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第一印象:『灯争大戦』フューチャー・フューチャー・リーグ
2019年5月17日
「第一印象」へようこそ! これは(Mファイルのように)年4回セットが発売されたときに、最新セットのフューチャー・フューチャー・リーグ(FFL)集中期間でのプレイ・デザインのデッキリストと彼らの思考過程を紹介する、定期的に掲載される記事だ。「FFL集中期間」とは、我々がカード・ファイルに競技的なバランスの微調整のほとんどを行うセットデザイン中の3か月間のことだ。
FFLの歴史を簡単に振り返ろう。フューチャー・フューチャー・リーグはマジック開発史の初期に結成された。このリーグには会社の中で競技マジックの経歴を持つ人々が入れ替わりで所属していた。このリーグの目的は次の年に発売されるスタンダード・フォーマットのテストを行い、そしてそれらをできる限り楽しく健全なものにする方法を考え出すことだった。現在、フューチャー・フッユーチャー・リーグは、主にスタンダードの健全さとバランスを専門とするプレイ・デザインのメンバーで構成されている。
プレイ・デザインは「現実世界」のマジックのプレイの歴史から引き出したものを興味深く楽しい環境へと変換しようとする。マジックのデザインの美しさの1つは、すべてのデザイナーが異なる好き嫌いを持つ点だ。我々全員がすべての人にとって魅力的な戦略とカードのコレクションを作るために努力している。我々のうち1人が《ジョルベイの闇潜み》を全てのセットに入れようと努力している。我々のうち1人は普段成功を収めていない。
通常、セットにはスタンダードで当たるようなテーマや一連のカードがあり、そして我々のテストと改良をする工程はその周りで成長した。『灯争大戦』はこれまでにFFLに入った中で最も野心的なセットの1つだ。FFLのスタンダードに関する考察の量は多いが、特に『灯争大戦』は全く新しいデッキを要求するカードが満載だ。今日は、我々が新しいカードとシナジーをテストするために作ったデッキを次々と紹介していこうと思う。では行ってみよう!
7 《森》 5 《沼》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 3 《愚蒙の記念像》 3 《進化する未開地》 -土地(26)- 4 《縫い師への供給者》 4 《僧帽地帯のドルイド》 4 《光胞子のシャーマン》 4 《エルフの再生者》 4 《地表形成師》 4 《永遠神バントゥ》 1 《クロールの食料隊》 1 《ロッテスの巨人》 -クリーチャー(26)- |
3 《灯の収穫》 3 《採取 // 最終》 2 《戦慄衆の将軍、リリアナ》 -呪文(8)- |
《永遠神バントゥ》は『灯争大戦』がこの環境に入ったときに私がデッキを組んでみたかった最初のカードの1枚だ。このデッキが実行しようとしている主なコンボは《地表形成師》を唱えることが必要で、それから《永遠神バントゥ》で《地表形成師》と全ての土地を生け贄に捧げて大量のカードをドローする。このデッキには《地表形成師》の誘発で多くの土地が戻ってくるように、他にも自分のライブラリーを削る効果が入っている。
すべての永遠神は『アモンケット』の元のスタッツに合わせようとするところから始まった。《永遠神バントゥ》と《永遠神ケフネト》は元のスタッツではうまくいかなかった2体なので、適切な部分で増減を行った。
6 《森》 5 《平地》 4 《寺院の庭》 4 《陽花弁の木立ち》 2 《カーンの拠点》 -土地(21)- 4 《庁舎の歩哨》 4 《生皮収集家》 3 《ウギンの召喚体》 4 《ファートリの猛竜》 3 《協約の魂、イマーラ》 2 《花粉光のドルイド》 -クリーチャー(20)- |
2 《フレイアリーズの歌》 4 《ベナリア史》 2 《不敗の陣形》 4 《議事会の裁き》 4 《開花 // 華麗》 3 《寛大なる者、アジャニ》 -呪文(19)- |
新しいメカニズムがFFLに入るときはいつでも、我々はその可能性の限界を伸ばすデッキを作り現在の環境にあるカードとのナジーを見つけようとする。増殖は最初『ラヴニカの献身』にあったが、『灯争大戦』の低い忠誠値を持つプレインズウォーカーがいるためにそちらのほうが相性がよかった。
増殖と『ドミナリア』の英雄譚はいくつかのクールなシナジーがある。《ベナリア史》に《カーンの拠点》で戦闘中に最後の伝承カウンターを置くのは素敵だ! リミテッドでの白緑のテーマは横並べからのカウンターの増殖だったので、我々は《ファートリの猛竜》をリミテッドと構築フォーマットで機能するようにした。《生皮収集家》からの《ファートリの猛竜》で3/3のアタッカーを2ターン目に手に入れられる。
1 《山》 1 《森》 1 《平地》 4 《踏み鳴らされる地》 2 《根縛りの岩山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《断崖の避難所》 4 《寺院の庭》 2 《陽花弁の木立ち》 -土地(23)- 4 《戦慄衆の秘儀術師》 4 《第10管区の軍団兵》 3 《速太刀の擁護者》 4 《グルールの呪文砕き》 3 《贖いし者、フェザー》 -クリーチャー(18)- |
4 《果敢な一撃》 4 《巨大化》 3 《防護の光》 2 《サムトの疾走》 4 《争闘 // 壮大》 2 《完全 // 間隙》 -呪文(19)- |
我々の中のコンバット・トリックの専門家、ドナルド・スミス・ジュニア/Donald Smith, Jr.がこの傑作を作り上げた。フェザーは『灯争大戦』に長い間いたが、プレイ・デザインはフェザーとのシナジーのために《果敢な一撃》をこのセットに入れるよう具体的に要求した。このデッキをプレイするとき、我々はまた《戦慄衆の秘儀術師》で呪文をフラッシュバックしたときに、フェザーがいるとそれが手札に戻るようにフェザーから「あなたの手札から」も削除した。A+Bの2枚コンボデッキの本質的な弱さの1つは、通常片方のタイプのカードが手札にあふれてしまうことであり、我々はこの先天的な弱点を軽減するために《第10管区の軍団兵》の誘発に占術をつけた。
1 《島》 1 《沼》 1 《山》 2 《湿った墓》 4 《水没した地下墓地》 4 《蒸気孔》 4 《硫黄の滝》 4 《血の墓所》 4 《竜髑髏の山頂》 1 《愚蒙の記念像》 -土地(26)- 4 《破滅の龍、ニコル・ボーラス》 2 《再燃するフェニックス》 -クリーチャー(6)- |
2 《強迫》 4 《思考消去》 3 《アズカンタの探索》 3 《暴君の嘲笑》 2 《喪心》 2 《渇望の時》 3 《魔性》 2 《煤の儀式》 3 《永遠神の投入》 3 《龍神、ニコル・ボーラス》 1 《戦慄衆の将軍、リリアナ》 -呪文(28)- |
我々が《龍神、ニコル・ボーラス》のコストをいくつにするべきか考えたとき、《破滅の龍、ニコル・ボーラス》とかぶるので4は避けた。残されたのは3、5、6マナだ。《戦慄衆の将軍、リリアナ》がすでに6マナにいて、3マナで満足の行くバージョンの龍神様は達成不可能だと感じた。
我々は5マナでクールなデザインのニコル・ボーラスを完成させることができ、それは《破滅の龍、ニコル・ボーラス》からマナ・カーブに沿っている! 《龍神、ニコル・ボーラス》は最初忠誠値5からスタートしたが《狡猾な漂流者、ジェイス》と組み合わせて簡単にボーラス様のコピーを作ってほしくなかったので、他の部分を強化して初期忠誠値を1下げた。また我々は小うるさい《無効皮のフェロックス》が龍神様を不意打ちしないように《龍神、ニコル・ボーラス》に追放を追加した。
5 《島》 4 《山》 4 《蒸気孔》 4 《硫黄の滝》 2 《水没した地下墓地》 -土地(19)- 4 《ゴブリンの電術師》 2 《燃え立つ預言者》 4 《弧光のフェニックス》 2 《永遠神ケフネト》 -クリーチャー(12)- |
4 《選択》 4 《ショック》 4 《航路の作成》 2 《急進思想》 1 《苦しめる声》 4 《稲妻の一撃》 2 《溶岩コイル》 1 《標の稲妻》 3 《約束の終焉》 4 《発見 // 発散》 -呪文(29)- |
《弧光のフェニックス》は我々が常に注意しておかなければならないカードだ。我々が環境に加えるルーティングや1マナキャントリップの量を意識しておかなければ制御不能になる可能性がある。
このデッキに『灯争大戦』から追加された主なカードは《約束の終焉》だ。元々《約束の終焉》は墓地の呪文を2つコピーするだけの書式だった。我々は《弧光のフェニックス》が戻せるようにそれらの呪文を唱えるように変更を行った。我々は1マナドロー呪文の数を抑えなければならなかったが、準備が必要な4マナの大きな呪文をもっと追加すると《弧光のフェニックス》デッキがもっと楽しくなると感じた。
7 《沼》 6 《平地》 4 《神無き祭殿》 4 《孤立した礼拝堂》 4 《放棄された聖域》 -土地(25)- 1 《輝かしい天使》 3 《聖堂の鐘憑き》 -クリーチャー(4)- |
2 《悪夢の渇望》 4 《活力回復》 3 《希望の夜明け》 3 《ケイヤの誓い》 3 《牢獄領域》 2 《若返りの儀式》 4 《ケイヤの怒り》 3 《ヴラスカの侮辱》 4 《ボーラスの城塞》 1 《昇華 // 消耗》 2 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》 -呪文(31)- |
《ボーラスの城塞》は『灯争大戦』で最も精査されたカードの1枚だ。我々は《ボーラスの城塞》の最強の形を考え出すために多くのデッキの骨組みを通過させて最善を尽くした。この白黒バージョンはライブラリーの一番上を可能な限りプレイすることを悪用する最初の試みの1つだ。これは我々が見つけた最強のバージョンではなかったが、ここから得られた主な教訓は土地をデッキの一番上から退けられる簡単な方法が必要だということだった。
8 《森》 8 《沼》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 -土地(24)- 4 《マーフォークの枝渡り》 4 《探求者の従者》 4 《野茂み歩き》 1 《イクサーリの卜占師》 4 《翡翠光のレインジャー》 4 《むら気な長剣歯》 -クリーチャー(21)- |
2 《暗殺者の戦利品》 2 《喪心》 4 《楽園の贈り物》 4 《オラーズカの秘宝》 4 《ボーラスの城塞》 -呪文(16)- |
マイケル・メジャース/Michael Majorsは探検パッケージと《ボーラスの城塞》との組み合わを真っ先に開発した。またこのバージョンでは土地がデッキの一番上に詰まる問題も探検によって解決されている。このバージョンは可能な限り早くデッキの一番上を退けられるように構築されている。《楽園の贈り物》は「タダ」で、《オラーズカの秘宝》もまた「タダ」でさらに一番上のカードを退ける機能もある。我々はデッキの一番上から大量のリソースを獲得した後に速やかにゲームに勝てるよう《ボーラスの城塞》に起動型能力を追加した。
2 《島》 2 《山》 3 《蒸気孔》 1 《硫黄の滝》 4 《湿った墓》 4 《水没した地下墓地》 4 《血の墓所》 4 《竜髑髏の山頂》 -土地(24)- 4 《ボーラスの占い師》 -クリーチャー(4)- |
4 《選択》 4 《ショック》 2 《火消し》 1 《暴君の嘲笑》 4 《思考消去》 3 《稲妻の一撃》 3 《オブ・ニクシリスの残虐》 2 《蔓延する蛮行》 4 《発展 // 発破》 1 《発見 // 発散》 4 《嵐の伝導者、ラル》 -呪文(32)- |
我々がテストをしているときに発見したもう1つのコンボ・デッキは、《嵐の伝導者、ラル》を出してスタック上の1マナ呪文を《発展 // 発破》で2回コピーする(訳注:《発展》を《発展》でコピーすることでループが発生します)デッキだ。
このコンボは額面通りに見ると恐ろしそうだが、実際には適切なパワー・レベルであることが判明した。我々はこれには適切な準備とデッキ構築上の制限があると感じた。我々がこの手のコンボ・デッキを意識したときに自問する質問は「どれぐらい干渉しやすいか?」や「空の盤面からどれぐらい簡単に決められるか?」などだ。例えば《嵐の伝導者、ラル》の初期忠誠度が5だとしよう。それだと《ショック》はこのコンボに対する手札からの対抗手段にならない。我々はこれらのコンボをよく使われる干渉手段の呪文に対する弱点を持つ位置づけにしようとする。
3 《神聖なる泉》 3 《氷河の城砦》 4 《湿った墓》 4 《水没した地下墓地》 2 《硫黄の滝》 3 《神無き祭殿》 2 《孤立した礼拝堂》 2 《血の墓所》 3 《次元間の標》 -土地(26)- 2 《魂の占者》 -クリーチャー(2)- |
4 《思考消去》 3 《古呪》 3 《暴君の嘲笑》 2 《喪心》 2 《屈辱》 1 《ケイヤの誓い》 2 《煤の儀式》 4 《覆いを割く者、ナーセット》 3 《盾魔道士、テヨ》 2 《時を解す者、テフェリー》 3 《龍神、ニコル・ボーラス》 3 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 -呪文(32)- |
本日紹介する最後のデッキは、《古呪》の限界をテストするための最高に馬鹿げたデッキだ。機能的に《古呪》はほとんどの場合サイドボードのカードだが、すべてのカードの限界を試して伸ばすのは我々にとって大事なことだ。
このデッキに入っている興味深いものの1つは《魂の占者》だ。これのここでの主な機能はカード・アドバンテージを得るために忠誠カウンターをはぎ取ることだ。元々《魂の占者》はどんなパーマネントからもカウンターを取り外すことができていた。我々は簡単に英雄譚をリセットできることを好まなかったのでエンチャントを除外した。このデッキの目的は3マナのプレインズウォーカーで軽いロックを仕込み、ゲームに即勝利するために《龍神、ニコル・ボーラス》と《古呪》をプレイするターンの仕込みをすることだ。だが私のこのデッキの好きなところはフレーバー的に大勝利を簡単に決められるところだ。
私は『基本セット2020』が出たらその集中期間のFFLからお気に入りのデッキを紹介するために戻ってくる。それまでの間、私は西海岸のほとんどのマジックのイベントに顔を出す。声をかけてくれ!
-Abro (@Murk_Lurker)
(Tr. MASUYAMA, Takuya / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)
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