする機会があった『エルドレインの王権』の中で気に入ったカードだ。フレーバーとゲームプレイが楽しめるように混ざっている。

 時々、トップダウンのデザインの物語はそのカードが流動的であっても愛されるほど強いことがあります。それは《恋煩いの野獣》の話です。みんなこれが大好きでしたが、カードが強すぎそしてリミテッドでは楽しくありませんでした。弱体化されてもみんなこれを大好きでしたが、チームは新しいデザインに満足していませんでした。わたしたちはリミテッドと構築フォーマットの両方で楽しくなるまで、さまざまなことを試し続けました。そしてそのデザインがどうなろうと、みんなの思いが変わることはありませんでした――これが魅力的であると。


王家の跡継ぎ

SPS: これはどれぐらいの頻度でクリーチャーに当てますかな? フィズるルールの心配は無用ですかな?
AF: フィズるのが心配なら、「カードを3枚引く。そうしたとき……」を試してみよう。この方法なら何を引いたか見た後で対象に取ることができる。
ABRO: フューチャー・フューチャー・リーグにより3枚ドロー→4枚ドロー。
ABRO: [+1]にトランプル追加。優先テスト。

 セットデザイン・チームはプレインズウォーカーを独特でクールなものであるようにしたいと考えていて、37体のプレインズウォーカーのいる『灯争大戦』の直後のものは特にそうでした。赤青のプレインズウォーカーにはすでにラル・ザレックとサヒーリ・ライがいます。ウィルとローアンははそれらとは異なる特別なものにしなければいけませんでした。

 ウィルが氷の魔道士でローアンが稲妻の魔道士ということが分かっていたので、なんとかその特徴を再現しなければいけませんでした。わたしたちはさまざまな赤青デッキのプレイテストをして、それらのデッキの動きと足りないものを解明することで最後の能力を設定しました。『エルドレインの王権』では、赤青の特徴は小型飛行クリーチャーとテンポです。これは飛行クリーチャーと軽いコストの妨害で素早い勝利を目指します。また1ターンに2枚目のドローすることに関連したテーマも持っています。わたしたちはこの2つのテーマに没入し、2人のプレインズウォーカーの特徴を捉えて、なおかつスタンダードのデッキにうまく収まる能力を考え出しました。


呪われた狩人、ガラク

TABAK: プラス能力の超クールなやり方ですね。
DEL: レビュー:ガラク部族? そう、今後もこれをやっていきます。カードはとても良さそう。
TABAK: 「お前は我が友を殺したな。俺はお前に向かっているぞ」

 ローアンとウィルと同じく、スタンダードでとてもたくさんのプレインズウォーカーをデザインした後、わたしたちは『エルドレインの王権』のプレインズウォーカーを『灯争大戦』のものとは異なる雰囲気にする斬新な方法を探しました。ガラクの場合、忠誠値を増やす新しい方法と伝統的なプラス能力をつけないことを試してみました。ガラクが彼の狼を失うと、彼はよりやる気になります――とてもやる気があるので、1ゲーム中に複数回奥義を起動するのも夢ではありません。わたしたちは最初このガラクの忠誠度だけを上げていましたが、この狼が戦場にある他のガラクも参照するとクールだと思いました。スタンダードでは関係がありませんが、カジュアル・プレイヤーはこの新しいガラクを古いガラクと一緒にプレイして楽しむことができます。


型破りな協力

MDT: 《苦花》を彷彿とさせます。
ABRO: 強化するためにルーティングを追加。
ABRO: 議論はしなかったが、私は赤ルーターを楽しみたい。
PC: どこかでルーティングに{4}{U}{R}が追加された。

 《型破りな協力》のデザイン目標は,1ターンに2枚目のドローをするという赤青のカラー・パイの方向を示す基柱カードとなることでした。しかし、プレイデザイン・チームはデザインと強さの両方で《苦花》との類似性に気がついてしまい、これをすぐにスタンダードで試しました。この2枚のカードの最大の違いは、デッキを構築する時に求められる要件でした。

 《苦花》はフェアリー部族のカードで、求められるものは……ええ、実際には特に何もありません。これは単体でとても強力なカードであり、当時のスタンダードでもさまざまなデッキで(フェアリーでも!)プレイされました。《型破りな協力》はどんな赤青デッキに入れても十分に強いわけではありません。フェアリー・トークンの恩恵を毎ターン受けるためには具体的な方法でデッキを組まなくてはいけません。このカードはいくつかの楽しいデッキを促します。


幸運のクローバー

MAGO: 緑だったが、カラー・パイから外れている感じ(コピーする能力)がした。
PC: 1マナはどう? 複製したい好きな2マナの出来事クリーチャーはたくさんある。これをデッキに入れることには大きなコストがかかる。
ABRO: 1マナにする。
ABRO: 1→2。
ABRO: Abroの野望のお話。

 《幸運のクローバー》は元々緑のカードとしてこのセットにありました。緑と白は出来事クリーチャーが最も多い色であり、この2色にこのメカニズムを結びつける方向性を示す基柱カードを作りたいと考えました。

 問題は、このカードが緑のカラー・パイに合わないことでした。わたしたちはこのカードとプレイのされ方が本当に気に入っていたのですが、緑では筋が通らずこの効果は青にあるべきものでした。青は非人間クリーチャー、ライブラリー破壊、アーティファクトとエンチャントがテーマで、大量に出来事を唱えるわけではありませんでした。わたしたちはこれをアーティファクトに移すことにしました。これは依然としてリミテッドでの基柱カードとしての役割を果たしますが、スタンダードのあらゆるデッキでより柔軟にプレイされるようになり、構築フォーマットのデッキで最強の出来事は緑以外の色なのでこれは素晴らしい変更であり、この無色への変更は新しいデッキへの挑戦をもたらしました。


魔術遠眼鏡

MAGO: 《倦怠の宝珠》は再録だ。FFLがこれを《倦怠の宝珠》のバリエーションに変更すのは自由だ。今の所これは《倦怠の宝珠》の役割をしている。
ABRO: IDと話した後、ほぼ間違いなく強化バージョンを求めている。FFLでブレインストーミングをする。
ABRO: 白のクリーチャーに移った《倦怠の宝珠》から《魔術遠眼鏡》に変更。

 プレイデザインは、プレイヤーがデッキ構築において主体性を持てるようにさまざまな対策と選択肢をスタンダードに加えるために努力しています。その方法の1つが、プレイテストして見つかったセットの穴を埋めるための確保枠です。

 わたしたちは通常、変更される可能性が高い場所取り用のカードをファイルの中に持っていて、スタンダードに入れたいものが分かるとそのカードをセットに加えます。《魔術遠眼鏡》はスタンダードからローテーションしたので使えなくなっていて、そしてわたしたちはこれをどの色でも使うことができる「常盤木」効果のようなものとして気に入っていました。《魔術遠眼鏡》がスタンダードにずっとあると保証するわけではありませんが、このスタンダード環境からなくなるのは不適切であると感じたので、わたしたちはこれを『エルドレインの王権』に加えました。


石とぐろの海蛇

AF: おかしなカードだ。全ての色が1000個強化された《巨大な戦慄大口》を手に入れる。
CJB: AFに同意。無色に向かって歪めているだけの気がする。
ABro: 到達はクリエイティブの承認を得ていて、これを試してみたい。
ABro: 到達を追加。オレリアをブロックする!
MJJ: 《変容する壁》もここまで来たか。強すぎるとは言わないが、この2枚のカードの間には大きな隔たりがある。

 この《石とぐろの海蛇》の話は面白いです。元々のデザインは{X}のX/Xでしたが、{X}は同じ色のマナでしか払えませんでした。このデザインはこれを使えるデッキをかなり制限して、そしてそして全体的に魅力がないレアなだけでした。トランプルが追加され、それからプロテクション(多色)がつきましたが、それでもこのカードには不足でした。

 なぜ、このコストはこんなに制限があるのかというのは大きな疑問でした。わたしたちは単色を推奨していましたが、このカードが《爆発域》や《総動員地区》のような土地の使用を阻害している事実が、このカードの楽しさを損なっていました。この制限はなくなり、その結果このカードは《果てしなきもの》より数段強力になりました。


試合場

MDT: これのせいでプレイヤーが騎士を構えることがないようにしたいです。「もしくはあなたがコントロールしている騎士を1体選ぶ」も検討してみてください。
ABRO: メリッサに賛成だ、私は《ワンダーワインの分岐点》の実装が気に入っている。
MAGO: 公開した騎士を唱えることになるので、騎士が手札にあることを想定するのはおかしくはない。
ABRO: むしろ毎ターン公開しないでいいようにしたい。物理的動作や記録することが多くなる。
TOMR: 《手付かずの領土》と比べると好ましくない。「騎士を見せないとタップイン」が必要だとは思わない。
ABRO: 装備品を唱えるのにも使えるようになった。
AF:これは騎士の火吹きに使えない、騎士の出来事に使えない。 これらは色付き装備品よりも起こる可能性が高い感じがする。
ABRO: 我々は装備品を扱う赤黒騎士のアーキタイプを作った。出来事と能力を失うのはまずい。これらの単語は欠点ではないと思う。

 このカードの元々のデザインは「{T},あなたの手札から騎士・クリーチャー・カードを1枚公開する:その騎士の色のうち好きな1色を加える」でした。このデザインは上に書かれていた理由で問題があり、《手付かずの領土》に近いけれど、もっと弱いデザインに変更されました。

 わたしたちはこのカードを《手付かずの領土》と比べて見劣りしないようにする方法を探しました。その答えはスタンダード・フォーマットをデザインして、騎士の色のペアそれぞれが何をするか考え出すまで見つかりませんでした。赤白はアグロのペア、白黒は消耗戦狙い、そして赤黒は最も多く装備品を持っていました。これらのテーマが決まった後、色付きの装備品を唱えるための能力が追加されました。


寓話の小道

ABRO: 新しいレアの《進化する未開地》。クリエイティブは保留。FFLのリクエスト。
ABRO: クリエイティブ承認済。
ARI: 統率者戦プレイヤーへの大きな贈り物。
ROSEJ: 『モダンホライゾン』の《虹色の眺望》の3か月後に出る予定だけど、違いは十分のようだ。

 《寓話の小道》はプレイデザインFFLのもう1枚の穴埋めカードです。前年のラヴニカとは大きく異なり、エルドレインはもっと単色のデッキを推進しています。しかしスタンダードの多様性が損なわれるので、全てのデッキを単色にしたくはありませんでした。

 わたしたちは2色や3色のデッキを作り、チェックランドがスタンダードを離れたことによって2色や3色のデッキのマナ基盤が弱い感じがすると結論づけました。わたしたちは2色以上のプレイを助けることができる、強力で汎用性の高い土地があることが重要だと感じました。そうして、《寓話の小道》が生まれました。


アーデンベイル城

AF: 新デザイン。アンタップで出て、タップして色マナが出せて、デッキに複数枚入れられることが求められている。
AF: アンコモンのサイクルをやめたのでこっちに城の名前をつけた。5つの城の絵が必要だろう!
ERIK: いろいろ考えた結果、『基本セット2010』のチェックランド方式が正解なのではないかと思います。なので非伝説、土地タイプなし、アンタップで出ることもある、を試してみましょう。
ABRO: 城サイクルの起動コストはNCCCになった。
ERIK: 起動コストはNCCになりました。

 この記事で何度か書いたように『エルドレインの王権』は単色寄りのセットで、その結果としてレアの2色土地サイクルがありません。ですが、わたしたちは『神河物語』を連想させる豪華な伝説の土地サイクルを作りました。

 これらはほとんどいつも基本土地よりも強いという点で似ていましたが、伝説であるという欠点はデッキに何枚入れるか注意しなければいけないということを意味していました。基本土地より強いので、最初の1枚をプレイするのは常に正解なのですが、その欠点により戦場に1枚しか出せないので複数枚デッキに入れるかどうかは疑問の余地があります。デザイン・チームは、クールなユーティリティ土地を作った場合にはそれをプレイしたくなるけれども、デッキに1枚しか入っていなかったらなかなかプレイできないので、これが間違った方向性だと感じました。

 わたしたちはこれらの土地から「伝説の」を削除し、「チェックランド」式の欠点をつけました。この変更によって、素敵で複数枚プレイしたくなるものというわたしたちの目標は達成されました。より単色になればなるほどこれらを多くプレイできるようになり、そしてデッキの色が増えると、どの土地をデッキに入れるかという選択肢が増えます。この選択は、これらの土地が伝説だった時よりもずっと楽しくなりました。


 Mファイル『エルドレインの王権』編は以上となります! 次のMファイルにはわたしは参加しない予定で、誰か他のプレイデザイン・チームのメンバーに引き継がれます。それまでの間、みなさんとはTwitterの@MelissaDeTora、11月のマジックフェスト・リッチモンド、ポール・チェオンとtwitch.tv/magicでやっているアメリカ太平洋時間月曜午後4~6時の週刊配信で会うことができます。読んでくれてありがとうございました!

メリッサ・デトラ

(Tr. Takuya MASUYAMA / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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