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Play Design -プレイ・デザイン-
Mファイル『ラヴニカのギルド』編・単色
2018年10月5日
Mファイルが、そしてラヴニカが戻ってきたぞ! 今日は、『ラヴニカのギルド』のデザイン、デベロップ、そしてその間のすべての舞台裏をカーテンを上げてのぞき見てみよう。マジック開発部のメンバーは日々の業務として定期的にカードにコメントを残すことが推奨されている。これらのコメントは以前はマルチバースと呼ばれていたドレイクに蓄積され、この記事シリーズで時間と空間を超えて君の端末の画面に運ばれるのだ!
ラヴニカ独自の性質のため、今回は色の分け方がいつもと違ったものになる。今回は単色カードをすべて取り上げ、次回は多色のカードにのみ焦点を当てる予定だ。
今回カードにコメントしているのがが誰か知りたい場合は、こちらをクリックすると表示される。
《突撃するロック鳥》
DOUGB: それはそれとして、このカードは(《ペガサスの駿馬》として)『ドミナリア』と『基本セット2019』にコモンでいる。
EVL: テンプレートが少し違いますよ。
NKM: 実際、今は《ペガサスの駿馬》と全く同じだ。同じカードが同じスタンダードにコモンとアンコモンにいていいのだろうか?
ALLI: もし《ペガサスの駿馬》の単なる再録じゃない新しいカードを作ったら、この誘発はもう飛んでるクリーチャーを対象に取れないようにできますか?
NKM: 《ペガサスの駿馬》とはちょっと違うようになった。飛んでいないクリーチャーにだけ飛行を与える。
《ペガサスの駿馬》はここ最近ちょっと出しゃばりすぎで、そしてその真の強さが分かってアンコモンに格上げされた。今回の《ペガサスの駿馬》を高いレアリティの新しい似たようなバージョンにする機会で、アリは飛行を持たないクリーチャーだけを対象にできないかと尋ねてきた。これは他の飛行クリーチャーと攻撃したときに、《突撃するロック鳥》の誘発型能力が不要なクリックを増やすことを軽減するということを除けば変な質問に思えるかもしれない。小さいことだが簡単にできる生活の質の向上だ。
《鼓舞する一角獣》
NKM: このカードは教導から注目を逸らさせていないかな?
EVL: 考慮すべきことですが、パーマネントに乗るカウンターは十分違うものだと思いますよ。.
TABAK: 白の濃いデッキでより上手く回るように、エリックが{3}{W}→{2}{W}{W}に変更しました。
NKM: テンプレートに合わせた変更。全部が修整を受けるときに「(カード名)と他のクリーチャー」と書く必要はない。
コモンやアンコモンの穴埋めをするときに考慮するべきことのひとつは、セットの主要なメカニズムを楽しくなさそうに見せるカードをデザインしないようにすることだ。ここでは、ナットは《鼓舞する一角獣》の全体強化能力が、比較してみるとボロスの新しい能力である教導をつまらなくするのに十分な強さではないかと心配した。その心配はもっともだが、最終的に教導による恒久的なカウンターと《鼓舞する一角獣》の一時的な強化は十分な違いがあると判断された。助かったよ、ナット!
《一斉検挙》
MR: 白が破壊するときにパワーを参照してタフネスは参照しないことについて話をしたことがある。タフネスを参照するのは直接ダメージのように感じられる。
EVL: カラー・パイの議論が終わる前にこのカードを構築フォーマットで使ってみたいですね。
ID: 最近のカラー・パイ会議で、我々は白がパワーやタフネスや点数で見たマナ・コストを参照することに賛成した。
マジックの色というのはものすごく重要で、それらの色を隔てていいる境界線をぼやけさせないようにするようデザイナーは常に心に留めておかなければいけない。この5つの色はマジックの歴史を通して不変であるにも関わらず、時とともに進化を続けてきた。マークは白のさまざまなサイズのクリーチャーを破壊する能力に懸念を示した。結局のところ、白がクリーチャーのパワーやタフネスやコストを参照することは本当に重要なことだ!
《賽銭ガニ》
DOUGB: 名前を微調整。
ABRO: 場外会議でタフネスを1追加。
DSJ: これによりウィスコンシンガニと呼ばれるようになった。
ELI: このアートのどこにもチーズがないので、それができるかどうかは分からないな。
一部のカードはそのパワー・レベルにより愛されていて、その他は言い伝えとの深い結び付きによって愛されている。しかしここでの《賽銭ガニ》などの一部のカニは、簡単に面白い名前がついて、奈落でのドラフトのテストで常に部員を悩ませる能力で高い評価を得ている。ドナルドとオミック/Donald and Omikの給水装置の管理者の両名がこれで大ウケしていた。
《ギルド会談》
MDT: これは素晴らしい門へのご褒美ですね。
TABAK: 最後の能力は、門が1つあなたのコントロール下で戦場に出たとき、にするべきでは?
GSV: いい指摘だ。修正したよ。
YS: マジでスパイシーだ。安いマナ基盤のデッキ向けの基柱カードにワクワクしてる。
KEN: 門上陸は「瑪瑙/Agate」って名前のカードを印刷させないようにしてる?
ALLI: どうでしょう。誰も《門を這う蔦》でもう1枚《門を這う蔦》を持ってこれるとは思わないし。
AF: これは面白そうだな。
NKM: 書式を調整。点数で見たマナ・コストを{4}{U}→{2}{U}に。
コメディをしながらスパイシーで楽しいカードを見ることはあまりない。ケンとアリはデベロップ中のコメントでこれを「門」のジョークで殺そうとした。上手く行けば、イーライはリリースノートに《門を這う蔦》では誘発しないと書かなくてもいいだろう。
《夢喰い》
KEN: 正しくスキームするとパーマネントをバウンスするようになったよ。これ自身を戻せる。
ELI: 唱えたときの誘発が嫌ならこういうバージョンもある。「カード名が戦場に出たとき、スキーム3を行う。その後あなたはあなたのライブライーの一番上のカードを公開してもよい。そうしたとき、公開されたカードと同じ点数で見たマナ・コストをもパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。」
EVL: ありがとうイーライ。
EEF: FFLは「点数で見たマナ・コストがX以下」を提案している。自分自身をバウンスできるべきではない。
EVL: いいでしょう。
EEF: FFL会議で3/3 スキーム4が提案された。
ABRO: X以下の土地でないパーマネントではなくコストに関係なくクリーチャーをバウンスするようになった。自身も含めて自分のクリーチャーも戻すことができる。
JDR: 空の盤面でこれを唱えるのはおかしい。{4}{U}{U}でスキーム4をバイバックというのもちょっと変だ。
ABRO: 自身をバウンスできないように戻した。
ABRO: 3/3→4/3。
EVL: 4/3→3/4、クリーチャーだけでなく対戦相手のコントロールする土地以外のパーマネントをバウンスするようにした。
NKM: 机の横の話し合いで再帰誘発能力が望ましいということが確認された。
ELI: この追加の誘発の文は能力を分けているので、諜報をするまで対象を取らない。これは新しめの物事で、『アモンケット』のカードで見られた後『基本セット2019』で取り上げられた。
これにはちょっと手間がかかった。幸運にも、これの最初のデザインは現在の形に調整することができた多くの流動的な部分を持っていた。内部では、我々はそれらの部分を「節」と呼んでいる。パワーやタフネス、マナ・コスト、ルール・テキストの数字、さまざまな対象を取るものの制約などだ。《夢喰い》は節がたくさんあって、コメントを見てわかるようにかなりの調整を施された!
《破滅を囁くもの》
ABRO: 新しいデザインだ。スキームするデーモン。
MDT: すごいデザインと名前!
DSJ: スキームしてるのかABRO?
YS: これの能力の起動コストにマナがかからないことにはいつも驚いている。
EVL: 5マナ5/5に。
MJJ: 《這い寄る恐怖》と使うと強そうだ。
EVL: いい指摘ですね、モンス。とはいえ理にかなっています。
ABRO: 強化候補だ。
EVL: 構築フォーマット向けに5/5→6/6に。
ABRO: 6/5に下げた。
EVL: フューチャー・フューチャー・リーグで6/6に戻りました。
《破滅を囁くもの》はプレイヤーにゲーム中いつでも諜報をする方法を与えるために作られた。インスタント速度で諜報することの恩恵を受けたい? 《破滅を囁くもの》が助けてくれる! これの興味深いところは、この飛んでるデカブツは能力を起動するのにマナやタップがいらないところだ。近年最も繰り返されている能力は我々が「門」と呼んでいるものだ。いや、あのタップ状態で戦場に出る土地のことじゃない。門とは通るのにコストがかかる入り口という意味だ。一般的に、これらの門はマナ・コストやそれ以外の繰り返しにくいコストがかかる。《破滅を囁くもの》は無限に諜報をさせてくれる……君のライフが尽きるまで。
《切断された糸》
EVL: 新作です。
ELI: 「対戦相手のコントロールしているクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する」というのはどうだろうか? Magic OnlineやMTG Arenaで生け贄に捧げるクリーチャーを最初にクリックした場合、そのスペルをフィズらせてしまいがちだ。
ALLI: イーライに賛成。《投げ飛ばし》問題は多くのMOプレイヤーの間で定期的に起こっている。
NKM: エリックは対戦相手のクリーチャーを破壊する、を許可したよ。
NKM: 生け贄に捧げたクリーチャーのタフネスに応じてライフを獲得することは、有意義な生け贄を推奨する。
デジダル・マジックの生活をより簡単にするもうひとつのテンプレートの事例だ。《切断された糸》の場合、小さな代償が存在する。対戦相手のクリーチャーが戦場にいない場合、自分のクリーチャーを生け贄に捧げてライフを回復させようとすることはできない。これは《投げ飛ばし》のようなカードで現在時々起こる、対象を取るのか生け贄に捧げるのか混同してしまう問題にプレイヤーが遭遇しないように行われた。君はこういうことを意識したマジックのデザインの変化をどう思う?
《ロッテスの巨人》
GSV: 5/5に上げる
GSV: {5}{B}5/5→{6}{B}6/6。
TABAK: エリック、確認ですが各対戦相手ではなく対戦相手1人を対象に取るのですか? このセット(と最近のセット)の他のカードは「各対戦相手」です。
ABRO: 6/5に下げる。
DOUGB: 統率者戦の多くでは、どこからでもゲームが終わる。
JDR: 対象の対戦相手だともっと楽しくなるとも思っている。
NKM: これは《欄干のスパイ》/《地底街の密告人》デッキのとても効果的な勝ち手段なのか? つまり自分をミルしてこれを《戦慄の復活》したら勝つ? これはそのデッキの多くのスロットを自由にできる。
ABRO: これがOops All Spellsデッキにどんな影響を与えるか議論した。スロットが2つ自由になることではそんなに針は動かない。
ABRO: そっちの墓地に何体クリーチャーいる? おお、《ロッテスの巨人》食らった。
NKM: 「各」ではなく「対戦相手1人を対象とする」になった。
しばしば、我々は幅広い層のプレイヤーを興奮させ、多彩なプレイスタイルに対応するカードを何枚かデザインするように注意している。最近、「対戦相手1人」や「対象の対戦相手」ではなく「各対戦相手」というテンプレートが増えていることに気づいているかもしれない。競技的な1対1の試合では、これはだいたい同じことなので、一部のカードに多人数戦だと強くなるテンプレートを使うことは理にかなっている。しかしたまに、これが不適切な場合がある。《ロッテスの巨人》が複数のプレイヤーに当たる場合、面白くない方法で終わってしまうゲームが多すぎたのだ。最後に、ここで我々はエターナル・フォーマットが適切なサポートされているかどうかを熱心に見ている。
《ゴブリンの旗持ち》
GSV: {1}{R}2/2速攻、流動石だ。
GSV: 教導を追加。
GSV: 流動石→火吹き。
GSV: チームで話し合った結果、構築フォーマット向けに試してみるために1マナ軽くして1/1にした。
ABRO: ここでゴブリンのままにしておくことは重要だ。
NKM: 火吹き→{1}{R}:+2/+0に。多色デッキでちょっと強くなるはずだ。
流動石とは「{1}:ターン終了時まで+1/-1」という意味の古い能力で、火吹きとは「{R}:ターン終了時まで+1/+0」という意味の赤の能力だ。火吹きは赤単デッキでは強力だが、ボロスやイゼットのアグレッシブなデッキを使いたいなら幾分弱くなる。『ラヴニカのギルド』は多色に焦点を当てたセットなので、我々は他の色を足すことの恩恵をプレイヤーに与えたいと考えた。火吹きに微調整を加えて、このカードは2色目と一緒にプレイして輝く一方で赤単でも強さを残すことができた。
《ゴブリンのクレーター掘り》
EVL: 1ゲームマッチで使えるアンコモンを試してみます。
NKM: テンプレートを《輪の信奉者》のようなモード選択式にした。
ID: DSJは3色デッキで扱いやすいように{1}{R}2/1で1マナとサクるのを提案している。
ABRO: もっと多くのデッキがこれをプレイできるように{1}{R}2/1に強化。FFLより。
NKM: ヴィンテージのデッキにもこれが入るものがあると思う。この汎用性はピッタリだ。
ABRO: カーンを殺せるようにした。
NKM: 2/2にした。多分ウィザードじゃない。
TABAK: この小さなゴブリンが多元宇宙最強最古の存在を倒す力を持っているんですか? 注目のストーリー?
ELI: ウギンは寝ようとしてるときに上がる花火が大嫌いだ。
NKM: 2つ目のモードを「無色で土地でないパーマネント」にした。ウギンは殺せるままだ。
皆が皆サイドボードを作って2本先取のマッチで遊んでいるわけではない。《ゴブリンのクレーター掘り》は座ってすぐに戦いたいマジックのプレイヤー向けのカードだ。伝統的なマッチを行いたいプレイヤーにも、問題のあるパーマネントに対するメインデッキからの対策は恩恵となる。カーンとウギンは気をつけろよ!
《無効皮のフェロックス》
NKM: アーティファクトとエンチャントからの呪禁にした。
ABRO: 以前は5/5でアーティファクトとエンチャントからの呪禁だった。
ABRO: 6/6でクリーチャー以外は唱えられないようにした。
NKM: どのプレイヤーも起動型能力を起動できて、完全な呪禁。エリックと神話の壁のコメントより。
ID: これが一番いい形に見える、条件付き呪禁はいい感じだ。
フューチャー・フューチャー・リーグはコントロール・デッキに対して有効だが、具体的な「打ち消されない」というテキストが含まれていないカードを求めていた。デベロップのこの時点では、我々はモダンで「ホロウワン」デッキの人気が上昇していることに気づいていなかった。対戦相手がお安く《グルマグのアンコウ》を唱えようと《燃え立つ調査》を唱えたとしよう――この無料のフェロックスを戦場に叩きつけてやれ!
神話の壁とは大判サイズで1つのセットの全神話レアを掲示する場所のことだ。開発部のメンバーはドレイクにするのと同じようにそこに行ってコメントを残すことが推奨されている。
《セレズニアのロケット》
GSV: ケンとイアンの提案した少し違うバージョンのロケットを試してみよう。4マナで2枚ドローだ。
EVL: サクるのに2CDに。
KEN: CCDD,{T}, サクる?
KEN: ごった煮の5色デッキをナーフするためCCDD,{T}に。
EVL: 5色デッキでは辛いまま、2色や3色のデッキで強くするようにHHHH、サクるに。
表記についての説明:CとDは2つの異なる色を表していて、具体的にどの色というわけではない。ここでは白と緑ということになる。Hは混成マナ・シンボルを表しているが、これも特定の組み合わせを表しているわけではない。
我々は以前のラヴニカのセットの印鑑や導き石などのマナ・アーティファクトを進化させたいと考えた。ドラフトのテスト中、これらは我々の望んだより5色デッキで強力だったので、これらを生け贄に捧げる能力は正しい2色の組み合わせにとってより魅力的なものになるように調整された。
《ギルドパクトの大剣》
GSV: 新しいのを試そう。
KEN: 僕は使ってて楽しかったよ。
KEN: タフネスは増えなくなったけどトランプルと絆魂がつくようになったよ。
KEN: トランプルと絆魂だったけど警戒と威迫になった。これでどうかな。
NKM: 警戒と威迫の順番を入れ替え。
しかし、なぜだナット? どうして警戒と威迫の順番を入れ替えたんだ? うん、一般的にカードがテンプレート化されるとき、能力が書かれる順番は与えられたターンに意識する可能性が高いものからだ。警戒と威迫を持つクリーチャーがいる場合、攻撃してもタップしないということを対戦相手がそのクリーチャーを2体以上でしかブロックできないということよりも先に知る必要がある。注意! このルールには多くの例外があり、そのカードの他の能力やテキストの量によって変化する。嫌わないでくれ。
《ギルド門通りの公有地》
KEN: 《広漠なる変幻地》/《進化する未開地》、《ゆらめく岩屋》よりもこのカードが好きだよ。
KEN: 門になった! 《迷路の終わり》プレイヤーは喜ぶぞ!
ELI: 今、門は11個になる。
あらゆる場所の門ファンがこのどこでもない11番目の門に恵まれた。ほとんどのセットにはリミテッドのマナ基盤のためにコモンの多色土地がある。今回は、セット内とのカードとのシナジーだけでなく、ラヴニカ自身の雰囲気も捉えた新しいバージョンを印刷する機会を得た。
またまた時間が来てしまった! 次回は『ラヴニカのギルド』の多色カードを見ていこう。
ダン・マッサー (@daniis7)
(Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)
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