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開発秘話

Play Design -プレイ・デザイン-

第一印象:『ラヴニカの献身』フューチャー・フューチャー・リーグ

Andrew Brown
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2019年2月8日

 

 「第一印象」へようこそ! これは(Mファイルのように)年4回セットが発売されたときに、プレイ・デザインのデッキリストと最近のセットのフューチャー・フューチャー・リーグ(FFL)集中期間での彼らの思考過程を紹介する、定期的に掲載する予定の記事だ。「FFL集中期間」とは、我々がカード・ファイルに競技的なバランスの微調整のほとんどを行うセットデザイン中の3か月間のことだ。

 前回、私は他の仕事が忙しかったので親友で同僚のマイケル・メジャース/Michael Majorsに(無理やり)頼んで『ラヴニカのギルド』の「第一印象」を代わりにやってもらった。しかし、私は今回は戻ってきてデッキを紹介する準備も万端だ!

ラヴニカ第1セット vs. 第2セット

 ショックランドはエキサイティングなカードだ。これらは強力なマナ基盤を供給しスタンダードに多くの可能性をもたらす。『ラヴニカのギルド』は最初の5つのショックランドの再版をもたらして多くのマナの可能性を開いたが、いくつかの色の組み合わせは取り残されたままだった。『ラヴニカの献身』のギルドやマルドゥ(赤白黒)やバント(緑白青)のような3色の組み合わせは『ラヴニカのギルド』で供給された色の組み合わせほど完全なマナ基盤を持っていなかった。しかし『ラヴニカの献身』が発売された今は、ショックランドとチェックランドの2種類の強力な2色土地によるマナ基盤が完成した。

 『ラヴニカのギルド』のプレイテスト時、我々はいくつかの3色デッキは存在するがサイクルの完成した土地がなければ2色のギルドのデッキがフォーマットの最前線にになるという理念の下で動いていた。『ラヴニカの献身』がフューチャー・フューチャー・リーグの環境に加わった後、完成した土地のサイクルが3色のマナ基盤を強化したことは明らかだった。新しいカードのテストだけでなく、我々は振り返ってこの新しいマナ基盤が過去の戦略をどのように復活させたかを見なければならなかった!

エスパー

 私は根本的にコントロールの魔道士だ。《神聖なる泉》の導入は、呪文を打ち消してクリーチャーを除去することに対して私をとてもワクワクさせた。《吸収》や《屈辱》を唱えることは何よりもよりも私をハッピーにする。

エスパー・コントロール
『ラヴニカの献身』FFL / スタンダード[MO]
1 《平地
2 《
2 《
3 《神聖なる泉
4 《氷河の城砦
3 《神無き祭殿
4 《孤立した礼拝堂
4 《水没した地下墓地
4 《湿った墓
-土地(27)-

1 《変遷の龍、クロミウム
-クリーチャー(1)-
4 《思考消去
3 《渇望の時
2 《アズカンタの探索
1 《否認
4 《吸収
2 《屈辱
4 《薬術師の眼識
4 《ケイヤの怒り
2 《ヴラスカの侮辱
2 《万全+番人
1 《昇華+消耗
3 《ドミナリアの英雄、テフェリー
-呪文(32)-

 このデッキが《神聖なる泉》と《神無き祭殿》以外に得た最大の収穫は《ケイヤの怒り》と《吸収》だ。『ラヴニカの献身』FFLに入り、我々は4マナのラス(すべてのクリーチャーを破壊する呪文)を環境に導入してみたいと考えていて、オルゾフ(白黒)はそれを入れるのに完璧な場所であると感じた。今年のスタンダードでは、我々はそのマナ基盤の全体的なパワー・レベルを考慮して色拘束を厳しめにしている。我々は唱えるのが難しいラスを求めているのではないので、オルゾフのメカニズムである死後とシナジーを形成するテキストを追加した。

 コントロール・デッキで《吸収》と《悪意ある妨害》のどちらが強いかについては熱い議論が行われた。それぞれの論に良い点があった。《悪意ある妨害》はドローをろ過し、唱えるのがより楽だ。《吸収》はライフを危険域から引き戻し、3色のマナ基盤から受けるダメージを和らげることができる。結局のところどっちが正しいかは問題ではない。これらの議論はマジックを考えるのが楽しいものにしている。我々は比較的同じパワー・レベルで似たような効果を持つカードを複数提供することも好んでいる。これはカードを特定のメタゲームにおいてより強力なものとし、デッキ構築をより楽しい経験にする。

マルドゥ

 《第1管区の勇士》は私が『ラヴニカの献身』で最も好きなカードの1つだ。これはクールで強力なカードを見つけるというデッキ構築の課題を与えてくれる。より良いものはどれだ?

マルドゥ
『ラヴニカの献身』FFL / スタンダード[MO]
4 《
4 《血の墓所
4 《竜髑髏の山頂
4 《神無き祭殿
2 《孤立した礼拝堂
4 《聖なる鋳造所
2 《断崖の避難所
-土地(24)-

4 《脚光の悪鬼
4 《どぶ骨
4 《第1管区の勇士
4 《忘れられた神々の僧侶
2 《火刃の芸術家
2 《傲慢な支配者
3 《災いの歌姫、ジュディス
2 《真夜中の死神
2 《秤の熾天使
-クリーチャー(27)-
2 《屈辱
3 《英雄的援軍
2 《陰惨な生類
2 《興行+叩打
-呪文(9)-

 ラクドス(黒赤)とオルゾフ(白黒)がこの環境に加わり、我々はこれを「アリストクラッツ・デッキ」を導入する絶好のチャンスと見た。アリストクラッツ・デッキとはマジックの用語で生け贄に捧げる効果によってアドバンテージを得る小型クリーチャー・デッキのことだ。

 アリストクラッツ・デッキを愛するプレイヤーは複雑な問題と盤面の状態を楽しいと感じる。《第1管区の勇士》はアリストクラッツ型のデッキへの私が好きな切り口だが、他にもそれを行う方法は数多く存在する。我々はプレイヤーがカスタマイズでき完璧な構築を考え出すまでに多くの時間がかかるように大量のカードを導入した。《ゴルガリの女王、ヴラスカ》のタッチと強固なマナの入手のためにアブザン(白黒緑)をプレイすることもできる。自分のライブラリーを削る効果とより多くの生け贄手段で《陰惨な生類》に手を出すこともできる。このフォーマットは君の思うがままだ!

バント

 『ラヴニカの献身』で私が好きなバントのデッキは殻型(《出産の殻》から名前を取っている)デッキだ。《首席議長ヴァニファール》は我々がFFLでテストした中で最も楽しかったカードの1つだ。アリストクラッツと同じくその創造性への可能性は無限大だ!

バント殻
『ラヴニカの献身』FFL / スタンダード[MO]
4 《
4 《繁殖池
4 《内陸の湾港
4 《寺院の庭
4 《陽花弁の木立ち
2 《草むした墓
4 《森林の墓地
-土地(26)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《マーフォークの枝渡り
4 《野茂み歩き
4 《翡翠光のレインジャー
4 《民兵のラッパ手
1 《拘留代理人
1 《秋の騎士
4 《首席議長ヴァニファール
1 《人質取り
1 《豊潤の声、シャライ
1 《生体性軟泥
1 《若葉のドライアド
1 《不和のトロスターニ
1 《夢喰い
-クリーチャー(32)-
3 《採取+最終
-呪文(3)-

 マジックのカードを作るときに起こる面白いことの1つは、カードを強くするために弱くする場合があるということだ。我々はこれをよくリミテッドと構築フォーマットの両方で行う。例えばシナジーによって成立しているが誰もドラフトが成功しないデッキがあるとしよう。我々が行う可能性のある行動はそのデッキに入ると想定されている一般的に強力なカードを弱くすることだ。これによりそのカードがドラフトの後の順目で取れるようになり、シナジーを狙うプレイヤーが手に入れることができるようになる。

 《首席議長ヴァニファール》ではこれが構築フォーマットにおいて行われた。最初のデザインの《首席議長ヴァニファール》は3/4だった。我々は《民兵のラッパ手》がクリーチャーであると同時にパーツを掘り進む良い手段であると認識した。というわけで、我々は《首席議長ヴァニファール》を2/4にした。クリーチャーのツールボックス・デッキは常に冗長性とエンジンを見つける方法に飢えている。

 私は『灯争大戦』が出たらその集中期間のFFLからお気に入りのデッキを紹介するために戻ってくる。それまでの間、私は西海岸のほとんどのマジックのイベントに顔を出す。声をかけてくれ!

―Abro (@Murk_Lurker)

(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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